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令和6年分確定申告の注意点|前年からの主な変更点まとめ
「今年の確定申告、去年と何が変わった?」とお悩みの経営者・個人事業主に向けて、令和6年分(2025年2〜3月提出)の確定申告における変更点を網羅的に解説します。この記事を読めば、定額減税の記載漏れや住宅ローン控除の申告ミスを防げます。


「今年の確定申告、去年と何が変わった?」とお悩みの経営者・個人事業主に向けて、令和6年分(2025年2〜3月提出)の確定申告における変更点を網羅的に解説します。この記事を読めば、定額減税の記載漏れや住宅ローン控除の申告ミスを防げます。
🏆 結論:令和6年分確定申告の最大の変更点は「定額減税」
令和6年分の確定申告で最も影響が大きいのは定額減税(令和6年分特別税額控除)の新設です。確定申告書の第一表に新たに㊹㊺欄が追加され、対象者の人数と減税額を記入する必要があります。このほか、住宅ローン控除では子育て世帯向けの借入限度額上乗せ、申告書の第二表では「特個」欄の新設、手続き面では収受日付印の廃止など、複数の変更があります。申告期限は令和7年2月17日(月)〜3月17日(月)です。
📢 この記事の対象年分
この記事は令和6年分(2024年1月1日〜12月31日の所得)の確定申告について解説しています。提出期間は令和7年(2025年)2月17日〜3月17日です。令和7年分(2026年提出)の変更点は別記事で解説予定です。
令和6年分の確定申告は、令和6年度税制改正の影響を大きく受けています。前年(令和5年分)からの主な変更点を5つのカテゴリに整理しました。
| カテゴリ | 変更点 | 影響を受ける人 |
|---|---|---|
| ①定額減税 | 確定申告書に定額減税欄㊹㊺を新設。対象者の人数と減税額を記載 | 合計所得1,805万円以下の全納税者 |
| ②住宅ローン控除 | 子育て世帯の借入限度額上乗せ、「特個」欄の新設 | 令和6年に住宅取得した子育て世帯 |
| ③申告書様式 | 第一表の欄番号ズレ、第二表の「その他」欄記入方法変更 | 全ての確定申告者 |
| ④手続き・提出 | 収受日付印の廃止、e-Tax利便性向上 | 紙で提出する全ての申告者 |
| ⑤省エネ住宅要件 | 令和6年1月以降建築確認の新築は省エネ基準適合が必須 | 令和6年に新築住宅を取得した方 |
以下、各カテゴリの変更点を詳しく解説します。確定申告の基本的な流れについては「確定申告の基礎知識と手続きの流れ」をご参照ください。
令和6年分の確定申告書第一表には、定額減税に関する2つの新しい欄が追加されました。
| 欄番号 | 欄名 | 記載内容 |
|---|---|---|
| ㊹ | 令和6年分特別税額控除(3万円×人数) | 対象人数と減税額(本人+同一生計配偶者+扶養親族)×3万円 |
| ㊺ | 定額減税後の所得税額 | ㊸−㊹の金額(マイナスの場合は0と記載) |
この㊹㊺欄の追加により、従来の欄番号が2つずつ後ろにズレています。例えば、令和5年分で㊹だった「復興特別所得税額」は㊻に変わっています。手書きで申告書を作成する方は番号の読み間違いに注意してください。
💡 実務のポイント
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxソフトを利用すれば、定額減税額は自動計算されます。手書きで申告する場合のミスを防ぐためにも、電子申告の利用をおすすめします。経験上、定額減税欄の記載漏れは令和6年分の確定申告で最も多い間違いの一つです。
定額減税の対象となる同一生計配偶者や扶養親族の情報は、第二表の「配偶者や親族に関する事項」欄に記載します。令和6年分から、この欄の「その他」列の記入方法が変更されました。
| 令和5年分まで | 令和6年分から |
|---|---|
| 「調整」に○をつける方式 | 数字で記入する方式(「1」=所得金額調整控除対象、「2」=定額減税対象の扶養親族) |
年末調整で定額減税が完了した給与所得者は、原則として確定申告は不要です。ただし、以下のケースでは確定申告が必要または有利になります。
| ケース | 確定申告の要否 | 理由 |
|---|---|---|
| 年収2,000万円超の給与所得者 | 必要 | 年末調整対象外のため確定申告で精算 |
| 年途中で退職(年末調整未実施) | 必要 | 月次減税で控除しきれない分を確定申告で精算 |
