【税理士監修】生命保険料控除の計算方法|新制度・旧制度の違いと申告のやり方

【税理士監修】生命保険料控除の計算方法|新制度・旧制度の違いと申告のやり方
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。

生命保険料控除の計算方法|新制度・旧制度の違いと申告のやり方

「保険料控除の計算が複雑でわからない」「新制度と旧制度の両方に加入しているけど、どう計算すればいいの?」とお悩みの方に向けて、控除額の計算方法・新旧併用時の最適パターン判定・年末調整と確定申告の記入手順まで完全ガイドします。

🏆 結論:生命保険料控除は最大12万円(所得税)の節税効果

生命保険料控除は、支払った保険料に応じて所得税で最大12万円・住民税で最大7万円の所得控除を受けられる制度です。新制度(2012年以降契約)は3区分で各上限4万円、旧制度(2011年以前契約)は2区分で各上限5万円。新旧両方に加入している場合は、3パターンのうち最も有利な方法で控除を受けられます。令和8年分に限り、23歳未満の扶養親族がいる子育て世帯は一般枠が6万円に拡充されます。

生命保険料控除とは?基本的なしくみ

生命保険料控除とは、その年に支払った生命保険料の一部を所得から差し引ける「所得控除」の一つです。所得税法第76条に基づく制度で、保険料の負担に対して税負担を軽減する役割があります。

会社員の方は年末調整で、個人事業主・フリーランスの方は確定申告で控除を受けます。保険料控除証明書(毎年10月頃に届く)を添付して申請する必要があります。

生命保険料控除の3つの区分

控除区分 対象となる保険 対象外の例
一般生命保険料控除死亡保険・学資保険・終身保険・定期保険・収入保障保険保険期間5年未満の貯蓄保険、団体信用生命保険、財形保険
介護医療保険料控除
(新制度のみ)
医療保険・がん保険・介護保険・就業不能保険傷害保険のみの契約、身体の傷害のみに起因する保険金
個人年金保険料控除「税制適格特約」付きの個人年金保険税制適格特約なしの個人年金保険、変額年金保険(一般枠扱い)

💡 実務のポイント

実務で最も多い質問が「医療保険は何の区分?」です。旧制度では医療保険は一般生命保険料控除に含まれていましたが、新制度では介護医療保険料控除という独立した区分になりました。契約時期によって区分が変わるため、保険料控除証明書の記載をよく確認しましょう。

控除の対象になる条件

生命保険料控除を受けるには、以下の条件を全て満たす必要があります。

(1)保険金等の受取人が、契約者本人・配偶者・その他の親族(6親等内の血族と3親等内の姻族)であること
(2)保険期間が5年以上であること(貯蓄保険・貯蓄共済の場合)
(3)国内の生命保険会社または外国の生命保険会社の国内営業所で締結した契約であること
(4)財形貯蓄契約・財形年金貯蓄契約でないこと

参考: 国税庁「No.1140 生命保険料控除」

新制度と旧制度の違い【5項目比較表】

生命保険料控除には「新制度」と「旧制度」があり、保険契約の締結時期によってどちらが適用されるかが決まります。2012年(平成24年)1月1日が境目です。

比較項目 新制度(2012年1月1日以降) 旧制度(2011年12月31日以前)
控除区分一般・介護医療・個人年金の3区分一般・個人年金の2区分
各区分の上限(所得税)4万円5万円
各区分の上限(住民税)2.8万円3.5万円
合計の上限(所得税)12万円(4万×3区分)10万円(5万×2区分)
合計の上限(住民税)7万円7万円

⚠️ 注意:旧契約でも新制度になるケース

2011年12月31日以前に締結した契約でも、2012年1月1日以降に更新・転換・特約の中途付加を行った場合、その年以降は新制度が適用されます。契約時期だけでなく、更新歴も確認してください。保険料控除証明書に「新制度」「旧制度」の記載があるので、必ずチェックしましょう。

控除額の計算方法【新制度・旧制度別の早見表】

生命保険料控除の計算は、年間の払込保険料を計算式に当てはめて行います。ここでは新制度・旧制度それぞれの計算式と、金額別の早見表を掲載します。

新制度の控除額計算式(所得税)

年間払込保険料 控除額の計算式
20,000円以下払込保険料の全額
20,001円〜40,000円払込保険料 × 1/2 + 10,000円
40,001円〜80,000円払込保険料 × 1/4 + 20,000円
80,001円以上一律 40,000円

新制度の控除額計算式(住民税)

