【社労士×税理士×行政書士が解説】フリーランス新法(2024年11月施行)の概要と企業の対応|60日支払義務・取引条件明示

監
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。
フリーランス新法(2024年11月施行)の概要と企業の対応|60日支払義務・取引条件明示
2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法は、施行から1年半を経て大手出版社や放送業界への行政指導・勧告が相次いでいます。月末締め翌々月末払いの社内慣行が即違法となる可能性も。7つの義務・6つの禁止行為・契約書の必須記載事項を、社労士・税理士・行政書士の3士業が整理しました。
🏆 結論:フリーランス新法は「60日払い・取引条件明示・契約書整備」が3本柱
フリーランス(特定受託事業者)に業務委託する発注事業者は、受領日から60日以内の支払い、取引条件の書面明示、1か月以上の継続委託時の禁止行為遵守、6か月以上委託時の育児介護配慮——など7つの義務を負います。違反時は勧告・社名公表・50万円以下の罰金に加え、経営リスクとして取引先信頼の失墜が発生します。月末締め翌々月末払いは受領タイミングによっては即違反となるため、社内の支払サイト設計の見直しが必要です。
フリーランス新法の基本構造
法律の正式名称と施行日
正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(令和5年法律第25号)。通称として「フリーランス・事業者間取引適正化等法」「フリーランス新法」「フリーランス保護法」と呼ばれます。
2023年4月28日に国会で可決成立、同年5月12日に公布、2024年11月1日から施行されました。施行から1年半以上が経過し、運用が本格化しています。
法律の目的と3省庁の執行体制
この法律は、働き方の多様化に鑑み、フリーランスが安定的に業務に従事できる環境を整備することを目的としています。執行は以下の3省庁で分担されます。
| 執行機関 |
担当分野 |
| 公正取引委員会 | 取引の適正化(主に禁止行為) |
| 中小企業庁 | 取引の適正化(支払期日・条件明示) |
| 厚生労働省 | 就業環境の整備(ハラスメント・育介配慮) |
違反時の対応は、助言→指導→勧告→命令→罰則と段階的に進みますが、勧告段階で公正取引委員会が社名入りプレスリリースを発表するため、経営への打撃は勧告段階から顕在化します。
「特定受託事業者」と「特定業務委託事業者」の定義
この法律の独特な用語を整理します。
| 用語 |
定義 |
通称 |
| 特定受託事業者 | 従業員を使用しない事業者(個人or従業員なしの法人代表者) | フリーランス |
| 業務委託事業者 | 特定受託事業者に業務委託するすべての事業者 | 発注者一般 |
| 特定業務委託事業者 | 従業員を使用する事業者(法人・個人事業主) | 規模のある発注者 |
💡 実務のポイント
下請法(下請代金支払遅延等防止法)との最大の違いは、資本金基準がないことです。下請法では親事業者の資本金が1,000万円超でないと適用されませんが、フリーランス新法は個人事業主から小規模法人まで、従業員を使用するすべての発注者に適用されます。「うちは小さい会社だから関係ない」という認識は誤りです。
発注事業者に課される7つの義務
義務①:取引条件の書面(電磁的方法)明示
フリーランスに業務委託をした場合、直ちに、以下の事項を書面または電磁的方法(メール・チャット・クラウド契約システム)で明示する必要があります。
- 業務委託事業者(発注者)の名称
- 特定受託事業者(フリーランス)の名称
- 業務委託の日
- 給付の内容(委託する業務の詳細)
- 給付を受領する日・場所
- 給付の内容について検査をする場合は、検査を完了する日
- 報酬の額・支払期日
- 現金以外の方法で支払う場合は、その支払方法
この義務は、フリーランス間の取引にも適用されます(特定業務委託事業者以外の義務)。
義務②:受領日から60日以内の支払い
特定業務委託事業者(従業員を使用する発注者)は、給付を受領した日から起算して60日以内のできる限り早い日に報酬の支払期日を設定し、その期日内に報酬を支払う義務があります。
⚠️ 月末締め翌々月末払いは即違反の可能性
