贈与税とは?課税の仕組み・税率・計算方法をわかりやすく解説

贈与税とは?課税の仕組み・税率・計算方法をわかりやすく解説
鮎澤パートナーズ|公認会計士・税理士・社会保険労務士・行政書士
公認会計士(第47928号)・税理士(第159175号)・社会保険労務士(第13240067号)・行政書士(第24061284号)が監修。年間100社以上の法人決算・会社設立を支援。
📋 税理士監修 💰 計算例3パターン 🆕 令和6年7年持戻し対応

贈与を検討する方向けに、贈与税の仕組みを完全ガイド。暦年課税と相続時精算課税の違い、一般税率・特例税率、110万円基礎控除、令和6年改正の7年持戻し、みなし贈与、計算例3パターンまで、現役税理士が実務目線で解説します。

🏆 結論:贈与税は年110万円を超える贈与に課税・税率は10〜55%の8段階累進

贈与税は、個人から個人へ財産を無償で譲り渡した際に、受贈者(もらった人)に課される税金です(相続税法第21条以下)。課税方式は2つ:①暦年課税(年110万円の基礎控除・税率10〜55%)、②相続時精算課税(累計2,500万円までの特別控除+年110万円の基礎控除・令和6年新設)。暦年課税の税率には「一般税率」(兄弟・夫婦間等)と「特例税率」(直系尊属18歳以上の子・孫等)があり、特例税率の方が優遇されています。令和6年1月1日以後の贈与から、相続発生前の持ち戻し期間が3年→7年に段階的延長され、亡くなる前7年以内の贈与は相続財産に加算される改正が実施。生前贈与の節税効果が大幅に縮小される一方、相続時精算課税は年110万円基礎控除新設で使い勝手が大幅向上しました。本記事では贈与税の課税要件・税率・計算方法・3パターンの具体例・実務上の注意点まで完全解説します。

贈与税とは|課税の基本

贈与税は、個人から個人へ財産を無償で譲り渡した際に、受贈者(もらった人)に課される税金です(相続税法第21条以下)。相続税の補完税としての性格を持ち、生前贈与による相続税回避を防ぐ役割を果たしています。

贈与税の課税対象

課税対象 具体例
①現金・預金親から子への現金贈与・銀行振込
②不動産土地・建物の贈与・名義変更
③有価証券株式・債券・投資信託の贈与
④自動車・貴金属高額な動産の贈与
⑤暗号資産ビットコイン等の暗号資産の贈与
⑥みなし贈与生命保険金・低額譲渡・債務免除等

贈与税の課税要件3つ

要件 内容
①贈与契約の成立贈与者の意思表示と受贈者の受諾(民法549条)
②財産の取得財産の移転(現金振込・名義変更等)
③無償性対価を支払わないことが本質

贈与税が課税されないもの

非課税対象 条件
①扶養義務者からの生活費・教育費必要な都度・通常必要と認められる範囲
②社交上必要な贈答品結婚祝・出産祝・お年玉等(通常必要な範囲)
③法人からの贈与所得税(一時所得・給与所得)が課税される
④公益事業に使う財産宗教・慈善・学術等の公益目的
⑤香典・お見舞金社会通念上相当と認められる金額

💡 実務のポイント

扶養義務者からの生活費・教育費は非課税ですが、「必要な都度」「通常必要な範囲」が条件です。例えば年間500万円を一括で渡して「教育費」と主張しても、必要な都度の支払いではないため贈与税の対象となります。実務では「毎月学費を直接学校に支払う」「医療費を診察の都度支払う」のように、その都度の支払い実態が重要。逆に1年分の生活費をまとめて渡したり、生活費の名目で渡したお金を貯蓄・投資に回すと贈与税の対象になります。

暦年課税|年110万円の基礎控除

暦年課税は、1年間(1月1日〜12月31日)に贈与された財産の合計額から年110万円の基礎控除を引いた金額に贈与税が課税される方式です(相続税法第21条の5)。最もシンプルで広く使われている課税方式です。

暦年課税の基本構造

要素 内容
課税期間1月1日〜12月31日の1年間
基礎控除年110万円(受贈者1人あたり)
税率10〜55%(8段階累進)
申告期限贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日
対象者財産をもらった人(受贈者)が申告・納税

