雇用保険の加入要件と手続き|週20時間以上・31日以上雇用見込み・2028年10月からの週10時間拡大

雇用保険の加入要件と手続き|週20時間以上・31日以上雇用見込み・2028年10月からの週10時間拡大
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。

「パートは雇用保険に加入させるべき?」「学生アルバイトは対象外?」「2028年10月から週10時間でも加入義務化と聞いたが本当?」——雇用保険の加入要件・手続き・被保険者の種類・除外対象・最新改正までを、経営者・人事担当者の実務目線で完全解説します。この記事を読めば、社内の誰を雇用保険に加入させるべきかが明確に判断できます。

🏆 結論:週20時間以上+31日以上雇用見込みが基本、2028年10月から週10時間に拡大

雇用保険の加入要件は、雇用保険法第6条により「1週間の所定労働時間が20時間以上」かつ「31日以上の雇用見込み」の2要件をいずれも満たすこと。2024年5月成立の改正雇用保険法により、2028年10月1日からは週20時間の要件が「週10時間」に拡大され、新たに約500万人が加入対象に加わる見込みです。加入対象者の資格取得届は、資格取得日の属する月の翌月10日までにハローワークへ提出します。加入漏れがあると、離職時に遡及加入が必要となり、事業主に負担がかかるため、採用時の加入要件確認が実務上の重要ポイントです。

雇用保険とは?制度の目的と概要

雇用保険は、労働者の雇用の安定と就職の促進を目的とした国の制度です。失業時の所得保障だけでなく、教育訓練給付・育児休業給付・介護休業給付など、現役の労働者のキャリア形成と仕事と家庭の両立を幅広く支援します。厚生労働省の雇用保険制度ページにも最新の給付内容や料率が公表されています。

雇用保険の基本的な仕組み

雇用保険法第1条により、雇用保険は以下の3つの事業で構成されています。

事業 主な給付 費用負担
失業等給付基本手当(失業給付)・教育訓練給付・高年齢雇用継続給付・介護休業給付労使折半
育児休業給付育児休業給付金・出生時育児休業給付金労使折半
雇用保険二事業雇用安定事業(雇用調整助成金等)・能力開発事業事業主のみ負担

労災保険との関係

雇用保険と労災保険は、併せて「労働保険」と呼ばれる関連制度です。どちらも労働者を保護する制度ですが、カバーする対象が異なります。労災保険の加入要件と適用範囲は労災保険の加入義務と適用範囲で詳述しています。労働保険全体の手続きは労働保険の加入手続きと年度更新をご参照ください。

雇用保険の加入要件(2つの必須要件)

雇用保険法第6条により、以下の2要件をいずれも満たす労働者は、原則として雇用保険の被保険者となります。

要件1:1週間の所定労働時間が20時間以上

所定労働時間とは、雇用契約で定めた「通常の週に働くべき時間」のことです。実際の労働時間(残業を含む)ではなく、雇用契約上の定めを基準に判定します。

例えば、契約上「月〜金の9時〜13時(週20時間)」と定められていれば、繁忙期に残業があっても加入要件を満たします。逆に、契約上「週15時間」なら、実際の労働時間が週25時間を超えても加入対象外です(ただし、実態が異なる場合は契約内容の見直しが必要)。

要件2:31日以上の雇用見込み

31日以上の雇用見込みがあるとは、次のいずれかに該当する場合を指します。

短期アルバイト(夏休み・冬休み限定等)でも、31日以上の契約期間なら雇用保険加入対象となります。

2要件の判定フローチャート

週の所定労働時間 雇用見込み 加入対象
20時間以上31日以上○ 加入
20時間以上30日以下× 対象外(31日以上になった時点で加入)
20時間未満31日以上× 対象外(2028年10月から10時間以上なら加入)
20時間未満30日以下× 対象外

💡 実務のポイント:週20時間の判定で迷いやすいケース

変形労働時間制(月変形・年変形)を採用している事業所では、週20時間の判定で迷いやすい実務ケースがあります。この場合は、週平均の所定労働時間で判定します。例えば月単位変形で週40時間/週0時間を繰り返す場合、平均週20時間として加入対象と判定します。弊所関与の小売業顧問先(従業員60名のうちパート35名)では、変形労働時間制の下で週平均時間の管理を徹底することで、加入漏れゼロで運用しています。

