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白色申告の記帳・帳簿保存義務|簡単な記帳方法と保存期間
「白色申告でも帳簿は必要?」「どんな帳簿をどうやってつければいい?」そんな疑問を持つ個人事業主に向けて、白色申告の記帳義務と具体的な書き方、保存期間のルール、帳簿がない場合のペナルティまで完全ガイドします。


「白色申告でも帳簿は必要?」「どんな帳簿をどうやってつければいい?」そんな疑問を持つ個人事業主に向けて、白色申告の記帳義務と具体的な書き方、保存期間のルール、帳簿がない場合のペナルティまで完全ガイドします。
🏆 結論:白色申告でも帳簿の作成・保存は義務
2014年(平成26年)1月から、全ての白色申告者に記帳と帳簿保存が義務化されています。所得金額にかかわらず、事業所得・不動産所得・山林所得がある方は帳簿をつけなければなりません。白色申告の記帳方法は「単式簿記」で、家計簿のように日付・科目・金額・内容を記録するだけでOK。1日の取引をまとめて記帳する簡易な方法も認められています。
かつて白色申告者は、前々年分の事業所得等の合計が300万円以下であれば記帳義務が免除されていました。しかし、平成24年度の税制改正により、2014年(平成26年)1月から全ての白色申告者に記帳と帳簿書類の保存が義務化されました。
現在は「白色申告だから帳簿は不要」という考えは完全に誤りです。所得の金額にかかわらず、事業所得、不動産所得、山林所得のいずれかがある全ての個人事業主は記帳義務があります。
白色申告で帳簿に記載すべき内容は、所得税法第232条に基づき、以下の項目です。
売上などの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、取引の年月日、売上先・仕入先その他の相手方の名称、金額、日々の売上げ・仕入れ・経費の金額等を記載します。
💡 実務のポイント:「簡易な方法」でOK
白色申告の記帳は、一つ一つの取引ごとに記録する必要はありません。日々の合計金額をまとめて記載する「簡易な方法」でも認められています。たとえば、1日に3件の現金売上があった場合、3件を合計した1行だけ記帳すればOKです。ただし、高額な取引(数十万円以上)は個別に記帳することをおすすめします。
参考: 国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」
白色申告と青色申告では、記帳方法や保存期間、メリットが大きく異なります。「どちらを選ぶべきか」を判断するために、8項目で比較します。
| 比較項目 | 白色申告 | 青色申告 |
|---|---|---|
| 記帳方法 | 単式簿記(簡易簿記) | 複式簿記(65万円控除) or 簡易簿記(10万円控除) |
| 作成する帳簿 | 法定帳簿(収入・経費を記録)1種類でOK | 仕訳帳・総勘定元帳など複数 |
| 帳簿の保存期間 | 法定帳簿7年、その他5年 | 帳簿7年、書類5〜7年 |
| 提出書類 | 確定申告書+収支内訳書 | 確定申告書+青色申告決算書 (貸借対照表・損益計算書) |
| 特別控除 | なし | 最大65万円 |
| 赤字の繰越 | 不可 | 3年間繰越可能 |
| 少額資産特例 | 10万円未満のみ即時償却 | 40万円未満まで即時償却 |
| 事前届出 | 不要(デフォルト) | 開業日から2ヶ月以内に届出 |
青色申告のメリットについては「青色申告のメリット完全ガイド」で詳しく解説しています。
白色申告の帳簿に決まった書式はありません。「日付」「科目(勘定科目)」「金額」「具体的な内容(取引先名など)」の4つの要素が揃っていれば、どのような形式でも構いません。手書きのノート、Excel、会計ソフトのいずれでもOKです。
| パターン | 日付 | 科目 | 金額 | 内容 |
|---|---|---|---|---|
| ①現金売上 | 4/1 | 売上 | 35,000 | 4/1分 現金売上合計 |
