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薬局開設許可の取得要件と手続き|医薬品販売業・化粧品製造販売業との比較まで完全ガイド
薬局開業や医薬品・化粧品ビジネスを検討する方に向けて、薬局開設許可の要件・手続きを中心に、医薬品販売業・化粧品製造販売業の許認可体系を横断的にガイドします。この記事を読めば、自社ビジネスに必要な許可を判断し申請準備を始められます。


薬局開設許可の取得要件と手続き|医薬品販売業・化粧品製造販売業との比較まで完全ガイド
薬局開業や医薬品・化粧品ビジネスを検討する方に向けて、薬局開設許可の要件・手続きを中心に、医薬品販売業・化粧品製造販売業の許認可体系を横断的にガイドします。この記事を読めば、自社ビジネスに必要な許可を判断し申請準備を始められます。
🏆 結論:薬局開設は都道府県知事許可制、医薬品医療機器等法が基本法、管理薬剤師の配置が必須
薬局を開設するには、医薬品医療機器等法(旧薬事法)第4条に基づき都道府県知事(または保健所設置市の長)の許可が必要です。許可要件は「構造設備基準」「業務体制(管理薬剤師の配置)」「人的欠格事由の非該当」の3点で、申請手数料は約3万円、許可期間は6年で更新が必要です。調剤を行わない医薬品販売は「店舗販売業」許可で足り、取扱区分で配置する管理者(薬剤師or登録販売者)が変わります。化粧品を製造販売する場合は化粧品製造販売業許可・製造業許可の別体系となります。
結論から言えば、薬局開設許可は医薬品医療機器等法(略称:薬機法。以下「法」)第4条第1項に基づき、薬局を開設する際に都道府県知事(保健所設置市にあっては市長)から受けなければならない許可です。薬局は医療用医薬品の調剤を含む医薬品の販売・授与を行える唯一の営業形態で、処方箋対応・保険調剤を行う場合に必須の許可です。
薬局以外の医薬品関連営業の許可区分を整理します。詳細はe-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」および厚生労働省「医薬品医療機器等法」を参照してください。
| 許可・届出 | 根拠条文 | できること | 必要資格者 |
|---|---|---|---|
| 薬局開設許可 | 法第4条 | 調剤・全区分の医薬品販売 | 管理薬剤師(薬剤師) |
| 店舗販売業許可 | 法第26条 | 要指導医薬品・一般用医薬品の販売(調剤不可) | 薬剤師または登録販売者 |
| 配置販売業許可 | 法第30条 | 配置販売(家庭への預け置き) | 薬剤師または登録販売者 |
| 卸売販売業許可 | 法第34条 | 医療機関・薬局等への卸売 | 薬剤師 |
| 医薬品製造販売業許可 | 法第12条 | 自社医薬品の市販・責任承継 | 総括製造販売責任者(薬剤師) |
| 医薬品製造業許可 | 法第13条 | 医薬品の製造・包装・保管 | 製造管理者(薬剤師等) |
| 化粧品製造販売業許可 | 法第12条 | 自社化粧品の市販・責任承継 | 総括製造販売責任者 |
| 化粧品製造業許可 | 法第13条 | 化粧品の製造・包装・表示・保管 | 製造管理者 |
医薬品を販売する形態で最も混同されやすいのが、薬局と店舗販売業の違いです。ドラッグストアでも店舗販売業のみで薬局開設許可を取っていないケースがあり、扱える医薬品の範囲が大きく異なります。
| 項目 | 薬局 | 店舗販売業 |
|---|---|---|
| 調剤業務 | 可能(処方箋対応・保険調剤) | 不可 |
| 医療用医薬品 | 取扱可 | 取扱不可 |
| 要指導医薬品 | 取扱可(薬剤師) | 取扱可(薬剤師配置時のみ) |
| 第一類医薬品 | 取扱可(薬剤師) | 取扱可(薬剤師配置時のみ) |
| 第二類・第三類医薬品 | 取扱可 | 取扱可(登録販売者で足りる) |
| 管理者要件 | 薬剤師(管理薬剤師) | 薬剤師または登録販売者 |
| 構造設備 | 調剤室・調剤設備が必須 | 調剤室不要 |
| 保険調剤 | 保険薬局指定可能 | 不可 |
| 申請手数料(新規) | 25,000〜30,000円前後 | 20,000〜25,000円前後 |
💡 実務のポイント:処方箋を扱うなら薬局、OTCだけならドラッグストア(店舗販売業)
弊所が2026年2月に支援した調剤併設型店舗(処方箋対応あり)では、薬局開設許可を取得しました。一方、医療機関の近くで「OTC医薬品(一般用医薬品)のみ取扱う」形態の店舗では、店舗販売業許可を取得することで薬剤師の常時配置が不要となり、ランニングコストを抑えられました。ビジネスモデルの設計段階で、処方箋取扱いの有無・扱う医薬品区分を明確にし、それに合った許可を選択することが重要です。
薬局開設許可を得るには、法第5条に定められた3つの要件をすべて満たす必要があります。
薬局の構造設備は、厚生労働省令(薬局等構造設備規則)で細かく規定されています。主なポイントは以下のとおりです。
⚠️ 医療機関からの独立が近年厳格化
医療機関の敷地内薬局は2016年の制度改正以降、「構造的独立」「経営的独立」の2要件が審査されます。具体的には、医療機関との共用通路のみで行き来できる構造(内部に直接つながる扉がある等)は独立性が否定されるリスクがあります。弊所が相談を受けた敷地内薬局の案件では、当初の内装設計で医療機関との内部通路があったため、独立性確保のために入口の位置変更と壁設置の追加工事が必要になりました。
薬局には「管理薬剤師」を1名配置する必要があります(法第7条)。管理薬剤師は原則として薬局の業務時間中は専任勤務する必要があり、他の業務との兼任は原則認められません。