例:10月1日に成果物を受領した場合、支払期日は12月30日(10月1日+60日)までに設定する必要があります。「10月末締め12月末払い」は、10月1日受領分の場合に支払日が受領から91日目となるため、60日ルール違反です。月末締めの会社は、社内の支払サイト全体を「受領日基準で60日以内」に修正する必要があります。
再委託の特例:他の事業者から受けた業務をフリーランスに再委託する場合で、必要事項(再委託である旨、元請事業者の名称、元請事業者から発注事業者への支払期日)をフリーランスに明示したときは、元請事業者から発注事業者への支払期日から起算して30日以内であれば適法です。
義務③:禁止行為の遵守(1か月以上の業務委託時)
フリーランスに1か月以上の業務委託をする場合、以下の6つの行為が禁止されます(詳細は次のh2で詳述)。
- 受領拒否
- 報酬の減額
- 返品
- 買いたたき
- 購入・利用強制
- 不当な経済上の利益の提供要請・不当な給付内容の変更・やり直し
義務④:募集情報の正確な提供
フリーランスの募集情報を広告や求人サイトに掲載する際、氏名(名称)・住所・連絡先・業務の内容・業務に従事する場所・報酬・その他の待遇について、虚偽表示や誤解を招く表示をしてはなりません。
義務⑤:育児・介護等への配慮(6か月以上の業務委託時)
フリーランスに6か月以上の業務委託をする場合、育児や介護と業務を両立できるよう、フリーランスの申出に応じて必要な配慮をしなければなりません。やむを得ず配慮できない場合は、その理由について説明する必要があります。
義務⑥:ハラスメント対策
フリーランスへのセクシュアルハラスメント、マタニティハラスメント(育児休業等に関連するハラスメント)、パワーハラスメントを防止するため、以下の措置を講じる義務があります。
- ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化・周知啓発
- 相談や苦情に応じ、適切に対応する体制の整備
- ハラスメント発生時の迅速・適切な対応
義務⑦:中途解除・不更新の事前予告
特定業務委託事業者が、フリーランスへの6か月以上の業務委託を中途解除または不更新とする場合、原則として解除日・契約満了日の30日前までに予告する必要があります。また、フリーランスから理由の開示を求められた場合は、遅滞なく理由を開示する義務があります。
AYUSAWA PARTNERS
フリーランス新法対応の体制整備をサポート
初回相談無料。社会保険労務士・税理士・公認会計士・行政書士がワンストップで、契約書整備・支払サイト見直し・社内規程改定までサポートします。
鮎澤パートナーズに相談する
6つの禁止行為の詳細
① 受領拒否(法第5条第1項第1号)
フリーランスの責めに帰すべき理由がないのに、発注した物品等を納期までに受け取らない行為です。納期を延期して受け取らない、一部分だけ受け取らないことも受領拒否に該当します。
② 報酬の減額(法第5条第1項第2号)
フリーランスの責めに帰すべき理由がないのに、発注時に決定した報酬を発注後に減額する行為です。どんな名目(値引き・協力金・キャンペーン費用等)であっても、発注時に定めた金額から差し引くことは減額に該当します。
③ 返品(法第5条第1項第3号)
フリーランスの責めに帰すべき理由がないのに、受領した物品等を返品する行為です。
④ 買いたたき(法第5条第1項第4号)
通常の対価に比べて著しく低い報酬を、発注者の一方的な都合で定める行為です。以下のような判断要素で判定されます。
- 下請代金の額の決定方法(発注者が一方的に決定したか、協議の上で決定したか)
- 差額の程度(通常の対価と著しく下回るか)
- 取引対象物品等の市場価格
- 発注者の取り分と労務単価とのバランス
⑤ 購入・利用強制(法第5条第1項第5号)
発注者が指定する物品や役務を、業務上必要がないのに強制的に購入・利用させる行為です。
⑥ 不当な経済上の利益の提供要請・不当な給付内容の変更・やり直し(法第5条第1項第6号)
自己のために金銭・役務その他の経済上の利益を提供させること、または、発注後に発注内容を変更したりやり直しを命じたりして、フリーランスに不利益を与える行為です。
🔷 社労士の視点
