【税理士×行政書士のダブル監修】建設業許可の取得要件と手続き完全ガイド

【税理士×行政書士のダブル監修】建設業許可の取得要件と手続き完全ガイド
鮎澤パートナーズ|公認会計士・税理士・社会保険労務士・行政書士
公認会計士(第47928号)・税理士(第159175号)・社会保険労務士(第13240067号)・行政書士(第24061284号)が監修。年間100社以上の法人決算・会社設立を支援。
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建設業許可の取得要件と手続き完全ガイド|税理士×行政書士のダブル監修

建設業を営む経営者・創業者向けに、建設業許可の取得を完全ガイド。一般建設業と特定建設業の違い、5つの取得要件(常勤役員等・専任技術者・財産的基礎・誠実性・欠格事由)、29業種の分類、申請手続き、必要書類、費用まで、行政書士・税理士が実務目線で解説します。

🏆 結論:500万円以上の工事を請け負うなら建設業許可が必須・5つの要件を満たす必要あり

建設業許可は、軽微な建設工事(建築一式工事1,500万円未満・その他500万円未満)を超える工事を請け負う際に必須となる許可です(建設業法第3条)。29業種別に取得する必要があり、要件は5つ:①常勤役員等(旧経営業務管理責任者)、②専任技術者、③財産的基礎(自己資本500万円以上または500万円以上の資金調達能力)、④誠実性、⑤欠格事由非該当。許可は「一般建設業」と「特定建設業」の2種類があり、下請けに4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の工事を発注する場合は特定建設業が必要。許可期間は5年で、5年ごとに更新が必要です。本記事では取得要件・申請手続き・必要書類・費用相場まで網羅的に解説します。

建設業許可とは|制度の全体像

建設業許可は、建設業法第3条に基づき、一定規模以上の建設工事を請け負う事業者に対して、国土交通大臣または都道府県知事が与える許可です。許可なく該当工事を請け負うと、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(建設業法第47条)が科されるため、要件確認と適切な申請が必須です。

建設業許可が必要な工事の規模

工事の種類 許可不要(軽微な工事) 許可必要
建築一式工事1,500万円未満
または延床面積150㎡未満の木造住宅
1,500万円以上
または延床面積150㎡以上の木造住宅
建築一式工事以外の建設工事500万円未満500万円以上

建設業許可の2つの種類

種類 下請金額の上限 対象事業者
一般建設業許可下請に出す金額が建築一式工事7,000万円未満、その他4,500万円未満下請中心の中小建設業
特定建設業許可下請金額に制限なし(4,500万円以上または建築一式7,000万円以上の下請契約が可能)大規模な元請事業者

大臣許可と知事許可の違い

許可種別 対象 申請窓口
国土交通大臣許可2つ以上の都道府県に営業所がある場合本店所在地の都道府県を経由して国土交通省
都道府県知事許可1つの都道府県のみに営業所がある場合営業所所在地の都道府県庁

💡 実務のポイント

「営業所」の定義は重要です。建設業法上の営業所とは「契約締結等を実体的に行う事務所」を指します。単に書類保管しているだけの倉庫や、登記上の本店であっても実体がない場合は営業所と認められません。一方、複数県に契約締結機能がある営業所がある場合は大臣許可が必須。実務では「複数県への事業拡大時の許可種別変更」のタイミングで多くの混乱が発生するため、事業計画段階での確認が重要です。

建設業の29業種|業種別の許可が必要

建設業許可は、建設業法第3条で29業種に分類されており、それぞれの業種ごとに許可を取得する必要があります(建設業法施行令第1条の2)。複数業種の許可を同時に取得することも可能です。

建設業29業種の分類

区分 業種(29業種)
一式工事(2業種)土木一式工事・建築一式工事
専門工事(27業種)大工・左官・とび土工・石・屋根・電気・管・タイルれんがブロック・鋼構造物・鉄筋・舗装・しゅんせつ・板金・ガラス・塗装・防水・内装仕上・機械器具設置・熱絶縁・電気通信・造園・さく井・建具・水道施設・消防施設・清掃施設・解体

指定建設業7業種

特に技術的に高度な業種として、7業種が「指定建設業」に指定されています。特定建設業許可を取得する際、専任技術者は原則として1級国家資格が必須となります。

指定建設業 求められる資格(特定建設業)
土木工事業1級土木施工管理技士・1級建設機械施工技士・技術士(建設・上下水道)
建築工事業1級建築施工管理技士・1級建築士
電気工事業1級電気工事施工管理技士・技術士(電気・電子)
管工事業1級管工事施工管理技士・技術士(機械・上下水道)
鋼構造物工事業1級土木施工管理技士・1級建築士・技術士
舗装工事業1級土木施工管理技士・技術士(建設)
造園工事業1級造園施工管理技士・技術士(建設・造園)