年間払込保険料 控除額の計算式
12,000円以下払込保険料の全額
12,001円〜32,000円払込保険料 × 1/2 + 6,000円
32,001円〜56,000円払込保険料 × 1/4 + 14,000円
56,001円以上一律 28,000円

旧制度の控除額計算式(所得税)

年間払込保険料 控除額の計算式
25,000円以下払込保険料の全額
25,001円〜50,000円払込保険料 × 1/2 + 12,500円
50,001円〜100,000円払込保険料 × 1/4 + 25,000円
100,001円以上一律 50,000円

旧制度の控除額計算式(住民税)

年間払込保険料 控除額の計算式
15,000円以下払込保険料の全額
15,001円〜40,000円払込保険料 × 1/2 + 7,500円
40,001円〜70,000円払込保険料 × 1/4 + 17,500円
70,001円以上一律 35,000円

年間払込保険料別の控除額早見表

よく使う金額帯での控除額を一覧にまとめました。保険料控除証明書の金額と照らし合わせてお使いください。

年間保険料 新制度(所得税) 旧制度(所得税) 新制度(住民税) 旧制度(住民税)
2万円20,000円20,000円16,000円17,500円
3万円25,000円25,000円21,000円22,500円
5万円32,500円37,500円26,500円30,000円
8万円40,000円45,000円28,000円35,000円
10万円40,000円50,000円28,000円35,000円
15万円40,000円50,000円28,000円35,000円

※各区分ごとの上限額です。新制度は8万円超・旧制度は10万円超で上限に達します。

新旧両方に加入している場合の計算方法【3パターン比較】

2011年以前から保険に入っていて、2012年以降に新たに保険を追加した方は、新旧両方の制度が混在します。この場合、「一般」と「個人年金」の各区分について3つの計算パターンから最も有利な方法を選べます。

3つの計算パターン

パターン 計算方法 上限(所得税) 有利になるケース
A. 旧制度のみ旧保険料だけで計算5万円旧保険料が年10万円超で控除額が5万円に達する場合
B. 新制度のみ新保険料だけで計算4万円旧保険料が少額で新保険料が高額な場合
C. 新旧併用新+旧の控除額を合算4万円旧制度の控除額が4万円以下で、新制度と合わせると4万円に近づく場合

💡 実務のポイント:パターン選択の判断基準

年間100社以上の確定申告を担当してきた経験上、最もよくある間違いは「新旧併用が常に有利」と思い込んでいるケースです。実は旧制度の保険料が年10万円超の場合は、旧制度のみ(パターンA)を選んだ方が上限5万円で有利になります。併用すると上限が4万円に下がるため、旧保険料が高額な方は注意が必要です。

具体例:新旧両方に加入している場合の比較計算

📐 シミュレーション前提条件

  • 一般生命保険料(旧制度):年間10万円(2008年契約の終身保険)
  • 一般生命保険料(新制度):年間4万円(2020年契約の死亡保険)
  • 介護医療保険料(新制度):年間6万円(2020年契約の医療保険)
  • 個人年金保険料(旧制度):年間12万円(2010年契約の個人年金)

ステップ1:一般生命保険料控除の3パターンを計算(所得税)

パターン 計算過程 控除額
A. 旧制度のみ ⭐最有利旧10万円→上限50,000円50,000円
B. 新制度のみ新4万円→4万×1/2+1万=30,000円30,000円
C. 新旧併用旧50,000+新30,000=80,000→上限40,000円40,000円

→ パターンA(旧制度のみ)が最有利で50,000円の控除

ステップ2:残りの区分を計算(所得税)

介護医療保険料控除:新制度6万円→6万×1/4+2万=35,000円
個人年金保険料控除:旧制度12万円→上限50,000円

ステップ3:合計

一般50,000 + 介護医療35,000 + 個人年金50,000 = 135,000円 → 上限120,000円

→ この場合の生命保険料控除の合計は所得税12万円です。

参考: 国税庁「旧生命保険料と新生命保険料の支払がある場合の生命保険料控除額」

あなたはどのパターン?5ステップ判定フロー

複数の保険に加入している場合、どの計算方法を使えばいいか迷うことがあります。以下の5ステップで判定してください。

ステップ 確認内容 判定
1保険料控除証明書に「新制度」「旧制度」の区分を確認新制度のみ → ステップ5へ
旧制度のみ → ステップ5へ
両方あり → ステップ2へ
2旧制度の一般保険料は年10万円超か?はい → 旧制度のみで控除(上限5万円)
いいえ → ステップ3へ
3旧制度の一般保険料で計算した控除額は4万円超か?はい → 旧制度のみが有利(5万円の上限を活かせる)
いいえ → ステップ4へ
4新旧併用の合計は4万円を超えるか?はい → 新旧併用(上限4万円)
いいえ → 新旧併用(合計がそのまま控除額)
5全区分の控除額を合計して上限チェック所得税12万円・住民税7万円が上限