「無料で修正を何度もお願いする」「追加作業を報酬アップなしで要求する」「ロゴデザインなのに二次使用料なしで転用する」——これらは実務で頻発する違反パターンです。弊所が関与した従業員15名のWeb制作会社では、クライアントからの無報酬の追加要求を拒否できず、フリーランスへ同じ要求を転嫁していました。新法施行を機に、契約書の「修正回数」「追加料金」を明文化し、連鎖的な違反構造を解消しました。
行政指導・勧告の実例(2025年以降)
2025年3月28日:ゲーム・アニメ業界等の45社指導
施行から約4か月後、公正取引委員会はゲーム・アニメ制作・リラクゼーション・フィットネス業界の77社を調査し、このうち45社に対して是正を求める指導を行いました。これがフリーランス新法施行後の最初の行政指導事例です。指導の主な内容は、取引条件の明示義務違反でした。
2025年6月:大手出版社への勧告
2025年6月、公正取引委員会は小学館と光文社に対し、ライター・カメラマン・イラストレーターといったフリーランスとの取引において、新法が定める義務を怠っていたとして勧告を行いました。勧告は指導より重い措置であり、社名を含めた報道がなされ、出版業界全体に大きなインパクトを与えました。
2025年10月:放送業・広告業の集中調査
2025年10月までに、放送業および広告業を対象とした集中調査の結果、128名の事業者に対して是正を求める指導が行われました。施行から1年余りで指導事例が急増している事実は、業界を問わず警戒が必要な状況を示しています。
参考: 公正取引委員会「フリーランスの取引適正化に向けた公正取引委員会の取組」 / 厚生労働省「フリーランス・事業者間取引適正化等法」
勧告・命令違反の罰則
| 段階 |
内容 |
経営への影響 |
| 助言・指導 | 非公表の指導 | 社内是正が中心 |
| 勧告 | 社名入りプレスリリース | 企業信用の毀損 |
| 命令 | 公表あり | 取引先からの信頼失墜 |
| 命令違反・報告拒否 | 50万円以下の罰金 | 刑事罰リスク |
| 報告・立入検査忌避 | 20万円以下の過料 | 行政処分 |
実務的な重みは罰金額よりも社名公表による信用失墜にあります。特にBtoB取引が中心の企業では、勧告を受けた事実が取引先に伝わり、契約打ち切り・新規受注減少に直結するケースもあります。
下請法との違い・重複適用の整理
下請法との主な違い
| 項目 |
下請法 |
フリーランス新法 |
| 適用対象 | 資本金1,000万円超の親事業者 | 従業員を使用するすべての発注者 |
| 受託者の範囲 | 資本金による区分 | 従業員を使用しない事業者(個人等) |
| 対象取引 | 製造・修理・情報成果物・役務 | 業務委託全般 |
| 支払期日 | 受領日から60日以内 | 受領日から60日以内 |
| 労務配慮規定 | なし | 育介配慮・ハラスメント対策あり |
両法が重複適用されるケース
資本金1,000万円超の法人が、従業員を使用しないフリーランスに業務委託する場合、下請法とフリーランス新法の両方が適用されます。この場合、より厳しいほうのルールが適用される(保護が手厚い方が優先される)という運用が想定されます。
偽装請負の防止と業務委託契約の設計
偽装請負とは
偽装請負とは、形式的には業務委託契約(請負契約)でありながら、実態は雇用関係(労働者派遣または労働契約)にあたるケースを指します。民法第632条の請負契約・民法第643条の委任契約は、労働基準法第9条に定める「労働者」の概念と根本的に異なります。フリーランス新法の対象となる業務委託であっても、実態が雇用と判定されれば労働基準法・労働契約法が全面適用され、残業代・社会保険加入義務等が発生します。
偽装請負と判定される要素
- 発注者が業務遂行方法を逐一指示している(作業時間・場所・手順まで管理)
- 発注者の指揮命令下で業務を行っている(他の労働者と同じように扱われる)
- 勤務時間・場所が発注者により拘束されている
- 業務に必要な機材・設備を発注者が提供している(フリーランス自身の投資がない)
- 報酬が時間給または日給ベースで計算されている(成果物基準ではない)
- 他社の業務を並行して受注することが禁止されている
- 代替要員(再委託)が認められていない
⚠️ 偽装請負の3重リスク
偽装請負と判定されると、①労働者派遣法違反または職業安定法違反(刑事罰)、②過去の労働時間に対する未払い残業代(最大3年分×付加金)、③社会保険の遡及加入(健保・厚年の会社負担分)——の3重リスクが生じます。弊所が関与した従業員25名のシステム開発会社では、常駐型フリーランス3名の契約形態が偽装請負と指摘され、社会保険の遡及加入で約180万円の追加負担が発生しました。
