【税理士が解説】所得控除とは?15種類の一覧表と適用条件を完全ガイド

【税理士が解説】所得控除とは?15種類の一覧表と適用条件を完全ガイド
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。

所得控除とは?15種類の一覧表と適用条件を完全ガイド

「自分が使える所得控除がわからない」「控除の申告漏れで損をしているかも」とお悩みの方に向けて、所得控除15種類の一覧表・適用条件・年末調整と確定申告の使い分けを、税理士が具体的なシミュレーション付きで完全解説します。

🏆 結論:所得控除は「使い漏れ」が最大の敵

所得控除とは、所得税を計算する際に所得金額から一定額を差し引ける制度で、全15種類あります。適用できる控除が多いほど課税所得が減り、税額が下がります。会社員は年末調整で12種類が処理されますが、医療費控除・寄附金控除(ふるさと納税含む)・雑損控除の3つは確定申告が必要です。控除の申告漏れは毎年数万円〜数十万円の「見えない損失」につながるため、この記事で自分に該当する控除を一つずつチェックしてください。

所得控除とは?しくみを30秒で理解する

所得控除とは、所得税の計算で所得金額から一定額を差し引ける制度のことです。納税者一人ひとりの事情(家族構成、医療費の負担、保険料の支払いなど)に応じて税負担を調整する目的で設けられています。

所得税の計算の流れは「収入 − 必要経費 = 所得金額 → 所得金額 − 所得控除 = 課税所得金額 → 課税所得金額 × 税率 − 税額控除 = 納付税額」です。所得控除が大きいほど課税所得が減り、結果として税額が下がります。

📐 所得税の計算イメージ

収入500万円 − 給与所得控除144万円 = 所得356万円
所得356万円 − 所得控除118万円 = 課税所得238万円
課税所得238万円 × 税率10% − 控除額9.75万円 = 所得税約14万円

この例では所得控除118万円(基礎控除48万円+社会保険料控除70万円)が適用されていますが、もし配偶者控除38万円と生命保険料控除12万円を追加で適用できれば、課税所得は188万円に下がり、所得税は約9万円に減ります。年間約5万円の節税です。

💡 実務のポイント

年間100件以上の確定申告を支援してきた経験上、所得控除の「使い漏れ」で毎年3万円〜10万円を損している方が非常に多いです。特に多いのが、家族の社会保険料を自分が払っているのに控除し忘れるケース、セルフメディケーション税制を知らないケース、そして扶養に入れられる親の存在を見落としているケースです。

参考: 国税庁「No.1100 所得控除のあらまし」

所得控除15種類の完全一覧表

所得控除は全部で15種類あり、「人的控除」(納税者本人や家族に関する控除)と「物的控除」(支出に関する控除)の2つに大きく分かれます。以下の一覧表で全体像を把握してください。

人的控除(7種類)

控除名 概要 控除額 年末調整 所得制限
基礎控除全ての納税者に適用最大48万円2,500万円超で0
配偶者控除所得48万円以下の配偶者あり最大38万円本人1,000万円超で不可
配偶者特別控除配偶者の所得48万円超133万円以下最大38万円本人1,000万円超で不可
扶養控除16歳以上の扶養親族あり38〜63万円扶養親族の所得48万円以下
障害者控除本人・配偶者・扶養親族が障害者27〜75万円なし
寡婦控除夫と死別・離婚後未婚の女性27万円500万円以下
ひとり親控除子を扶養するひとり親35万円500万円以下
勤労学生控除給与所得等がある学生27万円75万円以下

物的控除(8種類)

控除名 概要 控除額上限 年末調整 確定申告必須
社会保険料控除健康保険・年金等の保険料支払額全額
小規模企業共済等掛金控除iDeCo・小規模企業共済の掛金支払額全額
生命保険料控除生命・介護・個人年金保険料最大12万円
地震保険料控除地震保険の保険料最大5万円
医療費控除年間医療費が10万円超最大200万円×必須
寄附金控除ふるさと納税・特定寄附金所得の40%−2千円×必須※
雑損控除災害・盗難・横領による損害計算式による×必須

※寄附金控除のうち、ふるさと納税はワンストップ特例を使えば確定申告不要(年間5自治体以内かつ確定申告不要の給与所得者に限る)