| ②掛け売上 | 4/5 | 売上(売掛金) | 110,000 | A社 デザイン制作費 |
| ③現金仕入 | 4/8 | 仕入 | 22,000 | B商店 材料費 |
| ④経費支払い | 4/10 | 通信費 | 5,500 | スマホ代(事業割合70%で按分後) |
| ⑤家事按分 | 4/30 | 地代家賃 | 42,000 | 自宅家賃12万円×事業割合35% |
※①の現金売上は1日の合計額をまとめて1行で記帳してOK(少額の場合)。②のように取引先が明確な場合は取引先名を記入。
💡 実務のポイント:収支内訳書の科目と揃えるのがコツ
白色申告では確定申告時に「収支内訳書」を提出します。帳簿の経費科目を収支内訳書の科目(租税公課・荷造運賃・水道光熱費・旅費交通費・通信費・広告宣伝費・接待交際費・損害保険料・修繕費・消耗品費・福利厚生費・地代家賃…)と揃えておくと、年末に転記するだけで収支内訳書が完成します。
| 記帳方法 | メリット | デメリット | おすすめの人 |
|---|---|---|---|
| 手書き (ノート・出納帳) | コストゼロ。100均の出納帳でOK | 計算ミスのリスク。年末の集計が大変 | 取引が月10件以下の方 |
| Excel (テンプレート利用) | 国税庁の無料テンプレートあり。関数で自動集計 | 消費税の区分経理には不向き | PCに慣れている方。取引が月30件程度まで |
| 会計ソフト (freee・弥生等) | 銀行口座連携で自動取込。収支内訳書を自動作成。青色に切り替えも容易 | 月額料金がかかる(無料プランあり) | 取引が多い方。将来青色申告にする予定の方 |
💡 実務のポイント
白色申告であっても、最初から会計ソフトを使うことをおすすめします。理由は2つ。第一に、白色申告用の無料プランがある会計ソフトが多いこと。第二に、将来青色申告に切り替えたときにデータがそのまま移行できること。手書きやExcelから会計ソフトへの移行は意外と手間がかかります。
確定申告の全体像については「確定申告の基礎知識完全ガイド」で解説しています。
AYUSAWA PARTNERS
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初回相談無料。白色申告の記帳代行から青色申告への切り替えサポートまで、税理士がワンストップで対応します。
鮎澤パートナーズに相談する白色申告者は、帳簿や書類を一定期間保存する義務があります。保存期間は書類の種類によって5年または7年です。
| 書類の種類 | 具体例 | 保存期間 |
|---|---|---|
| 法定帳簿 | 収入金額・必要経費を記載した帳簿 | 7年 |
| 任意帳簿 | 業務に関して作成した帳簿(固定資産台帳等) | 5年 |
| 決算関係書類 | 収支内訳書の控え、棚卸表 | 5年 |
| 請求書・見積書 | 取引先からの請求書、自社発行の見積書の控え | 5年 |
| 領収書・レシート | 経費の領収書・レシート | 5年 |
| 納品書 | 商品の納品書 | 5年 |
※保存期間の起算日は、確定申告の法定申告期限の翌日(原則3月16日)から。「種類ごとに保存期間を分けるのが面倒」な場合は、全部7年保存にしてしまうのがラクです。
⚠️ 注意:電子データの保存ルール
電子帳簿保存法により、メールやWebで受け取った請求書・領収書は、電子データのまま保存することが原則です。紙に印刷して保存するだけではNGになる場合があります。クラウド会計ソフトを使っていれば自動的にデータ保存されますが、メール添付のPDF請求書などは別途整理して保存する必要があります。
白色申告の記帳義務に違反しても、それだけで直接的な罰則はありません。しかし、帳簿がないことで以下の3段階のリスクが発生します。
| 段階 | リスクの内容 | 具体的な影響 |
|---|---|---|
