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年金に税金がかかるのか不安な方に向けて、年金の種類別の課税関係・公的年金等控除額の計算方法・確定申告の要否を完全ガイドします。この記事を読めば、自分の年金収入に対する税金を計算し、確定申告が必要かどうかを判断できます。


年金に税金がかかるのか不安な方に向けて、年金の種類別の課税関係・公的年金等控除額の計算方法・確定申告の要否を完全ガイドします。この記事を読めば、自分の年金収入に対する税金を計算し、確定申告が必要かどうかを判断できます。
🏆 結論:年金収入400万円以下+他の所得20万円以下なら確定申告不要
老齢年金は「雑所得」として課税対象ですが、障害年金と遺族年金は非課税です。公的年金等の収入が年間400万円以下で、かつ公的年金等以外の所得が20万円以下であれば「確定申告不要制度」が適用され、確定申告は不要です。ただし、医療費控除やふるさと納税の控除を受ける場合は、確定申告をした方が得になるケースがあります。
「年金」と一口に言っても、種類によって課税関係が大きく異なります。まずは自分が受け取っている年金がどのカテゴリーに該当するかを確認しましょう。
| 年金の種類 | 課税 | 所得区分 | 適用される控除 |
|---|---|---|---|
| 老齢年金(国民年金・厚生年金) | 課税 | 雑所得 | 公的年金等控除 |
| 障害年金 | 非課税 | — | — |
| 遺族年金 | 非課税 | — | — |
| 企業年金(確定給付・確定拠出) | 課税 | 雑所得(公的年金等) | 公的年金等控除 |
| 個人年金保険(生命保険契約等) | 課税 | 雑所得(公的年金等以外) | 必要経費(払込保険料)を控除 |
| iDeCo(年金受取) | 課税 | 雑所得(公的年金等) | 公的年金等控除 |
🔷 社労士の視点:障害年金・遺族年金は非課税
障害年金と遺族年金は所得税法第9条により非課税です。確定申告書に記載する必要もなく、他の所得の計算にも影響しません。ただし、障害年金・遺族年金を受給しながらアルバイトなどで収入がある場合、その給与所得には通常どおり課税されます。
⚠️ 注意:個人年金保険は「公的年金等」ではない
生命保険会社の個人年金保険から受け取る年金は「公的年金等以外の雑所得」に分類されます。公的年金等控除は適用されず、「年金収入 − 払込保険料相当額」が所得になります。確定申告不要制度の「公的年金等以外の所得20万円以下」の判定にも影響するため、注意が必要です。
公的年金等の雑所得は「公的年金等の収入金額 − 公的年金等控除額」で計算します。控除額は受給者の年齢(65歳未満/65歳以上)と年金収入額によって異なります。
| 公的年金等の収入金額 | 公的年金等控除額 (年金以外の所得1,000万円以下) |
|---|---|
| 330万円以下 | 110万円 |
| 330万円超〜410万円以下 | 収入金額×25%+27.5万円 |
| 410万円超〜770万円以下 | 収入金額×15%+68.5万円 |
| 770万円超〜1,000万円以下 | 収入金額×5%+145.5万円 |
| 1,000万円超 | 195.5万円(上限) |
| 公的年金等の収入金額 | 公的年金等控除額 (年金以外の所得1,000万円以下) |
|---|---|
| 130万円以下 | 60万円 |
| 130万円超〜410万円以下 | 収入金額×25%+27.5万円 |
| 410万円超〜770万円以下 | 収入金額×15%+68.5万円 |
| 770万円超〜1,000万円以下 | 収入金額×5%+145.5万円 |
| 1,000万円超 | 195.5万円(上限) |
65歳以上の方は年金収入330万円以下なら控除額が110万円となり、65歳未満の方(60万円)よりも50万円大きくなります。この差は、高齢者の生活を考慮した制度設計です。
📐 シミュレーション前提条件
| 年金収入 | 雑所得 | 所得税 | 住民税 | 手取り目安 |
|---|---|---|---|---|
| 150万円 | 40万円 | 0円 | 約0.5万円 | 約135万円 |
| 200万円 | 90万円 | 約1.1万円 | 約2.7万円 | 約176万円 |
| 250万円 | 140万円 | 約3.4万円 | 約5.7万円 | 約216万円 |
| 300万円 | 190万円 | 約6.2万円 | 約9.0万円 | 約255万円 |
※概算値です。社会保険料や控除の状況により異なります。正確な計算は税理士にご相談ください。
65歳以上で年金収入が158万円以下であれば、公的年金等控除110万円+基礎控除48万円で課税所得がゼロになり、所得税はかかりません。所得控除の全体像は「所得控除とは?15種類の一覧表と適用条件を完全ガイド」をご覧ください。
年金受給者の確定申告が必要かどうかは、以下のフローで判定できます。
| 段階 | 判定項目 | Yes | No |
|---|---|---|---|
| 1 | 受け取っている年金はすべて源泉徴収の対象か? | → 2へ | 申告必要 |
| 2 | 公的年金等の収入合計は400万円以下か? | → 3へ | 申告必要 |
| 3 | 公的年金等以外の所得は20万円以下か? | → 4へ | 申告必要 |
| 4 | 医療費控除・ふるさと納税等で還付を受けたいか? | 申告した方が得 | 申告不要 |
💡 実務のポイント:「申告不要」でも申告した方が得なケース
