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特定支出控除とは?対象となる支出と確定申告のやり方
「仕事のために自腹で資格を取ったけれど、会社員は経費にできないのか?」とお考えの方に向けて、特定支出控除の対象7項目・計算方法・確定申告手順を完全ガイドします。この記事を読めば、自分が制度を使えるかどうか判断し、実際に申告できるようになります。


「仕事のために自腹で資格を取ったけれど、会社員は経費にできないのか?」とお考えの方に向けて、特定支出控除の対象7項目・計算方法・確定申告手順を完全ガイドします。この記事を読めば、自分が制度を使えるかどうか判断し、実際に申告できるようになります。
🏆 結論:特定支出控除は「使える人は限られるが、該当すれば節税効果が大きい」
特定支出控除とは、会社員が業務に関連して自己負担した経費(通勤費・研修費・資格取得費など7項目)が、給与所得控除額の2分の1を超えた場合に、超えた分を追加控除できる制度です。年末調整では適用できず、確定申告が必要です。利用率は全給与所得者の0.003%程度と少数ですが、MBAや士業資格の取得費用など高額な自己負担がある方には大きな節税になります。
特定支出控除とは、給与所得者(会社員・公務員など)が業務に必要な支出を自己負担した場合に、その金額が一定の基準を超えたときに給与所得から追加で差し引ける制度です。
通常、会社員の経費は「給与所得控除」として自動的に差し引かれます。しかし、実際の業務関連支出が給与所得控除をはるかに上回るケースもあります。そうした場合に、自己負担分を追加で控除できるのがこの制度です。
特定支出控除は所得税法第57条の2に規定されています。もともと昭和63年に導入されましたが、当初は要件が厳しく利用者はほとんどいませんでした。平成24年度の改正で対象項目が拡大され、適用基準も「給与所得控除額の全額」から「2分の1」に引き下げられたことで、使いやすくなりました。さらに平成28年度改正では、収入金額の上限区分が撤廃されています。
💡 実務のポイント
実務では、特定支出控除の相談を受けるのは年に数件程度です。利用者が少ない理由は「制度を知らない」こと以上に、「給与所得控除の半額を超えるほどの自己負担がそもそも発生しにくい」ためです。ただし、MBA取得や弁護士・税理士などの資格取得のために自費で数十万円〜百万円単位の費用を負担している方にとっては、知っておいて損のない制度です。
個人事業主は事業に関連する支出を「必要経費」として自由に計上できますが、会社員にはその仕組みがありません。会社員の場合、給与所得控除が「概算の経費」として自動適用されるだけです。特定支出控除は、この自動控除では足りないケースへの救済措置といえます。
| 比較項目 | 会社員(給与所得控除+特定支出控除) | 個人事業主(必要経費) |
|---|---|---|
| 経費の認定方法 | 自動的に給与所得控除+一定超過分のみ追加控除 | 実額を積み上げて計上 |
| 対象範囲 | 7項目に限定 | 事業関連の支出全般 |
| 会社の証明 | 勤務先の証明書が必須 | 不要(自己申告) |
| 申告方法 | 確定申告が必須 | 確定申告で計上 |
特定支出として認められるのは、以下の7項目です。いずれも「職務の遂行に直接必要」であることについて、勤務先(給与の支払者)またはキャリアコンサルタントの証明が必要です。
| No. | 支出項目 | 具体例 | 上限額 | 証明者 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 通勤費 | 電車・バス・自動車の通勤費用 | なし | 勤務先 |
| 2 | 職務上の旅費 | 出張旅費・宿泊費 | なし | 勤務先 |
| 3 | 転居費 | 転勤に伴う引越し費用 | なし | 勤務先 |
| 4 | 研修費 | 業務に必要な研修・セミナー受講料 | なし | 勤務先 or キャリアコンサルタント |
| 5 | 資格取得費 | 弁護士・税理士・MBA等の受験料・学費 | なし | 勤務先 or キャリアコンサルタント |
| 6 | 帰宅旅費 | 単身赴任者の帰省費用 | なし | 勤務先 |
