公認会計士 第47928号・税理士 第159175号
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外国人採用を検討する法人経営者に向けて、在留資格29種類の全体像と、業務内容に応じた就労ビザの選び方を解説します。この記事を読めば、技人国・特定技能・経営管理・高度専門職の違いが理解でき、採用予定者にどの在留資格が適しているかを判断できます。


外国人採用を検討する法人経営者に向けて、在留資格29種類の全体像と、業務内容に応じた就労ビザの選び方を解説します。この記事を読めば、技人国・特定技能・経営管理・高度専門職の違いが理解でき、採用予定者にどの在留資格が適しているかを判断できます。
🏆 結論:就労できる在留資格は全23種類。採用したい業務内容から逆算して選ぶ
日本の在留資格は全29種類あり、このうち就労が認められるのは身分系4種類(永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)と活動系19種類を合わせた23種類です。企業が採用時に最も多く選ぶのは「技術・人文知識・国際業務(技人国)」で、ITエンジニア・経理・営業・通訳翻訳など広範な業務に使えます。現場作業を任せたい場合は「特定技能」、経営者として迎える場合は「経営・管理」が候補となります。在留資格ごとに学歴要件・職務内容・在留期間が異なるため、「採用したい業務」から逆算して選ぶことが最適解です。
在留資格とは、出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)に基づき、外国人が日本に在留して一定の活動を行うための法的な資格です。入管法別表第一および第二に定められ、2026年4月現在で全29種類あります。
結論から言えば、「ビザ(査証)」と「在留資格」は法律上別の制度です。ビザは外国の日本大使館・領事館が発給する「入国推薦状」で、入国審査の時点で使い切りとなります。一方、在留資格は日本に上陸した後、法務大臣(実務は出入国在留管理庁長官)から付与される「日本で活動する法的地位」です。日常会話では「就労ビザ」「就職ビザ」などと呼ばれますが、正確には「就労が認められる在留資格」を指します。
💡 行政書士の視点
採用担当者の方から「ビザの更新は必要ですか?」と聞かれることがよくありますが、正確には「在留期間更新許可申請」が必要です。入国時に発給されたビザ自体は上陸審査で使い切りますので、日本国内で更新するのは在留資格であり、ビザではありません。呼び方は実務では慣習的に「ビザ更新」と言いますが、申請書類上はすべて「在留期間更新」です。
29種類の在留資格は、就労の可否と活動内容によって4つのグループに分類されます。
| 分類 | 種類数 | 就労可否 | 該当する在留資格 |
|---|---|---|---|
| 身分系 | 4 | 制限なし | 永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者 |
| 活動系(就労可) | 19 | 指定範囲で可 | 技術・人文知識・国際業務、特定技能、経営・管理、高度専門職、技能、企業内転勤、教授、研究、医療、介護 等 |
| 活動系(就労不可) | 5 | 原則不可 | 留学、家族滞在、文化活動、研修、短期滞在 |
| 個別指定 | 1 | 個別判断 | 特定活動(ワーキングホリデー、EPA看護師等40種以上) |
就労できる在留資格は、身分系4種類+活動系19種類=合計23種類です。企業が採用時に通常選択するのは活動系のうち、技術・人文知識・国際業務、特定技能、経営・管理、高度専門職、技能、企業内転勤あたりの一部になります。
⚠️ 就労不可の在留資格で働くと不法就労
留学・家族滞在の資格で働く場合は、別途「資格外活動許可」が必要です。無許可で就労させた事業主は、不法就労助長罪として3年以下の懲役または300万円以下の罰金が課されます(入管法第73条の2)。採用時に在留カードの「就労制限の有無」欄を必ず確認してください。
企業が外国人採用を検討する際に実務上選択肢となる主要な就労系在留資格を7つに絞って比較します。
| 在留資格 | 主な業務 | 学歴・経験要件 | 在留期間 | 家族帯同 |
|---|---|---|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | ITエンジニア、経理、営業、通訳翻訳、マーケティング | 大卒または実務10年以上(国際業務は3年以上) | 5年・3年・1年・3か月 | 可 |
| 特定技能1号 | 介護、建設、製造、外食、農業等16分野 | 分野別技能試験+日本語試験合格 | 通算5年まで(1年・6か月・4か月) | 不可 |
| 特定技能2号 | 特定技能1号の熟練者向け(16分野中11分野対象) | 分野別の熟練技能試験合格 | 3年・1年・6か月(更新無制限) | 可 |
