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相続税の計算方法|税率・速算表・2割加算を具体例で解説
「相続税は結局いくらかかるの?」「計算方法が複雑でよくわからない」という方に向けて、相続税の計算手順を7ステップに分解し、3つの具体例で全計算過程を公開します。この記事を読めば、ご自身のケースでの概算税額がわかります。


「相続税は結局いくらかかるの?」「計算方法が複雑でよくわからない」という方に向けて、相続税の計算手順を7ステップに分解し、3つの具体例で全計算過程を公開します。この記事を読めば、ご自身のケースでの概算税額がわかります。
🏆 結論:相続税の計算は7ステップで完結する
相続税の計算手順は次の7ステップです。①各人の課税価格を集計 → ②課税価格の合計額を算出 → ③基礎控除額を差し引き → ④法定相続分で仮按分 → ⑤速算表で各人の仮税額を計算 → ⑥仮税額を合計して相続税の総額を算出 → ⑦実際の取得割合で按分+税額控除。ポイントは「法定相続分で仮計算→実際の取得割合で按分」の二段階方式です。
相続税の計算は、全部で7つのステップで進みます。手順は複雑に見えますが、1つずつ順を追って計算すれば理解できます。まずは全体の流れを押さえましょう。
| STEP | 計算内容 | 計算式・ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 各相続人の課税価格を集計 | 取得財産+みなし相続財産−非課税枠−債務・葬式費用+生前贈与加算 |
| 2 | 課税価格の合計額を算出 | STEP1で集計した各人の課税価格を合算 |
| 3 | 課税遺産総額を計算 | 課税価格の合計額 − 基礎控除額(3,000万+600万×法定相続人数) |
| 4 | 法定相続分で仮按分 | 課税遺産総額 × 各人の法定相続分 |
| 5 | 速算表で各人の仮税額を計算 | 仮按分額 × 税率 − 速算控除額 |
| 6 | 相続税の総額を算出 | STEP5で求めた各人の仮税額を合計 |
| 7 | 各人の納付税額を確定 | 相続税の総額 × 実際の取得割合 ± 2割加算 − 税額控除 |
📊 公認会計士の視点
相続税の計算で最も理解しにくいのは「STEP4〜6の二段階方式」です。まず法定相続分で仮に按分して全員の税額の合計(相続税の総額)を求め、その後STEP7で実際の取得割合に応じて按分し直します。この方式により、遺産の分け方に関係なく相続税の総額は一定になります。つまり「配偶者が多くもらっても少なくもらっても、家族全体の税負担は変わらない」のです(配偶者の税額軽減を適用する前の段階で)。
相続税の基本的な仕組みや対象者については「相続税とは?課税の仕組み・対象者・基礎控除をわかりやすく解説」をご覧ください。
相続税の税率は、相続税法第16条に基づく超過累進税率で、10%〜55%の8段階です。STEP5で使用する速算表は以下のとおりです。
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 速算控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | — |
| 1,000万円超〜3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 3,000万円超〜5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 1億円超〜2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 2億円超〜3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 3億円超〜6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
📐 シミュレーション前提条件
| STEP | 計算内容 | 金額 |
|---|---|---|
| STEP2 | 課税価格の合計額 | 1億円 |
| STEP3 | 基礎控除額(3,000万+600万×3人) | ▲4,800万円 |
| STEP3 | 課税遺産総額 | 5,200万円 |
| STEP4 | 妻の仮按分額(5,200万×1/2) | 2,600万円 |
| STEP4 | 長男・長女の仮按分額(5,200万×1/4) | 各1,300万円 |
| STEP5 | 妻の仮税額(2,600万×15%−50万) | 340万円 |
| STEP5 | 長男・長女の仮税額(1,300万×15%−50万) | 各145万円 |
| STEP6 | 相続税の総額(340万+145万×2) | 630万円 |
| STEP7 | 妻の税額(630万×1/2)→ 配偶者の税額軽減適用 | 0円 |
