給与計算の基礎|社会保険料・源泉所得税・住民税の天引きの仕組みと手順

給与計算の基礎|社会保険料・源泉所得税・住民税の天引きの仕組みと手順
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。

給与計算は「総支給額」から「控除額」を引いて「手取り額」を出すシンプルな構造ですが、令和8年は給与所得控除の最低保障額改正(55万円→65万円)・特定親族特別控除の創設・子ども・子育て支援金の追加など変更点が多く、従来通りでは誤計算が発生します。本記事では最新料率で具体的なシミュレーション付きに解説します。

🏆 結論:給与計算は「総支給-控除=手取り」の3段構造

給与計算は①勤怠集計→②総支給額の確定→③社会保険料の控除→④源泉所得税・住民税の控除→⑤手取り額算出の10ステップ。控除項目は社会保険料(健康・介護・厚生年金・雇用)と税金(所得税・住民税)の6種類。社会保険料は翌月徴収が原則です。

給与計算の全体像と10ステップ

給与計算は毎月同じパターンで実施されるルーティンワークですが、制度改正への追随と正確性の担保が求められます。まず全体の流れを10ステップで整理します。

ステップ 作業内容 参照資料
①勤怠集計出勤日数・労働時間・残業時間・欠勤・遅刻早退の集計タイムカード・勤怠システム
②総支給額の算定基本給+手当(残業代・役職・通勤・家族等)の合算給与規程・雇用契約書
③課税・非課税の分離通勤手当等の非課税分を分離所得税法施行令第20条の2等
④健康保険料の控除標準報酬月額×健康保険料率÷2協会けんぽ保険料額表
⑤厚生年金・介護保険料の控除標準報酬月額×各料率÷2協会けんぽ保険料額表
⑥雇用保険料の控除総支給額×雇用保険料率(労働者負担分)厚労省雇用保険料率表
⑦源泉所得税の控除総支給額-非課税-社保控除後に税額表適用令和8年分源泉徴収税額表
⑧住民税の控除市区町村からの通知書の月額を控除特別徴収税額通知書
⑨その他控除社内預金・財形・労働組合費・寮費等労使協定(24協定)
⑩手取り額の算出と支給総支給-全控除=手取り。給与振込・給与明細発行労基法第24条(賃金支払5原則)

💡 実務のポイント:賃金支払の5原則(労基法第24条)

給与支払いには労働基準法第24条により5つの原則があります。①通貨払い(外貨・現物不可、振込は本人同意要)②直接払い(家族や代理人への支払い禁止)③全額払い(法定控除以外は労使協定要)④毎月1回以上払い⑤一定期日払い。法定控除とは、社会保険料・源泉所得税・住民税・労働保険料のみ。社内預金や財形等の控除には24協定(賃金控除に関する労使協定)の締結が必須です。

【ステップ①②】勤怠集計と総支給額の算定

総支給額の構成要素

総支給額は「基本給」と「諸手当」の合算です。会社ごとに手当の設計が異なりますが、代表的な手当は以下の通りです。

手当の種類 内容 残業代算定基礎
基本給職務給・年齢給・勤続給等のベース○ 算定基礎
役職手当管理職・主任等に対する手当○ 算定基礎
通勤手当電車・バス定期代、自家用車ガソリン代× 除外可
家族手当扶養家族数に応じた手当× 除外可(扶養数比例なら)
住宅手当家賃・住宅ローン負担の補助× 除外可(家賃比例なら)
残業手当法定時間外労働・深夜・休日労働の割増—(計算結果)
出張手当出張時の日当・宿泊費定額× 通常除外

残業代の計算方法

労働基準法第37条により、法定時間外労働(1日8時間または週40時間超)は25%以上の割増、深夜労働(22時〜翌5時)は25%以上の割増、法定休日労働は35%以上の割増を支払う義務があります。重複する場合は加算します。