建設業許可の5つの取得要件

建設業許可を取得するためには、建設業法第7条・第15条で定められた5つの要件をすべて満たす必要があります。1つでも欠けると申請が認められません。

5つの要件の概要

要件 内容
①常勤役員等(旧経営業務管理責任者)経営経験5年以上の常勤役員等を配置
②専任技術者各営業所に技術的能力のある者を配置
③財産的基礎・金銭的信用自己資本500万円以上または500万円以上の調達能力
④誠実性不正・不誠実な行為をするおそれがないこと
⑤欠格事由非該当破産・刑罰歴等の欠格事由がないこと

要件①常勤役員等(旧経営業務管理責任者)

令和2年10月の建設業法改正により、「経営業務の管理責任者(経管)」要件が廃止・再編され「常勤役員等」となりました。経営経験のある常勤役員を1名以上配置する必要があります。

常勤役員等の要件

配置パターン 要件
①常勤役員1名で要件充足建設業に関し5年以上の経営経験(または6年以上の準ずる地位)
②常勤役員+補佐人で要件充足建設業以外も含む経営経験5年以上+補佐者の配置(2020年改正で新設)

常勤役員等の経験年数の証明

経験の種類 必要な証明書類
建設業の取締役・代表取締役商業登記簿謄本・経営業務管理を証する書類
建設業の個人事業主確定申告書(5年分以上)・工事関連の契約書・請求書
建設業の支店長・営業所長登記簿または辞令・任命書・組織図
建設業の経営補佐者建設業会社の業務分掌規定・人事記録

📢 令和2年改正:経営業務管理体制の柔軟化

改正前は「建設業に関し5年以上の経営経験」が事実上必須でしたが、改正後は「建設業以外も含む経営経験5年以上+建設業の経営業務補佐者」という選択肢が新設されました。これにより、他業種の経営者が建設業に参入する際のハードルが大幅に下がりました。実務では「IT企業の代表取締役が建設業を立ち上げる」「金融業の役員が建設会社を承継する」等のケースで活用されています。

要件②専任技術者|各営業所に配置必須

専任技術者は、各営業所に常勤する技術者で、許可業種ごとに配置が必要です(建設業法第7条第2号)。一般建設業と特定建設業で要件が異なります。

専任技術者の要件(一般建設業)

パターン 要件
①国家資格保有2級以上の施工管理技士・建築士・電気工事士等
②実務経験10年以上許可を受けようとする業種の実務経験10年以上
③指定学科+実務経験指定学科卒業(大卒3年・高卒5年の実務経験)

専任技術者の要件(特定建設業)

パターン 要件
①1級国家資格保有1級施工管理技士・1級建築士・技術士等
②指導監督的実務経験一般建設業の専任技術者要件+元請4,500万円以上工事の2年以上指導監督経験

⚠️ 指定建設業7業種は原則1級国家資格必須

指定建設業(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)の特定建設業許可では、指導監督的実務経験のみでは要件を満たさず、原則として1級国家資格が必須です。実務では「実務経験豊富だが1級資格未取得の技術者で会社運営している」場合、特定建設業の取得は困難。1級資格取得には数年単位の学習が必要なため、計画的な人材育成が重要です。

要件③財産的基礎・金銭的信用

建設工事を継続的・適切に行うため、一定の財産的基礎・金銭的信用を持つ必要があります(建設業法第7条第4号)。一般建設業と特定建設業で要件が大きく異なります。

財産的基礎の要件比較

許可種別 要件
一般建設業①自己資本500万円以上 または ②500万円以上の調達能力 または ③過去5年間の許可継続
特定建設業①欠損比率20%以下 ②流動比率75%以上 ③資本金2,000万円以上 ④自己資本4,000万円以上(④はすべて必要)

500万円調達能力の証明

証明方法 内容
①銀行の預金残高証明書申請時直近の残高証明(申請日前30日以内)
②融資証明書(融資可能証明書)金融機関が500万円以上の融資可能性を証明
③決算書(法人)・確定申告書(個人)自己資本500万円以上が示されている

要件④誠実性|不正・不誠実な行為のおそれ

申請者・役員・支配人・営業所長等が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないことが求められます(建設業法第7条第3号)。

誠実性が認められないケース

類型 具体例
①請負契約上の不正行為契約偽造・無断変更・代金詐取
②建設業法等の法令違反履歴過去の許可取消・処分歴
③暴力団等との関係反社会的勢力との取引・資金提供
④不正な許可申請履歴虚偽申請・隠蔽行為

