【税理士が解説】副業・兼業の労務管理|労働時間の通算・割増賃金の負担・二以上事業所勤務届

【税理士が解説】副業・兼業の労務管理|労働時間の通算・割増賃金の負担・二以上事業所勤務届
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。

副業・兼業の労務管理|労働時間の通算・割増賃金の負担・二以上事業所勤務届

副業解禁を進める企業が増える一方、「労働時間の通算が複雑で放置している」「副業先の労働時間を把握する方法がわからない」という声が多数。原則ルール・管理モデル・二以上事業所勤務届・労災認定の複数事業労働者特例まで、社労士と税理士の視点で実務対応を整理します。

🏆 結論:副業の労務管理は「通算の方法」と「保険届出」で決まる

副業・兼業時の労働時間は、本業・副業を通算して法定労働時間(週40時間・1日8時間)を超えないかを判定します。管理の煩雑さを避けるため、厚生労働省は「管理モデル」(後契約側が全労働時間を時間外労働として割増賃金を払う方式)を示しています。また、両方で社会保険加入要件を満たす場合は「二以上事業所勤務届」が必要で、報酬の合算による標準報酬月額の決定、労災の複数事業労働者特例まで視野に入れた体制整備が不可欠です。

副業・兼業をめぐる基本構造

厚生労働省モデル就業規則の改定(2018年)と以降の流れ

厚生労働省は2018年、モデル就業規則の副業禁止規定を削除し、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と明記。副業解禁の方針を国として打ち出しました。2020年9月には「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が改定され、労働時間管理の具体的な手続きが示されています。

副業を認める/認めない判断基準

副業の可否は企業の判断に委ねられていますが、裁判例では原則として副業禁止は無効とされ、例外的に以下の場合にのみ制限が許容されます。
  • 労務提供上の支障がある場合(本業に支障をきたすほど長時間の副業等)
  • 業務上の秘密が漏洩する場合
  • 競業により自社の利益が害される場合
  • 自社の名誉・信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

副業規程の必須記載事項

項目 規程の記載例
許可・届出制原則として事前届出制、競業等のみ許可制
届出事項副業先・業務内容・労働時間・契約形態
制限事由競業・守秘義務違反・長時間労働・会社の信用毀損
労働時間の申告義務副業先での労働時間を月次で申告
健康管理措置通算労働時間の把握・長時間労働時の面談
違反時の対応届出なし副業・禁止事由該当時の懲戒

💡 実務のポイント

許可制は原則として副業を認める方向で運用しないと、「事実上の副業禁止」として裁判で否定されるリスクがあります。弊所が関与した従業員40名のシステム開発会社では、「副業は原則可、ただし競業事業と1か月60時間超の副業は要相談」という段階的制限で運用し、過去3年で申請20件中18件を許可。労使の信頼関係を維持しながらリスクもコントロールする運用です。

労働時間の通算の原則ルール

労働基準法第38条第1項の通算規定

労働基準法第38条第1項は、「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と定めています。この規定は、同一使用者の複数事業場だけでなく、異なる使用者(本業と副業)の労働時間の通算にも適用される、と厚生労働省は解釈しています。

通算の順序

副業・兼業の労働時間通算は、以下の順序で行います。
  1. 本業(先に契約した会社)の所定労働時間
  2. 副業(後に契約した会社)の所定労働時間
  3. 本業の所定外労働時間(時系列順)
  4. 副業の所定外労働時間(時系列順)
通算した結果、1日8時間・週40時間を超える部分が法定時間外労働となり、その部分を実際に働かせた使用者が割増賃金を支払います。

原則ルールでの割増賃金の計算例

🧮 原則ルールの計算例

【A社(先契約・本業)】:所定7時間 + 所定外1時間 = 8時間
【B社(後契約・副業)】:所定1時間 + 所定外1時間 = 2時間
通算順:①A社所定7時間→②B社所定1時間→③A社所定外1時間→④B社所定外1時間
【結果】通算8時間まで法内、8時間超の部分(A社所定外1時間 + B社所定外1時間)が法定時間外労働。
・A社所定外1時間 → A社が割増賃金(25%)を支払う
・B社所定外1時間 → B社が割増賃金(25%)を支払う