🧮 残業代の計算式

1時間当たりの基礎賃金 = 月給(残業代算定基礎) ÷ 月所定労働時間
時間外労働の割増賃金 = 1時間当たり基礎賃金 × 時間外労働時間 × 1.25
深夜労働の加算 = 1時間当たり基礎賃金 × 深夜労働時間 × 0.25
法定休日労働 = 1時間当たり基礎賃金 × 休日労働時間 × 1.35

※2023年4月から、中小企業でも月60時間超の時間外労働は50%以上の割増率に改正されました(労基法第37条第1項但書)。

【ステップ③】課税・非課税の判定

総支給額は税務上「課税対象」と「非課税対象」に分かれます。源泉所得税の計算では非課税分を除外する必要があります。一方、社会保険料の計算では原則として非課税手当も含むため、注意が必要です。

非課税・課税の判定表

項目 所得税 社会保険料 雇用保険料
通勤手当(電車・バス:月15万円まで)非課税課税(含む)課税(含む)
通勤手当(自家用車:距離別上限)一部非課税課税(含む)課税(含む)
食事補助(月3,500円以内+本人半額負担)非課税非課税非課税
社宅貸与(賃貸料相当額の50%以上負担)非課税非課税非課税
出張日当・出張旅費非課税(実費弁償の範囲)非課税非課税
宿直・日直手当(1回4,000円以内)非課税非課税非課税
役職・家族・住宅・資格手当課税課税課税
結婚祝金・災害見舞金(社会通念相当額)非課税非課税非課税

⚠️ 注意:通勤手当は社保と所得税で扱いが真逆

通勤手当は所得税では月15万円まで非課税ですが、社会保険料・雇用保険料の計算では全額が対象になります。この違いを理解せず、全額非課税として社会保険料を計算するミスが実務でしばしば発生します。弊所が引継ぎで担当したIT企業の顧問先では、前任の事務員が通勤手当を社保計算から除外していたため、算定基礎届で差異が発覚し、過去2年分の保険料追徴60万円が発生した事例があります。

【ステップ④⑤⑥】社会保険料の控除(令和8年度最新料率)

令和8年度の保険料率一覧

保険種別 全体料率 労働者負担 算定基礎
健康保険(東京都協会けんぽ)9.98%4.99%標準報酬月額
介護保険(40〜64歳のみ)1.62%0.81%標準報酬月額
厚生年金保険18.3%9.15%標準報酬月額
雇用保険(一般事業)1.45%0.55%毎月の賃金総額
子ども・子育て支援金(2026年4月〜)0.12%(段階引上げ)0.06%標準報酬月額

健康保険料率は都道府県ごとに異なります(東京9.98%、大阪10.42%、福岡10.35%等)。全国健康保険協会 令和8年度保険料額表で都道府県別に確認できます。労働基準法第24条の賃金支払5原則についてはe-Gov 労働基準法で条文を確認できます。

標準報酬月額の考え方

健康保険・厚生年金保険の保険料は「標準報酬月額」を基準に計算します。標準報酬月額は毎年4〜6月の報酬の平均を基に「算定基礎届」で決定される(9月から翌年8月まで適用)固定値で、毎月の給与が変動しても原則として変わりません。等級は健康保険1〜50等級、厚生年金1〜32等級に分かれています。

社会保険料の徴収タイミング:翌月徴収が原則

健康保険法第167条により、社会保険料は翌月徴収が原則です。つまり、4月の給与から3月分の社会保険料を徴収する形になります。当月徴収は法令上禁止されていませんが、退職時のトラブルが多いため避けられる傾向にあります。

徴収方式 給与支給日の扱い 退職時のトラブル
翌月徴収(推奨)4月給与から3月分社保を徴収退職月は2ヶ月分まとめ徴収が必要
当月徴収4月給与から4月分社保を徴収入社1ヶ月目は社保と給与計算のタイミングずれ