| 経営・管理 | 会社経営、事業運営 | 資本金500万円以上または常勤職員2名以上等 | 5年・3年・1年・6か月・4か月・3か月 | 可 |
| 高度専門職1号・2号 | 高度な学術研究・専門技術・経営管理 | ポイント制70点以上(学歴・職歴・年収等) | 1号は5年、2号は無期限 | 可(親・家事使用人帯同も可) |
| 技能 | 外国料理調理師、ソムリエ、スポーツ指導者等 | 実務経験10年以上(特定分野は3年以上) | 5年・3年・1年・3か月 | 可 |
| 企業内転勤 | 海外本店・子会社から日本支店への転勤 | 直前1年以上の海外現地勤務 | 5年・3年・1年・3か月 | 可 |
通称「技人国(ぎじんこく)」と呼ばれるこの在留資格は、ホワイトカラー職で外国人を採用する際の標準的な選択肢です。2024年時点で、日本で働く外国人の就労系在留資格のうち最多を占めています。
技人国の取得には以下の要件をすべて満たす必要があります。
技人国では、製造現場の組立作業、レストランのホール接客、建設現場の作業員、コンビニのレジ打ちなど「単純労働」に該当する業務はできません。実務では「業務に専門性があるか」が厳しく審査されるため、採用時に業務内容を明確に整理する必要があります。
💡 実務のポイント
技人国の不許可理由で最も多いのは「業務内容と学歴の関連性不足」です。例えば文学部卒業者を経理職として採用しようとすると、専攻と業務の関連性が認められず不許可になるケースがあります。弊所が2024〜2025年に扱った技人国案件のうち、事前審査で不許可リスクを指摘したケースは約25%あり、そのうち半数は雇用契約書の業務内容記載を調整することで許可につなげています。
特定技能は、人手不足が深刻な特定産業分野で一定の技能を有する外国人を受け入れる制度として2019年4月に創設されました。技人国と異なり大学卒業要件がなく、分野別の技能試験と日本語試験に合格すれば取得できます。
2024年3月の閣議決定により、特定技能1号の対象分野が16に拡大されました。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 技能水準 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
| 在留期間 | 通算5年まで | 更新無制限 |
| 家族帯同 | 不可 | 可 |
| 対象分野 | 16分野 | 11分野(介護除く) |
| 永住権への道 | 間接的(2号経由) | 要件満たせば可 |
| 支援計画 | 受入企業または登録支援機関が作成・実施 | 不要 |
📢 育成就労制度の施行(2027年4月)
2024年6月に改正入管法が成立し、技能実習制度に代わる「育成就労制度」が2027年4月1日から施行されます。育成就労は「人材育成・人材確保」を目的とし、原則3年間で特定技能1号への移行を前提とした制度です。対象は17分野で、技能実習と異なり「本人意向による転籍」が一定要件下で認められます。2027年3月までに入国済みの技能実習生は現行制度のまま継続可能ですが、それ以降の新規採用は育成就労ルートに切り替わります。
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鮎澤パートナーズに相談する経営・管理の在留資格は、外国人が日本で会社を設立したり、既存企業の経営者・管理者として働いたりする場合に取得します。
経営・管理の申請では、事業計画の実現可能性が最も厳しく審査されます。実務では「資本金500万円は集めたが、事業計画が曖昧で不許可になった」「バーチャルオフィスを事業所として申請して不許可になった」というケースがあります。
💡 行政書士の視点
経営・管理は近年審査が厳格化しています。資本金500万円の出所が不明瞭(現金で用意された、海外からの送金経路が追えない等)、事業計画書が形式的(売上予測の根拠がない)、事業所がレンタルオフィスの共用スペース扱いなど、いずれか一つでも問題があると不許可になります。弊所では事業計画書の作成段階から関与し、資金調達プロセスの証憑整理、賃貸借契約書の条項確認まで一体で支援することで許可率を高めています。
高度専門職は、学歴・職歴・年収等をポイント化し、70点以上を獲得した外国人に付与される在留資格です。永住許可の要件緩和、配偶者の就労、親・家事使用人の帯同など、通常の就労ビザにはない優遇が受けられます。
高度専門職1号(5年)で3年在留、または年収1000万円以上で1年在留すれば永住許可が申請可能となる特例もあります。
採用予定者にどの在留資格が適切か、業務内容から逆算して判断する実務的なフローを示します。
| 採用したい業務 | 第一選択 | 第二選択 |
|---|---|---|
| ITエンジニア・プログラマー | 技術・人文知識・国際業務 | 高度専門職(年収・学歴要件満たす場合) |