原則ルールの難しさ

原則ルールでは、本業側・副業側の双方が他方の労働時間を把握する必要があります。実務上は以下の課題があります。
  • 他社の労働時間をリアルタイムで把握できない
  • 本人の申告制にならざるを得ないが、申告漏れ・誤申告のリスク
  • 月末締めの給与計算直前まで他社の残業時間が確定しない
  • 締日が違う会社同士だと、割増賃金の対象月がズレる
このため、多くの中小企業では原則ルールの運用が現実的に困難であり、後述する「管理モデル」が代替案として示されています。

簡便な労働時間管理の方法「管理モデル」

管理モデルの仕組み

管理モデルは、2020年9月の厚生労働省ガイドライン改定で示された簡便な管理方法です。基本的な考え方は以下の通り。
  • 本業(先契約):自社の所定労働時間+所定外労働時間を、自社の36協定の範囲内で管理
  • 副業(後契約):他社での労働時間にかかわらず、自社の労働時間全体(所定+所定外)を法定時間外労働として扱う
  • 副業側は、本業の労働時間を把握する必要がない
つまり、副業側(B社)は労働時間全体に対して割増賃金(通常25%)を支払う運用にすることで、本業の労働時間を把握する手間を不要にできる仕組みです。

参考: 厚生労働省「副業・兼業の場合における簡便な労働時間管理のポイント(管理モデル)」PDF

原則ルールと管理モデルの比較

項目 原則ルール 管理モデル
他社労働時間の把握必要不要
副業側の割増賃金通算時間ベース労働時間全体に対して
運用の複雑さ
副業側の費用負担通算後の時間外部分のみ全労働時間の25%アップ
採用への影響影響なし副業受入れ時のコスト増

管理モデルの導入手順

  1. 本業(A社)が、労働者を通じて副業先(B社)に管理モデル導入を提案
  2. B社が承諾した場合、本業側は自社の労働時間内に収めるよう管理
  3. B社は労働時間全体を時間外労働として取り扱い、割増賃金を支払う
  4. 本業(A社)側では、副業先の労働時間を把握する義務から解放される
厚生労働省のヒアリング調査では、大企業11社中4社が管理モデルを導入しており、その全てが「副業・兼業の労働時間管理は管理モデルによることを原則」と社内ルール化していました。

⚠️ 管理モデルが機能しないケース

副業先(B社)が「労働時間全体を時間外労働として25%割増」を受け入れない場合、管理モデルは成立しません。実務では、副業先が小規模企業やフリーランス的な個人事業主の場合、コスト増を理由に拒否されるケースがあります。その場合、本業側で原則ルール運用を続けるか、副業禁止を検討する必要があります。

健康管理措置と長時間労働の防止

使用者の健康配慮義務

副業・兼業の場合、使用者は労働安全衛生法第66条の8の3に基づき、自社の労働時間を客観的な方法で把握する義務があります。加えて、労働契約法第5条の安全配慮義務により、通算労働時間が過剰になった場合の健康配慮も求められます。

医師面接指導の対象判定

労働安全衛生法第66条の8により、月80時間超の時間外労働+本人の申出で医師面接指導を行う義務があります。副業・兼業の場合、各社の労働時間を合算して判定するのではなく、自社の労働時間のみで判定します。ただし、本人の自己管理と健康リスクを考慮した助言は推奨されます。

労働時間の申告フォーマット

副業時間の申告では、以下の項目を月次または週次で本人に記入させる運用が推奨されます。
申告項目 記載例
副業先の名称株式会社○○(業務内容:Webライティング)
契約形態雇用契約/業務委託契約
日ごとの始業・終業時刻4/1 19:00-21:00(2時間)
月次合計労働時間月40時間
本業との通算本業160時間+副業40時間=月200時間