🧮 判定のコツ

判定の核心は「旧制度の控除額が4万円を超えるかどうか」です。超えるなら旧制度のみが有利(上限5万円を使える)。超えないなら新旧併用で合計4万円まで使えます。個人年金保険料控除でも同じロジックで判定してください。

控除でいくら節税できる?所得税率別シミュレーション

生命保険料控除は「所得控除」であり、税率を掛けた金額が実際の節税額になります。控除額だけ見ても「結局いくら得するの?」がわかりにくいので、所得税率別に計算してみましょう。

📐 シミュレーション前提条件

  • 復興特別所得税(2.1%)は考慮せず簡略化
  • 住民税の税率は一律10%
  • 控除額は所得税・住民税それぞれの上限まで使い切った場合
課税所得 所得税率 所得税の節税額
(控除12万円の場合)
住民税の節税額
(控除7万円の場合)
合計節税額
195万円以下5%6,000円7,000円13,000円
330万円以下10%12,000円7,000円19,000円
695万円以下20%24,000円7,000円31,000円
900万円以下23%27,600円7,000円34,600円
1,800万円以下33%39,600円7,000円46,600円

※概算値です。復興特別所得税を含めると所得税部分はさらに2.1%増になります。正確な計算は税理士にご相談ください。

課税所得が高いほど節税効果は大きくなります。課税所得695万円以下(年収約1,000万円前後)の方で、3区分をフル活用すると年間約3万円の節税効果があります。「数万円なら大したことない」と思うかもしれませんが、毎年確実に使える控除であり、10年で30万円以上の差になります。

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令和8年(2026年)の子育て世帯向け特例措置

令和7年度税制改正により、令和8年(2026年)分の所得税に限り、子育て世帯を対象とした生命保険料控除の拡充措置が実施されます。

📢 令和8年度の特例措置

23歳未満の扶養親族がいる納税者は、新制度の一般生命保険料控除の適用限度額が4万円→6万円に引き上げられます。新旧併用の場合も一般生命保険料控除の上限は6万円になります。介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の上限や、全体の適用限度額(所得税12万円)は変更ありません。なお、令和8年度税制改正の大綱では、この特例を令和9年分にも1年延長する方針が示されています(法案成立が前提)。

子育て世帯特例の影響シミュレーション

所得税率 従来の控除額
(一般枠4万円)
特例適用後
(一般枠6万円)
増加する節税額
5%2,000円3,000円+1,000円
10%4,000円6,000円+2,000円
20%8,000円12,000円+4,000円
23%9,200円13,800円+4,600円
33%13,200円19,800円+6,600円

※一般生命保険料控除の枠のみで見た差額です。すでに3区分合計で12万円に達している場合は影響ありません。

実務的には、すでに一般・介護医療・個人年金の3区分をフルに活用して合計12万円に達している方には影響がありません。一般枠だけを使っている方や、合計12万円に達していない方が恩恵を受けます。

年末調整での申告手順【5ステップ】

会社員・パートの方は年末調整で生命保険料控除を受けるのが基本です。保険料控除申告書の記入手順を5ステップで解説します。

【ステップ1】保険料控除証明書を集める

毎年10月〜11月頃に、加入している生命保険会社から「生命保険料控除証明書」が届きます。複数の保険に加入している場合は、各社からそれぞれ届きます。届かない場合は保険会社に再発行を依頼してください。

確認するポイントは次の3つです。(1)「新制度」「旧制度」の区分、(2)控除区分(一般・介護医療・個人年金)、(3)申告額(12月末までの見込み金額を使用)。

【ステップ2】保険料を区分ごとに集計する

控除証明書を「新制度・旧制度」×「一般・介護医療・個人年金」に分類し、それぞれの年間払込保険料を合計します。

【ステップ3】各区分の控除額を計算する

前述の計算式に当てはめて、各区分の控除額を算出します。新旧両方がある区分は3パターンを比較して最有利を選びます。

【ステップ4】「給与所得者の保険料控除申告書」に記入する

用紙の「生命保険料控除」欄に保険会社名・保険の種類・保険期間・保険料を記入し、控除額を計算結果に基づいて記入します。新制度と旧制度で記入欄が分かれているので、間違えないように注意してください。

