公認会計士 第47928号・税理士 第159175号
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「誰が相続人になるの?」「自分の取り分はどのくらい?」とお悩みの方に向けて、法定相続人の範囲・優先順位・相続割合の計算方法を完全ガイドします。この記事を読めば、ご自身の家族構成でのルールを正確に理解できます。


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🏆 結論:配偶者は常に相続人、それ以外は順位で決まる
法定相続人とは、民法で定められた相続する権利を持つ人のことです。配偶者は常に法定相続人になります。配偶者以外は第1順位(子)→第2順位(父母・祖父母)→第3順位(兄弟姉妹)の優先順位があり、上位の順位の人がいれば下位の人は相続人になれません。法定相続分(取り分の割合)は相続人の組み合わせによって変わります。
法定相続人とは、民法第886条〜第890条で定められた「相続する権利を持つ人」のことです。被相続人(亡くなった方)の遺産を受け継ぐことができる人は、法律で範囲が決まっています。
法定相続人になれるのは、被相続人の「配偶者」と「血族」のみです。ここでいう配偶者は法律婚の配偶者に限られ、内縁関係(事実婚)の相手は法定相続人になれません。
| 続柄 | 法定相続人になれるか | 備考 |
|---|---|---|
| 配偶者(法律婚) | ○ 常になる | 別居中・離婚調停中でも婚姻関係があればOK |
| 内縁の配偶者 | × | 婚姻届がなければ相続権なし |
| 子(実子・養子) | ○ 第1順位 | 胎児も出生すればカウント |
| 孫 | △ 代襲相続の場合のみ | 子が先に死亡していれば相続人になる |
| 父母 | ○ 第2順位 | 第1順位がいない場合のみ |
| 祖父母 | △ | 父母が先に死亡していれば相続人になる |
| 兄弟姉妹 | ○ 第3順位 | 第1・第2順位がいない場合のみ |
| 甥・姪 | △ 代襲相続の場合のみ | 兄弟姉妹が先に死亡していれば |
| 配偶者の連れ子 | ×(養子縁組すれば○) | 婚姻だけでは親子関係は生じない |
💡 実務のポイント
実務で最も多い誤解は「長年連れ添った内縁の妻にも相続権がある」という思い込みです。どれだけ長期間一緒に暮らしていても、婚姻届を出していなければ法定相続人にはなれません。内縁の配偶者に財産を遺すには遺言書が必要です。
配偶者以外の法定相続人には優先順位があります。上位の順位の人が1人でもいれば、下位の順位の人は相続人になれません。
| 順位 | 法定相続人 | 相続人になる条件 | 代襲相続 |
|---|---|---|---|
| 常に | 配偶者 | 法律上の婚姻関係があること | — |
| 第1 | 子(実子・養子) | 無条件(胎児も含む) | 孫→ひ孫と無制限に再代襲 |
| 第2 | 直系尊属(父母・祖父母) | 第1順位の人がいないこと | —(親等の近い方が優先) |
| 第3 | 兄弟姉妹 | 第1・第2順位の人がいないこと | 甥・姪まで(再代襲なし) |
⚠️ 注意:代襲相続の範囲は順位で異なる
第1順位の子が先に死亡していれば孫が、孫も死亡していればひ孫が…と、下の世代に無制限に代襲が続きます。しかし第3順位の兄弟姉妹が先に死亡した場合、代襲相続するのは甥・姪まで(1代限り)です。甥・姪の子どもには再代襲されません。この違いは実務で判断を誤りやすいポイントです。
たとえば、被相続人に配偶者と子2人、父母、兄弟1人がいる場合を考えます。この場合、法定相続人は「配偶者+子2人」の合計3人です。父母(第2順位)と兄弟(第3順位)は、第1順位の子がいるため相続人になれません。
相続税の基礎的な仕組みについては「相続税とは?課税の仕組み・対象者・基礎控除をわかりやすく解説」で解説しています。
法定相続分とは、民法第900条で定められた相続割合の目安です。法定相続分はあくまで遺産分割協議がまとまらなかった場合の基準であり、相続人全員の合意があれば異なる割合で分割することも可能です。
| 相続人の組み合わせ | 配偶者の取り分 | 血族の取り分 | 基礎控除額 |