確定申告不要制度の対象であっても、源泉徴収された税金が実際の税額より多い場合は、確定申告をすることで還付を受けられます。特に、年金から源泉徴収されている方で、扶養親族等申告書を提出していない方は、各種控除が適用されていないため、確定申告で多額の還付が出ることがあります。確定申告の基本的な手続きは「確定申告の基礎知識」をご覧ください。
確定申告不要制度の対象者であっても、以下のケースでは確定申告をすることで税金が還付される可能性があります。
| ケース | 内容 | 還付の目安 |
|---|---|---|
| 医療費控除 | 年間の医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合 | 超過分×所得税率(5〜10%程度) |
| 生命保険料控除 | 源泉徴収票に反映されていない保険料がある場合 | 最大12万円の控除 |
| ふるさと納税 | ワンストップ特例を使わずに寄付した場合 | 寄付金額−2,000円が控除 |
| 住宅ローン控除 | 住宅ローンの残債がある場合 | ローン残高の0.7%が税額控除 |
| 扶養親族等申告書の未提出 | 年金の源泉徴収で各種控除が適用されていない場合 | 配偶者控除・扶養控除分の還付 |
| 災害・盗難等 | 災害や盗難で損害を受けた場合(雑損控除) | 損害額に応じた控除 |
💡 実務のポイント:還付申告は5年以内なら遡れる
過去に確定申告をしていなかった年金受給者の方でも、還付申告(確定申告)は翌年1月1日から5年間提出できます。「医療費が多かった年があったのに申告しなかった」という方は、5年以内であれば遡って還付を受けられます。
定年後もパート・アルバイトや再雇用で働きながら年金を受け取る方は増えています。この場合、年金の雑所得と給与所得の両方に課税されます。
給与所得がある場合、「公的年金等以外の所得が20万円以下」の条件に該当するかどうかで確定申告の要否が決まります。給与収入が85万円以下(給与所得控除65万円を引くと所得20万円以下)であれば、確定申告不要制度の対象となります。
ただし、給与から源泉徴収されている税金と、年金から源泉徴収されている税金は別々に計算されているため、確定申告をすることで税金の精算が行われ、還付される場合もあります。年末調整と確定申告の関係について詳しくは「【税理士×社労士が解説】年末調整とは?しくみ・対象者・手続きの流れを完全ガイド」をご確認ください。
65歳以上で厚生年金に加入しながら働いている場合、給与(標準報酬月額)と年金(老齢厚生年金の基本月額)の合計が50万円を超えると、超えた分の半額が年金から減額されます。これは「在職老齢年金制度」によるもので、税金の問題ではなく年金制度の問題です。
生命保険会社の個人年金保険(民間の年金保険)は、公的年金等とは異なる課税ルールが適用されます。
| 比較項目 | 公的年金等 | 個人年金保険 |
|---|---|---|
| 所得区分 | 雑所得(公的年金等) | 雑所得(公的年金等以外) |
| 控除方法 | 公的年金等控除 | 必要経費(払込保険料)を控除 |
| 確定申告不要制度 | 400万円以下+他の所得20万円以下で不要 | 「公的年金等以外の所得」として20万円判定に影響 |
| 源泉徴収 | 日本年金機構等が源泉徴収 | 生命保険会社が源泉徴収(年金額−必要経費が25万円以上の場合) |
個人年金保険の所得が年間20万円を超えると、公的年金等の収入が400万円以下でも確定申告が必要になります。副業としての所得計算については「副業の確定申告|20万円ルールの正しい理解と申告方法」もご参照ください。
老齢年金は支給時に所得税が源泉徴収されます。源泉徴収税額は、年金額から一定の控除額を差し引いた金額に5.105%(復興特別所得税込み)を乗じて算出されます。
日本年金機構から毎年送付される「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」を提出すると、配偶者控除・扶養控除・障害者控除などが源泉徴収の段階で適用され、天引きされる税金が少なくなります。
提出しない場合、これらの控除が適用されずに多めに源泉徴収されてしまいます。この場合でも確定申告をすれば還付を受けられますが、手間がかかるため、申告書は必ず提出しましょう。
🔷 社労士の視点:年金からの社会保険料天引き
年金からは所得税だけでなく、国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)と介護保険料も特別徴収(天引き)されます。天引きされた社会保険料は、源泉徴収の際に社会保険料控除として自動的に適用されます。青色申告の方は「青色申告のメリットと申請方法」もご確認ください。
| 間違い | 正しい取扱い | 影響 |
|---|---|---|
| 障害年金・遺族年金にも税金がかかると思っている | 障害年金と遺族年金は所得税法上非課税。確定申告書への記載も不要 | 不必要な申告をしてしまう |
| 確定申告不要=住民税も不要と思っている | 所得税の確定申告不要制度は住民税には適用されない。住民税は別途申告が必要な場合あり | 住民税の申告漏れ |
| 個人年金保険の年金を公的年金等に含めている | 個人年金保険は「公的年金等以外の雑所得」。20万円超なら確定申告必要 | 確定申告漏れの可能性 |
| 扶養親族等申告書を出さなくても同じと思っている | 未提出だと各種控除が源泉徴収に反映されず、多めに天引きされる | 不必要な税金の前払い |
| 医療費が多くても確定申告しない | 医療費控除は確定申告でしか受けられない。年金受給者は還付の可能性大 | 還付金の取り逃し |
📋 この記事のポイント
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