業務委託契約書の必須記載事項
フリーランス新法・下請法・偽装請負リスクの3面を考慮した契約書には、以下を明記する必要があります。
| 項目 |
記載例 |
| 業務内容 | 成果物の定義を具体的に(「Webサイト5ページのデザイン制作」等) |
| 納期・検収 | 納期日・検収完了日・修正対応回数の上限 |
| 報酬・支払期日 | 金額・支払方法・検収完了日から60日以内の支払日 |
| 指揮命令関係 | 業務遂行方法はフリーランスの裁量である旨 |
| 再委託の可否 | 再委託の可否と条件 |
| 秘密保持・知的財産権 | NDA条項・著作権譲渡または利用許諾 |
| 契約解除 | 中途解除時の30日前予告(6か月以上契約の場合) |
| 瑕疵担保責任 | 成果物に瑕疵があった場合の対応期間・方法 |
印紙税の取扱い(第2号文書)
📊 税理士の視点
請負契約書は、印紙税法別表第一の「第2号文書(請負に関する契約書)」に該当し、契約金額に応じた印紙税(200円〜60万円)の納付義務があります。ただし、電子契約システム(クラウドサイン等)で締結した場合は印紙税が非課税です。フリーランス取引の電子契約化は、取引条件明示義務の履行と印紙税節減を同時に実現できる実務的メリットがあります。ただし、準委任契約は印紙税の対象外(文書該当性なし)であるため、契約の種類を明確にすることが重要です。
発注事業者が今すぐやるべき5つの対応
対応① 契約書・発注書フォーマットの整備
7つの義務のうち「取引条件明示」は最も違反が指摘されやすい項目です。契約書・発注書のテンプレートに、法定必須8項目を確実に盛り込み、担当者によるばらつきを防ぐ仕組みを構築します。クラウド契約システム(クラウドサイン・GMOサイン・DocuSign等)の活用が効果的です。
対応② 支払サイトの見直し
社内の支払サイトを「受領日から60日以内」基準に統一します。月末締めの慣行を維持するなら、「月末締め翌月末払い」に短縮するか、受領日から60日以内となるよう個別管理する運用が必要です。
対応③ 担当者研修の実施
現場でフリーランスに発注する担当者(デザイン部・編集部・営業部等)に対し、禁止行為の具体例を研修します。「無料修正の要求」「口頭発注」「値引き要請」が違反になることを全員が理解する必要があります。
対応④ ハラスメント対策の体制整備
フリーランス向けの相談窓口を設置し、社内にハラスメント防止方針を周知します。既存の従業員向けハラスメント相談窓口をフリーランス対応に拡張する形でも対応可能です。
対応⑤ 6か月以上継続案件の管理台帳作成
6か月以上のフリーランス契約については、育児・介護配慮義務と30日前予告義務が発生します。対象契約を一覧化した管理台帳を作成し、契約満了日の45日前にアラートが出る仕組みを構築することを推奨します。
関連する論点・次にすべきこと
フリーランス新法への対応は、業務委託契約の見直し、偽装請負の予防、社会保険加入判定など、他の労務テーマと密接に関連しています。以下の記事も併せてご確認ください。
よくある質問(FAQ)
当社は従業員3名の小規模法人です。フリーランス新法の対象になりますか?
対象になります。フリーランス新法は下請法と異なり資本金基準がなく、従業員を使用するすべての発注者が「特定業務委託事業者」として7つの義務を負います。従業員数が少なくても、個人事業主のフリーランスに業務委託する場合は60日支払義務・取引条件明示義務が適用されます。唯一例外となるのは、発注者自身も従業員を使用していない個人事業主の場合で、この場合は「業務委託事業者」として取引条件明示義務のみが適用されます。
支払いサイトが「月末締め翌々月末払い」の場合、違法になりますか?
受領日により違法となる可能性が高いです。例えば、月初(10月1日)に納品・受領した場合、支払期日は受領から60日以内である11月30日までとする必要があります。「10月末締め12月末払い」では、受領日から91日目の支払いとなり、60日ルール違反です。「月末締め翌月末払い」または「受領日基準で60日以内の任意日」とする運用への見直しが必要です。
海外のフリーランスとの取引にもフリーランス新法は適用されますか?
