【税理士×行政書士のダブル監修】電子帳簿保存法の実務対応|中小企業・個人事業主向け簡易対応方法

【税理士×行政書士のダブル監修】電子帳簿保存法の実務対応|中小企業・個人事業主向け簡易対応方法
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。

電子帳簿保存法の実務対応|中小企業・個人事業主向け簡易対応方法

「電子帳簿保存法に対応しなければいけないのはわかったけれど、具体的に何をすればいいの?」とお困りの中小企業経営者・個人事業主に向けて、最小コスト・最小手間で法令に対応するための実務手順を完全ガイドします。この記事を読めば、明日から自社で実行できる対応方法が明確になります。

🏆 結論:中小企業の電帳法対応は「事務処理規程+ファイル名ルール」で90%完了する

電子帳簿保存法で義務化されているのは「電子取引データの保存」のみです。売上5,000万円以下の小規模事業者なら、検索要件も免除されるため、①国税庁サンプルの事務処理規程を整備し、②ファイル名に「日付_金額_取引先」を入れるだけで対応完了します。タイムスタンプの導入やスキャナ保存は任意であり、コストをかけずに対応できる方法があります。

電子帳簿保存法で「必ずやること」と「やらなくていいこと」の整理

義務と任意の明確な線引き

電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)の実務対応で最も大切なのは、「やらなければならないこと」と「やってもやらなくてもよいこと」を正確に区別することです。

実務では、この区別がついていないために「全部電子化しなければならない」と思い込んでいる経営者が非常に多いです。年間100社以上の電帳法対応を支援してきた経験上、8割の事業者が不要な作業に時間とコストをかけています。

区分 内容 義務/任意 具体例
電子取引データ保存電子的にやり取りした書類を電子のまま保存義務メールのPDF請求書、EC領収書
電子帳簿等保存会計ソフトで作成した帳簿を電子保存任意仕訳帳、総勘定元帳
スキャナ保存紙の書類をスキャンして電子保存任意紙の領収書、紙の請求書

参考: 国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」

紙で受け取った書類はそのまま紙で保存してOK

意外と知られていませんが、紙で受け取った請求書や領収書は、そのまま紙で保存して問題ありません。スキャナ保存はあくまで任意です。つまり、取引先から郵送で届いた請求書を無理にスキャンする必要はないのです。

💡 実務のポイント

電帳法対応で「今すぐ必ずやること」は1つだけ——メールやクラウドサービスで受け取った電子データを、印刷して紙で保存するのをやめ、電子のまま保存することです。紙で届いた書類は今まで通り紙で保存すればOKです。

あなたの事業規模で変わる対応レベル【判定マトリクス】

電子帳簿保存法の対応方法は、事業規模によって大きく異なります。以下の判定表で、自社がどのレベルの対応をすべきかを確認してください。

判定項目 小規模
(売上5,000万円以下)
中規模
(売上5,000万円超〜3億円)
中堅以上
(売上3億円超)
検索要件免除 ※必要必要
おすすめの対応方法事務処理規程のみ規程+ファイル名ルールクラウド会計or専用システム
タイムスタンプ不要原則不要システムに応じて判断
初期コスト目安0円0〜5万円10〜50万円
想定作業時間半日〜1日1〜3日1〜2週間

※ 基準期間(2期前)の売上高が5,000万円以下で、税務調査時にダウンロードの求めに応じられる場合に免除

📝 行政書士の視点

基準期間の売上高は「2期前の課税売上高」で判定します。新設法人は2期前が存在しないため、設立1期目・2期目は自動的に検索要件が免除されます。個人事業主も同様に、開業初年度と翌年度は免除対象となります。

電子取引データの対応手順【6ステップ】

電子帳簿保存法の実務対応は、全部で6つのステップで完了します。小規模事業者であれば半日もかからず終わるケースがほとんどです。

【ステップ1】自社の電子取引を棚卸しする

まず、日常業務のどこで電子取引が発生しているかを洗い出します。「メールで請求書をもらっているか?」「Amazonやモノタロウで備品を買っているか?」を確認するだけです。

取引パターン 具体例 該当?
メール添付のPDF取引先からメールで届く請求書・見積書
ECサイトの領収書Amazon・モノタロウ・ヨドバシ等のマイページ領収書
クラウドサービス発行freee・MFクラウド等で発行した請求書の控え
Web上のダウンロードSaaS利用料の請求書、通信費の明細PDF
EDI取引受発注システム経由のデータ
チャット・SNS取引LINEやSlackで送られた請求・注文情報

