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法人の住所変更・役員変更時の届出一覧|税務署・法務局・年金事務所
「本店を移転したけど、どこに届出すればいいの?」「役員を変更したらどんな手続きが必要?」とお悩みの経営者に向けて、届出先・書類・期限を一覧表で完全ガイドします。この記事を読めば、届出漏れゼロで手続きが完了します。


「本店を移転したけど、どこに届出すればいいの?」「役員を変更したらどんな手続きが必要?」とお悩みの経営者に向けて、届出先・書類・期限を一覧表で完全ガイドします。この記事を読めば、届出漏れゼロで手続きが完了します。
🏆 結論:住所変更は最大8ヶ所、役員変更は最大4ヶ所への届出が必要
法人の本店移転は、法務局(2週間以内)→年金事務所(5日以内)→税務署→都道府県税事務所→市区町村→労基署→ハローワークの順に手続きします。役員変更は法務局への変更登記が中心で、税務署・年金事務所への届出も必要です。最も期限が短いのは年金事務所の5日以内なので、法務局と同時並行で準備を始めましょう。
法人の本店所在地を移転する場合、以下の届出が必要です。期限が短い順に並べていますので、上から順に対応してください。
| 届出先 | 届出書類 | 期限 | 提出先 |
|---|---|---|---|
| ①法務局 | 本店移転登記申請書 | 移転後2週間以内 | 旧本店の管轄法務局 |
| ②年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険 適用事業所名称/所在地変更届 | 移転後5日以内 | 旧所在地の管轄年金事務所 |
| ③税務署 | 異動届出書 | 速やかに(明確な期限なし) | 旧所在地の管轄税務署 |
| ④税務署 | 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 | 移転後1ヶ月以内 | 旧所在地の管轄税務署 |
| ⑤都道府県税事務所 | 法人異動届出書 | 速やかに(自治体による) | 旧所在地の管轄+新所在地の管轄(管轄が変わる場合) |
| ⑥市区町村 | 法人設立・設置届出書(移転先)/ 異動届(移転元) | 自治体による | 旧・新の市区町村(東京23区内は都税事務所のみ) |
| ⑦労働基準監督署 | 労働保険名称・所在地等変更届 | 速やかに | 新所在地の管轄労基署 |
| ⑧ハローワーク | 雇用保険事業主事業所各種変更届 | 変更日の翌日から10日以内 | 新所在地の管轄ハローワーク |
※従業員を雇用していない場合、⑦労基署・⑧ハローワークへの届出は不要です。社会保険未加入の場合、②年金事務所への届出も不要です。
⚠️ 注意
最も期限が短いのは年金事務所の「5日以内」です。しかし、年金事務所への届出には登記事項証明書が必要なため、法務局での登記を最優先で完了させる必要があります。移転日の前から書類を準備しておき、移転日当日〜翌営業日に法務局へ申請するスケジュールが理想です。
| 比較項目 | 管轄内移転 | 管轄外移転 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 3万円 | 6万円(旧3万+新3万) |
| 申請先 | 旧本店の管轄法務局 | 旧本店の管轄法務局(1ヶ所に提出) |
| 定款変更 | 同一市区町村内なら不要の場合あり | 必要(株主総会特別決議) |
| 印鑑カード | そのまま使用可 | 新しい印鑑カードの交付が必要 |
本店移転登記に必要な書類は以下の通りです。
📝 行政書士の視点
定款に本店所在地を「東京都新宿区」のように最小行政区画まで記載している場合、同一市区内の移転では定款変更が不要です。一方、「東京都新宿区○○一丁目○番○号」と具体的な番地まで記載している場合は、同一市区内でも定款変更が必要になります。設立時に最小行政区画までの記載にしておくと、将来の移転が楽になります。
会社設立時の届出全般は「会社設立の流れ|手続き・費用・届出を完全ガイド」で網羅しています。
本店移転の際は、旧所在地の管轄税務署に「異動届出書」を提出します。明確な提出期限は定められていませんが、「速やかに」とされているため、法務局での登記完了後すぐに提出しましょう。新所在地の税務署への届出は不要です(旧所在地の税務署から自動的に引き継がれます)。
従業員や役員に給与を支払っている場合、移転後1ヶ月以内に提出が必要です。提出先は旧所在地の管轄税務署です。異動届出書と同時に提出するのが効率的です。
💡 実務のポイント
実務では、異動届出書と給与支払事務所の届出は同じ日にまとめて提出するのが一般的です。e-Taxでの電子申請も可能ですので、窓口に行く時間がない場合は電子申請を活用しましょう。なお、消費税の課税事業者の場合でも、住所変更だけなら消費税の届出は不要です。異動届出書で自動的に反映されます。
社会保険に加入している事業所は、移転後5日以内に「適用事業所名称/所在地変更届」を提出します。提出先は旧所在地の管轄年金事務所で、添付書類として登記事項証明書が必要です。管轄が変わる場合でも、届出は旧所在地の年金事務所に提出すれば、新所在地の年金事務所に自動的に引き継がれます。
🔷 社労士の視点
他の都道府県に移転する場合、健康保険料率が変わる可能性があります。届出に記載した「事業開始年月日」から新しい料率が適用され、既に徴収済みの保険料との過不足は、管轄変更後の最初の保険料で精算されます。従業員への説明も忘れずに行いましょう。