💡 実務のポイント:月末退職は社保2ヶ月分徴収

翌月徴収のルールでは、月末退職(例:3/31)の場合、3月の給与では2月分の社保を、最終月の3月分も併せて徴収する必要があります。これを被保険者資格喪失日(退職日の翌日=4/1)から計算すると、3月まで被保険者期間があるため、3月分の保険料が発生する仕組みです。実務では月末日の1日前(3/30)退職にすることで1ヶ月分のみの徴収で済む選択肢があり、資格喪失日が3/31となるため3月分保険料が発生しません。ただしこの判断は従業員の年金記録に影響するため、慎重な説明が必要です。

雇用保険料の計算式と端数処理

雇用保険料は標準報酬月額ではなく毎月の賃金総額(通勤手当含む)に料率を乗じて計算します。労働者負担分(一般事業の場合0.55%)を給与から控除します。

🧮 端数処理ルール(労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第21条)

雇用保険料の端数:50銭以下は切捨て・50銭を超え1円未満は切上げ
健康保険料・厚生年金保険料の端数:50銭以下は切捨て・50銭を超え1円未満は切上げ(通則法による)
※労働者の同意があれば「50銭未満切捨て・50銭以上切上げ」も可能
※ただし事業主負担分と合算で1円未満の端数が出る場合、事業主負担で調整するのが一般的実務

【ステップ⑦】源泉所得税の計算(令和8年改正反映)

源泉徴収の計算手順

源泉所得税は以下の手順で算出します。

  1. 総支給額から非課税分(通勤手当等)を控除した「課税支給額」を算出
  2. 課税支給額から社会保険料(全額)を控除した「社会保険料等控除後の給与等の金額」を算出
  3. 令和8年分源泉徴収税額表(月額表・日額表)で該当行を確認
  4. 扶養親族等の数(源泉控除対象親族の数)に応じて税額を決定

詳細は国税庁 令和8年分源泉徴収税額表を参照してください。税額表は甲欄(扶養控除等申告書提出者)、乙欄(他社主給与)、丙欄(日雇労働者)に分かれています。

令和8年度の主な改正点

改正項目 改正前 改正後(令和8年〜)
給与所得控除最低保障額55万円65万円
基礎控除(所得合計金額に応じ)一律48万円特定親族特別控除(新設)なし最大63万円(19〜22歳大学生等)
扶養控除等申告書の様式「控除対象扶養親族」欄「源泉控除対象親族」欄に変更
復興特別所得税所得税額の2.1%同左(2037年まで継続)

甲欄・乙欄・丙欄の使い分け

対象 税率の特徴
甲欄扶養控除等(異動)申告書を提出している従業員(主給与)低い(標準)
乙欄扶養控除等申告書未提出(副業・掛け持ち)高い(最低20.42%)
丙欄日雇労働者(2ヶ月以内の短期雇用)日額9,300円未満は0円

【ステップ⑧】住民税の控除

住民税(道府県民税+市町村民税)は前年の所得に基づく賦課課税です。従業員の給与から控除する住民税は、5月頃に市区町村から「特別徴収税額決定通知書」が送付され、6月分から翌年5月分までの12回(6月のみ端数調整で金額が異なる)で徴収します。

住民税の計算構造

給与計算の実務では住民税を計算する必要はなく、通知書の月額をそのまま控除するだけです。ただし、中途入社・退社・転勤時には「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を市区町村に提出する必要があります。

📢 住民税の切り替えタイミング

6月に新しい年度の通知書が届き、6月分から徴収金額が変わります。5月まで旧金額で徴収していたのに6月からの切り替えを忘れると、従業員から「住民税が変わっていない」とクレームを受けるケースがあります。給与計算ソフトを使っていても、通知書データの手動入力漏れは意外と多発するため、毎年5月末〜6月頭は要注意期間です。

給与計算シミュレーション(月給30万円・東京都)

月給30万円(基本給27万円+通勤手当3万円)、30歳独身、東京都協会けんぽ、一般事業のケースで完全計算してみます。

📐 シミュレーション前提条件

  • 基本給:27万円
  • 通勤手当:3万円(月10kmの電車定期)
  • 総支給額:30万円
  • 年齢:30歳(介護保険料非該当)
  • 所在地:東京都(協会けんぽ)
  • 事業種別:一般事業(雇用保険料率)
  • 扶養親族:0人(独身)
  • 標準報酬月額:30万円(22等級)