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社会保険の「二以上事業所勤務届」

届出が必要なケース

従業員が2か所以上の適用事業所で社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入要件を満たす場合、「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択/二以上事業所勤務届」の提出が必要です。以下のいずれかに該当する労働者が対象です。
  • 2か所以上で週20時間以上+月額賃金88,000円以上+2か月超の雇用見込みで働いている
  • 2か所以上で所定労働時間が通常労働者の3/4以上
  • 2か所以上の勤務先が異なる保険者(協会けんぽ・健保組合)の管轄

届出の提出先と期限

  • 提出義務者:被保険者本人(会社ではない)
  • 提出期限:2社目の加入要件を満たした日から10日以内
  • 提出先:選択した主たる事業所の管轄の年金事務所または健康保険組合

選択事業所と保険料按分

二以上勤務被保険者は、複数事業所の報酬を合算して標準報酬月額を決定します。保険料は各事業所の報酬額に応じて按分され、それぞれの事業所から控除・納付されます。

🧮 按分計算の例

【A社報酬】月30万円、【B社報酬】月10万円 → 合算40万円
標準報酬月額:41万円(40万円に相当する等級)
健康保険料(協会けんぽ東京、本人負担約5%):20,500円
・A社負担:20,500円 × 30万 ÷ 40万 = 15,375円
・B社負担:20,500円 × 10万 ÷ 40万 = 5,125円

🔷 社労士の視点

二以上事業所勤務届の提出は被保険者本人の義務ですが、会社が手続きを適切に案内しないと、本人が気づかず未届けのままになるケースが多発します。弊所が関与した従業員20名のIT企業では、従業員の1名が副業先での社会保険加入要件を満たしていたのに未届けで、3年後の年金定期便で発覚。遡及訂正で会社側にも追加の保険料負担が発生しました。副業規程に「二以上勤務該当時の本人手続き義務」を明記することを推奨します。

参考: 日本年金機構「複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き」

雇用保険と労災保険の取扱い

雇用保険の加入ルール

雇用保険は、原則として生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける1つの事業所でのみ被保険者となります。週20時間以上・31日以上雇用見込みという加入要件を複数事業所で満たす場合でも、いずれか1社のみで加入します。

マルチジョブホルダー制度(65歳以上の特例)

2022年1月から、65歳以上の労働者について、マルチジョブホルダー制度が創設されました。以下の要件をすべて満たす場合、本人の申請で複数事業所の雇用保険に加入できます。
  • 2以上の事業主に雇用されている65歳以上の者であること
  • 1つの事業主における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満であること
  • 2つの事業主における1週間の所定労働時間の合計が20時間以上であること
申請は本人がハローワークに対して行います。会社側は本人からの求めに応じて、雇用状況等の証明書類を作成・交付する必要があります。

労災保険の複数事業労働者特例

2020年9月の労働者災害補償保険法改正により、複数事業労働者(複数の会社に雇用されている労働者)について、以下の特例が導入されました。
  • 給付基礎日額の合算:すべての勤務先の賃金を合算して給付基礎日額を算出
  • 業務負荷の総合評価:複数の会社での業務負荷(労働時間・ストレス等)を総合評価して労災認定
  • メリット制への影響なし:各会社の労災保険料メリット制には影響しない
改正前は、事故が発生した会社の賃金のみを基礎に給付が算定されていましたが、改正後は全勤務先の賃金を合算して手厚い補償が受けられるようになりました。

副業・兼業時の税務実務

給与所得 vs 事業所得 vs 雑所得の区分

副業収入の税務区分は、以下のように分類されます。
副業形態 所得区分 源泉徴収
他社でのパート・アルバイト給与所得副業先で源泉徴収(乙欄)
業務委託(継続的・事業性あり)事業所得報酬により源泉徴収あり
業務委託(単発・事業性なし)雑所得報酬により源泉徴収あり
不動産賃貸不動産所得なし
株式・仮想通貨譲渡所得・雑所得特定口座は源泉徴収