|---|---|---|---|
| 配偶者のみ | 全部 | — | 3,600万円 |
| 配偶者+子1人 | 1/2 | 子 1/2 | 4,200万円 |
| 配偶者+子2人 | 1/2 | 子 各1/4 | 4,800万円 |
| 配偶者+子3人 | 1/2 | 子 各1/6 | 5,400万円 |
| 配偶者+父母 | 2/3 | 父母 各1/6 | 4,800万円 |
| 配偶者+兄弟2人 | 3/4 | 兄弟 各1/8 | 4,800万円 |
| 子2人のみ(配偶者なし) | — | 子 各1/2 | 4,200万円 |
| 父母のみ(配偶者・子なし) | — | 父母 各1/2 | 4,200万円 |
📊 公認会計士の視点
相続税の計算では、実際の遺産分割がどうなっても、まず法定相続分で仮に按分して税額の総額を計算します(相続税法第16条)。つまり、法定相続分は遺産分割の目安であるだけでなく、相続税額の計算に直接影響する重要な数値です。法定相続人の数と法定相続分を正確に把握することが、相続税の正しい計算の出発点となります。
📐 シミュレーション前提条件
| 相続人の構成 | 配偶者 | 子(各人) | 父母(各人) | 兄弟(各人) |
|---|---|---|---|---|
| 配偶者+子1人 | 5,000万円 | 5,000万円 | — | — |
| 配偶者+子2人 | 5,000万円 | 2,500万円 | — | — |
| 配偶者+父母2人 | 6,667万円 | — | 1,667万円 | — |
| 配偶者+兄弟2人 | 7,500万円 | — | — | 1,250万円 |
※概算値です。1万円未満は四捨五入。
代襲相続とは、本来相続人になるはずの人が被相続人より先に亡くなっている場合に、その子どもが代わりに相続人になる制度です。民法第887条第2項に規定されています。
| 条件 | 第1順位(子→孫) | 第3順位(兄弟→甥姪) |
|---|---|---|
| 被相続人より先に死亡 | ○ 代襲相続する | ○ 代襲相続する |
| 相続欠格・廃除 | ○ 代襲相続する | ○ 代襲相続する |
| 相続放棄 | × 代襲しない | × 代襲しない |
| 再代襲(孫→ひ孫) | ○ 無制限に再代襲 | × 甥姪の子は不可 |
💡 実務のポイント
「相続放棄した場合、その子どもが代わりに相続できるのでは?」というご相談をよく受けますが、答えはNoです。相続放棄は「はじめから相続人でなかった」とみなされるため、代襲相続は発生しません。一方、被相続人より先に死亡していた場合は代襲相続が発生します。この違いは非常に重要です。
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鮎澤パートナーズに相談する養子は法律上の親子関係が成立するため、実子と同じく第1順位の法定相続人になります。ただし、相続税の計算においては養子の数に制限があります。
| 項目 | 民法上のルール | 相続税法上のルール |
|---|---|---|
| 養子の人数 | 制限なし(何人でも可) | 実子あり→1人まで、実子なし→2人まで |
| 相続権 | 全ての養子に相続権あり | 全ての養子に相続権あり(制限は税計算上のカウントのみ) |
| 法定相続分 | 実子と同じ | 実子と同じ |
参考: 国税庁「No.4170 相続人の中に養子がいるとき」
📐 シミュレーション前提条件
| 項目 | 養子なし(配偶者+子2人) | 養子1人追加(配偶者+子3人) |
|---|---|---|
| 法定相続人の数 | 3人 | 4人 |
| 基礎控除額 | 4,800万円 | 5,400万円 |
| 生命保険の非課税枠 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 課税遺産総額 | 7,200万円 | 6,600万円 |
| 相続税の総額 | 約1,160万円 | 約930万円 |
| 節税効果 | — | 約230万円の軽減 |
※概算値です。個別の状況により異なります。