実務でよく見落とされるのが、チャットやSNSでの取引です。LINEで「今月分の請求です」と画像で送られた請求書も電子取引に該当します。

【ステップ2】保存フォルダとファイル名ルールを決める

電子取引データの保存場所とファイル名のルールを統一します。検索要件を満たすために、ファイル名に「日付」「金額」「取引先」を含めるのがもっとも簡単な方法です。

📂 ファイル名の命名ルール(推奨)

20260411_50000_株式会社ABC_請求書.pdf
20260401_8800_アマゾン_領収書.pdf
20260315_330000_フリーランス田中_外注費請求書.pdf

形式: YYYYMMDD_金額_取引先名_書類種別.pdf

フォルダ構成は、年度→月→書類種別の3階層が管理しやすいです。例えば「2026年度 > 04月 > 請求書」のように整理します。

【ステップ3】真実性の確保方法を選ぶ

電子取引データの改ざんを防ぐための措置(真実性の確保)が必要です。方法は4つありますが、中小企業には「事務処理規程の整備」が圧倒的におすすめです。

方法 導入コスト 運用負担 おすすめ対象
①タイムスタンプ付与月額2,000〜1万円大量の電子取引がある企業
②訂正削除不可システム月額3,000〜3万円経理担当がいる中堅企業
③訂正削除履歴が残るシステム月額1,000〜5,000円クラウド会計を利用中の企業
④事務処理規程の整備0円低〜中小規模事業者・個人事業主
⭐ おすすめは「④事務処理規程の整備」

freee・マネーフォワード・弥生オンラインなどのクラウド会計ソフトを利用している場合は、ソフト内に保存した電子取引データについては③の「訂正削除履歴が残るシステム」として扱えることが多いです。クラウド会計で管理しきれないメールのPDF等については、④の事務処理規程で対応するのが実務的です。

【ステップ4】事務処理規程を作成する

国税庁のWebサイトにサンプルが公開されているため、これをベースに自社の実態に合わせて修正するだけで完成します。サンプルをそのまま使っても法的に問題ありませんが、5箇所をカスタマイズすると実務で使いやすくなります。

カスタマイズ箇所 サンプルの記載 カスタマイズ例
①責任者「管理責任者」のみ「代表取締役○○」と実名を記載
②保存フォルダ「所定のフォルダ」「共有ドライブ > 経理 > 電子取引」とパスを明記
③命名規則「規則に従って保存」「YYYYMMDD_金額_取引先_種別.pdf」と明記
④バックアップ記載なし「月1回外付けHDDにバックアップ」を追記
⑤違反時の対応「故意に行った場合は懲戒」「発覚時は責任者に報告し、速やかに訂正」

参考: 国税庁「電子取引データの保存方法をご確認ください」

【ステップ5】日常の保存フローを確立する

事務処理規程ができたら、日常業務にルールを組み込みます。書類の種類ごとに「受け取ったらどうするか」を明確にしておくと、担当者が迷いません。

書類の受け取り方 保存先 ファイル名 真実性確保
メール添付PDF共有フォルダ/該当月命名規則でリネーム事務処理規程
ECサイト領収書PDFダウンロード→共有フォルダ命名規則でリネーム事務処理規程
クラウド会計の請求書控えクラウド会計ソフト内ソフトが自動管理訂正削除履歴
SaaS利用料の明細PDFダウンロード→共有フォルダ命名規則でリネーム事務処理規程
紙の請求書(郵送)紙のまま保存対象外(電子取引ではない)

💡 実務のポイント

「メールで受け取った請求書を印刷して紙で保存する」は2024年1月以降は認められません。必ず電子データのまま保存してください。ただし、電子データを印刷して経理処理用に紙を手元に残すこと自体は問題ありません。あくまで「法定保存」を電子で行うことが義務です。

【ステップ6】税理士への連絡と運用開始

事務処理規程を策定し、保存ルールを確定したら、顧問税理士に連絡しましょう。税務調査時に税理士が規程の存在と保存状況を把握していることが重要です。電子帳簿保存法については、「電子帳簿保存法とは?3つの区分と対応ポイント」で3区分の全体像を解説しています。

AYUSAWA PARTNERS

電子帳簿保存法の対応でお困りですか?