確定申告の要否

給与所得以外の副業所得が年間20万円超の場合、本業側で年末調整を受けていても、本人が確定申告する義務があります(所得税法第120条)。副業が給与所得の場合は、金額にかかわらず原則として確定申告が必要です。

📊 税理士の視点

2022年に国税庁が発した通達で、副業の事業所得該当性の判定基準が明確化されました。帳簿書類の保存が事業所得認定の重要要素となり、保存がない場合は原則として雑所得扱いになります。事業所得扱いを希望する従業員には、「副業を事業所得として扱うには記帳・帳簿保存が必須」と税務指導することが重要です。弊所が関与した確定申告では、月3万円程度の副業でも帳簿を整備して事業所得扱い(青色申告特別控除65万円)を実現し、所得税負担を大きく減らしたケースがあります。

住民税の通知で副業が本業に発覚する問題

副業で所得が増えると住民税額も増えます。住民税は本業の給与から特別徴収されるため、本業側で副業の存在が発覚するリスクがあります。確定申告書の第2表で「住民税の徴収方法の選択」を「自分で納付(普通徴収)」にチェックすれば、副業分の住民税を本業と分離して自分で納付できます(ただし給与所得の副業は原則として普通徴収選択できず、事業所得・雑所得のみ対象)。

副業に関する労務リスクと対応

本業への影響による制限

副業が本業に影響を及ぼす場合の制限は、実務上以下のパターンで問題化します。
  • 副業で月60時間以上働き、本業での生産性・集中力が低下
  • 夜間の副業により、本業での遅刻・早退が頻発
  • 本業の取引先と競合する副業先で働き、情報漏洩の疑い
  • SNSでの副業宣伝により、本業の名誉・信用を毀損
副業規程に基づく指導・注意を繰り返しても改善されない場合、懲戒処分の対象となりますが、いきなり解雇は通常認められず、段階的な措置が必要です。

副業禁止違反の懲戒事例

裁判例では、届出なしの副業や競業副業で懲戒処分が認められる場合、以下の要素が考慮されます。
  • 副業の業務内容(競業性・類似性)
  • 副業に費やす時間量(本業への影響度)
  • 本業での業務成績の変化
  • 副業で得た情報・顧客の使用状況
  • 副業規程での事前届出制の周知状況

隠れて副業した場合の発覚経路

実務で副業が本業に発覚する主な経路は以下の通り。
  • 住民税通知による発覚(最も多い)
  • SNS・ブログでの副業宣伝の発見
  • 取引先・顧客からの情報提供
  • 同僚からの内部通報
  • 確定申告書類の誤送付・紛失

関連する論点・次にすべきこと

副業・兼業の労務管理は、就業規則の整備、テレワーク規程、フリーランス新法など、他の労務テーマと密接に関連しています。以下の記事も併せてご確認ください。

よくある質問(FAQ)