| 2か所以上から給与を受けている | 必要 | 従たる給与では月次減税が実施されないため |
| 個人事業主(予定納税なし) | 必要 | 確定申告で初めて定額減税が適用される |
| 医療費控除やふるさと納税の還付申告 | 必要 | 確定申告を行う場合は定額減税額の記載も必要 |
| 年末調整で完了した給与所得者(他の所得なし) | 不要 | 年末調整で精算済み |
⚠️ 注意
医療費控除やふるさと納税で還付申告する給与所得者も、定額減税欄の記載が必須です。年末調整で定額減税が完了していても、確定申告を行う場合は改めて定額減税額を記載する必要があります。記載を忘れると、年末調整で受けた定額減税が確定申告で上書きされ、結果的に減税が受けられなくなる可能性があります。
定額減税の制度全体の仕組みについては「定額減税の仕組みと適用方法」で詳しく解説しています。
令和6年度税制改正により、「特例対象個人」(子育て世帯・若者夫婦世帯)が認定住宅等を新築して令和6年中に入居した場合、借入限度額が令和5年入居と同水準に据え置かれます(一般世帯では縮減)。
特例対象個人とは、令和6年12月31日時点で以下のいずれかに該当する方です。
| 要件 | 具体例 |
|---|---|
| 40歳未満で配偶者がいる | 35歳の夫+38歳の妻(配偶者がいれば子どもがいなくてもOK) |
| 40歳以上で40歳未満の配偶者がいる | 42歳の夫+37歳の妻 |
| 19歳未満の扶養親族がいる | 50歳の親+15歳の子 |
| 住宅タイプ | 一般世帯(令和6年入居) | 子育て世帯等(令和6年入居) | 年間最大控除額の差 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 最大+3.5万円/年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 最大+7万円/年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 4,000万円 | 最大+7万円/年 |
※控除率は0.7%、控除期間は13年。中古住宅の取得には子育て世帯の上乗せはありません。
特例対象個人に該当する場合、確定申告書第二表の「配偶者や親族に関する事項」欄にある「住宅」列の「特個」に○をつけます。ただし、この「特個」欄に記載するのは、扶養控除や配偶者控除の対象として本来この欄に記載しない配偶者・親族のみです。すでに扶養控除等で記載している親族については「特個」の記載は不要です。
💡 実務のポイント
「特個」欄の記載ルールは複雑で、実務でも混乱しやすいポイントです。例えば、共働きで妻の合計所得が48万円超の場合、妻は配偶者控除の対象外なので第二表に通常は記載しませんが、住宅ローン控除の特例対象個人の判定に妻の年齢情報が必要なため、「特個」欄に記載する必要があります。このような「本来記載しない人の情報を準備する」点が見落としやすいので注意してください。
令和6年1月1日以降に建築確認を受けた新築住宅については、省エネ基準に適合していなければ住宅ローン控除の対象外となりました。ただし、以下のいずれかの書類を提出できれば、省エネ基準非適合の住宅でも控除を受けられます。
| 書類 | 条件 |
|---|---|
| 確認済証または検査済証の写し | 令和5年12月31日以前に建築確認を受けたことを証明 |
| 登記事項証明書 | 令和6年6月30日以前に建築されたことを証明 |
定額減税欄の追加により、第一表の㊹番以降の欄番号が2つずつ後ろにズレています。手書きで申告書を作成する方や、過去の申告書を参考にする方は特に注意してください。
| 内容 | 令和5年分の欄番号 | 令和6年分の欄番号 |
|---|---|---|
| 税額控除後の所得税額 | ㊸ | ㊸(変更なし) |
| 令和6年分特別税額控除(定額減税) | —(なし) | ㊹(新設) |
| 定額減税後の所得税額 | —(なし) | ㊺(新設) |
| 復興特別所得税額 | ㊹ | ㊻ |
| 所得税及び復興特別所得税の額 | ㊺ | ㊼ |
| 外国税額控除等 | ㊻ | ㊽ |
| 納付すべき税額 | ㊽ | ㊿ |
住宅ローン控除の「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」も改訂され、子育て世帯の「特例対象個人」の種別を記入する欄が新設されています。令和6年に入居して初めて住宅ローン控除を受ける方は、最新の様式を使用してください。