雇用保険の被保険者4類型

雇用保険法第60条の2により、雇用保険の被保険者は4つの類型に分類されます。類型により給付内容や保険料負担が異なります。

4類型の一覧比較

類型 対象 主な特徴
一般被保険者65歳未満・期間の定めなし(または31日以上雇用見込み)最も一般的な類型
高年齢被保険者65歳以上で雇用される者高年齢求職者給付金・高年齢再就職給付金の対象
短期雇用特例被保険者季節的・期間限定で雇用される者(通年雇用期間4ヶ月以内かつ週30時間以上)特例一時金の対象
日雇労働被保険者日々雇用される者・30日以内の期間雇用日雇労働求職者給付金の対象

2022年1月の複数事業所就労の改正

2022年1月1日から、「マルチジョブホルダー制度」が導入されました。65歳以上で複数の事業所に勤務する労働者のうち、本人が申し出た場合、2社の労働時間を合算して週20時間以上であれば雇用保険に加入できます。

対象となるには以下の要件をすべて満たす必要があります。

雇用保険の加入除外者

加入要件を満たしていても、雇用保険法第6条により一部の労働者は除外されます。

除外対象者の一覧

除外対象 理由・備考
昼間学生(高校生・大学生等)卒業予定者・休学中・定時制・通信制は対象
法人の役員(取締役等)使用人兼務役員は例外的に対象となる場合あり
事業主と同居の親族のみを雇用する事業の被雇用者原則対象外(例外あり)
家事使用人個人家庭の家政婦等
公務員別途の身分保障制度あり
船員保険の被保険者別途の船員保険で対応
外国公務員・外国人研修生特殊な在留資格の場合

学生の加入可否の詳細判定

学生の雇用保険加入の可否は、以下の要素で判定します。

学生の状況 加入可否
通常の昼間学生(大学・高校)× 対象外
卒業見込証明書を有し卒業後も引き続き雇用予定○ 対象
休学中の学生○ 対象
定時制・通信制課程の学生○ 対象
大学院生(博士課程在籍中の研究職等)△ 個別判定

⚠️ 注意:役員の雇用保険の誤加入リスク

代表取締役等の役員を誤って雇用保険に加入させてしまうと、離職時の失業給付受給の際に問題が発生します。ハローワークの調査で役員の就任年月日と被保険者資格取得日の矛盾が判明すると、過去に納付した保険料が無効となり、給付が停止されるケースがあります。弊所の関与事例では、中小企業で代表者を雇用保険に誤加入していたことが発覚し、5年遡及で全ての雇用保険料が無効となり再精算が必要となった事例があります。役員就任時は必ず雇用保険資格喪失届の提出が必要です。

雇用保険資格取得の手続き

新たに雇用保険の加入対象となる労働者を雇用した場合、所定の期限内にハローワークへ資格取得届を提出します。

提出書類と期限

書類 提出先 期限
雇用保険被保険者資格取得届事業所所在地管轄のハローワーク資格取得日(採用日)の属する月の翌月10日まで
雇用契約書・労働条件通知書添付書類同時提出
賃金台帳(写し)添付書類同時提出(初回雇用時)
出勤簿(写し)添付書類同時提出(初回雇用時)

資格取得届の記載事項

被保険者番号の確認方法

雇用保険被保険者番号は、過去の勤務先で発行された雇用保険被保険者証に記載されています。採用時に前職の被保険者証を提出してもらうか、本人にハローワークで確認してもらう必要があります。

被保険者番号の誤記載は、離職時の給付計算に影響する重大なエラーです。番号が分からない場合は「不明」として提出し、ハローワークで番号を特定してもらう運用が安全です。

電子申請(e-Gov)による雇用保険手続き

雇用保険の資格取得届・喪失届は、e-Govを通じた電子申請が可能です。GビズIDプライム(詳細は会社設立時の新規適用届を参照)を取得すれば、オンラインで完結します。

電子申請のメリット

  1. 24時間受付:深夜・休日でも申請可能
  2. ハローワーク訪問不要:郵送・持参より迅速
  3. 控えの電子化:被保険者証・離職票の電子発行
  4. クラウド給与ソフトとの連携:自動入力で記載ミスを防止