社員から副業の申請がありました。許可するか禁止するかの判断基準を教えてください。
裁判例の傾向では、①競業関係にある副業、②本業に支障を及ぼすほど長時間の副業(目安として月60時間超)、③業務上の秘密が漏洩するリスクのある副業、④会社の名誉・信用を損なう副業——の4類型に該当する場合のみ、制限が認められます。それ以外は原則として許可すべきです。弊所の実務では、「段階的制限ルール」(競業・月60時間超の副業は要相談、それ以外は届出のみ)の設計を推奨しています。
管理モデルを導入する場合、副業側の会社への提案はどう進めればよいですか?
厚生労働省のガイドラインによれば、本業側から副業側へ直接連絡する必要はなく、労働者を通じて副業先に管理モデルの導入を提案する形で運用します。本人から副業先へ「本業側は管理モデルでの運用を希望している」と伝え、副業先の承諾を得る流れです。厚労省のヒアリング調査では、多くの企業が「副業先から明示の拒否がない限り、管理モデルが導入されたものと扱う」運用を取っています。
副業先がフリーランス(業務委託)の場合、労働時間の通算は必要ですか?
業務委託契約(請負・準委任)の場合、労働時間の通算は不要です。労働基準法第38条の通算規定は「労働者」(使用従属関係のある者)にのみ適用されます。ただし、業務委託の実態が偽装請負(実質的な雇用関係)であれば、労働者として通算対象になります。社員の副業が業務委託形式であれば、形式面だけでなく実態を確認し、健康管理の観点から労働時間相当の「作業時間」を申告させる運用が望ましいです。
二以上事業所勤務届を提出しないとどうなりますか?
未届けの場合、社会保険料の計算が各事業所独立で行われるため、本来徴収すべき保険料より少額となります。年金事務所の調査や年金定期便での判明により、遡及して訂正が必要になる可能性があります。会社側にも遡及の保険料負担(最大2年分)が発生するため、副業規程で「複数事業所勤務該当時の届出義務」を明記し、本人の手続きを支援する体制が重要です。
副業先がパートで月8万円の給与です。確定申告は必要ですか?
給与所得が2か所以上あり、本業以外の給与(従たる給与)の年間合計が20万円超の場合、確定申告が必要です(所得税法第121条)。月8万円×12か月=年96万円なので、20万円基準を超えており確定申告必須です。ただし、住民税は20万円以下でも申告が必要(地方税法第317条の2)である点に注意が必要です。源泉徴収票を副業先から受け取り、年末調整を受けた本業と合算して申告します。
当社の社員が副業で長時間労働になり、体調不良で倒れました。会社の責任はありますか?
労働契約法第5条の安全配慮義務違反が問われる可能性があります。副業での長時間労働を把握していながら健康配慮措置を取らなかった場合、使用者責任が認定されるケースがあります。また、労災保険の複数事業労働者特例により、両社の業務負荷を総合評価して労災認定されることもあります。予防策として、①月次の副業時間申告の義務化、②通算労働時間が月80時間を超える場合の産業医面談の実施、③過重労働時の副業休止・減少指導——を副業規程に盛り込むことをおすすめします。
副業収入が年間20万円を超えた社員が確定申告しないと、会社にも責任がありますか?
個人の申告義務違反は、原則として会社の責任ではありません。ただし、会社が副業の存在を知りながら確定申告義務を周知しなかった場合、コンプライアンス体制の不備として内部統制上の問題となる可能性があります。副業規程に「副業収入が年間20万円超の場合、確定申告が必要である旨」を明記し、年末の賃金台帳締結時に周知メール・研修を実施することで、会社としての指導義務を果たせます。弊所が顧問先に提供している副業規程テンプレートには、税務周知条項を標準装備しています。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 副業は原則認めるべき、制限できるのは競業・秘密漏洩・長時間・信用毀損の4類型
  • 労働基準法第38条で異なる使用者間でも労働時間を通算、原則ルールは運用困難
  • 簡便な管理モデル:副業側が労働時間全体を時間外労働として割増賃金を支払う方式
  • 2か所で社保加入要件を満たすと「二以上事業所勤務届」の提出義務(本人手続き)
  • 報酬合算で標準報酬月額を決定、保険料は各事業所で按分
  • 65歳以上はマルチジョブホルダー制度で複数事業所の雇用保険加入可能
  • 労災保険は複数事業労働者特例で賃金合算・業務負荷総合評価による手厚い補償
  • 副業所得年間20万円超で確定申告義務、住民税の徴収方法選択で本業への通知を回避可
副業・兼業の労務管理は、就業規則・労働時間管理・社会保険・税務が複雑に絡み合う領域です。「うちは副業禁止だから関係ない」は、裁判例を踏まえると通用しない時代となっています。副業規程の整備・管理モデルの導入・二以上勤務届の案内まで、包括的な体制構築が企業の労務リスクを抑える鍵です。鮎澤パートナーズでは、公認会計士・税理士が、税務・会計の面から実務を直接サポートします。

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