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「自分は確定申告が必要なのか?」とお悩みの会社員・年金受給者・副業をしている方に向けて、3パターンの判定フローチャートで申告の要否を完全ガイドします。この記事を読めば、自分が確定申告をすべきかどうかを5分で判断できます。


「自分は確定申告が必要なのか?」とお悩みの会社員・年金受給者・副業をしている方に向けて、3パターンの判定フローチャートで申告の要否を完全ガイドします。この記事を読めば、自分が確定申告をすべきかどうかを5分で判断できます。
🏆 結論:確定申告が必要かどうかは「所得の種類」と「金額」で決まる
会社員で年末調整を受けている方は原則不要ですが、副業所得が20万円を超える場合・給与が2,000万円を超える場合・医療費控除を受けたい場合などは確定申告が必要です。年金受給者は「公的年金等が400万円以下」かつ「その他所得が20万円以下」なら不要です。ただし、確定申告が不要でも住民税の申告が必要な場合があるので注意してください。
確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間に得た所得にかかる税金を計算し、翌年2月16日から3月15日までに税務署へ申告・納付する手続きです。
会社員の場合、勤務先が毎月の給与から所得税を天引き(源泉徴収)し、年末調整で過不足を精算してくれるため、原則として確定申告は不要です。しかし、副業をしている・医療費が多い・年収が2,000万円を超えるなど、特定の条件に当てはまる場合は自分で確定申告をしなければなりません。
確定申告の基本的なしくみや全体像については「確定申告とは?対象者・期間・やり方を完全ガイド」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
💡 実務のポイント
年間200件以上の確定申告を受託してきた経験上、「自分は申告不要だと思っていた」というケースの約3割は、実際には申告が必要でした。特に多いのが、副業所得の計算で「収入」と「所得(収入−経費)」を混同しているケースです。
所得税法第121条の規定により、1か所から給与を受けている人で、年末調整が済んでいる場合は、原則として確定申告は不要です。ただし、以下のいずれかに該当する場合は確定申告が必要になります。
| 判定ステップ | 質問 | 「はい」の場合 |
|---|---|---|
| STEP 1 | 給与の年収が2,000万円を超えていますか? | → 確定申告が必要 |
| STEP 2 | 2か所以上から給与を受けていますか? | → 副給与+他所得が20万円超なら必要 |
| STEP 3 | 副業・投資などで給与以外の所得が20万円を超えていますか? | → 確定申告が必要 |
| STEP 4 | 同族会社の役員で、会社から利子・賃貸料を得ていますか? | → 金額に関わらず必要 |
| STEP 5 | 災害減免法の適用で源泉徴収の猶予を受けていますか? | → 確定申告が必要 |
| STEP 6 | 退職金を受け取り「退職所得の受給に関する申告書」を未提出ですか? | → 確定申告が必要 |
| 全て「いいえ」 | → 確定申告は原則不要(ただし還付申告は任意) | |
参考: 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
年の途中で退職し、12月31日までに再就職しなかった場合は年末調整が行われません。この場合、源泉徴収で所得税を払い過ぎている可能性が高く、確定申告(還付申告)をすれば税金が戻ってくるケースが大半です。
💡 実務のポイント
年間で最も多い相談が「前職を退職して転職したが、前職の源泉徴収票を新しい会社に出し忘れた」というケースです。この場合、前職分の所得について年末調整ができないため、確定申告が必要になります。転職直後は必ず前職の源泉徴収票を保管しておいてください。
公的年金等の確定申告不要制度とは、申告手続きの負担を減らすために設けられた制度で、以下の2つの条件を同時に満たす場合、所得税の確定申告が不要になります。
条件①:公的年金等の収入金額の合計が400万円以下であること
条件②:公的年金等以外の所得金額の合計が20万円以下であること
| 年金収入 | 他の所得20万円以下 | 他の所得20万円超 |
|---|---|---|
| 400万円以下 | ○ 申告不要 | × 申告必要 |
| 400万円超 | × 申告必要 | × 申告必要 |
⚠️ 注意
確定申告不要制度で「申告不要」となっても、医療費控除やふるさと納税の寄附金控除を受けるには確定申告が必要です。高齢者は医療費が高額になりやすいため、「申告不要=申告しない方が得」とは限りません。