あなたに該当する所得控除は?【状況別チェック表】

15種類もの所得控除を一つずつ確認するのは大変です。まずは以下の状況別チェック表で、自分に該当する可能性のある控除を絞り込んでください。

あなたの状況 独身
扶養なし
共働き
子あり
片働き
配偶者あり
ひとり親 個人事業主
基礎控除
社会保険料控除
配偶者控除
配偶者特別控除
扶養控除
ひとり親控除
生命保険料控除
小規模企業共済等掛金控除
医療費控除
寄附金控除

○=該当する可能性が高い △=条件次第で該当 —=通常は該当しない

実務で多いのが、共働き世帯で子供の扶養控除をどちらの配偶者で適用するかを最適化していないケースです。税率が高い方の配偶者で適用した方が節税効果が大きくなるため、夫婦で話し合って決めることをおすすめします。

人的控除の詳細解説(7種類)

基礎控除(48万円)

基礎控除とは、合計所得金額が2,500万円以下の全ての納税者に適用される控除です。合計所得金額が2,400万円以下であれば48万円、2,400万円超になると段階的に減額され、2,500万円超で0円になります。

配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者控除は、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が48万円以下(給与収入のみなら年収103万円以下)の場合に適用されます。控除額は最大38万円(70歳以上の老人控除対象配偶者は48万円)です。

配偶者の所得が48万円を超え133万円以下の場合は、配偶者特別控除が適用されます。配偶者の所得が増えるにつれて控除額は段階的に減少し、133万円(給与収入201.6万円)で0円になります。

配偶者控除の判定フローと年収別の控除額一覧は、「配偶者控除・配偶者特別控除の判定フロー|年収別の控除額一覧」で詳しく解説しています。

扶養控除

扶養控除は、16歳以上の扶養親族(合計所得金額48万円以下)がいる場合に適用されます。控除額は扶養親族の年齢と同居の有無によって異なります。

区分 年齢 控除額
一般の控除対象扶養親族16歳以上19歳未満38万円
特定扶養親族19歳以上23歳未満63万円
一般の控除対象扶養親族23歳以上70歳未満38万円
老人扶養親族(同居)70歳以上(同居)58万円
老人扶養親族(別居)70歳以上(別居)48万円

扶養控除の対象者と要件の詳細は、「扶養控除の対象者と要件|年齢別の控除額と特定親族特別控除」をご覧ください。

💡 実務のポイント

見落としが多いのが「別居の親」の扶養控除です。親が年金収入のみで年金額が158万円以下(65歳以上の場合)であれば、仕送りをしていれば扶養控除の対象になります。70歳以上の別居の親なら控除額は48万円で、税率20%の方なら約9.6万円の節税効果があります。

障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除

これらの控除は該当する方が限定されますが、適用し忘れると年間数万円の損失になります。障害者控除は本人だけでなく配偶者や扶養親族が障害者の場合にも適用されます。ひとり親控除は2020年に新設された控除で、婚姻歴の有無や性別を問わず、子を扶養するひとり親に35万円の控除が適用されます。

詳細は「障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除の要件と控除額」で解説しています。

物的控除の詳細解説(8種類)

社会保険料控除

社会保険料控除は、本人または生計を一にする配偶者・親族の社会保険料を支払った場合に、その全額を所得から差し引ける控除です。対象となる保険料は、健康保険料、厚生年金保険料、国民健康保険料、国民年金保険料、介護保険料、雇用保険料などです。

実務で特に注意すべきなのが、「子供の国民年金保険料を親が代わりに支払った場合」です。この場合、実際に支払った親の社会保険料控除として申告できます。年間約20万円の保険料が丸々控除になるため、税率20%の方なら約4万円の節税効果があります。

詳細は「社会保険料控除とは?対象となる保険料の種類と確定申告のやり方」をご覧ください。

小規模企業共済等掛金控除

iDeCo(個人型確定拠出年金)、小規模企業共済、企業型確定拠出年金の掛金は、その全額が所得控除の対象です。社会保険料控除と同様に上限なく全額控除できるため、節税効果が非常に大きい控除です。

詳細は「小規模企業共済等掛金控除とは?iDeCo・小規模企業共済の節税効果」をご覧ください。

生命保険料控除

生命保険料控除は、一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の3区分それぞれに最大4万円(旧契約は5万円)、合計で最大12万円の控除が受けられます。