| STEP7 | 長男・長女の税額(630万×1/4) | 各157.5万円 |
※妻は法定相続分(1/2 = 5,000万円)を取得し、1億6,000万円以内のため配偶者の税額軽減により税額ゼロ。家族全体の実質負担額は315万円。
📐 シミュレーション前提条件
| STEP | 計算内容 | 金額 |
|---|---|---|
| STEP3 | 基礎控除額(3,000万+600万×1人) | ▲3,600万円 |
| STEP3 | 課税遺産総額 | 4,400万円 |
| STEP4〜5 | 妻の仮按分額=4,400万(全額)→ 4,400万×20%−200万 | 680万円 |
| STEP6 | 相続税の総額 | 680万円 |
| STEP7 | 配偶者の税額軽減適用(8,000万 ≦ 1億6,000万) | 0円 |
配偶者のみが相続人のケースでは、1億6,000万円まで配偶者の税額軽減で非課税になります。ただし、申告書の提出は必要です。
📐 シミュレーション前提条件
| STEP | 計算内容 | 金額 |
|---|---|---|
| STEP3 | 基礎控除額(3,000万+600万×3人) | ▲4,800万円 |
| STEP3 | 課税遺産総額 | 1億200万円 |
| STEP4 | 各人の仮按分額(1億200万×1/3) | 各3,400万円 |
| STEP5 | 各人の仮税額(3,400万×20%−200万) | 各480万円 |
| STEP6 | 相続税の総額(480万×3人) | 1,440万円 |
| STEP7 | 各人の納付税額(1,440万×1/3) | 各480万円 |
⚠️ 注意:二次相続は税負担が重くなる
配偶者がいない二次相続では、配偶者の税額軽減が使えません。同じ遺産1億5,000万円でも、一次相続(配偶者あり)なら家族の実質負担は大幅に軽減されますが、二次相続では1,440万円が全額負担となります。一次相続で配偶者が多く取得すると二次相続の税負担が増えるため、一次・二次を通したシミュレーションが不可欠です。
AYUSAWA PARTNERS
相続税の計算・シミュレーションは鮎澤パートナーズへ
初回相談無料。税理士・公認会計士が一次相続・二次相続を通した最適な遺産分割をシミュレーションいたします。
鮎澤パートナーズに相談するご自身のケースの概算税額を知りたい方は、以下の早見表をご活用ください。配偶者の税額軽減適用後の家族全体の実質負担額を示しています。
| 遺産総額 | 配偶者+子1人 | 配偶者+子2人 | 配偶者+子3人 | 子2人のみ |
|---|---|---|---|---|
| 5,000万円 | 40万円 | 10万円 | 0円 | 80万円 |
| 8,000万円 | 235万円 | 175万円 | 138万円 | 470万円 |
| 1億円 | 385万円 | 315万円 | 263万円 | 770万円 |
| 1.5億円 | 920万円 | 748万円 | 665万円 | 1,840万円 |
| 2億円 | 1,670万円 | 1,350万円 | 1,218万円 | 3,340万円 |
| 3億円 | 3,460万円 | 2,860万円 | 2,540万円 | 6,920万円 |
| 5億円 | 7,605万円 | 6,555万円 | 5,963万円 | 1億5,210万円 |
※配偶者ありの場合は法定相続分どおりの分割を想定。配偶者の税額軽減適用後の金額。概算値のため、実際の税額とは異なる場合があります。
被相続人の一親等の血族(子・父母)および配偶者以外の方が財産を取得した場合、算出された相続税額に20%が加算されます(相続税法第18条)。
| 財産を取得した人 | 2割加算 | 理由 |
|---|---|---|
| 配偶者 | × 対象外 | 配偶者は常に対象外 |
| 子(実子・養子) | × 対象外 | 一親等の血族 |
| 孫(代襲相続人) | × 対象外 | 代襲相続人は一親等の血族とみなす |
| 孫(養子=孫養子) | ○ 対象 | 代襲相続人でない養子の場合は加算対象 |
| 父母 | × 対象外 | 一親等の血族 |
| 兄弟姉妹 | ○ 対象 | 二親等の血族 |
| 甥・姪(代襲相続人) | ○ 対象 | 三親等の血族 |
| 法定相続人以外の受遺者 | ○ 対象 | 血族でない第三者 |
💡 実務のポイント
実務で注意が必要なのは「孫養子」のケースです。祖父が孫を養子にして法定相続人に含めると基礎控除は600万円増えますが、孫養子が取得した財産には2割加算が適用されます。遺産総額や相続人の構成によっては、2割加算の負担増が基礎控除増のメリットを上回ることがあります。必ず事前にシミュレーションを行ってください。
配偶者の税額軽減は相続税の中で最も強力な制度です。配偶者が取得した遺産が、法定相続分または1億6,000万円のいずれか大きい金額以内であれば、配偶者の相続税は全額免除されます。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 法律上の配偶者(婚姻期間の長短は問わない) |