| 経理・財務・人事 | 技術・人文知識・国際業務 | — |
| 通訳・翻訳 | 技術・人文知識・国際業務(国際業務区分) | — |
| 介護現場職員 | 介護(国家資格者)または特定技能1号 | 技能実習(〜2027年3月)→育成就労 |
| 建設現場作業員 | 特定技能1号 | 技能実習→育成就労 |
| 飲食店のホール・調理補助 | 特定技能1号(外食業) | 留学生アルバイト(資格外活動) |
| 外国料理の調理師 | 技能 | 特定技能1号(外食業) |
| 会社経営・代表取締役 | 経営・管理 | 高度専門職1号ハ(経営・管理活動) |
| 海外本社からの出向 | 企業内転勤 | 技術・人文知識・国際業務 |
🧮 在留資格選びの3つの判断軸
① 業務内容:ホワイトカラー職種なら技人国、現場作業なら特定技能、起業なら経営管理
② 本人の学歴・経験:大卒かつ専攻が業務に関連=技人国可、試験合格=特定技能可
③ 在留期間・家族帯同の希望:長期・家族帯同希望なら技人国か特定技能2号、短期なら企業内転勤
外国人を採用する際の在留資格に関する手続きは、採用ケースによって3パターンに分かれます。
留学生の新卒採用、他の在留資格からの切り替え等が該当します。在留期間満了日までに変更申請を行います。審査期間は通常2週間〜2か月です。
在留期限の3か月前から申請可能です。期限日までに結果が出なくても「特例期間」として最大2か月間は引き続き在留・就労が可能です。
⚠️ 新卒採用の留学生ビザ切替の繁忙期
4月入社の新卒留学生は、「留学」から就労系在留資格への変更申請を12月1日から受付開始します。1〜2月は申請が集中し審査期間が1.5〜2か月に延びるため、内定通知と同時に本人の学業が終了する時期を確認し、12月中の申請を目指してください。3月末時点で審査中でも特例期間があるため4月1日入社は可能ですが、在留カード受領まで本人が他府県移動時の身分証明等でトラブルになることがあります。
事業主は外国人を雇用した場合および離職時に、ハローワークへ雇用状況の届出を行う義務があります(労働施策総合推進法第28条)。雇用保険被保険者は資格取得届・喪失届で自動的に届出が完了しますが、雇用保険加入対象外の外国人は別途「外国人雇用状況届出書」の提出が必要です。
採用時および更新時には、在留カードの以下を必ず確認してください。
🔷 社労士の視点
外国人も日本人と同じく、週20時間以上の勤務なら雇用保険、週30時間以上(または適用拡大事業所で週20時間以上)なら健康保険・厚生年金に加入が必要です。「外国人だから社会保険は不要」という誤解が実務でいまだに見受けられますが、国籍を問わず要件を満たせば加入義務があります。さらに、給与から源泉徴収する所得税の取扱いは「居住者・非居住者」の区分で異なり、来日1年未満は原則非居住者扱い(20.42%)になるため、社労士と税理士の連携が不可欠です。
本人は住居地を定めてから14日以内に市区町村へ届出を行う義務があります。企業は住居地の確認まで行う義務はありませんが、雇用後の住所管理を徹底すると在留期間更新の際に住民票の写し取得で困らずに済みます。
最も多い不許可理由です。例えば文学部卒業者を経理職として申請すると、専攻と業務の関連性がないとして不許可になります。対策:雇用契約書の職務内容を本人の学歴・経験に関連する業務を中心に記述し、単純作業の比率を下げる。必要に応じて職務内容を分解して説明資料を添付する。
直近決算が赤字続きの会社や設立1年未満の会社では、受入企業の事業継続性が疑われ不許可となるケースがあります。対策:直近3期分の決算書、納税証明書、事業計画書で業績の推移と今後の見通しを説明する。
入管法では「日本人が同種の業務に従事する場合の報酬と同等以上」が要件です。対策:給与テーブル・就業規則を整備し、日本人の同職同等級との比較資料を準備する。
留学生のアルバイトは週28時間以内に制限されていますが、超過就労が発覚すると次回更新や就職時の変更申請で不許可になります。対策:雇用時に掛け持ち状況を確認し、給与台帳を適切に管理。
外国人雇用に関連する制度変更の主なものを整理します。
| 時期 | 制度変更の内容 |
|---|---|
| 2024年3月 | 特定技能1号に自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野追加(16分野に拡大) |
| 2024年6月 | 改正入管法成立(技能実習廃止、育成就労制度創設) |
| 2025年3月 | 特定技能の介護・工業製品製造業・外食業の運用方針改正 |
| 2026年6月 | 在留カード・特別永住者証明書の様式変更(ICチップ仕様変更) |
| 2027年4月 | 育成就労制度施行(17分野)、技能実習制度廃止 |
📋 この記事のポイント
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