| ① | 推計課税のリスク | 帳簿がない場合、税務署が同業他社の所得率などをもとに所得を推計して課税する。実際の所得より高い税額になる可能性がある |
| ② | 加算税の加重 (令和5年分〜) | 売上に関する帳簿を保存していない場合、通常の過少申告加算税・無申告加算税に5%〜10%が上乗せされる(令和5年分の修正申告等から適用) |
| ③ | 経費を否認される | 帳簿で経費を証明できなければ、税務調査で経費として認めてもらえず、所得が増える=税金が増える |
💡 実務のポイント
白色申告の税務調査では「推計課税」が使われることがあります。これは税務署が帳簿なしの事業者に対して、同業他社の所得率(たとえば同業の飲食店の平均所得率20%)を当てはめて課税する方法です。実際の経費率が30%だったとしても、帳簿がなければ反論できません。帳簿をきちんとつけることは、自分を守る最大の防御策です。
白色申告者が「このまま白色でいいのか、青色に切り替えるべきか」を判断するための税額シミュレーションです。2014年以降は白色でも記帳義務があるため、「帳簿をつける手間は同じ。それなら控除のある青色が有利」というのが基本的な考え方です。
📐 シミュレーション前提条件
| 事業所得 | 白色 (控除なし) |
青色10万円 控除 |
青色65万円 控除 |
白色と65万円控除 の税額差 |
|---|---|---|---|---|
| 100万円 | 6,000円 | 1,000円 | 0円 | ▲6,000円 |
| 300万円 | 112,500円 | 107,500円 | 80,000円 | ▲32,500円 |
| 500万円 | 372,500円 | 362,500円 | 242,500円 | ▲130,000円 |
※概算値です。復興特別所得税は含まず。住民税でもさらに約6.5万円(65万円×10%)の差が出ます。
📊 公認会計士の視点
事業所得300万円のケースで、白色と青色65万円控除の税額差は所得税だけで約3.25万円、住民税を含めると約10万円の差が出ます。500万円になると約20万円の差です。白色でも記帳義務がある現在、「手間は同じだが控除がゼロ」の白色を続ける合理的な理由はほとんどありません。特に会計ソフトを使えば、簡易簿記と複式簿記の手間の差はほぼゼロです。
白色申告から青色申告に切り替えるには、「所得税の青色申告承認申請書」を所轄税務署に提出します。提出期限は、青色申告をしたい年の3月15日までです。たとえば、来年分から青色申告にしたい場合は、来年の3月15日までに提出する必要があります。
新規開業の場合は、開業日から2ヶ月以内に提出すれば、開業した年から青色申告が使えます。
青色申告に切り替えると、複式簿記で帳簿をつける必要がありますが、クラウド会計ソフトを使えば入力方法は白色とほぼ変わりません。freeeやマネーフォワードなら、取引を入力するだけで自動的に仕訳帳・総勘定元帳が生成されます。
事業所得の基本については「事業所得の基礎知識」をご覧ください。
白色申告者が確定申告時に提出する書類は、確定申告書(第一表・第二表)と収支内訳書です。収支内訳書には、1年間の収入金額と必要経費の内訳を記載します。日々の帳簿から年間の合計額を転記する形で作成します。
収支内訳書には、売上(収入)金額、売上原価(仕入金額・期首棚卸高・期末棚卸高)、経費の科目別合計額(租税公課・荷造運賃・水道光熱費・旅費交通費・通信費・広告宣伝費・接待交際費・損害保険料・修繕費・消耗品費・福利厚生費・給料賃金・外注工賃・利子割引料・地代家賃・貸倒金・雑費など)を記載します。
所得控除の全体像は「所得控除一覧ガイド」をご覧ください。
📋 この記事のポイント
白色申告の記帳は「面倒くさい」というイメージがありますが、実際はシンプルな作業です。毎日こまめに記帳する習慣をつければ、確定申告の時期に慌てることもなくなります。さらに節税効果を得たいなら、青色申告への切り替えを検討してみてください。
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