遺族年金や障害年金は所得税法上の非課税所得です。これらの年金のみを受給している場合、確定申告は不要です。ただし、遺族年金と老齢年金を同時に受給している場合は、老齢年金部分について上記の判定を行ってください。
給与所得者が副業で得た所得が年間20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要です。これがいわゆる「20万円ルール」です。しかし、このルールには多くの人が見落としている落とし穴が3つあります。
| 落とし穴 | 内容 | 影響 |
|---|---|---|
| ① 住民税は別 | 20万円ルールは所得税(国税)だけの特例。住民税(地方税)には適用されない | 副業所得が1円でもあれば住民税の申告が必要 |
| ② 他の控除を使うなら合算必須 | 医療費控除やふるさと納税で確定申告する場合、20万円以下の副業所得も合算して申告しなければならない | 副業所得にも所得税が課税される |
| ③「収入」と「所得」の混同 | 20万円の判定は「収入」ではなく「所得(収入−経費)」で行う。ただしアルバイト等の給与は「収入」で判定 | 計算方法を間違えると申告漏れになる |
💡 実務のポイント
実際に多いのが落とし穴②のケースです。「ふるさと納税のワンストップ特例を使い忘れたから確定申告した」結果、副業所得15万円も申告に含まれ、所得税が約1.5万円増えた——という相談を毎年複数件受けます。ふるさと納税で取り戻す金額よりも副業の追加税額が大きいこともあるので、事前にシミュレーションしてください。
副業の所得(収入−必要経費)が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要です。副業の所得区分によって経費の計算方法が異なります。
| 副業の種類 | 所得区分 | 20万円の判定方法 |
|---|---|---|
| アルバイト・パート | 給与所得 | 額面の給与「収入」で判定 |
| クラウドソーシング・原稿料 | 雑所得 | 収入−必要経費=「所得」で判定 |
| フリマ・ハンドメイド販売 | 雑所得 | 収入−仕入・送料等=「所得」で判定 |
| 不動産賃貸 | 不動産所得 | 収入−経費=「所得」で判定 |
| 株式売却(特定口座・源泉あり) | 譲渡所得 | 源泉徴収で完結。申告不要 |
| 暗号資産売却 | 雑所得 | 売却額−取得費=「所得」で判定 |
なお、メルカリなどのフリマアプリで自分の不用品(衣服・家具など生活用動産)を売った利益は、原則として非課税です。ただし、転売目的で仕入れた商品や、30万円超の貴金属・骨董品の売却は課税対象になります。
確定申告の義務がなくても、申告することで税金の還付を受けられるケースがあります。以下の8パターンに該当する方は、確定申告(還付申告)を検討してください。
| パターン | 対象者 | 還付の目安 |
|---|---|---|
| ① 医療費控除 | 年間の医療費(家族合算)が10万円超 | (医療費−10万円)×税率分 |
| ② ふるさと納税 | ワンストップ特例を使わなかった人 | 寄附金−2,000円の税額相当分 |
| ③ 住宅ローン控除(初年度) | 住宅を購入・新築した初年度 | 年末残高×0.7%(上限あり) |
| ④ 年途中の退職 | 年内に再就職しなかった人 | 源泉徴収された過払い分 |
| ⑤ 上場株式の損失繰越 | 株で損失が出た人 | 翌年以降3年間の利益と相殺可能 |
| ⑥ 配当控除 | 総所得が低い配当所得者 | 税率差×配当金額 |
| ⑦ 雑損控除 | 災害・盗難で資産損失があった人 | 損失額−総所得の10% |
| ⑧ 扶養控除の追加 | 年末調整で扶養を申告し忘れた人 | 控除額×税率分 |
🧮 シミュレーション
年収500万円(所得税率20%)の会社員が、年間医療費25万円を支払った場合の還付額の目安:(25万円−10万円)×20%=3万円の還付。さらにふるさと納税5万円を申告すれば、4.8万円分の住民税・所得税が軽減されます。
なお、還付申告は確定申告期間(2月16日〜3月15日)に限らず、翌年1月1日から5年間いつでも提出できます。
開業届を提出している個人事業主は、事業所得が基礎控除(95万円)を差し引いて課税所得がゼロにならない限り、確定申告が必要です。赤字の場合でも、青色申告をしていれば損失を翌年以降3年間繰り越せるため、確定申告をしておく方が有利です。
| 項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 特別控除 | 最大65万円 | なし |
| 事前届出 | 青色申告承認申請書が必要 | 不要 |
| 帳簿 | 複式簿記(65万円控除の場合) | 簡易帳簿 |
| 赤字の繰越 | 3年間繰越可能 | 繰越不可 |
| 専従者給与 | 全額経費にできる | 最大86万円(配偶者) |
青色申告の詳しいメリットについては「青色申告のメリットと始め方を完全ガイド」で解説しています。