控除額の計算

控除項目 計算式 金額
健康保険料30万円 × 9.98% ÷ 214,970円
介護保険料30歳のため対象外0円
厚生年金保険料30万円 × 18.3% ÷ 227,450円
雇用保険料30万円 × 0.55%1,650円
社会保険料合計44,070円
源泉所得税(社会保険料控除後の給与額は30万円-3万円(通勤)-44,070円=225,930円)税額表月額表 甲欄 扶養0人約5,150円
住民税(通知書による)前年課税所得による約11,500円
控除合計約60,720円

🧮 手取り額の算出

総支給額:300,000円
控除合計:▲60,720円
手取り額:239,280円(総支給の約80%)

※住民税は入社2年目以降に発生(入社年は前年所得がないため原則ゼロ)
※2026年4月から子ども・子育て支援金が段階的に追加され、手取りは数百円〜千円ほど減少します

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給与計算でよくあるミス5類型と対策

ミス類型 発生原因 予防策
通勤手当の社保算定漏れ所得税と社保の扱いを混同算定基礎届で通勤手当欄を必ず記入
40歳到達月の介護保険料徴収漏れ40歳の誕生日前日が属する月から徴収開始の認識不足給与ソフトで誕生日アラート設定
60時間超残業の50%割増忘れ2023年4月改正の中小企業適用拡大を失念60時間カウントアラート
住民税の新年度切替漏れ通知書データの手動入力忘れ5月末の切替チェックリスト運用
乙欄適用忘れ(扶養控除等申告書未提出者)副業・掛け持ちの認識不足入社時の申告書提出チェック

💡 実務のポイント:40歳介護保険料の開始タイミング

介護保険料は「40歳の誕生日の前日」が属する月から徴収が始まります。実務で最も紛らわしいのは「月初1日生まれの人」のケースで、4/1生まれの人は3/31に40歳に到達するため、3月分(4月徴収)から介護保険料がかかります。弊所が引継ぎで入った飲食業の顧問先では、この逆算ルールが周知されておらず、月初生まれの3名について合計4ヶ月分の介護保険料徴収漏れが発覚しました。

クラウド給与ソフトの選定基準

給与計算を手作業で行うとミスが増えるため、従業員10名以上の事業所ではクラウド給与ソフトの導入が一般的です。主な選定基準を整理します。

評価軸 選定のポイント
料金体系従業員数課金か固定課金か。月額500円/人〜2,000円/人が相場
勤怠連携既存の勤怠システムとAPI連携可能か
法改正対応自動アップデートの速度・対応範囲
年末調整連携年末調整処理がオプションか標準機能か
Web給与明細スマホで明細確認可能か・電子交付対応
Web給与明細算定基礎届・賞与支払届・離職票等の電子申請連携
社労士連携社労士との共同編集アカウントの有無

給与計算を社内で行うか、社労士・税理士に委託するかの判断については、社会保険の完全ガイドの委託判断基準も参照してください。源泉所得税の詳細な計算方法は給与の源泉所得税の計算と納付、住民税の切替実務は住民税の徴収切替と経理処理で解説します。就業規則との整合性は就業規則の作成、給与計算を効率化する助成金はキャリアアップ助成金で解説しています。

