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有給休暇の付与日数と比例付与|正社員・パート別の計算方法と基準日管理
「パートに有給を何日付与すればいいかわからない」という人事担当者に向けて、付与日数の計算方法・比例付与の判定・基準日管理を完全ガイドします。この記事を読めば、雇用形態を問わず正確に付与日数を算定できるようになります。


「パートに有給を何日付与すればいいかわからない」という人事担当者に向けて、付与日数の計算方法・比例付与の判定・基準日管理を完全ガイドします。この記事を読めば、雇用形態を問わず正確に付与日数を算定できるようになります。
🏆 結論:付与日数は「週所定労働日数×継続勤務年数」の2軸で早見表から決定する
有給休暇の付与日数は労働基準法第39条と同施行規則第24条の3で明確に定められており、①入社6か月経過で8割出勤、②週所定労働日数、③継続勤務年数の3要素で決定します。週5日以上(または週30時間以上)勤務なら正社員と同じ最大20日付与、週4日以下かつ週30時間未満は比例付与で日数が減ります。基準日は「付与日」であり、一斉方式か入社日方式かで管理方法が変わります。
労働基準法第39条第1項により、使用者は以下の3要件を満たした労働者に有給休暇を付与する義務を負います。雇用形態(正社員・契約社員・パート・アルバイト・派遣)を問わず、要件を満たせば必ず付与しなければなりません。
継続勤務とは、労働契約の存続期間を意味します。正社員への転換、有期契約の更新、定年後再雇用などで契約形態が変わっても、実質的に勤務が継続していれば通算されます。例えば「1年契約の有期雇用→更新して正社員」の場合、有期契約時代からの勤続年数が通算されます。
出勤率は「出勤日数 ÷ 全労働日」で算定します。ここで重要なのが、以下の期間は「出勤扱い」としてカウントされる点です。
💡 実務のポイント
弊所が労務監査で発見する誤りで多いのが「産休・育休中の期間を欠勤としてカウントして8割出勤を満たさない」判定をしてしまうケースです。育休明けに有給休暇が付与されないと誤って処理している会社が、従業員20〜50人規模で意外と多く見られます。労働局指導の対象になりかねないため要注意です。
週所定労働日数が5日以上、または週所定労働時間が30時間以上の労働者は、下表のとおり付与されます。厚生労働省リーフレットでも同じ日数が公表されています。
| 継続勤務年数 | 付与日数 | 年5日取得義務 |
|---|---|---|
| 6か月 | 10日 | 対象 |
| 1年6か月 | 11日 | 対象 |
| 2年6か月 | 12日 | 対象 |
| 3年6か月 | 14日 | 対象 |
| 4年6か月 | 16日 | 対象 |
| 5年6か月 | 18日 | 対象 |
| 6年6か月以降 | 20日(上限) | 対象 |
付与日数の増加には特徴があります。6か月〜2年6か月までは年1日ずつ増え、3年6か月以降は年2日ずつ増加し、6年6か月で上限の20日に達します。前年からの繰越分(最大20日、時効2年)と合わせれば、理論上最大40日保有できますが、繰越分を使わずに5日義務を果たさない場合は法違反となる点に注意が必要です。
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鮎澤パートナーズに相談する比例付与とは、所定労働日数が少ない労働者に対して、正社員より少ない日数の有給を付与する仕組みです。労働基準法施行規則第24条の3に規定されています。
以下のいずれかに該当する労働者が比例付与の対象です。逆にいうと、ここに該当しない労働者は正社員と同じ日数が付与されます。
⚠️ 要注意:「週4日勤務だけど1日8時間」のパート
週4日勤務でも1日8時間働くと週所定労働時間は32時間となり、30時間以上のため比例付与の対象外です。この場合は正社員と同じ日数(6か月経過で10日)を付与しなければなりません。「週4日だから比例付与の7日でいい」と誤判定して労働局指導を受けるケースが中小企業で頻発しています。
比例付与の対象者に付与する日数は、週所定労働日数別に定められています。労働基準法施行規則第24条の3第3項に規定されています。
| 週所定労働日数 | 年間所定労働日数 | 6か月 | 1.5年 | 2.5年 | 3.5年 | 4.5年 | 5.5年 | 6.5年〜 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4日 | 169〜216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
| 3日 | 121〜168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
| 2日 | 73〜120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
| 1日 | 48〜72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
※赤字=10日に達し年5日取得義務の対象になるタイミング