令和7年1月から、税務署に紙で提出した確定申告書の控えへの収受日付印の押なつが廃止されました。これまでは、申告書の控えを同封すれば受付印を押して返送してもらえましたが、この取扱いがなくなりました。
当面の代替措置として、希望者には日付・税務署名が記載されたリーフレットが交付されます。ただし、金融機関への融資申請などで収受日付印付きの控えが必要だった場面では、今後は以下の方法で提出の事実を証明する必要があります。
| 証明方法 | 内容 |
|---|---|
| e-Taxの受信通知 | 電子申告の場合、送信日時が記録された受信通知を保存 |
| 申告書等情報取得サービス | e-Taxで過去の申告内容をPDFで取得可能 |
| 納税証明書 | 税務署で発行可能(有料) |
💡 実務のポイント
融資を受けている経営者や、住宅ローンの申請を予定している方にとって、収受日付印の廃止は大きな影響があります。e-Taxで申告すれば受信通知が自動的に記録されるため、紙提出よりもe-Taxの方が提出の証明が容易です。これを機にe-Taxへの切り替えを検討されることをおすすめします。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 申告期間 | 令和7年2月17日(月)〜3月17日(月) |
| 所得税の納付期限 | 令和7年3月17日(月) |
| 振替納税の振替日 | 令和7年4月23日(水) |
| 延納の場合 | 3月17日までに1/2以上納付→残額は6月2日(月)まで(利子税2.4%) |
| 還付申告 | 令和7年1月1日から5年間提出可能 |
令和6年分から、所得金額調整控除の適用がある方で一定の要件を満たす場合、第二表の「配偶者や親族に関する事項」欄の「その他」列に記入する方法が変わりました。令和5年分までは「調整」に○をつけていましたが、令和6年分からは「1」(所得金額調整控除の対象)または「2」(定額減税の対象となる扶養親族)の数字を記入する方式に変更されています。
新築住宅の床面積が40㎡以上50㎡未満でも住宅ローン控除が受けられる緩和措置(合計所得1,000万円以下の場合)について、建築確認の期限が令和6年12月31日まで延長されました。これにより、コンパクトマンション等を購入した方でも控除の適用を受けやすくなっています。
📊 公認会計士の視点
住宅ローン控除の制度は年々複雑化しています。居住年・住宅タイプ・子育て世帯の該当有無・省エネ基準の適合状況によって借入限度額と控除期間が異なるため、自分で正確に判定するのは困難です。住宅取得後の初年度の確定申告は、税理士への相談をおすすめします。
| 項目 | 令和5年分(前年) | 令和6年分(今年) |
|---|---|---|
| 定額減税 | なし | 新設(所得税3万円×人数) |
| 確定申告書第一表 | ㊹=復興特別所得税 | ㊹㊺=定額減税欄(新設)、以降2つズレ |
| 第二表「その他」欄 | 「調整」に○をつける | 「1」または「2」の数字を記入 |
| 住宅ローン控除(子育て世帯) | 制度なし | 特例対象個人の借入限度額上乗せ |
| 省エネ基準 | 非適合でも住宅ローン控除可 | 令和6年以降建築確認の新築は省エネ基準必須 |
| 収受日付印 | 控えに押なつあり | 令和7年1月から廃止 |
| 申告期間 | 令和6年2月16日〜3月15日 | 令和7年2月17日〜3月17日 |
所得控除の種類と適用要件の全体像は「所得控除の一覧と適用要件」で解説していますので、控除漏れの防止にご活用ください。
令和6年分の確定申告を行う前に、以下のチェックリストで漏れがないか確認してください。
| ✓ | チェック項目 |
|---|---|
| □ | 定額減税欄(㊹㊺)に対象人数と減税額を記載したか |
| □ | 第二表に定額減税対象の同一生計配偶者・扶養親族の情報を記載したか |
| □ | 住宅ローン控除を受ける場合、「特個」欄の記載が必要か確認したか |
| □ | 省エネ基準に関する添付書類(確認済証等)を準備したか |
| □ | 源泉徴収票の「控除外額」を確認したか(調整給付金の対象確認) |
| □ | 紙提出の場合、収受日付印の廃止を踏まえた提出証明の準備をしたか |
| □ | 欄番号のズレに注意して正しい欄に記載したか(手書きの場合) |
年末調整との関係については「【税理士×社労士が解説】年末調整とは?しくみ・対象者・手続きの流れを完全ガイド」で詳しく解説しています。
📋 この記事のポイント