従業員を雇用している場合、新所在地の管轄労基署に「労働保険名称・所在地等変更届」を提出します。この届出の控えが、次のハローワークでの手続きに必要になります。
変更日の翌日から10日以内に、新所在地の管轄ハローワークに「雇用保険事業主事業所各種変更届」を提出します。労基署の届出控えが添付書類として必要なので、労基署→ハローワークの順に手続きしましょう。
取締役や代表取締役の就任・退任・重任(再任)が生じた場合の届出先をまとめました。
| 届出先 | 届出書類 | 期限 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 法務局 | 役員変更登記申請書 | 変更後2週間以内 | 登録免許税1万円(資本金1億円以下)。株主総会議事録・就任承諾書等を添付 |
| 税務署 | 異動届出書 | 速やかに | 代表者変更時のみ。取締役の変更のみなら不要 |
| 都道府県税事務所 | 法人異動届出書 | 自治体による | 代表者変更時のみ |
| 年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険 事業所関係変更届 | 変更後5日以内 | 事業主(代表者)変更時のみ |
💡 実務のポイント
役員変更で最も多いミスは「任期満了の重任登記を忘れる」ことです。非公開会社は定款で任期を最長10年まで延長できますが、10年後に重任登記を忘れると「みなし解散」のリスクがあります。法務局から「休眠会社の整理作業」の通知が届いた場合、2ヶ月以内に届出をしなければ強制解散されます。登記期限の管理は、顧問税理士か司法書士に依頼しておくのが安全です。
代表取締役の自宅住所が変わった場合も、届出が必要です。株式会社の代表取締役の住所は登記事項であるため、以下の手続きが発生します。
| 届出先 | 届出書類 | 期限 |
|---|---|---|
| 法務局 | 代表取締役の住所変更登記申請書 | 変更後2週間以内 |
| 税務署 | 異動届出書(代表者住所変更) | 速やかに |
| 都道府県税事務所 | 法人異動届出書 | 自治体による |
なお、代表取締役以外の取締役は、住所が登記事項ではないため、個人住所変更の登記は不要です。
法人化のタイミングや設立届出については「法人設立時の届出一覧|税務署・都道府県・年金事務所への届出完全ガイド」をご覧ください。
📐 シミュレーション前提条件
| 費用項目 | 自分で手続き | 専門家に依頼 |
|---|---|---|
| 登録免許税(管轄外移転) | 6万円 | 6万円 |
| 登記事項証明書(2通) | 約1,200円 | 約1,200円 |
| 司法書士報酬(登記申請) | 0円 | 4〜5万円 |
| 税理士報酬(税務届出代行) | 0円 | 1〜3万円 |
| 社労士報酬(社保・労保届出代行) | 0円 | 2〜4万円 |
| 合計 | 約6.1万円 | 約13〜18万円 |
※概算値です。管轄内移転の場合は登録免許税が3万円に軽減されます。
本店移転時に使える完了チェックリストです。上から順に確認してください。
| No. | チェック項目 | 完了 |
|---|---|---|
| 1 | 株主総会議事録(定款変更決議)を作成した | □ |
| 2 | 法務局に本店移転登記を申請した(移転後2週間以内) | □ |
| 3 | 登記事項証明書を取得した(年金事務所等の添付用) | □ |
| 4 | 年金事務所に所在地変更届を提出した(移転後5日以内) | □ |
| 5 | 税務署に異動届出書+給与支払事務所届出書を提出した | □ |
| 6 | 都道府県税事務所に法人異動届出書を提出した | □ |
| 7 | 市区町村に届出を提出した(該当する場合) | □ |
| 8 | 労基署に労働保険名称・所在地等変更届を提出した | □ |
| 9 | ハローワークに雇用保険事業主事業所各種変更届を提出した | □ |
| 10 | 許認可事業の場合、監督官庁への届出を確認した | □ |
💡 実務のポイント
建設業・宅建業・飲食業・古物商・人材派遣業などの許認可事業を行っている場合、上記に加えて監督官庁への届出が必要です。許認可の変更届出を怠ると、最悪の場合は許認可の取消しに至るリスクがあるため、自社の許認可を全て洗い出して確認してください。
法務局の登記完了を待ってから年金事務所の届出を始めると、5日に間に合わないことがあります。対策としては、移転前に届出書の記入を済ませておき、登記事項証明書が取得でき次第すぐに提出するスケジュールを組みましょう。
税務署への届出だけで安心してしまい、地方税の届出を忘れるパターンです。特に管轄が変わる場合は、旧所在地と新所在地の両方に届出が必要な場合があるので注意してください。
公的機関への届出に集中するあまり、郵便局への転居届を忘れるケースがあります。転送サービスは最長1年間で、税務署や年金事務所からの郵便物が届かなくなるリスクを防げます。
登記変更の期限(2週間以内)を過ぎると、代表取締役に100万円以下の過料が科される可能性があります(会社法第976条)。実際に過料が課されるケースは多くはありませんが、数万円の過料通知が届く事例は実務で見かけます。
決算の流れ全体は「法人決算の流れ|スケジュールと必要書類を完全ガイド」で確認できます。
📋 この記事のポイント
届出手続きは数が多く面倒ですが、1つ1つの手続き自体は難しくありません。本記事のチェックリストを活用して、漏れなく計画的に進めてください。自社で対応する時間がない場合は、税理士・社労士・行政書士にワンストップで依頼するのが最も効率的です。