電子申請後の被保険者証の扱い

電子申請の場合、被保険者証は事業主に電子的に交付されます。事業主はこれを印刷して従業員に交付するか、電子データで従業員に提供します。

💡 実務のポイント:採用時の雇用保険手続きの自動化

弊所関与の顧問先では、クラウド給与ソフト(SmartHR・マネーフォワード・freee人事労務等)とe-Gov連携を活用し、採用日データを入力するだけで雇用保険資格取得届が自動生成される運用を導入しています。この運用により、採用から5営業日以内の資格取得届提出が可能となり、月次の事務工数を約80%削減できています。特に人事担当者が1名のみの中小企業にとって、電子申請と給与ソフト連携は必須のインフラと言えます。

雇用保険の保険料率と計算

雇用保険料は、賃金総額に保険料率を乗じて算出します。労使折半の仕組みで、事業主負担が本人負担より多く設定されています(事業主のみの二事業分があるため)。

令和8年度の雇用保険料率

事業区分 労働者負担 事業主負担 合計
一般の事業5/1000(0.5%)9/1000(0.9%)14/1000(1.4%)
農林水産・清酒製造業6/100010/100016/1000
建設業6/100011/100017/1000

月額賃金別の保険料シミュレーション

🧮 雇用保険料の月額計算(一般事業)

■月額賃金10万円の場合
労働者負担:10万円×5/1000=500円/月
事業主負担:10万円×9/1000=900円/月

■月額賃金25万円の場合
労働者負担:25万円×5/1000=1,250円/月
事業主負担:25万円×9/1000=2,250円/月

■月額賃金50万円の場合
労働者負担:50万円×5/1000=2,500円/月
事業主負担:50万円×9/1000=4,500円/月

※賞与にも同率で課される

雇用保険料は毎月の給与から控除し、労災保険料と合わせて「労働保険料」として年1回の年度更新で精算します。詳細は労働保険の年度更新をご参照ください。

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雇用保険の給付内容

雇用保険の給付は、労働者のライフステージや就労状況に応じて多彩な種類が用意されています。

主な給付の一覧

給付 対象 主な内容
基本手当(失業給付)失業者離職前賃金の50〜80%・90〜360日
育児休業給付金育児休業中の労働者休業前賃金の67%(180日まで)・50%(181日以降)
出生時育児休業給付金(産後パパ育休)出生後8週間内の育休取得者最大28日間・休業前賃金の67%
介護休業給付金介護休業中の労働者休業前賃金の67%・最大93日
教育訓練給付金厚生労働大臣指定講座受講者受講費用の20〜80%
高年齢雇用継続給付60歳以上で賃金低下した労働者賃金低下分の最大15%(2025年4月から10%)
高年齢求職者給付金65歳以上の離職者基本手当日額の30〜50日分

失業給付の受給要件

基本手当(いわゆる失業給付)の主な受給要件は以下のとおりです。

2028年10月の適用拡大(週10時間への引下げ)

2024年5月に成立した改正雇用保険法により、雇用保険の加入要件のうち「1週間の所定労働時間」が20時間から10時間に引き下げられます。施行は2028年10月1日です。

改正の概要とインパクト

項目 現行(〜2028年9月) 改正後(2028年10月〜)
1週間の所定労働時間20時間以上10時間以上
雇用見込み31日以上31日以上(変更なし)
新規加入者見込み約500万人

厚生労働省の雇用保険法改正ページに最新情報が公表されています。

影響を受ける業種と企業規模

2028年10月の適用拡大で最も影響を受けるのは、短時間パート・アルバイトの比率が高い業種です。

大手チェーン店では、週10〜15時間勤務のアルバイトが一定割合を占めるため、加入者数が数千人〜数万人単位で増加することが想定されます。

企業側の準備事項

2028年10月までに、企業は以下の準備を進める必要があります。

  1. 加入対象者の洗い出し:週10時間以上20時間未満のパート・アルバイトを把握
  2. 給与システムの対応:新規加入対象者の雇用保険料控除を給与計算ソフトに反映
  3. 労働者への説明:加入義務の発生と保険料負担の発生を丁寧に説明
  4. 資格取得届の一斉提出準備:2028年10月1日時点での一括加入手続き
  5. 助成金活用検討:キャリアアップ助成金等の活用余地を確認