【ステップ5】控除証明書を添付して提出する

記入済みの申告書に保険料控除証明書の原本を添付して会社に提出します。マイナポータル連携を利用すれば、電子データでの提出も可能です。

💡 実務のポイント:記入ミスの多い箇所

経験上、年末調整で最も多いミスは「申告額」と「証明額」の取り違えです。控除証明書には9月末時点の「証明額」と12月末までの「申告額(見込み額)」の2つが記載されています。年末調整では「申告額」を使います。途中解約した場合は、実際に支払った金額を記入してください。

確定申告での申告手順

個人事業主・フリーランスの方や、年末調整で保険料控除を申請し忘れた方は確定申告で控除を受けます。なお、所得控除の全体像については「所得控除の種類と一覧」で解説しています。

確定申告書への記入方法

確定申告書第一表の「所得から差し引かれる金額」の「生命保険料控除」欄に控除額の合計を記入します。第二表の「生命保険料控除」欄には、新制度・旧制度ごとに保険料の合計額と控除額を記入します。

e-Taxを利用する場合は、画面の案内に従って保険料の金額を入力すると、新旧の最有利パターンを自動計算してくれるので便利です。e-Taxでは保険料控除証明書の添付を省略できますが、5年間の保存が必要です。

確定申告の基本的な流れについては「確定申告の基礎知識」をご覧ください。

📢 令和8年分からの新ルール

2026年分の確定申告から、保険料控除証明書の原本添付に代えて「記載事項を記載した明細書」の添付が認められます。証明書は5年間の提示要請に備えて保管が必要です。

よくある間違いと対策【5選】

生命保険料控除で実際に間違いやすいポイントを5つ、具体的な対策とあわせてまとめました。

間違いパターン 正しい対応 見逃した場合の影響
「証明額」を使って申告する12月末までの見込み金額「申告額」を使う10〜12月分の保険料が控除から漏れ、数千円の損失
新旧混在で常に「併用」を選ぶ旧制度の控除額が4万円超なら旧制度のみが有利最大1万円の控除額損失(5万vs4万の差)
配偶者が契約者の保険を申告しない保険料を実際に負担している人が控除を受けられる年間数万円分の控除を受け損ねる
変額年金保険を個人年金枠で申告変額年金は税制適格特約がないため一般生命保険料控除の対象区分間違いで年末調整のやり直し
控除証明書を紛失して申告しない保険会社に再発行を依頼(即日〜2週間で届く)年間1〜5万円の節税機会の損失

💡 実務のポイント:配偶者名義の保険料

「保険の契約者が妻なのに、夫が控除を受けられるのか?」という質問をよく受けます。結論は「保険料を実際に負担している人」が控除を受けられます。たとえば妻名義の保険でも、夫の口座から保険料が引き落とされていれば、夫の年末調整で控除を受けることが可能です。ただし、受取人が配偶者または親族であることが条件です。

生命保険料控除を最大限に活用するチェックリスト

以下の8項目を確認して、控除の取りこぼしを防ぎましょう。

チェック項目 ポイント
全ての保険の控除証明書を揃えたか共済・少額短期保険も対象になることがある
新制度・旧制度の区分を正しく分類したか更新・転換で新制度に変わっていないか確認
「申告額」(見込み額)を使用しているか「証明額」ではなく年末までの見込み金額を使う
新旧併用の最有利パターンを計算したか旧制度の控除額が4万円超なら旧制度のみが有利
配偶者負担の保険料を確認したか保険料を実際に負担している人が控除を受ける
3区分全てを活用しているか死亡保険だけでなく医療保険・個人年金も対象
子育て世帯特例(令和8年)に該当するか23歳未満の扶養親族がいれば一般枠6万円
合計が上限を超えていないか確認したか所得税12万円・住民税7万円が上限

生命保険料控除は、他の所得控除と組み合わせることで大きな節税効果を発揮します。年末調整の全体的な流れについては「【税理士×社労士が解説】年末調整とは?しくみ・対象者・手続きの流れを完全ガイド」で解説していますので、あわせてご確認ください。

対象となる保険契約と対象外の保険

保険に加入していても、全ての保険が控除の対象になるわけではありません。対象外のケースを正しく把握しておくことで、申告ミスを防げます。

対象外となる主な保険契約

保険の種類 対象外の理由
保険期間5年未満の貯蓄保険・貯蓄共済短期的な節税目的の利用を防止するため
団体信用生命保険住宅ローンの返済保障であり、保険料も金利に含まれるため
財形貯蓄契約・財形年金貯蓄契約別途の非課税制度が適用されるため
外国で締結した保険契約日本国内の営業所を通じていない契約は対象外
傷害保険のみの契約身体の傷害のみに起因する保険金は新制度では対象外
税制適格特約なしの個人年金保険個人年金保険料控除ではなく一般生命保険料控除の対象