💡 実務のポイント
開業1年目のフリーランスから「赤字だから確定申告しなかった」という相談をよく受けます。青色申告で赤字を申告しておけば、翌年に黒字になったとき損失を差し引けるため、納税額を大幅に減らせます。赤字でも確定申告は「しておくべき」です。
確定申告が必要なのに申告しなかった場合、以下のペナルティが課されます。本来の税額に上乗せされるため、金額が大きくなる前に対応することが重要です。
| ペナルティ | 税率 | 具体例(本税50万円の場合) |
|---|---|---|
| 無申告加算税 | 50万円以下の部分:15% 50万円超の部分:20% | 50万円×15%=7.5万円 |
| 延滞税 | 納期限から2ヶ月以内:年7.3% 2ヶ月超:年14.6% | 1年放置した場合:約5〜7万円 |
| 重加算税 | 仮装・隠蔽があった場合:40% | 50万円×40%=20万円 |
※延滞税の税率は毎年変動します。上記は現行の目安値です。
⚠️ 注意
税務署から指摘を受ける前に自主的に期限後申告を行えば、無申告加算税が5%に軽減されます(一定の要件あり)。「もう遅いから」と放置するのが最もコストの高い選択肢です。
所得税の確定申告が不要であっても、住民税の申告は別途必要になるケースがあります。最も多いのが「副業所得が20万円以下で確定申告を省略した場合」です。
住民税には所得税のような「20万円以下は申告不要」という特例がありません。そのため、副業所得が1万円であっても、確定申告をしない場合は市区町村の窓口で住民税の申告が必要です。
| 状況 | 確定申告 | 住民税の申告 |
|---|---|---|
| 副業所得20万円超 | 必要 | 不要(確定申告情報が自動連携) |
| 副業所得20万円以下・確定申告せず | 不要 | 必要 |
| 副業所得20万円以下だが医療費控除で確定申告する | 必要(副業所得も合算) | 不要 |
| 給与所得のみ・年末調整済み | 不要 | 不要 |
住民税の申告は、1月1日時点の住所がある市区町村の役所窓口に「住民税申告書」を提出します。申告期限は確定申告と同じ3月15日です。手続きに必要な書類は、本人確認書類(マイナンバーカードまたは通知カード+身分証)、副業の収入・経費がわかる書類、源泉徴収票です。
💡 実務のポイント
副業を会社に知られたくない方は、住民税の納付方法で「普通徴収(自分で納付)」を選択してください。ただし、副業がアルバイト・パートの「給与所得」の場合は原則として普通徴収を選択できず、本業の給与から合算で天引きされます。副業を会社に知られたくない場合は、給与以外の所得(業務委託・クラウドソーシング等)の形態を選ぶのが実務上のポイントです。
アパートやマンションの賃貸収入がある場合、所得金額にかかわらず確定申告が必要です。不動産所得は「収入−必要経費(管理費・修繕費・減価償却費・借入金利息等)」で計算します。
| 口座の種類 | 確定申告の要否 | 備考 |
|---|---|---|
| NISA口座 | 不要(非課税) | — |
| 特定口座(源泉徴収あり) | 不要 | 損失繰越・損益通算したい場合は申告した方が有利 |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 必要 | 利益が出た場合 |
| 一般口座 | 必要 | 利益が出た場合 |
暗号資産(仮想通貨)の売却益は雑所得に分類され、給与所得などと合算して総合課税されます。暗号資産は特定口座のような制度がないため、利益が出た場合は原則として確定申告が必要です。
最後に、確定申告の要否を確認するためのチェックリストをまとめます。1つでも「はい」に該当すれば、確定申告が必要または有利な可能性があります。
| チェック項目 | 該当? |
|---|---|
| 給与収入が年間2,000万円を超える | □ |
| 2か所以上から給与を受けている | □ |
| 副業の所得(収入−経費)が20万円を超える | □ |
| 個人事業主・フリーランスである | □ |
| 不動産の賃貸収入がある | □ |
| 株式を一般口座または特定口座(源泉なし)で売却した | □ |
| 暗号資産を売却して利益が出た | □ |
| 年の途中で退職し、年末調整を受けていない | □ |
| 医療費が年間10万円を超えた | □ |
| ふるさと納税でワンストップ特例を使わなかった | □ |
| 住宅を購入し、住宅ローン控除の初年度である | □ |
| 公的年金が400万円を超える、または他の所得が20万円を超える | □ |
所得控除の全体像については「所得控除の一覧と適用条件」で詳しくまとめていますので、あわせてご確認ください。
📋 この記事のポイント
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