上記表で赤字表示した箇所が、比例付与でも10日に達して年5日取得義務が発生するタイミングです。週4日勤務なら3年6か月経過、週3日勤務なら5年6か月経過で対象となります。長期勤続のパートは見落とされやすいため、基準日管理で特に注意が必要です。 詳しくは「有給休暇の年5日取得義務と時季指定」で解説しています。
基準日とは、年次有給休暇が付与される日のことです。その管理方法は「一斉付与方式」と「入社日基準方式」の2つがあり、会社の規模や業態で選択します。
全従業員の基準日を4月1日や1月1日など特定の日に統一する方式です。人事管理は大幅にシンプルになりますが、入社直後の労働者には「6か月経過前に付与する」か「中途入社者の扱いを個別ルール化する」対応が必要になります。
労働者ごとの入社6か月後を基準日とする方式です。労働基準法の原則に近いですが、従業員100人を超えると管理が複雑になります。
| 方式 | メリット | デメリット | 向く会社 |
|---|---|---|---|
| 一斉付与 | 管理が簡単 計画的付与がやりやすい | 一部従業員に有利な前倒し付与が必要 | 従業員50人以上 |
| 入社日基準 | 法定どおりの厳密運用 前倒し付与不要 | 基準日が分散し管理が複雑 | 従業員50人未満 |
🧮 具体例:4月1日一斉付与の会社で10月入社した場合
10月1日入社の新入社員は、法定では翌年4月1日(6か月経過時点)に10日が付与されます。しかし4月1日を一斉付与日としている会社では、翌年4月1日にすでに全員へ11日(1年6か月経過相当)を付与する予定のため、この新入社員も同日に10日以上付与する取扱いが必要です。結果として「法定より4日早く」有給が発生する設計になります。この前倒し付与分のコストは、会社が一斉付与方式を選ぶ代償として受け入れることになります。
パートや有期契約を含む従業員の付与日数を確定するには、以下の5ステップで判定します。
入社日を起点とし、6か月経過しているかを判定します。有期契約更新や定年後再雇用は原則通算されます。
「出勤日数 ÷ 全労働日」の計算式で8割(0.8)以上であることを確認します。労災休業・産休・育休・年休取得日は出勤扱いです。
週30時間以上なら、所定労働日数にかかわらず正社員扱い(週5日表の日数)で付与します。
週4日以下なら比例付与表を適用、週5日以上なら正社員表を適用します。
該当する行(週所定労働日数)と列(継続勤務年数)の交点が、その労働者に付与すべき日数です。
💡 実務のポイント
週所定労働日数が変動する契約(シフト制でバラつくケース)では、「過去6か月の実績平均」または「契約上の平均所定労働日数」で判定します。月によって週3日のときと週4日のときがあるパートは、平均して週3.5日なら「週3日の区分」で比例付与するのが実務です。ただし、顧問先でこの判定を誤って週4日区分にしてしまい、3年後の指導で遡及調整が必要になったケースがありました。判定の記録を残すことが重要です。
契約更新を重ねて6か月以上継続勤務している場合、有給休暇の付与対象です。契約期間が6か月未満でも、更新により実質6か月を超えれば付与義務が発生します。付与日数は、週所定労働日数・労働時間に応じて正社員か比例付与のいずれかで判定します。
派遣社員の有給休暇付与義務は派遣元が負います。派遣先ではなく派遣元が継続勤務6か月・出勤率8割の要件を判定し、日数を決定・付与します。派遣先が変わっても派遣元との契約が継続していれば、勤続年数は通算されます。
定年退職後に同じ会社で再雇用された場合、有給休暇の勤続年数は通算されます。例えば60歳定年で20日保有していた社員が再雇用されると、再雇用後も継続勤務として扱われ、引き続き20日の付与を受けられます。「一旦リセット」は法違反です(昭63.3.14基発150号)。
⚠️ 定年後再雇用の見落とし
定年後再雇用を「新規契約」と解釈して有給を0日からリセットする処理は違法です。弊所の顧問先では、再雇用社員から「20日あった有給が突然0になった」とハローワークに相談され、労働基準監督署から是正勧告を受けたケースがあります。勤続年数も付与日数も通算が原則です。
労働基準法施行規則第24条の7により、付与した有給休暇を管理するため「年次有給休暇管理簿」を作成し、3年間保存する義務があります。
紙管理・Excel管理・勤怠システムいずれの方法でも構いませんが、労基署調査時に「労働者ごと」に提示できる形式が必要です。
労基法41条で労働時間規制の適用除外とされている管理監督者でも、有給休暇は付与義務ありです。「管理職だから有給なし」は違法です。
週4日×8時間=32時間のパートを比例付与で処理する誤りが頻発します。週30時間以上なら正社員と同じ日数を付与しなければなりません。
育休期間は出勤扱いのため、復帰時点で基準日が到来していれば通常どおり付与します。「育休で出勤していないから付与しない」は違法です。
週3日契約から週5日契約に変わった場合、次の基準日からは週5日区分で付与する必要があります。契約変更のタイミングでの切替忘れに注意が必要です。
📋 この記事のポイント
AYUSAWA PARTNERS
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