要件⑤欠格事由非該当

申請者・役員・支配人等が、建設業法第8条で列挙された欠格事由に該当しないことが必要です。1人でも該当者がいると申請は不認可となります。

主な欠格事由(建設業法第8条)

欠格事由 期間
①破産者で復権を得ない者復権を得るまで
②建設業の許可取消処分から5年経過しない者5年間
③禁錮以上の刑に処せられ執行終了から5年経過しない者5年間
④建設業法・労働基準法等の違反で罰金刑から5年経過しない者5年間
⑤暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年経過しない者5年間
⑥未成年者で営業に関する一定行為能力を欠く者該当中

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建設業許可の申請手続き|5ステップ

建設業許可の申請手続きは、必要書類の収集から許可取得まで通常2〜4か月かかります。計画的な準備が必要です。

申請の5ステップ

ステップ 内容 目安期間
STEP1事前相談・要件チェック1〜2週間
STEP2必要書類の収集2〜4週間
STEP3申請書作成1〜2週間
STEP4申請書提出・手数料納付1日
STEP5審査・許可通知知事許可45日、大臣許可120日

必要書類|建設業許可申請の準備

建設業許可申請には、多数の書類が必要です。書類は大きく「会社・個人事業者の基本情報」「常勤役員等関係」「専任技術者関係」「財産的基礎関係」「その他」に分類されます。

主要な必要書類一覧

カテゴリ 書類
基本情報建設業許可申請書、誓約書、健康保険等の加入状況確認書類
法人商業登記簿謄本、定款、財務諸表(直近1期分)、納税証明書
個人事業主確定申告書(直近1期分)、納税証明書、開業届
常勤役員等経歴書、住民票、健康保険被保険者証、経営経験を証する書類
専任技術者国家資格証または実務経験証明書、卒業証明書(指定学科)、住民票
財産的基礎残高証明書または融資可能証明書(500万円以上)
誠実性・欠格役員等の名簿、誓約書、登記事項証明書(後見等)
営業所営業所の所在地・看板・電話番号等の写真

建設業許可の費用|手数料と諸経費

建設業許可の取得には、行政手数料と諸経費(行政書士報酬等)がかかります。一般建設業と特定建設業、新規と更新で費用が異なります。

行政手数料

区分 知事許可 大臣許可
新規(一般・特定別)9万円15万円
業種追加5万円5万円
更新(5年ごと)5万円5万円
般・特新規(同一業種で一般→特定)9万円15万円

行政書士に依頼する場合の費用相場

手続き 報酬相場
新規取得(知事許可・1業種)15万〜25万円(+手数料9万円)
新規取得(大臣許可・1業種)25万〜40万円(+手数料15万円)
業種追加10万〜15万円
更新8万〜12万円
変更届(役員変更等)3万〜10万円

建設業許可の更新と変更

建設業許可の有効期間は5年間。期間満了の30日前までに更新申請が必要です。また、役員変更・営業所変更等があった場合は変更届の提出が義務です。

更新手続きの注意点

項目 内容
許可有効期間5年間(満了日まで)
更新申請期限満了日の30日前まで
更新審査期間知事許可30〜45日、大臣許可120日
事業年度終了届(毎年)決算日から4か月以内に毎年提出
変更届(役員・営業所等)変更日から2週間以内(役員)・30日以内(その他)

⚠️ 期限を過ぎると許可失効

更新期限を1日でも過ぎると、許可が失効します。失効後は新規申請が必要となり、許可番号も変更。実務では事業年度終了届(決算変更届)の出し忘れも許可継続のリスクとなります。毎年の事業年度終了届+5年ごとの更新申請は、行政書士・税理士に管理を依頼すれば忘れ防止になります。

建設業許可取得のメリット

許可取得には費用と時間がかかりますが、得られるメリットは大きく、500万円未満の工事のみを請け負う場合でも取得する事業者が増えています。

5つの主要メリット

メリット 内容
①500万円以上の工事受注可高額工事の受注で売上拡大
②公共工事の入札参加可公共工事の入札参加資格(経営事項審査受験可)
③社会的信用の向上許可取得は厳格な要件審査の証明
④元請からの取引拡大大手元請の下請選定で許可業者が優遇
⑤金融機関の融資・補助金で有利建設業許可業者は融資審査で評価が高い