暦年課税の計算式

🧮 暦年課税の計算式

贈与税額 = (年間贈与額の合計 − 110万円)× 税率 − 控除額

留意点:
・受贈者1人あたりの基礎控除なので、複数人から贈与を受けた場合も基礎控除は合計110万円
・贈与者ごとに基礎控除があるわけではない
・課税ベースが330万円超〜の場合は累進税率で計算

暦年課税の税率|一般税率と特例税率

暦年課税には2つの税率体系があります。直系尊属(父母・祖父母等)から18歳以上の子・孫等への贈与は「特例税率」が適用され、それ以外は「一般税率」が適用されます。特例税率の方が一般税率より低く設定されています。

特例税率の適用条件

適用条件 内容
①贈与者直系尊属(父母・祖父母・養父母・養祖父母)
②受贈者贈与年の1月1日時点で18歳以上の子・孫
③適用なし兄弟間・夫婦間・配偶者の父母からの贈与等

暦年課税の税率表(2026年度現行)

基礎控除後の課税価格 一般税率(税率/控除額) 特例税率(税率/控除額)
200万円以下10% / 0円10% / 0円
300万円以下15% / 10万円15% / 10万円
400万円以下20% / 25万円15% / 10万円
600万円以下30% / 65万円20% / 30万円
1,000万円以下40% / 125万円30% / 90万円
1,500万円以下45% / 175万円40% / 190万円
3,000万円以下50% / 250万円45% / 265万円
4,500万円以下55% / 400万円50% / 415万円
4,500万円超55% / 400万円55% / 640万円

計算例3パターン

🧮 計算例①:親から20歳の子へ500万円贈与(特例税率)

前提:父(贈与者)→子(20歳・受贈者)500万円

基礎控除後の課税価格:500万 − 110万 = 390万円
適用税率(特例):400万円以下=15%・控除額10万円

贈与税:390万 × 15% − 10万 = 48.5万円

🧮 計算例②:兄から弟へ500万円贈与(一般税率)

前提:兄(贈与者)→弟(受贈者)500万円(兄弟間は一般税率)

基礎控除後の課税価格:500万 − 110万 = 390万円
適用税率(一般):400万円以下=20%・控除額25万円

贈与税:390万 × 20% − 25万 = 53万円

計算例①と比べて差額4.5万円。特例税率の優遇効果がわかります。

🧮 計算例③:親から30歳の子へ2,000万円贈与(高額・特例税率)

前提:父(贈与者)→子(30歳・受贈者)2,000万円

基礎控除後の課税価格:2,000万 − 110万 = 1,890万円
適用税率(特例):3,000万円以下=45%・控除額265万円

贈与税:1,890万 × 45% − 265万 = 585.5万円

2,000万円贈与の場合、実質納税率は約29%(585.5万÷2,000万)。高額贈与ほど累進税率の影響で実質負担率が上がります。

複数の人から贈与を受けた場合

複数の贈与者から贈与を受けた場合、合計額に対して贈与税を計算します(相続税法21条の5)。基礎控除は受贈者1人あたり年110万円なので、贈与者ごとに110万円ずつ控除されるわけではありません。

一般税率と特例税率の混在時の計算

🧮 計算例:父から500万・兄から200万を受贈(混在)

前提:同年中に父から500万(特例)・兄から200万(一般)を受贈、受贈者は25歳

合計贈与額:500万 + 200万 = 700万円
基礎控除後:700万 − 110万 = 590万円

STEP1:全額を特例税率で計算
590万×20%−30万 = 88万円 → 特例税率分=88万×(500万/700万)=62.86万円

STEP2:全額を一般税率で計算
590万×30%−65万 = 112万円 → 一般税率分=112万×(200万/700万)=32万円

贈与税合計:62.86万 + 32万 = 94.86万円

相続時精算課税|累計2,500万円+年110万円の新方式

相続時精算課税は、特定の贈与者(60歳以上の親・祖父母)から18歳以上の子・孫に贈与する際、累計2,500万円までの特別控除と年110万円の基礎控除が適用される制度です(相続税法21条の9〜)。令和6年改正で年110万円の基礎控除が新設され、使い勝手が大幅に向上しました。