| 7 | 勤務必要経費 | 図書費・衣服費・交際費 | 合計65万円 | 勤務先 |
実務で特定支出控除の相談を受けるケースの大半は、資格取得費と研修費です。平成25年分以後は弁護士・公認会計士・税理士などの資格取得費も対象に含まれるようになり、利用の幅が広がりました。
たとえば、会社の業務に直接必要な資格取得のために予備校や大学院に通い、年間100万円以上を自己負担するケースでは、特定支出控除の適用ハードルを十分に超える可能性があります。
⚠️ 注意
勤務先から補填される部分(所得税が非課税の通勤手当や、会社負担の研修費など)は特定支出に含まれません。また、雇用保険の教育訓練給付金が支給される場合も、その金額は差し引く必要があります。つまり、あくまで「自己負担で、会社からの補填がない部分」だけが対象です。
7番目の「勤務必要経費」は、さらに3つに細分化されます。図書費(業務関連の書籍・定期刊行物の購入費)、衣服費(制服・スーツなど勤務場所で着用が必要な衣服の購入費)、交際費(取引先への接待・贈答費用)の3種類です。これらは合計で年間65万円が上限となっている点に注意してください。
特定支出控除の計算は、次の手順で行います。計算式はシンプルですが、「適用判定の基準額」を超えているかどうかの確認が最初のポイントです。
ステップ1として、給与所得控除額を算出します。ステップ2で、その給与所得控除額の2分の1(=適用判定の基準額)を計算します。ステップ3で、特定支出の合計額から基準額を差し引き、プラスになれば控除額が確定します。
計算式:特定支出控除額 = 特定支出の合計額 − 給与所得控除額 × 1/2
「自分の年収だと、いくら以上の特定支出があれば使えるのか?」を一目で確認できるのが以下の表です。
| 年収(給与収入) | 給与所得控除額 | 適用判定基準額(控除額の1/2) | つまり… |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 98万円 | 49万円 | 特定支出が49万円超で適用 |
| 400万円 | 124万円 | 62万円 | 特定支出が62万円超で適用 |
| 500万円 | 144万円 | 72万円 | 特定支出が72万円超で適用 |
| 700万円 | 180万円 | 90万円 | 特定支出が90万円超で適用 |
| 1,000万円 | 195万円 | 97.5万円 | 特定支出が97.5万円超で適用 |
| 1,500万円 | 195万円 | 97.5万円 | 特定支出が97.5万円超で適用 |
※令和7年分以降の給与所得控除額で計算。年収190万円以下は最低保障額65万円が適用されるため基準額は32.5万円。
💡 実務のポイント
年収400万円の方が特定支出控除を使うには、年間62万円を超える自己負担が必要です。通常の通勤費や研修費程度ではなかなか到達しません。一方、資格取得のために大学院に通って年間120万円を負担しているケースなら、120万円−62万円=58万円の追加控除が受けられます。所得税率10%の方なら約5.8万円、住民税10%と合わせると約11.6万円の節税です。
具体的な数値で、特定支出控除の効果を確認してみましょう。
📐 シミュレーション前提条件
| 項目 | パターンA | パターンB | パターンC |
|---|---|---|---|
| 年収 | 400万円 | 700万円 | 1,200万円 |
| 特定支出合計 | 80万円 | 120万円 | 200万円 |
| 支出の内訳 | 資格取得費70万+図書費10万 | MBA学費100万+研修費20万 | MBA学費150万+通勤費30万+図書費20万 |
| 給与所得控除額 | 124万円 | 180万円 | 195万円 |
| 適用判定基準額(1/2) | 62万円 | 90万円 | 97.5万円 |
| 特定支出控除額 | 18万円 | 30万円 | 102.5万円 |
| 想定所得税率 | 5% | 10% | 23% |
| 節税額(所得税+住民税概算) | 約2.7万円 | 約6万円 | 約33.8万円 |
※概算値です。個別の状況により異なります。正確な計算は税理士にご相談ください。
