【税理士×行政書士のダブル監修】法人設立登記の手順と必要書類|費用・期間・オンライン申請の方法

【税理士×行政書士のダブル監修】法人設立登記の手順と必要書類|費用・期間・オンライン申請の方法
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。

法人設立登記の手順と必要書類|費用・期間・オンライン申請の方法

「設立登記って何を用意すればいいの?」「自分でもできる?」と不安な創業者に向けて、法人設立登記の全手順を6ステップで完全ガイドします。この記事を読めば、必要書類・費用・期間が明確になり、スムーズに会社を設立できます。

🏆 結論:設立登記は6ステップ、最短2〜3週間で完了

法人設立登記の全体像は、①基本事項の決定 → ②定款の作成・認証 → ③資本金の払込 → ④登記書類の作成 → ⑤法務局への申請 → ⑥登記完了後の届出の6ステップです。費用は株式会社で約25万円(登録免許税15万円+認証手数料5万円+その他)、合同会社で約10万円(登録免許税6万円+その他)が目安。申請から登記完了まではおおむね1〜2週間、オンライン申請なら条件を満たせば原則24時間以内に完了します。

法人設立登記とは?なぜ必要なのか

登記しなければ会社は存在しない

法人設立登記とは、会社の商号・所在地・代表者・事業目的・資本金などの情報を法務局に登録する手続きです。会社法第49条により、株式会社は設立登記をすることで法人として成立します。つまり、登記が完了するまでは法律上「会社」は存在しません。

法務局に申請した日が「会社設立日」

法務局に登記申請が受理された日が会社の設立日になります。登記が完了した日ではなく「申請した日」がポイントです。記念日に設立したい場合は、その日に申請を行う必要があります。

📢 2026年2月の法改正:休日設立が可能に

2026年2月2日施行の法改正により、登記申請書に設立希望日を記載することで、土日祝日を会社設立日に指定できるようになりました。ただし、オンライン申請であること、すべての添付書類が電子署名されていることなど4つの要件を満たす必要があります。

法人設立登記の全体の流れ【6ステップ】

ステップ1:会社の基本事項を決定する

登記書類を作成する前に、まず会社の基本情報を確定させます。商号(会社名)、事業目的、本店所在地、資本金額、発起人(出資者)の構成、事業年度(決算月)、役員構成を決めます。これらは全て定款に記載し、登記申請にも反映されます。

ステップ2:定款を作成し、認証を受ける

株式会社の場合、定款を作成して公証人の認証を受ける必要があります。電子定款なら印紙代4万円が不要です。合同会社の場合は定款認証が不要のため、このステップは省略できます。

定款の作り方については「定款の作り方と記載事項|電子定款のメリットと公証人認証の手順」で詳しく解説しています。

ステップ3:資本金を払い込む

定款認証後、発起人の個人口座に資本金を振り込みます。この時点ではまだ法人口座は作れないため、発起人の個人口座が振込先です。振込後、通帳のコピー(表紙・1ページ目・振込記載ページ)を取得し、「払込証明書」を作成します。

💡 実務のポイント

資本金の払込は「振込」で行ってください。「入金」だと誰が払い込んだかの記録が残らず、法務局から補正を求められることがあります。発起人が1名の場合でも、自分の口座に自分の名前で振込操作を行うのが確実です。

ステップ4:登記申請書類を作成する

法務局のウェブサイトに掲載されているテンプレートを基に、登記申請書類一式を作成します。書類の詳細は次のセクションで解説します。

ステップ5:法務局に登記申請する

本店所在地を管轄する法務局に書類を提出します。申請方法は窓口・郵送・オンラインの3つがあります(後述)。書類に不備がなければ、1〜2週間で登記が完了します。

ステップ6:登記完了後の届出を行う

登記が完了したら、税務署・都道府県・市区町村・年金事務所への届出が必要です。登記完了後の届出の詳細は「法人設立後の届出一覧|税務署・都道府県・市区町村・年金事務所への届出を完全ガイド」をご覧ください。