よくある質問

給与計算の締め日と支給日を決めるルールはありますか?
労働基準法第24条により「毎月1回以上・一定期日払い」の原則があります。締め日・支給日の間隔は通常5〜15日程度で、例えば「月末締・翌月10日払い」「20日締・当月25日払い」などが一般的です。業務量と社会保険料の納付期限(翌月末)を考慮すると、月末締で翌月10〜25日払いの設定が実務的に扱いやすいです。締日変更する場合は就業規則の改定と労働者への不利益変更にならない配慮が必要です。
退職者の最終給与計算で注意すべき点は?
3つの注意点があります。①社会保険料の徴収月数(月末退職は2ヶ月分、月末以外は1ヶ月分)②住民税の残額一括徴収または普通徴収切替(本人選択)③未消化有給休暇の買取(就業規則による)。弊所の関与先では、退職者の最終給与明細は通常月の1.5倍の工数がかかるため、退職予告日から即座にチェックリスト運用する体制にしています。
給与計算ソフトを使っていれば社労士は不要ですか?
ソフトは計算を自動化しますが、制度改正の解釈・判断・例外処理は人間の専門家が必要です。例えば定期昇給後の月額変更届タイミング、育休中の社会保険料免除手続き、算定基礎届の保存書類作成、労働基準監督署への36協定届など、ソフトでは対応できない領域が多数あります。従業員20名以上の事業所では社労士と顧問契約(月額3〜10万円)した方が、トラブル予防と業務効率のバランスが取れるケースが多いです。
給与明細は紙で発行しなければなりませんか?
所得税法施行規則第100条により、給与明細は電子交付が認められています。ただし「本人の事前承諾」と「本人が印刷できる形式での提供」が条件です。従業員がスマホで明細を確認できるクラウドサービスを使う場合、初回利用時に電子交付同意を取得する運用が一般的です。紙での再発行を求められた場合は速やかに対応する必要があります。
賞与(ボーナス)の社会保険料の計算方法は?
賞与の社会保険料は「標準賞与額(1,000円未満切捨)×各保険料率」で計算します。毎月の給与とは別計算で、健康保険は年間累計573万円、厚生年金は1回あたり150万円の上限があります。源泉所得税は「前月の社会保険料控除後の給与額」を基準に賞与税額表で算出するため、月給の支給状況も影響します。詳細は賞与支払届の作成手続きと合わせて確認が必要です。
残業代の固定残業代(みなし残業代)は合法ですか?
合法ですが3要件が必要です。①固定残業代に該当する金額と時間数を明示②実際の残業が固定分を超えた場合は差額支払い③固定分の超過時間の記録保持。最高裁判例(2017年医療法人社団康心会事件等)により、「手当」として支給しても実態が固定残業代と判別できなければ無効とされます。実務では就業規則と雇用契約書の両方に明記し、給与明細でも「基本給」と「固定残業代30時間相当額」を分けて表示するのが標準です。
パート・アルバイトの給与計算で特別な注意点は?
3つのポイントがあります。①社会保険加入要件(週20時間以上+月額88,000円以上+2ヶ月超雇用見込)を満たす場合は被保険者として加入②所得税の扶養控除申告書は一定条件下で103万円超~150万円の壁対応③雇用保険加入要件(週20時間以上+31日以上雇用見込)。2026年10月から社会保険の企業規模要件撤廃が段階実施され、パート社保加入の判定が厳しくなるため、年収の壁対応と合わせて再設計が必要です。
給与から天引きできる項目に法律上の制限はありますか?
はい、厳しい制限があります。労働基準法第24条の「全額払いの原則」により、原則として給与から天引きできるのは法定控除(社会保険料・源泉所得税・住民税・雇用保険料)のみです。社内預金・財形貯蓄・労働組合費・寮費・借上社宅費などを天引きするには「賃金控除に関する労使協定(24協定)」の締結が必要です。24協定なしでの天引きは労働基準法違反となり、30万円以下の罰金の対象です。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 給与計算は「総支給額-控除合計=手取り額」の3段構造
  • 控除は社会保険料(健康・介護・厚生年金・雇用)と税金(所得税・住民税)の6種類
  • 健康保険・厚生年金は標準報酬月額×料率÷2。雇用保険は毎月の賃金総額×料率
  • 社会保険料は翌月徴収が原則(月末退職は2ヶ月分まとめ徴収)
  • 通勤手当は所得税で月15万円まで非課税だが、社会保険料では全額が対象
  • 令和8年から給与所得控除最低保障額が55万円→65万円に引上げ
  • 2025年から特定親族特別控除(最大63万円)が新設
  • 2026年4月から子ども・子育て支援金が段階的に追加
  • 24協定なしの任意控除は労働基準法違反(30万円以下の罰金)

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