📢 社会保険の適用拡大とのタイミング差

社会保険(健保・厚年)の適用拡大は2026年10月以降に企業規模要件が段階的に撤廃される一方、雇用保険は2028年10月から週10時間への拡大と、タイミングが異なります。詳細は社会保険の適用拡大106万円の壁撤廃をご参照ください。人事・給与担当者は両方の改正スケジュールを把握して準備する必要があります。

雇用保険資格喪失の手続き(離職時)

労働者が退職した場合、事業主は雇用保険被保険者資格喪失届を提出します。

提出書類と期限

書類 提出先 期限
雇用保険被保険者資格喪失届ハローワーク資格喪失日(退職日の翌日)から10日以内
雇用保険被保険者離職証明書(離職票発行希望時)ハローワーク資格喪失届と同時

離職票の作成と交付

離職票は、退職者が失業給付を受給するために必要な書類です。退職者本人が発行を希望する場合、事業主は速やかに作成してハローワーク経由で交付します。

59歳以上で退職する労働者については、本人の意思にかかわらず離職票の発行が義務となります(雇用保険法第76条)。退職時に離職票を発行しておかないと、後日本人から請求があった際の事業主の事務負担が大きくなるため、59歳以上の退職者は自動的に発行することをお勧めします。 詳細な離職票の実務は社会保険の全体像や就業規則整備は就業規則作成の手順も参照してください。

加入漏れ・手続き遅延のリスク

雇用保険の加入漏れや手続き遅延は、事業主・労働者の双方に負担をもたらします。

加入漏れが発覚した場合の対応

雇用保険の加入対象者を未加入のまま放置していた場合、発覚時点で最大2年間遡及して加入手続きを行います。雇用保険法第14条により、被保険者期間は最大2年間遡及可能です。

遡及加入の実務手順

  1. ハローワークに事情説明と遡及加入の相談
  2. 対象期間の賃金台帳・出勤簿の準備
  3. 遡及分の雇用保険料の追加納付(事業主と労働者の両方)
  4. 資格取得届の遡及提出
  5. 労働保険料の差額精算(年度更新での再計算)

⚠️ 実例:パート18名の遡及加入で約80万円の追加負担

弊所が事後関与した小売業(年商3億円)では、週20時間超で勤務するパート18名の雇用保険加入を2年間にわたり失念していました。ハローワーク調査で発覚し、2年遡及で雇用保険料合計約80万円(事業主負担と労働者負担の両方・月額約3,300円×2年×18名)の追加納付となりました。労働者負担分は本人から徴収する必要がありましたが、既に退職した者も多く、実質的に事業主が全額負担する結果となりました。採用時の加入判定の徹底が、こうしたリスクを防ぎます。

離職理由コードと失業給付への影響

離職理由は、失業給付の支給開始日・給付日数に大きく影響します。正しい離職理由コードで離職票を作成することが、退職者の権利を守る観点でも重要です。

離職理由の主な区分

コード 離職理由 給付制限
1A会社都合(倒産)なし(待期7日のみ)
1B会社都合(解雇)なし(待期7日のみ)
2A〜2D特定理由離職者(契約期間満了等)なし(待期7日のみ)
3A〜3D自己都合(正当な理由あり)原則なし
4D自己都合(一般)原則2ヶ月
5D重責解雇3ヶ月

会社都合離職(1A・1B)と自己都合離職(4D)の違いは、待期期間だけでなく給付日数にも及びます。会社都合の方が給付日数が長く設定されており、退職者の生活保障が手厚くなります。