相続時精算課税の基本構造

要素 内容
贈与者の要件贈与年の1月1日時点で60歳以上の父母・祖父母
受贈者の要件贈与年の1月1日時点で18歳以上の子・孫(直系卑属)
特別控除累計2,500万円まで非課税(贈与者ごと)
基礎控除(令和6年新設)年110万円(各贈与者ごと)
税率2,500万円超の部分に一律20%
届出初回利用時に「相続時精算課税選択届出書」を提出

暦年課税と相続時精算課税の比較

項目 暦年課税 相続時精算課税
基礎控除年110万円(受贈者ごと)年110万円(贈与者ごと)+累計2,500万円
税率10〜55%(累進)20%(2,500万円超部分)
相続時の取扱い死亡前7年以内の贈与は相続財産に加算基礎控除分(年110万円)は加算なし、それ以外は加算
適用対象誰でも・誰へでも60歳以上の父母・祖父母→18歳以上の子・孫
変更いつでも変更可能一度選択すると暦年課税には戻れない
届出不要必要(選択届出書)

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令和6年改正|相続前7年持戻しの段階的延長

令和6年(2024年)1月1日以後の贈与から、相続発生前の持ち戻し期間が3年→7年に段階的延長されています。これは生前贈与による相続税回避を抑制する重要な改正です。

持ち戻し期間の段階的延長スケジュール

相続発生時期 持ち戻し対象期間
令和8年(2026年)末まで死亡前3年(令和6年1月1日以後の贈与のみ加算)
令和9年(2027年)〜令和12年(2030年)段階的に延長(令和6年1月1日以後の贈与から累積)
令和13年(2031年)以降死亡前7年(完全移行)

延長された4年間の取扱い

期間 取扱い
死亡前3年以内の贈与全額が相続財産に加算(従来通り)
死亡前4〜7年の贈与合計から100万円を控除した残額が相続財産に加算

⚠️ 持ち戻しで節税効果が縮小

令和6年改正で生前贈与による相続税節税効果が大幅縮小しました。例えば毎年110万円×10年=1,100万円の暦年贈与を行っていた人が死亡した場合、改正前は死亡前3年の330万円のみ相続財産に加算されていましたが、改正後は死亡前7年で実質770万円(最初の3年で330万・後の4年で340万円)が加算対象となります。実務では「贈与開始時点で高齢な場合は持ち戻しリスクが高い」「相続時精算課税の方が有利になるケースが増えている」という変化が起きています。

持ち戻しの対象外

対象外のケース 内容
相続人以外への贈与子の配偶者・孫(代襲相続人除く)・友人等
相続時精算課税の基礎控除分年110万円の基礎控除分は相続財産に加算しない
非課税特例教育資金・結婚子育て資金・住宅資金等の非課税特例分

みなし贈与|気づかないうちに贈与税

形式的には贈与でなくても、実質的に財産を無償で取得したとみなされて贈与税が課される場合があります(相続税法5条〜9条)。これを「みなし贈与」といい、税務調査で指摘されやすいポイントです。

主要なみなし贈与5パターン

類型 具体例
①生命保険金(相続税法5条)保険料負担者と受取人が異なる場合(夫が保険料・妻が受取人)
②低額譲渡(相続税法7条)親から子へ時価1,000万円の不動産を300万円で売却→差額700万円
③債務免除(相続税法8条)親が子の借金1,000万円を肩代わり→1,000万円のみなし贈与
④信託利益の取得(相続税法9条の2)委託者でない人が信託受益権を取得した場合
⑤共有持分・名義の不一致共働き夫婦の住宅で出資割合と持分が一致しない場合

共働き夫婦の住宅購入|持分と出資の不一致

📢 持分と出資割合の一致がポイント

共働き夫婦が住宅を購入する際、登記持分と実際の出資割合が一致しないと「みなし贈与」が発生します。例えば6,000万円の住宅を「夫4,000万・妻2,000万」で出資したのに、登記持分を「夫1/2・妻1/2(各3,000万)」とすると、妻は1,000万円多く取得したことになり、1,000万円のみなし贈与が発生。実務では「住宅取得時の出資割合通りに登記する」「住宅ローンの返済も持分割合で按分する」のが鉄則です。