事務処理規程の作成から運用チェックまで、税理士・行政書士がワンストップでサポートします。初回相談無料。

鮎澤パートナーズに相談する

タイムスタンプは本当に必要?要否判断と費用シミュレーション

タイムスタンプの仕組みと役割

タイムスタンプとは、電子データに時刻情報を付与し、「そのデータがその時点で存在していたこと」と「それ以降に改ざんされていないこと」を証明する技術です。第三者機関(時刻認証業務認定事業者=TSA)が発行します。

現場でよく受ける質問は「タイムスタンプを付けないと違反ですか?」というものですが、答えは「いいえ」です。2022年の法改正により、タイムスタンプは真実性の確保方法の選択肢の一つになりました。事務処理規程の整備や、訂正削除履歴が残るシステムの利用でも代替できます。

タイムスタンプが不要なケース

以下のいずれかに該当すれば、タイムスタンプは不要です。

区分 タイムスタンプが不要な条件
電子帳簿等保存そもそも要件に含まれていないため、常に不要
スキャナ保存訂正削除の履歴が残るシステムを利用する場合
電子取引データ保存①訂正削除履歴が残るシステム、②訂正削除不可のシステム、③事務処理規程の整備 のいずれかで代替可

費用シミュレーション3パターン

📐 シミュレーション前提条件

  • 年間の電子取引件数: 約1,200件(月100件)
  • 従業員数: 5名
  • 現在クラウド会計ソフト利用中
対応パターン 初期費用 月額費用 年間費用
A: 事務処理規程のみ0円0円0円
B: クラウド会計+規程0円2,000〜4,000円24,000〜48,000円
C: 専用システム+TS5〜30万円5,000〜3万円11〜66万円

※概算値です。サービス・プランにより異なります。

実務では、パターンAで十分に法令対応できるケースがほとんどです。すでにクラウド会計ソフトを利用中であれば、ソフト内で管理する電子取引データについてはパターンBとなりますが、追加費用はかかりません(クラウド会計の利用料に含まれているため)。会計ソフト選びで迷っている方は「会計ソフトの選び方ガイド」もご参照ください。

事務処理規程の作成ガイド【テンプレート付き】

国税庁サンプルの入手方法

国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトにアクセスすると、「参考資料(各種規程等のサンプル)」のページから事務処理規程のサンプルをWordファイルでダウンロードできます。法人用と個人事業主用の2種類が用意されています。

作成時の注意点5つ

事務処理規程を作成する際の注意点として、以下の5つを押さえておきましょう。

第一に、「適用日」を必ず記載します。いつからこの規程が有効かを明記しないと、規程の効力が曖昧になります。第二に、責任者を実名で記載します。「管理責任者」ではなく「代表取締役 鮎澤 竜哉」のように具体的に書くことで、税務調査時の説明がスムーズになります。

第三に、保存場所のパスを具体的に記載します。「D:\経理\電子取引\2026年度」や「Google Drive > 経理共有 > 電子取引」のように、誰が見ても保存場所がわかるようにします。第四に、訂正・削除があった場合の手続きを明記します。「訂正前のデータを残し、訂正理由と日付を記録する」などのルールが必要です。

第五に、バックアップの頻度と方法を追記します。国税庁サンプルにはバックアップの記載がありませんが、データの消失リスクに備えて「月1回、外付けHDDまたはクラウドストレージにバックアップ」と追記しておくのが実務的です。

⚠️ 注意

事務処理規程は「作成して終わり」ではありません。税務調査時に「規程通りに運用されているか」を確認されます。年に1回は規程と実態の乖離がないかチェックし、変更があれば規程を更新してください。規程を策定しながら実態は別のフローで運用していた場合、改ざん防止措置を取っていないと判断されるリスクがあります。

検索要件の具体的な満たし方

検索要件で求められる3つの条件

電子帳簿保存法施行規則第4条第1項に定められた検索要件は、以下の3つです。ただし、基準期間の売上高5,000万円以下の事業者は、ダウンロードの求めに応じられる場合に免除されます。

条件1は「取引年月日・取引金額・取引先」で検索できること、条件2は「日付または金額の範囲指定で検索できること」、条件3は「2つ以上の項目を組み合わせて検索できること」です。

ファイル名方式(最もシンプル)

ファイル名に「日付_金額_取引先」を含めてPC内のファイル検索機能を使う方法です。Windowsであれば、エクスプローラーの検索バーに取引先名を入力すれば、該当ファイルを一覧表示できます。この方法なら追加コストゼロで検索要件を満たせます。

索引簿方式(Excelで管理)

電子取引データの一覧をExcelで管理する方法です。Excelの列に「取引日」「金額」「取引先」「ファイル名」を記録しておけば、フィルター機能で範囲検索や組み合わせ検索が可能になります。取引件数が月50件を超える場合は、ファイル名方式よりもこちらが管理しやすいです。

クラウド会計方式(最も楽)

freee・マネーフォワード・弥生などの電帳法対応機能を使えば、データのアップロード時に自動で検索要件を満たす形で保存されます。手動のリネームや索引簿作成が不要になるため、月100件以上の電子取引がある企業にはこの方法がベストです。