| 非課税限度額 | 法定相続分 or 1億6,000万円のいずれか大きい方 |
| 申告要件 | 申告書の提出が必須(税額ゼロでも提出必要) |
| 仮装・隠ぺい | 仮装・隠ぺいされた財産には適用不可 |
📐 前提条件
| 項目 | パターンA(妻1/2取得) | パターンB(妻4/5取得) |
|---|---|---|
| 一次相続の税額(家族合計) | 1,350万円 | 540万円 |
| 二次相続の遺産(妻取得分) | 1億円 | 1億6,000万円 |
| 二次相続の税額(子2人合計) | 770万円 | 2,140万円 |
| 一次+二次の合計税額 | 2,120万円 | 2,680万円 |
| 差額 | パターンBはAより560万円多い | |
※概算値です。妻固有の財産なし・特例適用なしの前提。実際の金額は個別の状況により異なります。
💡 実務のポイント
「配偶者に多く渡せば税金が安くなる」と思いがちですが、一次・二次の合計では逆転するケースが多いです。二次相続では基礎控除の法定相続人が1人減り(配偶者がいなくなるため)、配偶者の税額軽減も使えません。遺産分割協議の際は、必ず二次相続までの合計税額をシミュレーションしてから割合を決めることをお勧めしています。
STEP7で適用できる主な税額控除は以下のとおりです。
| 控除名 | 控除額・内容 | 申告要件 |
|---|---|---|
| 配偶者の税額軽減 | 法定相続分 or 1億6,000万円まで非課税 | 申告必須 |
| 未成年者控除 | (18歳−相続時の年齢)×10万円 | 申告必要 |
| 障害者控除 | (85歳−相続時の年齢)×10万円(特別障害者は20万円) | 申告必要 |
| 相次相続控除 | 10年以内に2回相続が発生した場合の軽減 | 申告必要 |
| 外国税額控除 | 海外の財産に外国で課税された場合の二重課税防止 | 申告必要 |
| 贈与税額控除 | 生前贈与加算された財産に係る贈与税額を控除 | 申告必要 |
法定相続人の範囲や法定相続分については「法定相続人の範囲と相続分|順位・割合を図解で完全解説」で詳しく解説しています。
| 間違いやすいポイント | 正しい理解 |
|---|---|
| 遺産総額にそのまま税率をかけてしまう | 基礎控除を引いた後の「課税遺産総額」に対して、法定相続分で仮按分してから税率をかける |
| 基礎控除と配偶者の税額軽減を混同する | 基礎控除はSTEP3で全員に適用。配偶者の税額軽減はSTEP7で配偶者個人に適用。適用タイミングが異なる |
| 生前贈与の加算を忘れる | 相続開始前7年以内の暦年贈与と相続時精算課税の贈与は課税価格に加算する必要がある |
| みなし相続財産の非課税枠を忘れる | 生命保険金・死亡退職金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠がある |
| 2割加算の対象者を見落とす | 兄弟姉妹・甥姪・孫養子・受遺者は2割加算の対象。代襲相続の孫は対象外 |
💡 実務のポイント
相続税の申告で最もよくあるのは「生前贈与の持ち戻し忘れ」です。特に令和6年以降の相続では、暦年課税の持ち戻し期間が段階的に3年から7年に延長されているため、持ち戻し対象かどうかの判定が複雑になっています。被相続人の過去の贈与税申告書を必ず確認してください。
課税される財産とされない財産の区分については「相続税がかかる財産・かからない財産|課税財産と非課税財産の一覧」をご覧ください。
| 判断基準 | 自分でも可能 | 税理士に依頼推奨 |
|---|---|---|
| 財産の種類 | 預貯金・上場株式のみ | 不動産・非上場株式・海外資産あり |
| 遺産総額 | 基礎控除ギリギリ(超過額が少額) | 基礎控除を大幅に超える |
| 特例の適用 | 特例なしで計算可能 | 小規模宅地等の特例・農地等の納税猶予あり |
| 相続人の関係 | 配偶者+子のシンプルな構成 | 養子・代襲相続・遺言による配分がある |
💡 実務のポイント
税理士への報酬は遺産総額の0.5〜1%が相場ですが、土地の評価で減額補正(不整形地補正・広大地評価等)を適切に行うだけで数百万円の税額差が出ることがあります。特に土地を複数お持ちの場合は、税理士報酬を支払っても節税効果の方が大きいケースがほとんどです。
📋 この記事のポイント
相続税の計算は手順どおりに進めれば概算額を把握できますが、正確な計算には財産評価や特例適用の専門知識が必要です。概算で「自分のケースでは相続税がかかりそうだ」と判断できたら、早めに税理士へご相談ください。
AYUSAWA PARTNERS
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