生命保険金とみなし贈与

保険料負担者 被保険者 受取人 課税
相続税
贈与税(みなし贈与)
所得税(一時所得)

贈与税の申告と納付

贈与税の申告・納付は、贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日の間に行います(相続税法28条)。期限後申告は加算税・延滞税の対象です。

申告期限と納付方法

項目 内容
申告期限贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日
提出先受贈者の住所地を管轄する税務署
納付期限申告期限と同じ(3月15日まで)
納付方法税務署窓口・銀行・コンビニ・電子納税・クレジットカード
延納10万円超で5年以内の延納が可能(担保提供必要)

申告書の種類

申告書様式 用途
第一表暦年課税(申告書本体)
第二表相続時精算課税
第一表の二住宅取得等資金の非課税
相続時精算課税選択届出書相続時精算課税を初めて選択する際に必要

贈与税の非課税特例

特定用途の贈与には大型の非課税枠が設けられています。これらを活用すれば、暦年課税の110万円を大幅に超える金額を非課税で贈与できます。

主要な非課税特例

特例 非課税枠 適用期限
住宅取得等資金最大1,000万円(省エネ等住宅)令和8年(2026年)12月31日まで
教育資金一括贈与1,500万円令和8年(2026年)3月31日終了
結婚・子育て資金一括贈与1,000万円令和7年(2025年)3月31日まで
配偶者控除(おしどり贈与)2,000万円恒久(婚姻20年以上の夫婦)

📢 教育資金一括贈与は令和8年3月で終了

教育資金一括贈与(1,500万円非課税)は令和8年(2026年)3月31日で終了します。実務では「祖父母から孫への一括贈与で大きな相続税対策となる制度」として活用されてきたため、終了前の駆け込み利用が増えています。利用を検討する方は2026年3月までに信託銀行等で口座開設・贈与を完了する必要があります。終了後は教育費を「必要な都度」支払う通常の非課税ルールに戻ります。

贈与税の節税戦略

贈与税の節税には複数の選択肢があります。家族構成・財産規模・年齢等に応じて最適な戦略を選びましょう。

節税戦略5パターン

戦略 節税効果
①暦年贈与110万円×複数年年110万円×受贈者数×年数で長期節税
②孫への直接贈与孫(相続人でない)は7年持戻し対象外
③相続時精算課税の活用年110万円基礎控除分は相続加算なし
④非課税特例の活用住宅取得等資金1,000万・教育資金1,500万等
⑤配偶者控除2,000万円婚姻20年以上の夫婦間の自宅贈与

