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住宅ローン控除の初年度の確定申告は終わったけれど、2年目以降はどうすればいいのかわからない方に向けて、年末調整の必要書類・記入手順・還付時期・トラブル対処法を完全ガイドします。この記事を読めば、毎年の年末調整で迷わず住宅ローン控除を受け続けられます。


住宅ローン控除の初年度の確定申告は終わったけれど、2年目以降はどうすればいいのかわからない方に向けて、年末調整の必要書類・記入手順・還付時期・トラブル対処法を完全ガイドします。この記事を読めば、毎年の年末調整で迷わず住宅ローン控除を受け続けられます。
🏆 結論:2年目以降は書類2点を勤務先に提出するだけ
住宅ローン控除の2年目以降は、①税務署から届く「住宅借入金等特別控除申告書」と②金融機関から届く「年末残高等証明書」の2点を年末調整時に勤務先に提出するだけで手続き完了です。初年度のような確定申告は不要で、還付金は12月〜翌1月の給与に上乗せされます。ただし個人事業主や年収2,000万円超の方は2年目以降も確定申告が必要です。
住宅ローン控除の手続きは、初年度と2年目以降で大きく異なります。まず全体像を把握しましょう。
| 項目 | 初年度(1年目) | 2年目以降 |
|---|---|---|
| 手続き方法 | 確定申告(必須) | 年末調整(会社員の場合) |
| 手続き時期 | 翌年2/16〜3/15(還付申告は1/1〜) | 10月〜11月頃(勤務先の指定時期) |
| 必要書類数 | 7〜8種類 | 2種類 |
| 手続きの手間 | 登記事項証明書や契約書の準備が必要で負担大 | 届いた書類に記入して提出するだけ |
| 還付時期 | 申告後1〜1.5ヶ月で指定口座に振込 | 12月〜翌1月の給与に上乗せ |
| 提出先 | 税務署(e-Tax可) | 勤務先の経理・総務部門 |
実務では「初年度の確定申告が大変だった」という声をよく聞きますが、2年目以降は格段に簡単です。届いた書類に記入して勤務先に出すだけなので、10分もあれば完了します。住宅ローン控除の基本的なしくみについては「住宅ローン控除とは?適用要件・控除額・確定申告の方法を完全解説」をご覧ください。
2年目以降の年末調整で住宅ローン控除を受けるために必要な書類は、以下の2点です。
正式名称は「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」です。初年度の確定申告後に、控除期間の残り年数分がまとめて税務署から送付されます。
💡 実務のポイント:控除期間分がまとめて届く
たとえば控除期間が13年の場合、初年度の確定申告後に残り12年分の申告書が一括で届きます。毎年1枚ずつ使用するため、紛失しないよう大切に保管してください。現場でよくあるのが、引っ越しの際にまとめて紛失してしまうケースです。もし紛失した場合の対処法は後述します。
なお、初年度の確定申告をe-Taxで行い、電子交付を選択した場合は、紙の書類は届かず、e-Taxのメッセージボックスからダウンロードする形になります。
住宅ローンを借り入れている金融機関から、毎年10月〜11月頃に郵送されます。その年の年末時点のローン残高見込み額が記載されており、控除額の計算に使用します。金融機関によって書式や名称が異なりますが、内容は同じです。
⚠️ 繰上げ返済をした場合の注意
年末残高等証明書は10月頃の残高をもとに年末残高を「見込み」で計算しています。10月以降に繰上げ返済をすると、証明書の残高と実際の年末残高にズレが生じます。この場合は金融機関に連絡して正しい残高の証明書を再発行してもらう必要があります。
令和5年(2023年)以降に住宅ローン控除を開始した方には、従来の「証明書方式」に加えて「調書方式」という新しい手続きが利用可能になっています。
| 項目 | 証明書方式(従来) | 調書方式(新方式) |
|---|---|---|
| 残高情報の流れ | 金融機関→本人→税務署 | 金融機関→税務署→本人 |
| 年末残高等証明書 | 必要(金融機関から毎年届く) | 不要(国税当局から年末残高情報が提供される) |
| 手続き | 証明書を自分で提出 | 金融機関に適用申請書を提出(初回のみ) |
| 対象時期 | 全期間 | 令和6年以降、移行準備が整った金融機関から順次 |
調書方式に対応した金融機関を利用している場合、年末残高等証明書の提出が不要になり手続きがさらに簡便になります。ご自身の金融機関が調書方式に対応しているかは、金融機関に直接確認してください。