帳簿の基礎知識については「簿記・帳簿の基礎知識」で体系的に解説しています。

よくある失敗パターンと対策

失敗①:メールのPDF請求書を印刷して紙で保存していた

最も多い失敗です。2024年1月以降、電子取引データは電子のまま保存することが義務化されています。紙に印刷しても法定保存としては認められません。対策として、経理担当者に「メールで受け取ったPDFは印刷しても、元のPDFファイルは必ず保存する」ことを周知してください。

失敗②:ECサイトの領収書をダウンロードし忘れていた

AmazonやモノタロウなどのECサイトでは、一定期間を過ぎると領収書のダウンロードができなくなる場合があります。毎月末に当月分の領収書をまとめてダウンロードするルーティンを設定しましょう。

失敗③:個人のスマホに保存したままになっていた

LINEやSMS等で受け取った請求情報を個人スマホに保存したままにしているケースです。スマホの故障や機種変更でデータが消失するリスクがあります。受領後すぐに共有フォルダへ転送するルールを徹底してください。

失敗④:事務処理規程を作ったが周知していなかった

規程の存在を経理担当者しか知らないケースです。電子取引データを受け取る営業担当者や総務担当者にも保存ルールを周知しないと、規程と実態がかけ離れてしまいます。

💡 実務のポイント

税務調査で電帳法対応を指摘されたケースでは、「規程はあるが実態と異なる」というパターンが大半でした。規程を作ったら、半期に1回は実態とのギャップチェックを行うことを強くおすすめします。チェック結果を日付付きで記録しておくと、税務調査時のエビデンスになります。

スキャナ保存を始める場合の追加対応

スキャナ保存は任意だが効果が大きいケース

スキャナ保存は義務ではありませんが、紙の書類が月100枚を超える事業者や、テレワークを推進したい企業にとってはペーパーレス化の大きな一歩になります。以下のような場合にスキャナ保存の導入を検討する価値があります。紙の領収書が毎月大量に発生する飲食業・小売業、複数拠点で紙書類を共有する必要がある企業、書類の保管スペースがオフィスを圧迫している企業などが該当します。

スキャナ保存の要件まとめ

スキャナ保存を行う場合は、電子取引データ保存よりも厳しい要件を満たす必要があります。具体的には、解像度200dpi以上でスキャンすること、スキャン後にタイムスタンプを付与するか訂正削除履歴が残るシステムを利用すること、スキャンは受領後おおむね2ヶ月と7営業日以内に行うこと、入力者又は監督者の情報を確認できることなどが求められます。

実務的には、電帳法対応のスキャナ保存システム(JIIMA認証取得製品)を使うのが最も確実です。記帳代行を検討している方は「記帳代行の費用相場」も参考になります。

税務調査で電帳法対応を聞かれたときの準備

調査官が確認するポイント3つ

税務調査で電帳法の対応状況を確認される場合、調査官が見るポイントは主に3つです。まず「事務処理規程が存在するか」。次に「規程通りに運用されているか(保存フォルダ・命名規則の実態)」。最後に「電子取引データをすぐにダウンロードして提示できるか」です。

準備しておくべきもの

税務調査に備えて、以下の3点を常に最新の状態で保管しておきましょう。事務処理規程(最新版+変更履歴)、電子取引データの保存先へのアクセス手順書(パソコンの操作手順)、そして索引簿を利用している場合はそのExcelファイルです。

⚠️ 注意

電子取引データを意図的に改ざんしたり削除した場合は、重加算税が10%加重されます(電子帳簿保存法第8条の5)。通常の重加算税35%に加えて10%が上乗せされるため、合計45%の重加算税が課される可能性があります。「データを消せばバレない」は絶対にやめましょう。

猶予措置の活用と注意点

電子帳簿保存法には、要件を満たして保存することが困難な事業者向けの猶予措置が設けられています。所轄の税務署長が「相当の理由がある」と認めた場合、本来の保存要件を満たしていなくても、電子取引データをそのまま保存し、かつ求めに応じてダウンロードできる状態にしておけば、罰則が適用されない仕組みです。

ただし、これはあくまで経過措置的な扱いであり、いつ廃止されるか明確な期限は示されていません。現在猶予措置を利用している事業者も、できるだけ早く正式な対応方法(事務処理規程の整備等)に移行することをおすすめします。