⚠️ 個人年金保険料控除の「税制適格特約」の要件

個人年金保険料控除を受けるには「税制適格特約」の付加が必要です。この特約は次の全てを満たす契約に付けられます。(1)年金受取人が契約者本人または配偶者、(2)保険料の払込期間が10年以上、(3)年金の受取開始が60歳以降、(4)年金の受取期間が10年以上(確定年金の場合)。条件を満たしていても後から特約を付けられない保険会社もあるため、契約時に確認することが重要です。

他の所得控除との関係

生命保険料控除は、所得控除の一つです。他の所得控除と合わせて活用することで、効果的な節税が可能になります。青色申告特別控除との併用については「青色申告のメリット」で詳しく解説しています。

保険料に関連する3つの所得控除

所得控除 対象となる保険料 上限額(所得税)
生命保険料控除生命保険・医療保険・個人年金保険12万円
社会保険料控除健康保険・厚生年金・国民年金等上限なし(全額控除)
地震保険料控除地震保険料5万円

社会保険料控除は支払額の全額が控除されるため、控除証明書の添付を忘れなければ取りこぼしは少ないです。一方、生命保険料控除は計算が必要で、地震保険料控除は控除証明書の紛失で漏れるケースがあります。所得控除の種類と活用方法の全体像は「所得控除の一覧と活用ガイド」をご確認ください。

よくある質問(FAQ)

生命保険料控除の上限はいくらですか?
所得税で最大12万円、住民税で最大7万円です。新制度は一般・介護医療・個人年金の3区分で各4万円(所得税)、旧制度は一般・個人年金の2区分で各5万円(所得税)が上限です。新旧併用の場合は全体で所得税12万円・住民税7万円が上限になります。
新制度と旧制度はどうやって見分ければいいですか?
保険料控除証明書に「新制度」「旧制度」の記載があります。基本的な判定基準は、2012年1月1日以降に契約した保険が新制度、それ以前の契約が旧制度です。ただし、旧契約でも2012年以降に更新・転換・特約付加をした場合は新制度に切り替わります。
新旧両方に加入している場合、どちらで申告すれば有利ですか?
旧制度の保険料だけで控除額が4万円を超える場合は、旧制度のみで申告した方が有利です(上限5万円を使えるため)。旧制度の控除額が4万円以下なら、新旧併用で合計4万円まで使えます。3パターンを実際に計算して、最も大きい金額を選んでください。
配偶者が契約者の保険でも控除を受けられますか?
はい。生命保険料控除は「保険料を実際に負担している人」が受けられます。たとえば妻名義の保険でも、夫の口座から引き落とされていれば夫の控除対象になります。ただし、保険金の受取人が契約者本人・配偶者・その他の親族であることが条件です。
年末調整で控除を申請し忘れた場合はどうすればいいですか?
確定申告で還付を受けられます。翌年1月1日から5年間は還付申告が可能です。確定申告書に保険料の金額を記入し、控除証明書を添付して提出してください。e-Taxなら証明書の添付は省略でき(5年保存義務あり)、自宅から手続きできます。
法人で加入している保険の保険料は生命保険料控除の対象になりますか?
法人が契約者で保険料を負担している場合は、法人の損金として処理され、個人の生命保険料控除の対象にはなりません。ただし、法人が負担した保険料が「給与」として課税される場合は、その金額について従業員が生命保険料控除を受けられることがあります。
令和8年の子育て世帯特例はどうすれば適用されますか?
年末時点で23歳未満の扶養親族がいる方が対象です。年末調整では、扶養控除等申告書に扶養親族の情報を正しく記入していれば自動的に適用されます。特別な届出は不要です。一般生命保険料控除(新制度)の上限が4万円から6万円に引き上げられますが、3区分合計の上限12万円は変わりません。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 生命保険料控除は所得税で最大12万円・住民税で最大7万円の所得控除
  • 新制度は3区分(各4万円)、旧制度は2区分(各5万円)で計算式が異なる
  • 新旧両方に加入している場合は3パターンを計算し、最有利を選ぶ
  • 旧制度の控除額が4万円超なら「旧制度のみ」が有利(上限5万円を活かせる)
  • 令和8年分は23歳未満扶養ありの子育て世帯で一般枠が6万円に拡充
  • 「証明額」ではなく「申告額」を使う・配偶者負担の保険料も控除対象になる

生命保険料控除は毎年確実に使える節税手段です。保険料控除証明書が届いたら、この記事の計算式と判定フローで最有利のパターンを確認してください。計算に迷った場合は、お気軽に税理士にご相談ください。

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