計算方法の詳細は「生命保険料控除の計算方法|新制度・旧制度の違いと申告のやり方」で解説しています。

地震保険料控除

地震保険料控除は、地震保険料を支払った場合に最大5万円の控除が受けられます。火災保険のみの場合は対象外ですが、地震保険は火災保険とセットで加入するため、自分の火災保険に地震保険が付帯されているか確認してください。

詳細は「地震保険料控除とは?対象となる保険と控除額の計算方法」をご覧ください。

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医療費控除

医療費控除は、本人または生計を一にする配偶者・親族の医療費を年間10万円(所得200万円未満の人は所得の5%)以上支払った場合に適用される控除です。控除額は「支払った医療費 − 保険金等の補填額 − 10万円」で計算し、最大200万円まで控除できます。

なお、年間の医療費が10万円に達しない場合でも、ドラッグストアで購入した対象医薬品が年間1.2万円を超えていれば、セルフメディケーション税制(最大8.8万円の控除)が使える場合があります。医療費控除との選択適用です。

対象一覧と計算方法は「医療費控除の対象一覧と計算方法|確定申告のやり方までわかりやすく解説」、セルフメディケーション税制は「セルフメディケーション税制とは?医療費控除との違いと確定申告のやり方」で解説しています。

寄附金控除(ふるさと納税含む)

寄附金控除は、国・地方公共団体・特定公益増進法人等への寄附金について、「寄附金 − 2,000円」を所得から差し引ける控除です。ふるさと納税もこの控除に該当します。

ふるさと納税のしくみと確定申告の方法は「ふるさと納税のしくみと確定申告|限度額計算・ワンストップ特例を完全解説」で詳しく解説しています。

雑損控除

雑損控除は、災害・盗難・横領によって生活用資産に損害を受けた場合に適用されます。「差引損失額 − 総所得金額等の10%」と「災害関連支出 − 5万円」の大きい方が控除額です。控除しきれない場合は翌年以降3年間の繰越が可能です。

詳細は「雑損控除とは?災害・盗難で損害を受けたときの確定申告」をご覧ください。

確定申告でしか使えない3つの控除【申告チェックリスト】

15種類の所得控除のうち、医療費控除・寄附金控除・雑損控除の3つは年末調整では適用できず、確定申告が必須です。この3つの控除は「申告しなければ使えない」ため、該当する方は必ず確定申告を行ってください。

控除名 申告のきっかけ 必要書類 申告期限
医療費控除年間医療費が10万円超医療費控除の明細書5年以内
寄附金控除ふるさと納税等の寄附をした寄附金受領証明書5年以内
雑損控除災害・盗難・横領の被害被害額の証明書類5年以内

⚠️ 注意:還付申告は5年間遡れる

確定申告の期限(翌年3月15日)を過ぎてしまっても、還付申告は5年間有効です。過去の医療費控除やふるさと納税の申告漏れに気づいた方は、今からでも確定申告を行えば税金が戻ってきます。たとえば3年前のふるさと納税10万円の申告漏れがあれば、約9.8万円分の控除が使えます。

確定申告の基本的な手順は「確定申告とは?やり方・必要書類・期限をわかりやすく解説」で解説しています。

所得控除と税額控除の違い【節税効果シミュレーション】

所得控除と混同されやすいのが「税額控除」です。どちらも税金を減らす制度ですが、計算の仕組みが異なり、同じ金額なら税額控除の方が節税効果が大きくなります。

比較項目 所得控除 税額控除
差し引く対象所得金額から差し引く税額から直接差し引く
節税効果控除額 × 税率控除額そのまま
種類数15種類住宅ローン控除、配当控除など
手続き年末調整 or 確定申告原則として確定申告

同じ10万円での節税効果の違い

📐 シミュレーション前提条件

  • 課税所得金額:300万円(税率10%)
  • 比較する控除額:10万円
項目 所得控除10万円の場合 税額控除10万円の場合
課税所得290万円300万円
所得税額(控除前)19.25万円20.25万円
節税効果1万円10万円