よくある質問

週20時間未満のパートは、2028年10月まで雇用保険に加入できないのですか?
原則として現行制度(2028年9月まで)では週20時間未満のパート・アルバイトは雇用保険加入対象外です。ただし、65歳以上の労働者については「マルチジョブホルダー制度」により、複数事業所の労働時間を合算して週20時間以上となる場合、本人申し出による加入が可能です。2028年10月からは週10時間以上で加入義務が発生するため、現時点で週10〜20時間のパートも対応準備を始めることが重要です。
学生アルバイトは雇用保険に加入させる必要がありますか?
通常の昼間学生(大学生・高校生等)は、週20時間以上働いていても雇用保険の適用除外となります。ただし、(1)卒業見込証明書があり卒業後も継続雇用予定、(2)休学中、(3)定時制・通信制課程の学生、の場合は対象となります。判定が微妙なケースは、ハローワークに事前確認することをお勧めします。学生でも適切な加入判定を行わないと、後日問題となる可能性があります。
役員でも雇用保険に加入できる場合はありますか?
代表取締役や通常の役員は雇用保険の対象外ですが、使用人兼務役員(部長・課長等の肩書を持ち、実際に従業員として労働している役員)は、「兼務役員雇用実態証明書」を提出することで雇用保険に加入できる場合があります。判定要件は厳格で、(1)常態的に従業員としての業務に従事、(2)従業員としての給与が役員報酬を上回る、(3)役員の独立した裁量が限定的、等を総合的に判断します。迷う場合は社労士またはハローワークに相談することをお勧めします。
雇用保険料は賞与にもかかりますか?
はい、雇用保険料は毎月の給与と賞与の両方にかかります。計算式は賞与も同じで、賞与額×雇用保険料率です。一般事業で賞与50万円の場合、労働者負担2,500円・事業主負担4,500円となります。社会保険料の賞与計算は標準賞与額の上限がありますが、雇用保険料には上限がなく、賞与額の全額が対象となります。
資格取得届の提出を忘れた場合、どうすればよいですか?
速やかにハローワークに事情説明のうえ遡及提出します。雇用保険法第14条により最大2年間遡及可能です。提出期限(翌月10日)を過ぎた届出でも、遅滞なく対応すれば罰則はほとんど科されません。ただし、退職後の遡及加入の場合、既に退職した労働者から労働者負担分を徴収する手続きが煩雑になるため、在職中の確認・提出が重要です。
試用期間中のアルバイトも雇用保険加入対象ですか?
試用期間中でも、加入要件(週20時間以上・31日以上雇用見込み)を満たす場合は加入対象です。試用期間終了後に本採用するかどうかに関わらず、採用日から雇用保険加入が必要です。「試用期間が3ヶ月で本採用後から加入」という運用は誤りで、ハローワーク調査で指摘される可能性があります。試用期間の有無に関係なく、採用日を資格取得日として手続きを行ってください。
複数の事業所で働くパートの雇用保険はどうなりますか?
原則として、主たる事業所(収入が多い、または労働時間が長い事業所)でのみ加入します。2つの事業所で同時に加入することはできません。ただし、65歳以上の労働者については、2022年1月から導入された「マルチジョブホルダー制度」により、2社の労働時間を合算して週20時間以上であれば、本人の申し出により加入できます。64歳以下の場合、各事業所で週20時間未満であれば現行制度では加入対象外です(2028年10月から週10時間に拡大)。
雇用保険の被保険者番号は転職しても引き継がれますか?
はい、引き継がれます。雇用保険の被保険者番号は個人に紐づくため、転職しても同じ番号を継続使用します。転職先の事業主は、前職から引き継いだ雇用保険被保険者証(または本人のマイナンバー)から番号を確認して資格取得届に記載します。番号が不明の場合、「不明」として提出することでハローワークが自動的に特定してくれます。ただし、被保険者番号の正確な記載により過去の勤務期間が通算され、失業給付の受給要件判定が正確になります。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 雇用保険の加入要件(雇用保険法第6条)は「1週間の所定労働時間20時間以上」かつ「31日以上の雇用見込み」の2要件を両方満たすこと
  • 被保険者は一般被保険者・高年齢被保険者・短期雇用特例被保険者・日雇労働被保険者の4類型に分類される
  • 昼間学生・役員・家事使用人・公務員・船員保険被保険者は雇用保険の適用除外者となる
  • 資格取得届は資格取得日(採用日)の属する月の翌月10日までにハローワークへ提出、喪失届は退職日の翌日から10日以内に提出
  • 2022年1月導入の「マルチジョブホルダー制度」により、65歳以上は複数事業所の労働時間合算で週20時間以上なら加入可能
  • 2028年10月から雇用保険の適用要件が「週20時間以上」から「週10時間以上」に拡大し、新規加入者が約500万人増加する見込み
  • 令和8年度の雇用保険料率は一般事業で合計1.4%(労働者0.5%・事業主0.9%)で、保険料は給与・賞与の両方にかかる
  • 加入漏れは2年間遡及可能だが、退職後の遡及は労働者負担分の徴収が困難になるため、採用時の加入判定の徹底が重要

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