日本国内に住所を有しない外国人フリーランスとの取引は、原則としてフリーランス新法の適用対象外です。ただし、日本国内に住所を有する外国人フリーランスは適用対象となります。また、海外取引でも、発注事業者が日本国内に本店を有する場合は、社内コンプライアンスの観点から同等の取扱いをすることが望ましいです。海外取引特有の為替・税務リスクと合わせて、個別に検討することをおすすめします。
業務委託契約書ではなく、口頭やメールの発注でも問題ありませんか?
書面(または電磁的方法)による取引条件の明示は義務です(法第3条)。メールでの明示は電磁的方法として認められますが、法定8項目(業務委託日・給付内容・受領日・検査完了日・報酬・支払期日等)がすべて記載されている必要があります。口頭発注は明示義務違反に該当します。2025年3月に指導された45社の主な違反内容がこの「取引条件明示義務違反」でした。
フリーランスから報酬の減額について合意が得られれば、減額しても問題ありませんか?
原則として違反になります。フリーランス新法第5条第1項第2号は「フリーランスの責めに帰すべき理由がないのに、発注時に決定した報酬を発注後に減額すること」を禁止しており、本人の合意があっても正当化されません。合意を取ったとしても、発注者の優越的地位に基づく実質的な強要と判断されやすく、「どんな名目でも差し引き禁止」が原則です。値下げ交渉が必要な場合は、次回発注時からの単価として設定するべきです。
1か月未満の単発業務の発注では、禁止行為は気にしなくてよいですか?
受領拒否・報酬減額・返品・買いたたき・購入利用強制・不当な経済上の利益提供要請等の6つの禁止行為は「1か月以上の業務委託」が対象です。ただし、取引条件明示義務(法第3条)と60日支払義務(法第4条)は期間の長短を問わず適用されます。また、1か月未満でも独占禁止法の優越的地位の濫用規制が適用される可能性があるため、発注者の立場が強い場合は注意が必要です。
契約期間が6か月以上のフリーランスとの契約を途中で終了する場合、解約予告はどのように行えばよいですか?
解除日または契約期間の満了日から30日前までに書面または電磁的方法で予告する必要があります(法第16条)。また、フリーランスから理由の開示を求められた場合は、遅滞なく理由を開示する義務があります。「契約書に記載の中途解約条項に基づき終了します」だけでは不十分な場合があり、具体的な終了理由(業務量の減少・組織再編・成果物の品質問題等)を開示する必要があります。天災等のやむを得ない事情がある場合は、予告なしの解除も可能ですが、その場合も理由開示義務は残ります。
まとめ
📋 この記事のポイント
- 2024年11月1日施行、公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省の3省庁が執行
- 下請法と異なり資本金基準なし、従業員を使用するすべての発注者に適用
- 7つの義務:取引条件明示・60日払い・禁止行為遵守・募集情報の適正化・育介配慮・ハラスメント対策・30日前予告
- 6つの禁止行為:受領拒否・報酬減額・返品・買いたたき・購入利用強制・不当な利益要請
- 月末締め翌々月末払いは受領日によって60日ルール違反となる可能性
- 2025年6月の大手出版社勧告、10月の放送・広告業128名指導など施行後の運用が本格化
- 偽装請負と判定されれば社会保険遡及・未払い残業代の3重リスク
フリーランス新法は、施行1年半を経て運用が本格化し、大手企業への勧告事例が相次いでいます。「うちは小さい会社だから関係ない」という認識は誤りで、従業員を使用するすべての発注者が対象です。契約書・発注書のフォーマット整備、支払サイトの見直し、担当者研修の3点セットで、今すぐ対応を始めることが重要です。鮎澤パートナーズでは、社会保険労務士・税理士・公認会計士・行政書士が連携し、契約書整備・税務処理・偽装請負リスク判定まで包括的にサポートします。
AYUSAWA PARTNERS
フリーランス新法対応のご相談は鮎澤パートナーズへ
初回相談無料。社会保険労務士・税理士・公認会計士・行政書士がワンストップで、契約書整備・支払サイト見直し・社内体制構築までサポートします。
鮎澤パートナーズに相談する