※所得控除の節税効果は「控除額×税率」のため、税率が高い人ほど効果が大きくなります。税率20%の人なら所得控除10万円で2万円の節税になります。

所得控除の適用忘れランキングTOP5

年間100件以上の確定申告を支援してきた経験から、適用忘れが多い所得控除をランキング形式で紹介します。

順位 忘れやすい控除 よくあるパターン 年間の損失目安
1位医療費控除家族全員の医療費を合算すると10万円超なのに気づかない1〜5万円
2位扶養控除(別居の親)年金暮らしの親に仕送りしているのに扶養に入れていない7〜12万円
3位社会保険料控除(家族分)子供の国民年金保険料を代わりに支払っているのに控除していない4〜8万円
4位小規模企業共済等掛金控除iDeCoに加入しているのに年末調整で申告し忘れる3〜7万円
5位ひとり親控除制度を知らない(2020年新設のため)5〜10万円

※損失目安は税率20%の場合の所得税+住民税の節税効果。税率が高いほど損失額は大きくなります。

📊 公認会計士の視点

所得控除の適用漏れを5年分まとめて修正申告した方のケースでは、還付金が合計40万円を超えたこともあります。特に「別居の親の扶養控除」は毎年見落としやすく、5年分×7万円=35万円の損失になることもあります。年末調整の時期に源泉徴収票を見直す習慣をつけることをおすすめします。

年収別の所得控除シミュレーション

所得控除の節税効果は、適用される税率によって変わります。所得税は累進課税のため、年収が高いほど控除1万円あたりの節税効果が大きくなります。

年収(給与) 所得税率 所得控除10万円の
所得税節税額
住民税も合わせた
節税額合計
300万円5%5,000円15,000円
500万円10%10,000円20,000円
700万円20%20,000円30,000円
1,000万円23%23,000円33,000円

※概算値です。住民税は一律10%で計算。実際の節税額は各種控除の適用状況により異なります。

たとえば年収700万円の方が、別居の親の扶養控除(48万円)と子供の国民年金保険料の社会保険料控除(約20万円)の2つを追加適用すれば、年間約20.4万円の節税になります。

年末調整と確定申告の使い分け

会社員の場合、所得控除の大半は年末調整で処理されますが、一部は確定申告が必要です。以下の判定フローで確認してください。

あなたの状況 必要な手続き
会社員で控除証明書を年末調整で提出した年末調整のみでOK(医療費・寄附金・雑損を除く)
年末調整で生命保険料控除を出し忘れた確定申告(還付申告)で追加適用できる
年間の医療費が10万円を超えた確定申告が必要(年末調整では不可)
ふるさと納税をした(6自治体以上)確定申告が必要(ワンストップ特例の対象外)
個人事業主・フリーランス15種類すべて確定申告で申告

年末調整の対象者・必要書類・スケジュールは「【税理士×社労士が解説】年末調整とは?しくみ・対象者・手続きの流れを完全ガイド」で解説しています。

💡 実務のポイント

年末調整で控除を出し忘れた場合は、翌年1月末までに勤務先に再年末調整を依頼するか、自分で確定申告(還付申告)をすれば控除を追加適用できます。還付申告は翌年1月1日から5年間いつでも行えるため、「年末調整で出し忘れた=もう取り返せない」ということはありません。

所得控除を最大化するための実務チェックリスト

毎年の年末調整・確定申告の前に、以下のチェックリストで適用できる控除を確認してください。

確認 チェック項目
家族(配偶者・子・親)の年間所得を確認したか?
別居の親を扶養控除に入れられないか確認したか?
家族の国民年金保険料を代わりに支払っていないか?
iDeCoの掛金控除証明書を年末調整で提出したか?
生命保険料の控除証明書を全て提出したか(旧契約含む)?
年間の医療費(家族分合算)が10万円を超えていないか?
ドラッグストアのレシートで対象医薬品が1.2万円超ないか?
ふるさと納税の寄附金受領証明書を保管しているか?
地震保険に加入していないか?(火災保険の付帯を確認)
共働きの場合、扶養控除をどちらで適用するか決めたか?

所得控除を税理士に相談するメリット

所得控除の適用判断が複雑なケースでは、税理士に相談することで適用漏れを防ぎ、最大限の節税効果を得られます。特に、複数の所得がある方、家族構成が変わった年、高額な医療費が発生した年などは、専門家のアドバイスが有効です。

鮎澤パートナーズでは、所得控除の適用チェックから確定申告の代行まで、ワンストップで対応しています。「自分はどの控除が使えるか」からご相談いただけます。

青色申告を活用した節税については「青色申告のメリット|特別控除65万円の条件と届出の方法」もご覧ください。

よくある質問(FAQ)