住宅借入金等特別控除申告書の記入手順を8ステップで解説します。書類の上半分が「申告書」、下半分が「証明書」(税務署が記入済み)の構成です。
| ステップ | 記入内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ① | 氏名・住所・勤務先名を記入 | 住所は住民票の住所(年末時点の居住地) |
| ② | 年末残高等証明書の残高を転記 | 複数のローンがある場合はそれぞれ記入 |
| ③ | 取得対価の額を確認 | 下半分の証明書欄に記載済み。変更なしなら転記 |
| ④ | ②と③を比較して少ない方の金額を記入 | ローン残高<取得対価ならローン残高が控除対象 |
| ⑤ | 居住用割合を確認 | 100%居住用ならそのまま。事業用部分があれば按分 |
| ⑥ | 控除額の計算(④×居住用割合×0.7%) | 100円未満切り捨て |
| ⑦ | 連帯債務がある場合の調整 | 連帯債務者の負担割合に応じて按分 |
| ⑧ | 年末残高等証明書を添付して勤務先に提出 | 勤務先の提出期限に間に合うよう早めに準備 |
💡 実務のポイント:記入で迷いやすいのはステップ④と⑦
ステップ④の「取得対価とローン残高の比較」は、ローン残高が大きいと取得対価が上限になるという仕組みです。ほとんどの場合はローン残高の方が小さいため、ローン残高がそのまま控除対象になります。ステップ⑦の連帯債務がなければ記入不要なので、単独ローンの方はステップ⑥まで記入すればほぼ完了です。
年末調整の全体的な流れや他の控除との関係については「【税理士×社労士が解説】年末調整とは?しくみ・対象者・手続きの流れを完全ガイド」もご参照ください。
年末調整で住宅ローン控除が適用されると、還付金は12月または翌年1月の給与に上乗せされて支給されるのが一般的です。給与明細には「所得税還付」「年末調整還付金」などと記載されます。会社によっては12月の賞与と合わせて支給される場合もあるため、勤務先に確認してください。
還付金額は「年末ローン残高×0.7%」が基本ですが、実際に戻ってくる金額は所得税額が上限です。住宅ローン控除額が所得税額を超える場合、超えた分は翌年度の住民税から控除されます(上限:前年の課税総所得金額等×5%、最高9.75万円)。
| 年収 | 年末ローン残高3,000万円の控除額 | 実際の還付額の目安 |
|---|---|---|
| 年収400万円 | 21万円 | 約15〜18万円(所得税+住民税控除上限に制約) |
| 年収600万円 | 21万円 | 約21万円(概ね全額控除可能) |
| 年収800万円 | 21万円 | 約21万円(全額控除可能) |
※概算値です。扶養親族数や他の所得控除により変動します。
会社員であっても、以下のケースでは2年目以降も年末調整ではなく確定申告が必要です。
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 個人事業主・フリーランス | 年末調整の対象外のため毎年確定申告が必要 |
| 年収2,000万円超の会社員 | 年末調整の対象外(確定申告が義務) |
| 年末調整で書類提出を忘れた場合 | 確定申告(還付申告)で控除を受けられる |
| 初年度の確定申告をしていない場合 | まず初年度の還付申告を行う必要がある |
| 2か所以上から給与を受けている場合 | 主たる給与以外は年末調整の対象外 |
個人事業主の確定申告については「確定申告とは?対象者・期限・必要書類をわかりやすく解説」で詳しく解説しています。また、青色申告を行っている方は「青色申告のメリットと届出方法」もあわせてご確認ください。
住宅ローン控除の年末調整で起きやすいトラブルとその対処法を一覧でまとめます。
| トラブル | 対処法 | 所要期間の目安 |
|---|---|---|
| 控除申告書を紛失した | 税務署に「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」を提出して再発行。e-Taxでも申請可能 | 1〜2週間 |
| 年末残高等証明書が届かない | 金融機関に連絡して再発行を依頼。発送時期は通常10月中旬〜11月初旬 | 1〜2週間 |
| 年末調整の提出期限に間に合わなかった | ①勤務先に1月末までの再提出が可能か確認 ②不可なら自分で確定申告(還付申告)を行う | 確定申告なら翌年1月〜 |
| 繰上げ返済で残高が変わった | 金融機関に正しい残高の証明書を再発行してもらう | 1〜2週間 |