📊 公認会計士の視点

会計監査の現場では、電帳法への対応状況を内部統制の一環として評価するケースが増えています。上場準備企業はもちろん、M&Aのデューデリジェンスでも帳簿の電子保存体制がチェックされることがあるため、小規模事業者であっても「規程+フォルダ+命名規則」の3点セットは早めに整えておくことをおすすめします。

電帳法対応を社内に定着させるチェックリスト

以下のチェックリストを使って、自社の対応状況を確認してください。すべてに「✅」が付けば、電帳法の最低限の対応は完了です。

チェック項目 確認方法
自社の電子取引を全て洗い出したか受発注・経理フローの確認
保存フォルダを作成したかフォルダパスの確認
ファイル名の命名規則を決めたか命名規則ドキュメントの存在
事務処理規程を作成したか規程ファイルの確認
メールPDF・EC領収書の保存ルーティンを設定したか月末ルーティンの確認
関係者全員に保存ルールを周知したか周知メール・ミーティング記録
バックアップ方法を決めたかバックアップスケジュールの確認
顧問税理士に連絡したか連絡履歴の確認

よくある質問(FAQ)

電子帳簿保存法に違反した場合、罰則はありますか?
電帳法そのものには直接的な罰則規定はありませんが、青色申告の承認が取り消されるリスクがあります。また、電子取引データを改ざんした場合は重加算税が10%加重されます。会社法上は会計帳簿の適正保存義務に違反すると100万円以下の過料となる可能性があります。
個人事業主も電子帳簿保存法の対象ですか?
はい、個人事業主も対象です。所得税法上の保存義務者であるため、電子取引を行っている場合はデータの電子保存が義務付けられています。ただし、小規模事業者向けの検索要件免除や猶予措置を活用できます。
freeeやマネーフォワードを使っていれば、それだけで電帳法対応になりますか?
クラウド会計ソフト内で管理する電子取引データについては、訂正削除履歴が残るシステムとして真実性の確保要件を満たせます。ただし、メールで直接受け取ったPDF等、クラウド会計に取り込んでいないデータについては、別途事務処理規程の整備やファイル名ルールの設定が必要です。
タイムスタンプの費用はどのくらいかかりますか?
タイムスタンプ単体のサービスは月額2,000〜1万円程度が相場です。ただし、クラウド会計ソフトや電帳法対応システムに組み込まれているケースも多く、その場合はシステム利用料に含まれます。事務処理規程の整備で代替可能なため、小規模事業者があえてタイムスタンプだけを導入する必要性は低いです。
紙の領収書とメールの請求書が混在している場合、どう管理すればいいですか?
紙の領収書は従来通り紙で保存し、メールの請求書は電子のまま保存します。2種類が混在すること自体は問題ありません。管理のポイントは、電子データの方にファイル名ルールと事務処理規程を適用し、紙の方は従来のファイリングを継続することです。
事務処理規程はどこに保管すればいいですか?
電子取引データの保存先と同じフォルダに電子ファイルとして保管するのが最も実務的です。紙で印刷したものを事務所に備え付けておくことも有効です。税務調査時にすぐに提示できる場所に保管してください。
電帳法に対応した会計ソフトを選ぶ基準は何ですか?
JIIMA(日本文書情報マネジメント協会)が認証している製品を選ぶのが最も確実です。JIIMA認証には「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証」と「電子取引ソフト法的要件認証」の2種類があり、対応する保存区分に応じた認証を取得しているか確認してください。なお、電子帳簿保存法の罰則や猶予措置については「電子帳簿保存法の罰則・猶予措置と税務調査での対応」で詳しく解説しています。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 電帳法で義務化されているのは「電子取引データの保存」のみ。スキャナ保存・電子帳簿等保存は任意
  • 小規模事業者(売上5,000万円以下)は検索要件が免除される
  • 真実性の確保は「事務処理規程の整備」で対応可能(コスト0円)
  • タイムスタンプは必須ではなく、事務処理規程や訂正削除履歴システムで代替できる
  • ファイル名に「日付_金額_取引先」を入れるだけで検索要件を満たせる
  • 事務処理規程は国税庁サンプルをベースに5箇所をカスタマイズすれば完成
  • 税務調査では「規程の存在」と「実態との整合性」が確認される

電子帳簿保存法の対応は、やるべきことを正しく理解すれば、小規模事業者であれば半日で完了できます。まずは今日中に、自社の電子取引の棚卸しと事務処理規程のダウンロードを始めてみてください。

AYUSAWA PARTNERS

電帳法対応のご相談は鮎澤パートナーズへ

事務処理規程の作成からスキャナ保存の導入支援まで、税理士・行政書士がワンストップで対応します。初回相談無料。

鮎澤パートナーズに相談する