パターンCのように高年収かつ高額な自己負担がある方では、30万円以上の節税効果が見込めます。特定支出控除は「使える人が限られる制度」ですが、該当する場合の効果は決して小さくありません。
以下の10項目をチェックして、自分が特定支出控除を利用できるか確認してみてください。
| No. | チェック項目 | 該当 |
|---|---|---|
| 1 | 給与所得者(会社員・公務員等)である | □ |
| 2 | 業務に直接必要な支出を自己負担している | □ |
| 3 | 支出は7つの対象項目(通勤費・旅費・転居費・研修費・資格取得費・帰宅旅費・勤務必要経費)のいずれかに該当する | □ |
| 4 | 勤務先から費用の補填を受けていない(または補填分は非課税扱い) | □ |
| 5 | 特定支出の合計額が、給与所得控除額の2分の1を超えている | □ |
| 6 | 勤務先から「特定支出に関する証明書」をもらえる | □ |
| 7 | 領収書・レシートなどの支出証明書類を保管している | □ |
| 8 | 確定申告をする意思がある(年末調整では適用不可) | □ |
| 9 | 勤務必要経費(図書費・衣服費・交際費)は合計65万円以内である | □ |
| 10 | 教育訓練給付金を受けている場合、その金額を差し引いた後でも基準額を超えている | □ |
1〜8の全てに該当し、9・10に問題がなければ、特定支出控除の適用を受けられる可能性が高いといえます。
特定支出控除は年末調整では適用できません。必ず確定申告が必要です。還付申告として、翌年1月1日から5年間にわたって申告が可能です。以下の5ステップで進めましょう。
特定支出に該当する全ての支出について、領収書やレシートを保管します。1回の乗車等の金額が1,000円以下のものを除き、全て確定申告書に添付または提示が必要です。支出の種類ごとに分類して整理しておくと、後の作業が楽になります。
国税庁のウェブサイトから「給与所得者の特定支出に関する証明書」の様式をダウンロードし、依頼欄に必要事項を記入して勤務先に提出します。証明書は支出の種類ごとに様式が異なるため、通勤費・研修費・資格取得費など、該当する様式を全て用意してください。
令和5年分以降は、研修費・資格取得費のうち教育訓練に係る部分については、キャリアコンサルタントによる証明でも認められるようになりました。
💡 実務のポイント
現場でよく聞くのが「会社に証明書を頼みづらい」という声です。しかし、会社には証明を拒否する法的義務はないものの、合理的な理由なく拒否すれば従業員の不利益になるため、通常は対応してもらえます。証明書の依頼は年明け以降、源泉徴収票の発行と合わせて依頼するとスムーズです。
国税庁の「給与所得者の特定支出に関する明細書」に、支出項目ごとの金額と合計額を記入します。明細書の⑩の金額は確定申告書第二表の「特例適用条文等」欄に、⑪の数字は第一表の「所得金額」欄の給与の「区分」欄に転記します。
確定申告書には「特定支出控除」の独立した記入欄がありません。第一表の「所得金額等」の給与欄に、給与所得控除と特定支出控除の両方を差し引いた後の金額を記入します。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の案内に沿って入力するだけで自動計算されます。
添付書類として、特定支出に関する明細書、勤務先の証明書、領収書等、源泉徴収票を添えて提出します。提出方法はe-Tax(電子申告)、郵送、税務署への直接持参の3つです。e-Taxなら自宅から24時間提出できます。
なお、特定支出控除の確定申告は「還付申告」に該当するため、通常の確定申告期間(2月16日〜3月15日)を待たず、翌年1月1日から申告が可能です。
AYUSAWA PARTNERS
特定支出控除の確定申告は鮎澤パートナーズへ
初回相談無料。税理士・公認会計士が、特定支出控除の適用判定から確定申告書の作成までワンストップで対応します。
鮎澤パートナーズに相談する特定支出控除と混同しやすい制度に「所得金額調整控除」があります。いずれも給与所得から追加控除できる制度ですが、対象者・計算方法・申告方法が全く異なります。