薬局開設許可は、申請から許可取得まで通常2〜3か月を要します。店舗の工事完了と許可取得のタイミングを合わせるため、早期のスケジュール管理が重要です。
薬局開設の最初のステップは、開業予定地を管轄する保健所への事前相談です。物件選定前の段階で相談することで、構造設備基準を満たせない物件を選んでしまうリスクを避けられます。
管理薬剤師は薬局運営の要です。法律上は「従事する薬剤師」の中から1人を管理者として指定しますが、オーナーが薬剤師でない場合は雇用する薬剤師を管理薬剤師とします。
💡 行政書士の視点:管理薬剤師の確保は開業スケジュールの律速要因
薬剤師不足が続く地域では、管理薬剤師の採用に3〜6か月かかることもあります。物件契約後に薬剤師が見つからず開業予定日が延びるケースも多く、弊所では物件選定と並行して人材紹介会社・派遣会社を活用した早期の人材確保を推奨しています。管理薬剤師の年収は地域差が大きく、都市部で600〜800万円、地方で800〜1,000万円が相場です。
構造設備基準に合致した内装工事を行います。特に調剤室は面積6.6㎡以上・独立した区画・流水設備・調剤設備が揃っている必要があります。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 薬局開設許可申請書 | 都道府県所定の様式(様式第1号) |
| 登記事項証明書(法人)または住民票(個人) | 発行後3か月以内 |
| 申請者の欠格事由に関する誓約書 | 法第5条第3号該当の有無 |
| 薬剤師免許証の写し | 管理薬剤師の免許証 |
| 使用関係を証する書類 | 雇用契約書または使用関係証明書 |
| 薬局の平面図 | 面積・間取り・設備配置 |
| 構造設備の概要 | 調剤室・保管設備の仕様 |
| 調剤設備器具一覧表 | 設備機器の明細 |
| 医療機関等からの独立に係る申立書 | 独立性の具体的な説明 |
| 薬剤師等の一覧表 | 全従事者の氏名・免許・勤務時間 |
| 薬局業務体制申出書 | 業務時間・体制 |
| 診断書(開設者が個人の場合) | 精神機能の障害の有無 |
薬局開設許可を取得しただけでは保険調剤ができません。保険調剤を行うには、地方厚生局(麻薬取扱いは都道府県)への「保険薬局指定申請」が別途必要です。
調剤を行わない医薬品販売は、店舗販売業許可(法第26条)で足ります。ドラッグストアやコンビニエンスストアの医薬品コーナーはこの許可を取得しています。
登録販売者を店舗管理者とするには、過去5年間のうち通算2年以上の実務経験が必要です。実務経験としてカウントされるのは、薬局・店舗販売業・配置販売業での薬剤師・登録販売者の下での勤務経験です。
自社で化粧品を製造・販売する場合、化粧品製造販売業許可と化粧品製造業許可の両方または片方が必要です。OEM委託の場合は製造販売業許可のみで足りる場合もあります。
| 許可種別 | できること | 必要責任者 |
|---|---|---|
| 化粧品製造販売業許可 | 自社化粧品の市場流通・市場責任 | 総括製造販売責任者 |
| 化粧品製造業許可(一般) | 化粧品の製造・包装・表示・保管 | 製造管理者 |
| 化粧品製造業許可(包装・表示・保管区分) | 包装・表示・保管のみ | 製造管理者 |
総括製造販売責任者は、化粧品の市場流通への責任を担う人材です。以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
📐 シミュレーション前提条件
| 項目 | パターンA:完全自力 | パターンB:行政書士依頼 | パターンC:薬局専門行政書士+税理士 |
|---|---|---|---|
| 薬局開設許可申請手数料 | 25,000〜30,000円 | 25,000〜30,000円 | 25,000〜30,000円 |
| 保険薬局指定申請手数料 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 内装工事費用(別途) | 500〜1,000万円 | 500〜1,000万円 | 500〜1,000万円 |
| 専門家報酬 | 0円 | 150,000〜300,000円 | 300,000〜500,000円 |
| 自社作業時間 | 80〜150時間 | 15〜25時間 | 10〜15時間 |
| 申請スケジュール管理リスク | 高い | 低い | 極めて低い |
| 許可関連の総費用 | 25,000〜30,000円 | 175,000〜330,000円 | 325,000〜530,000円 |
※概算値です。内装工事費は別途で、店舗規模・エリアにより大きく変動します。
物件契約後に管理薬剤師が見つからず、開業予定日が延期となるケースが多数あります。物件選定と並行して人材確保を進めることが重要です。
敷地内薬局で医療機関と内部通路でつながっている構造だと、独立性が否定され許可が下りない可能性があります。事前相談で構造的独立性を必ず確認します。
地方厚生局の保険薬局指定申請は月1回の締切日があり、締切を逃すと指定が1か月遅れます。薬局開設許可取得後の流れで忘れずに申請してください。
薬局経営と並行して他の許認可事業(建設関連の設備工事や産業廃棄物の適正処理、外国人薬剤師の在留資格など)が発生する場合は、それぞれ別の許可体系が必要です。詳細は「建設業許可の要件と必要書類」「産業廃棄物収集運搬業許可」「在留資格の種類」を参照してください。
📋 この記事のポイント
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