設立登記に必要な書類一覧【株式会社・合同会社別】

株式会社の必要書類

書類名 内容・備考
登記申請書法務局の書式に従い作成。商号・本店・目的・資本金等を記載
定款(認証済み)公証人の認証を受けたもの。電子定款の場合はCD-R等
発起人の決定書本店の具体的な所在地、設立時取締役等を記載
取締役の就任承諾書各取締役が就任を承諾したことを証する書面
代表取締役の就任承諾書取締役が1名で兼務する場合は不要
払込証明書+通帳コピー資本金の払込を証明する書面。通帳の表紙・1P・振込記載ページ
印鑑届出書会社実印の届出。オンライン申請で印鑑不提出を選択する場合は不要
取締役の印鑑証明書取締役会を設置しない場合、取締役全員分が必要
登記すべき事項を記録した媒体CD-RまたはオンラインでOCR用データを提出
登録免許税の収入印紙15万円(資本金×0.7%が15万円を超える場合はその金額)

参考: 法務局「商業・法人登記の申請書様式」

合同会社の必要書類

合同会社は定款認証が不要なため、書類が少なくなります。

書類名 株式会社との違い
登記申請書合同会社用の書式を使用
定款(認証不要)公証人認証は不要。社員全員の記名押印で有効
代表社員の就任承諾書定款で直接選任する場合は不要
払込証明書+通帳コピー株式会社と同じ
印鑑届出書株式会社と同じ
登録免許税の収入印紙6万円(資本金×0.7%が6万円を超える場合はその金額)

株式会社と合同会社の違いは「株式会社と合同会社の違いを比較|設立費用・信用力・税金で選ぶ最適解」で詳しく比較しています。

設立登記にかかる費用【一覧表】

費用項目 株式会社 合同会社
登録免許税150,000円60,000円
定款認証手数料(資本金300万円以上)50,000円不要
定款の収入印紙(電子定款なら不要)0円(電子)/40,000円(紙)不要
定款謄本交付手数料約2,000円不要
会社実印の作成3,000〜10,000円3,000〜10,000円
登記事項証明書(謄本)600円/通600円/通
印鑑証明書500円/通500円/通
法定費用の合計(電子定款)約25万円約10万円

📊 公認会計士の視点

設立費用は「創立費」として会計上の繰延資産に計上できます。税務上は任意償却(一括で経費にするか、5年以内で均等償却するかを選べる)が可能です。設立初年度に赤字が見込まれる場合は、翌期以降に経費化する方が節税効果が高くなることがあります。

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3つの申請方法を比較 — 窓口・郵送・オンライン

比較項目 窓口申請 郵送申請 オンライン申請
完了までの期間1〜2週間1〜2週間+郵送日数条件充足で原則24時間
法務局への訪問必要不要不要
不備時の対応窓口で指摘を受けられる電話連絡後に補正書を郵送オンラインで補正可能
必要な環境特になし特になしWindows PC、電子証明書、申請用総合ソフト
おすすめの人初めてで不安な人法務局が遠い人スピード重視の人

💡 実務のポイント

オンライン申請の「24時間以内に完了」は、すべての添付書類が電子署名されたPDFで提出された場合の条件です。実際には、書類の一部を紙で提出する「半ライン申請」になるケースも多く、その場合は通常の1〜2週間かかります。初めての設立であれば、窓口申請で法務局の担当者にチェックしてもらうのが一番安全です。

自分でやる vs 専門家に依頼する — コスト比較

3パターンのコスト比較表(株式会社の場合)

⭐ おすすめは「電子定款のみ依頼」
項目 全て自分 電子定款のみ依頼 全て専門家に依頼
登録免許税150,000円150,000円150,000円
定款認証手数料50,000円50,000円50,000円
収入印紙(定款)40,000円(紙)0円(電子)0円(電子)
専門家報酬0円5,000〜20,000円50,000〜150,000円
合計約290,000円約255,000円約300,000〜400,000円
所要時間(目安)2〜4週間2〜3週間1〜2週間

※資本金300万円以上の株式会社で電子定款を前提。専門家報酬は地域・事務所により異なります。

「全て自分」の場合、電子定款の環境構築(ICカードリーダー、Adobe Acrobat等)に追加費用がかかるうえ、紙定款だと印紙代4万円が上乗せされます。結果的に、電子定款の作成のみ行政書士に依頼する方がトータルで安く済むケースがほとんどです。

登記申請でよくある補正(不備)と対策

よくある不備トップ5

不備の内容 原因 対策
登記申請書の記載と定款の記載が不一致定款作成後に基本事項を変更した申請前に定款と申請書を照合する
払込証明書の日付が定款認証日より前定款認証前に払込みをした定款認証後に払込を行う
印鑑証明書の住所と申請書の住所が不一致引っ越し後に印鑑証明を更新していない最新の印鑑証明書を取得する
登録免許税の金額不足資本金×0.7%の計算を誤った最低額(株式会社15万円)を確認する
就任承諾書の押印漏れ取締役全員分の書類を準備し忘れたチェックリストで書類を管理する