| 初年度の確定申告後に税務署から書類が届かない | 確定申告から1〜2ヶ月で届く。届かない場合は所轄税務署に問い合わせ | 問い合わせ後1〜2週間 |
💡 実務のポイント:提出を忘れても5年間は取り戻せる
年末調整で住宅ローン控除の書類を出し忘れても、確定申告(還付申告)を行えば最長5年前まで遡って控除を受けられます。「忘れたから今年はもう無理だ」とあきらめる必要はありません。ただし、確定申告の手続きが別途必要になるため、できるだけ年末調整の段階で提出するのが楽です。
住宅ローンの借換えをした場合でも、一定の要件を満たせば引き続き住宅ローン控除を受けられます(国税庁タックスアンサーNo.1233)。
借換え後のローンが以下の2つの要件を両方満たすことが必要です。
| No. | 要件 |
|---|---|
| 1 | 新しい住宅ローンが当初の住宅の取得等のために借り入れた住宅ローンの返済のためのものであること |
| 2 | 新しい住宅ローンの返済期間が10年以上であること |
借換えで増額した場合、控除対象となるローン残高は次のように計算します。
📐 借換え後の控除対象残高の計算式
実務では、借換えで諸費用を上乗せして借入額が増えるケースがよくあります。この場合、上乗せ分は控除対象外になるため、按分計算が必要です。計算方法に不安がある場合は税理士に相談することをおすすめします。
参考: 国税庁「No.1233 住宅ローン等の借換えをしたとき」
転勤で住宅を離れた場合、住宅ローン控除は原則として適用できなくなります。しかし、帰任して再び居住を開始した場合は、残りの控除期間について再適用を受けることができます(国税庁タックスアンサーNo.1234)。
本人が転勤・単身赴任で転居しても、配偶者や扶養親族等が引き続きその住宅に居住している場合は、住宅ローン控除を継続できます。この場合は年末調整で通常どおり手続きすればOKです。
| ステップ | 手続き内容 |
|---|---|
| ① | 転居前に「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を税務署に提出 |
| ② | 帰任後、再び居住を開始した年の確定申告で控除の再適用を申請 |
| ③ | 再適用が認められれば、翌年以降は年末調整で控除を継続 |
⚠️ 注意:控除期間は延長されない
転勤で不在だった期間分だけ控除期間が延長されるわけではありません。たとえば控除期間13年のうち3年間転勤で不在だった場合、戻ってきてから残り10年分の控除を受けることはできますが、合計の控除期間は13年のままです。転勤期間中に使えなかった3年分の控除は失われます。
海外出向から帰国した場合の年末調整の注意点については、帰国年は日本での居住期間に応じた所得で計算される点に留意してください。帰国年は確定申告で住宅ローン控除を再適用し、翌年から年末調整に切り替えるのが一般的です。
参考: 国税庁「No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等」
住宅ローン控除に関連する年間の手続きスケジュールを整理します。
| 時期 | イベント | やるべきこと |
|---|---|---|
| 10月中旬〜11月初旬 | 年末残高等証明書が届く | 届いたら内容を確認し保管。届かない場合は金融機関に連絡 |
| 10月〜11月 | 勤務先から年末調整書類が配布される | 控除申告書を記入し、残高等証明書と一緒に提出 |
| 11月〜12月初旬 | 勤務先の提出期限 | 期限内に必ず提出。間に合わない場合は経理に相談 |
| 12月〜翌1月 | 還付金の支給 | 給与明細で「所得税還付」を確認 |
| 翌年6月 | 住民税への控除反映 | 住民税決定通知書で控除額を確認(所得税で引ききれなかった分) |
住宅ローン控除は「税額控除」、生命保険料控除や地震保険料控除は「所得控除」です。種類が異なるため、問題なく併用できます。所得控除で課税所得が減った後に、住宅ローン控除で税額から直接差し引かれる流れです。
2年目以降、年末調整で住宅ローン控除を受ける場合は、ふるさと納税のワンストップ特例制度を利用できます(初年度は確定申告が必要なためワンストップ特例は使えません)。ただし、住宅ローン控除で所得税がゼロに近くなると、ふるさと納税の控除上限額に影響する場合があります。所得控除の全体像については「所得控除一覧|全15種類の適用要件と控除額」をご確認ください。
📋 この記事のポイント