所得控除と税額控除はどちらが得ですか?
同じ金額であれば税額控除の方が節税効果は大きいです。所得控除は「控除額×税率」分しか税金が減りませんが、税額控除は控除額がそのまま税金から差し引かれます。ただし、所得控除と税額控除は選択ではなく、該当する全ての控除を適用できます。
所得控除は複数同時に受けられますか?
はい、条件を満たしていれば15種類の所得控除を全て同時に適用できます。ただし、寡婦控除とひとり親控除のように、どちらか一方しか選択できない控除もあります。また、医療費控除とセルフメディケーション税制も選択適用です。
年末調整で控除を出し忘れました。もう取り返せませんか?
取り返せます。確定申告(還付申告)を行えば、年末調整で出し忘れた控除を追加適用できます。還付申告は翌年1月1日から5年間有効です。たとえば生命保険料控除を出し忘れた場合、控除証明書を持って確定申告をすれば、納め過ぎた税金が還付されます。
パート収入103万円の壁と所得控除はどう関係しますか?
パート収入103万円以下は、給与所得控除55万円を差し引くと所得が48万円以下になるため、配偶者控除の対象となります。パート収入が103万円を超えても201.6万円未満であれば、段階的に配偶者特別控除が適用されます。
個人事業主が受けられる所得控除は会社員と違いますか?
所得控除の種類自体は同じ15種類です。ただし、個人事業主は年末調整がないため、15種類の全てを自分で確定申告する必要があります。また、小規模企業共済等掛金控除(小規模企業共済は個人事業主向け)や社会保険料控除(国民健康保険・国民年金)の対象が会社員と異なります。
住民税でも所得控除は使えますか?
はい、住民税でも所得控除が適用されます。ただし、住民税の所得控除額は所得税の控除額と異なる場合があります(たとえば基礎控除は所得税48万円に対し住民税43万円)。確定申告をすると、そのデータが自動的に市区町村に送られるため、住民税の所得控除は別途申告する必要はありません。
ふるさと納税はワンストップ特例を使えば確定申告不要ですか?
はい、ふるさと納税先が年間5自治体以内で、かつ確定申告が不要の給与所得者であれば、ワンストップ特例で確定申告は不要です。ただし、医療費控除など他の理由で確定申告をする場合は、ワンストップ特例が無効になるため、ふるさと納税分も確定申告に含める必要があります。
所得控除の申告漏れは何年前まで遡って修正できますか?
還付申告は5年前まで遡ることが可能です。たとえば過去3年間にわたって医療費控除の申告を忘れていた場合、今からでも3年分の確定申告を行って税金の還付を受けられます。ただし、既に確定申告を行っている年度の修正は「更正の請求」という手続きが必要で、こちらも5年以内です。
扶養に入れられる親の収入はいくらまでですか?
親の合計所得金額が48万円以下であれば扶養控除の対象となります。年金収入のみの場合、65歳以上の親は年金額158万円以下(公的年金等控除110万円を差し引くと所得48万円以下)、65歳未満の親は年金額108万円以下が目安です。別居していても、定期的に仕送りをしていれば「生計を一にする」として認められます。
所得控除をフルに活用すれば所得税がゼロになることもありますか?
はい、あり得ます。たとえば年収300万円の方で、基礎控除48万円+社会保険料控除45万円+配偶者控除38万円+扶養控除38万円+生命保険料控除12万円+iDeCo27.6万円を適用すると、所得控除の合計は約209万円。給与所得控除後の所得202万円を超えるため、課税所得はゼロになります。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 所得控除は全15種類。適用できる控除が多いほど税金が減る
  • 「人的控除」(7種類)と「物的控除」(8種類)に大別される
  • 医療費控除・寄附金控除・雑損控除の3つは確定申告が必須
  • 年末調整で出し忘れても、確定申告(還付申告)で追加適用可能
  • 別居の親の扶養控除や子供の年金保険料の社会保険料控除は特に見落としやすい
  • 所得控除と税額控除は仕組みが違う。同じ金額なら税額控除の方が効果大
  • 還付申告は5年間有効。過去の申告漏れに気づいたら今からでも取り返せる

所得控除の適用漏れは「見えない損失」です。この記事のチェックリストを使って、自分に該当する控除を一つずつ確認してください。確定申告の全体的な手順は「確定申告とは?やり方・必要書類・期限をわかりやすく解説」で解説しています。

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