よくある質問

建設業許可は何業種まで同時に取得できますか?
29業種すべて同時取得可能です。ただし、業種ごとに専任技術者の配置と要件確認が必要で、各業種に対応する技術者または資格者を揃える必要があります。実務では3〜5業種同時取得が一般的で、追加業種は1業種あたり5万円の手数料+行政書士報酬10〜15万円が必要となります。
個人事業主でも建設業許可は取れますか?
個人事業主でも取得可能です。要件は法人と同じく5つで、財産的基礎は確定申告書の所得金額や預金残高で証明します。実務では個人事業主のうち専任技術者を兼ねる代表者が多く、年商規模が大きくなる前に許可取得→法人成りを検討するパターンが一般的です。
専任技術者と常勤役員等を兼任できますか?
兼任可能です。同一営業所内であれば常勤役員等と専任技術者を1名で兼ねることができます。実務では中小建設業では代表取締役が経営経験+1級資格を持ち、両方を兼任するケースが多数。ただし、複数の営業所がある場合は各営業所に専任技術者を配置する必要があるため、複数人体制が必要となります。
建設業許可の有効期間は何年ですか?
5年間です。許可日から5年後の応答日の前日までが有効期間。期間満了の30日前までに更新申請が必要で、申請を忘れて失効すると新規申請からやり直しとなります。実務では「事業年度終了届(毎年)」「5年ごとの更新申請」を行政書士に管理依頼するのが安心です。
許可取得までどれくらい時間がかかりますか?
準備段階を含めて通常2〜4か月かかります。内訳は、事前準備(書類収集等)1〜2か月、申請書作成1〜2週間、行政審査期間(知事許可)約30〜45日、大臣許可は約120日。実務では「経営経験を証する書類の収集」に最も時間がかかるため、申請着手から逆算した計画立てが重要です。
特定建設業の財産的要件(自己資本4,000万円)が厳しい場合、どうすればいいですか?
資本金増資や利益積上げで対応します。法人なら増資により資本金2,000万円・自己資本4,000万円を満たすことが可能。ただし増資には登録免許税(資本金増加額の0.7%)等のコストがかかります。実務では3〜5年計画で利益を蓄積し、自己資本4,000万円を目指す方法が一般的。一気に増資する場合は、税理士と相談しながら税務上のリスク(役員からの貸付金転換等)を検討すべきです。
許可申請を行政書士に依頼するメリットは?
膨大な書類作成・要件チェックを正確に進められます。建設業許可申請は数十種類の書類が必要で、要件の判定も複雑。自分で申請して「経営経験の証明書類が不十分」「専任技術者の実務経験証明が不足」等で差戻されると、数か月の遅れが発生します。実務では行政書士に依頼すると初回相談で要件確認→必要書類の整理→申請書作成までスムーズで、平均的に15〜25万円の報酬で確実に許可取得できます。鮎澤パートナーズは行政書士+税理士のワンストップで対応可能です。
建設業許可取得後の経営事項審査(経審)とは何ですか?
公共工事の入札参加資格を取得するための審査です。経営事項審査(経審)は、経営状況分析と経営規模等評価の2つで構成され、評価点数(P点)が公共工事の入札ランクを決定。実務では「公共工事に参入したい」事業者が許可取得後すぐに経審を受けるパターンが一般的です。経審は決算後7か月以内に申請が必要で、毎年の決算後に継続的に受ける必要があります。

📋 この記事のポイント

  • 建設業許可は500万円以上の工事(建築一式は1,500万円以上)を請け負うために必須
  • 許可は29業種別、一般建設業と特定建設業の2種類
  • 下請に4,500万円以上発注する場合は特定建設業許可が必要
  • 取得要件は5つ:常勤役員等・専任技術者・財産的基礎・誠実性・欠格事由非該当
  • 令和2年改正で「常勤役員等」要件に変更、経営業務管理体制が柔軟化
  • 有効期間5年、満了30日前までに更新必須、毎年の事業年度終了届も必要
  • 行政手数料は9万円(知事新規)〜15万円(大臣新規)
  • 行政書士報酬は15万〜40万円が標準

📋 まとめ

  • 建設業許可は建設業法第3条で規定、500万円以上の工事には必須
  • 29業種別の許可で、一般建設業と特定建設業の2種類
  • 5つの取得要件(常勤役員等・専任技術者・財産的基礎・誠実性・欠格事由非該当)
  • 令和2年改正で経営業務管理責任者→常勤役員等に変更・要件柔軟化
  • 申請から取得まで2〜4か月、行政手数料9〜15万円+行政書士報酬15〜40万円
  • 許可期間5年、更新・事業年度終了届の管理が重要
  • 経営事項審査(経審)で公共工事の入札参加資格取得も可能
  • 建設業許可でお困りの方は鮎澤パートナーズの初回無料相談をご利用ください

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