所得金額調整控除には2種類あります。1つは「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」、もう1つは「給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除」です。
| 比較項目 | 特定支出控除 | 所得金額調整控除(子ども等) | 所得金額調整控除(給与+年金) |
|---|---|---|---|
| 対象者 | 全ての給与所得者 | 年収850万円超で23歳未満の子/特別障害者あり | 給与所得と年金所得の両方がある人 |
| 控除額の計算 | 特定支出合計−給与所得控除の1/2 | (年収−850万)×10%(上限15万円) | 最大10万円 |
| 年末調整での適用 | 不可(確定申告のみ) | 可能 | 不可(確定申告のみ) |
| 会社の証明書 | 必要 | 不要 | 不要 |
| 夫婦両方の適用 | それぞれの自己負担に基づく | 夫婦とも可能 | 個人ごとに判定 |
| 根拠法令 | 所得税法第57条の2 | 所得税法第28条の4第1項 | 所得税法第28条の4第2項 |
なお、特定支出控除と所得金額調整控除は併用可能です。所得金額調整控除(子ども等)を先に適用し、その後の給与所得金額から特定支出控除を差し引きます。
年収1,000万円で23歳未満の子どもがいる会社員の場合、所得金額調整控除額は(1,000万円−850万円)×10%=15万円です。この15万円を給与所得から追加控除できます。扶養控除と異なり、共働きの夫婦が双方とも年収850万円超であれば、それぞれが控除を受けられる点が特徴です。
確定申告や所得控除の全体像については「確定申告の基礎知識」で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
「業務に関係する支出なら何でも対象になる」と思いがちですが、実際には対象外となるケースが少なくありません。
| 支出の内容 | 対象外の理由 |
|---|---|
| 自己啓発のための英会話教室(業務と無関係) | 職務の遂行に「直接」必要と認められない |
| 会社が費用を負担した研修 | 自己負担ではない |
| 非課税の通勤手当でカバーされている通勤費 | 補填されており非課税扱い |
| 私的な書籍購入(趣味の読書) | 職務に関連する図書に限定 |
| プライベートの衣服購入 | 勤務場所で着用が必要な衣服に限定 |
| 家族の引越し費用(転勤に伴わないもの) | 転勤に伴う転居費に限定 |
⚠️ 注意
勤務先が証明書を発行してくれない場合、特定支出控除は適用できません。また、証明書を偽って取得した場合には税務上のペナルティの対象になります。勤務先が「業務に必要」と認めた支出に限られる点は、個人事業主の必要経費とは本質的に異なります。
実務で見かける特定支出控除に関する間違いやすいポイントを整理します。
| No. | 間違いの内容 | 正しい取扱い |
|---|---|---|
| 1 | 年末調整で特定支出控除を受けようとする | 年末調整では適用不可。確定申告が必須 |
| 2 | 特定支出の全額が控除できると思っている | 控除できるのは給与所得控除の1/2を超えた部分のみ |
| 3 | 勤務先の証明書なしで申告する | 証明書は必須添付書類。証明書がなければ適用不可 |
| 4 | 勤務必要経費の65万円上限を知らずに全額計上 | 図書費・衣服費・交際費は合計65万円が上限 |
| 5 | 教育訓練給付金を差し引かずに計算する | 給付金の支給額は特定支出から除く必要がある |
特に多いのが2番目の間違いです。「50万円の資格取得費を払ったから50万円の控除」ではなく、あくまで給与所得控除の1/2を超えた分しか控除されません。年収400万円の方なら、50万円の支出に対して控除できるのは50万円−62万円=マイナスとなり、残念ながら適用外です。
特定支出控除の恩恵を受けやすいのは、以下のような方です。
まず、自費でMBAや士業資格を取得している方です。大学院のMBAプログラムは年間100万円〜300万円、税理士や公認会計士の予備校も年間30万円〜80万円程度かかるため、基準額を超えやすくなります。次に、単身赴任で帰省費用が高額な方。毎月の帰省費用が会社から支給されず、年間で数十万円の自己負担がある場合は対象になりえます。また、遠距離通勤で通勤手当が全額カバーされていない方も該当する可能性があります。