養子縁組による節税は効果的ですが、以下の点に注意が必要です。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 孫養子の2割加算 | 孫を養子にした場合、相続税額が2割加算される(代襲相続人の場合は除く) |
| 不当減少の否認リスク | 相続税の負担を不当に減少させる養子縁組は、税務署に否認される可能性がある |
| 実子の相続分減少 | 養子が増えると実子1人あたりの法定相続分が減少し、相続争いの原因になる |
| 最高裁H29.1.31判決 | 節税目的の養子縁組でも、縁組の意思があれば直ちに無効にはならないと判示 |
💡 実務のポイント
平成29年の最高裁判決により「節税目的の養子縁組でも直ちに無効にはならない」とされましたが、これは「節税目的の養子縁組が全て有効」という意味ではありません。あくまで「縁組の意思」(養親子関係を作る意思)が両当事者にあることが前提です。実務では、養子縁組と並行して遺産分割方針も家族全員で話し合い、合意を得ておくことをお勧めしています。
相続放棄とは、被相続人の遺産を一切受け継がないことを家庭裁判所に申述する手続きです。相続放棄をすると、その人は「はじめから相続人でなかった」とみなされます(民法第939条)。
| 項目 | 民法上の扱い | 相続税法上の扱い |
|---|---|---|
| 放棄した人の相続権 | はじめからなかったとみなす | 同左 |
| 基礎控除の計算 | — | 放棄がなかったものとしてカウント(基礎控除は減らない) |
| 代襲相続 | 発生しない | 同左 |
| 次順位への影響 | 同順位の全員が放棄→次順位に移行 | 同左 |
相続税の計算方法について詳しくは「相続税の計算方法|税率・速算表・2割加算を具体例で解説」で解説しています。
遺留分(いりゅうぶん)とは、民法で定められた法定相続人の最低限の取り分です。遺言書によって特定の人に全財産が渡る場合でも、遺留分の範囲内で請求することができます。
| 相続人の構成 | 遺留分の合計 | 配偶者の遺留分 | 子(各人)の遺留分 |
|---|---|---|---|
| 配偶者のみ | 1/2 | 1/2 | — |
| 配偶者+子2人 | 1/2 | 1/4 | 各1/8 |
| 配偶者+父母 | 1/2 | 1/3 | —(父母 各1/12) |
| 直系尊属のみ | 1/3 | — | —(父母 各1/6) |
| 配偶者+兄弟姉妹 | 1/2 | 1/2 | —(兄弟には遺留分なし) |
⚠️ 注意:兄弟姉妹には遺留分がない
兄弟姉妹(およびその代襲相続人である甥・姪)には遺留分が認められていません。つまり、遺言書で「全財産を配偶者に相続させる」と書けば、兄弟姉妹は一切の遺産を受け取れません。子どもがおらず兄弟姉妹が相続人になるケースでは、この点を踏まえた遺言書の作成が非常に重要です。
小規模宅地等の特例による相続税の軽減については「小規模宅地等の特例の概要」をご覧ください。
相続が発生したら、まず法定相続人が誰であるかを正確に確定する必要があります。遺産分割協議は相続人全員の合意がなければ無効になるため、漏れなく相続人を把握することが極めて重要です。
| 書類 | 取得先 | 目的 |
|---|---|---|
| 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 | 本籍地の市区町村役場 | 認知した子や養子の有無を確認 |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 各相続人の本籍地の市区町村役場 | 相続人の生存確認 |
| 法定相続情報一覧図 | 法務局(登記所) | 戸籍の束の代わりに使える公的な相続人一覧 |
📝 行政書士の視点
鮎澤パートナーズは、公認会計士・税理士の代表がすべての業務を直接担当する、完全オンライン対応の会計事務所です。記帳代行から決算・税務申告・年末調整まで、売上規模だけで決まる年間総額のみの明朗会計で一括してお任せいただけます。
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📋 この記事のポイント
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