⚠️ 注意

補正(書類の修正)が入ると、登記完了までさらに数日〜1週間延びます。特に、設立日を特定の日に合わせたい場合、補正が入ると設立日がずれてしまいます。申請前に法務局の相談窓口で事前チェックを受けることをお勧めします。

登記完了後にやるべきこと【タイムライン】

時期 やること 届出先
登記完了直後登記事項証明書・印鑑証明書の取得法務局
設立後2週間以内法人設立届出書の提出税務署・都道府県・市区町村
設立後3ヶ月以内青色申告承認申請書の提出税務署
設立後5日以内健康保険・厚生年金保険の新規適用届年金事務所
従業員雇用時雇用保険・労災保険の届出ハローワーク・労基署
できるだけ早く法人口座の開設銀行

🔷 社労士の視点

健康保険・厚生年金保険の新規適用届の提出期限は、法人設立後5日以内です。登記完了後すぐに着手しないと期限を過ぎてしまいます。当事務所では、設立登記と並行して社会保険の届出書類を準備し、登記完了と同時に提出できるよう段取りしています。

会社設立の全体像は「会社設立の流れと費用を完全ガイド|株式会社・合同会社の手続き・届出を徹底解説」で、法人化のタイミングは「個人事業主の法人成りベストタイミング|売上・利益の判断基準と手続き」で解説しています。

よくある質問(FAQ)

設立登記にかかる期間はどのくらいですか?
準備開始から登記完了までの目安は2〜3週間です。内訳は、基本事項の決定・定款作成に1〜2週間、法務局での審査に1〜2週間です。オンライン申請で全書類を電子署名付きPDFで提出すれば、審査は原則24時間以内に完了します。
登録免許税はいくらですか?
株式会社は資本金の0.7%(最低15万円)、合同会社は資本金の0.7%(最低6万円)です。資本金が約2,143万円以下の株式会社であれば15万円、約857万円以下の合同会社であれば6万円が登録免許税となります。
設立登記は自分でもできますか?
はい、法律上は自分で行うことが可能です。法務局のウェブサイトにテンプレートや記載例があり、窓口で相談もできます。ただし、書類に不備があると補正が必要になり、設立日がずれるリスクがあります。電子定款の作成だけ行政書士に依頼し、残りは自分で行うのがコストと安全性のバランスが良い方法です。
法務局に行かずに設立登記はできますか?
はい、郵送申請またはオンライン申請であれば法務局に行く必要はありません。オンライン申請は法務省の「登記・供託オンライン申請システム」を使います。ただし、Windows PCと電子証明書(マイナンバーカード等)が必要です。
設立日を特定の日にしたい場合はどうすればいいですか?
法務局に登記申請を行った日が設立日になります。希望する日に窓口で申請するか、オンラインで申請してください。2026年2月の法改正により、一定の要件を満たせば土日祝日を設立日に指定することも可能になりました。
登記が完了したかどうかはどうやって確認できますか?
法務局に電話で確認するか、オンライン申請の場合は「登記・供託オンライン申請システム」で処理状況を確認できます。登記完了後は、登記事項証明書(登記簿謄本)を法務局で取得することで、正式に登記内容を確認できます。
登記申請に不備があった場合はどうなりますか?
法務局から「補正」の連絡が来ます。軽微な不備(誤字・脱字等)であれば補正書を提出して修正できますが、重大な不備(添付書類の不足等)の場合は申請を取り下げて再申請になることもあります。補正があると登記完了が1週間程度遅れます。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 設立登記は6ステップ:基本事項決定→定款→資本金払込→書類作成→申請→届出
  • 費用は株式会社で約25万円、合同会社で約10万円が法定費用の目安
  • 申請方法は窓口・郵送・オンラインの3種類。オンラインなら最短24時間で完了
  • 電子定款のみ行政書士に依頼するのがコストパフォーマンス最良
  • 申請日=設立日。2026年2月の法改正で休日設立も可能に
  • 登記完了後は税務署・年金事務所等への届出を速やかに行う

設立登記は「会社を法的に誕生させる」最も重要な手続きです。書類の不備で設立日がずれたり、届出の期限を過ぎてしまったりしないよう、スケジュールに余裕を持って準備を進めてください。

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