一方、通勤手当や研修費が会社から全額支給されている方や、自己啓発の費用はあるが業務との直接的関連が薄い方は、制度の利用が難しいといえます。また、年収が低いほど基準額も低くなりますが、そもそも高額な自己負担が発生しにくいため、実質的に利用しにくくなります。
給与所得の基本的なしくみや給与所得控除の計算方法については「給与所得とは?計算方法・給与所得控除・年収別シミュレーション」を、所得控除全体の一覧は「所得控除の種類一覧」をご覧ください。
特定支出控除とは異なる制度ですが、給与所得者が海外勤務や外国株式の配当などで外国に税金を納めた場合、外国税額控除の適用を受けられることがあります。
外国税額控除の対象となる「外国法人税」には、外国の法令に基づいて課される法人税に相当する税金が該当します。具体的には、外国の所得税や利子・配当に対する源泉税などが含まれます。一方、罰金・延滞税に相当するものや、税の実質が所得に対する税ではないもの(関税、付加価値税など)は対象外です。
外国税額控除は確定申告で適用を受ける必要があり、外国税額控除に関する明細書を添付します。詳しくは国税庁タックスアンサーNo.1240をご参照ください。
特定支出控除を受けるために確定申告をする場合でも、勤務先での年末調整は通常どおり行う必要があります。確定申告の際に源泉徴収票が必要になるため、年末調整を済ませていないと手続きが滞ります。
10月〜11月に年末調整の書類を勤務先に提出し、12月の給与で精算が行われます。その後、翌年1月以降に源泉徴収票を受け取り、特定支出控除の確定申告を行います。還付申告なので、翌年1月1日から5年間いつでも申告可能です。
青色申告のメリットについては「青色申告のメリット」で解説しています。給与所得者でも不動産所得や事業所得がある場合は、青色申告との組み合わせも検討してみてください。
💡 実務のポイント
特定支出控除の相談に来られる方の中には「年末調整を受けたら確定申告はできないのでは?」と心配される方がいます。しかし、年末調整済みの方でも確定申告は可能です。むしろ、年末調整を受けた源泉徴収票がないと特定支出控除の確定申告ができません。「年末調整を受けてから、確定申告で上乗せ控除を申請する」という流れです。
所得金額調整控除(子ども・特別障害者等)は、年末調整で適用できる数少ない追加控除の一つです。「給与所得者の基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」に必要事項を記入して勤務先に提出します。
年収850万円超の給与所得者で、次のいずれかに該当する場合に適用されます。本人が特別障害者に該当する場合、23歳未満の扶養親族がいる場合、または特別障害者である同一生計配偶者・扶養親族がいる場合です。
控除額は(給与等の収入金額−850万円)×10%で計算され、上限は15万円(年収1,000万円超の場合も1,000万円として計算)です。扶養控除とは異なり、同一の子について夫婦双方が控除を受けられる点が重要です。
給与所得控除後の給与金額と公的年金等に係る雑所得の金額がある人で、その合計額が10万円を超える場合に適用されます。こちらは年末調整では適用できず、確定申告が必要です。控除額は最大10万円です。
2種類の所得金額調整控除は併用可能ですが、適用順序に注意が必要です。「子ども・特別障害者等を有する者等」の控除を先に適用し、その後に「給与所得と年金所得の双方を有する者」の控除を適用します。
年末調整の基本的な流れについては「【税理士×社労士が解説】年末調整とは?しくみ・対象者・手続きの流れを完全ガイド」で解説しています。
📋 この記事のポイント
特定支出控除は利用者が少ない制度ですが、該当する方にとっては大きな節税効果があります。特に自費での資格取得や単身赴任中の帰省費用など、高額な自己負担がある方は、一度計算してみることをおすすめします。
AYUSAWA PARTNERS
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