よくある質問

110万円の基礎控除は贈与者ごとに使えますか?
使えません。基礎控除110万円は「受贈者1人あたり」「年間合計」のものです。父から50万円・母から70万円(合計120万円)を受贈した場合、合計から110万円を引いた10万円が課税対象になります。一方、暦年課税では受贈者を分散させれば「受贈者ごとに110万円」が使えるため、家族全員に分散贈与する戦略は有効です。実務では「父→子1・子2・孫1・孫2」のように受贈者を増やせば、年間で440万円(110万×4人)まで非課税で贈与できます。
夫婦間の生活費は贈与税の対象になりますか?
日常生活に必要な金額は原則非課税です。配偶者間の生活費・医療費・教育費等は、扶養義務者間の生活費等として贈与税の課税対象外。ただし、生活費の名目で渡したお金を貯蓄・投資・不動産購入に充てると、その部分は贈与税の対象になります。実務では「夫の口座から妻の口座に毎月生活費を振込→妻が貯蓄」のパターンで、税務調査で「妻の固有財産か夫の財産か」が争点になるケースが多いです。明確に分けて管理することが重要です。
親からの住宅資金贈与は非課税ですか?
「住宅取得等資金の非課税特例」を活用すれば、最大1,000万円が非課税(省エネ等住宅の場合)です。一般住宅は500万円が上限。適用要件は①18歳以上の直系卑属(子・孫)であること、②受贈者の合計所得が2,000万円以下、③贈与年の翌年3月15日までに住宅を取得・居住開始、④贈与税申告書の提出。実務では1,000万円(または500万円)に加え、暦年課税の110万円も併用できるため、合計1,110万円(または610万円)まで非課税となります。
相続時精算課税は誰でも選べますか?
贈与者と受贈者の関係に制限があります。贈与者は60歳以上の父母・祖父母、受贈者は18歳以上の子・孫(直系卑属)に限定。兄弟間・配偶者間・親族外への贈与には使えません。また、一度選択すると暦年課税には戻れないため、選択は慎重に判断が必要です。実務では「相続財産が基礎控除以下になる見込みの家庭」「不動産等の値上がりが期待される資産を贈与する場合」に有効。逆に毎年継続的に小額贈与をしたい場合は暦年課税が向いています。
贈与税の申告を忘れたらどうなりますか?
無申告加算税15〜30%+延滞税が課されます。期限内に申告しないと、本税(贈与税)に加えて15%(50万円以下)、20%(50万円超300万円以下)、30%(300万円超・令和6年改正後)の無申告加算税が課税。さらに納付遅延期間に応じた延滞税(年7.3〜14.6%)も発生します。実務では「あとから自主申告すれば加算税が軽減」されますが、それでも本税+5%程度の追加負担。贈与を受けたら翌年3月15日までの申告を忘れないようにしましょう。
名義預金は贈与税の対象になりますか?
名義変更だけでは贈与にならないため、基本的に贈与税の対象外。ただし、税務調査では「実質的に贈与があったかどうか」を判断され、贈与があったと認定されると贈与税が課税されます。実務では「親が子名義の口座を作って入金していたが子は知らない」というケースで、相続発生時に「親の財産(名義預金)」として相続税の対象となるパターンが多発。贈与の事実を明確にするためには、贈与契約書の作成・受贈者本人による管理(通帳・印鑑の所持)・贈与税申告(110万円超の場合)が必要です。
海外在住の親から日本の子への贈与はどうなりますか?
国際的な贈与税の適用は複雑です。原則として、受贈者(日本居住)の住所地で贈与税が課税されます。海外資産の贈与でも、受贈者が日本に10年以上居住していれば日本の贈与税の対象。一方、贈与者・受贈者の双方が10年超日本に住んでいない場合は、日本国内財産のみが課税対象。実務では租税条約による二重課税回避規定の確認も必要なため、国際税務に詳しい税理士への相談が必須です。
毎年110万円×10年と決めて贈与した場合の注意点は?
「定期金の贈与」とみなされ、初年度に1,100万円の贈与とみなされる可能性があります。「毎年110万円を10年間贈与する」契約を最初から結んでいると、税務調査で「定期金の権利」(年金受給権類似)として、1,100万円の評価額相当が初年度の贈与とみなされる可能性。実務では「毎年異なる金額を異なる時期に贈与」「都度新規の贈与契約書を作成」「贈与契約書に『毎年継続する旨』を記載しない」等の工夫が必要。安全策としては110万円超の贈与で毎年贈与税申告書を提出することも検討されます。

📋 この記事のポイント

  • 贈与税は個人から個人への財産無償譲渡に課される税(受贈者が納税)
  • 暦年課税は年110万円基礎控除・税率10〜55%の累進
  • 特例税率(直系尊属→18歳以上の子・孫)は一般税率より優遇
  • 相続時精算課税は累計2,500万円+年110万円基礎控除(令和6年新設)
  • 令和6年改正で相続前持戻し3年→7年に段階的延長
  • みなし贈与(生命保険金・低額譲渡・住宅持分等)に注意
  • 申告期限は翌年2月1日〜3月15日
  • 住宅取得・教育・結婚子育て・配偶者控除等の非課税特例を活用

📋 まとめ

  • 贈与税は相続税の補完税で、生前贈与にかかる税金
  • 暦年課税は年110万円・税率10〜55%・特例税率の活用が重要
  • 相続時精算課税は令和6年改正で年110万円基礎控除新設で使い勝手向上
  • 令和6年改正の7年持戻しで生前贈与の節税効果が縮小
  • みなし贈与(保険金・低額譲渡・住宅持分)で予期せぬ課税に注意
  • 申告期限は翌年3月15日・無申告は15〜30%の加算税
  • 非課税特例(住宅・教育・結婚子育て・配偶者控除)の活用が節税のカギ
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