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登録免許税の基礎知識|税額一覧表・軽減措置・所有権移転登記の計算
不動産の購入や相続で「登録免許税はいくらかかる?」とお悩みの方に向けて、登録免許税の計算方法を4ステップで解説します。税額一覧表、売買・相続・贈与の税率比較、住宅用家屋の3種類の軽減措置、具体的なシミュレーションまで網羅しています。


不動産の購入や相続で「登録免許税はいくらかかる?」とお悩みの方に向けて、登録免許税の計算方法を4ステップで解説します。税額一覧表、売買・相続・贈与の税率比較、住宅用家屋の3種類の軽減措置、具体的なシミュレーションまで網羅しています。
🏆 結論:登録免許税は「固定資産税評価額×税率」で計算する
登録免許税の計算式は「固定資産税評価額×税率」です。税率は登記の種類と取得原因によって異なり、売買なら2.0%(土地は軽減で1.5%)、相続なら0.4%、贈与なら2.0%です。住宅用家屋はさらに軽減措置があり、保存登記0.15%・移転登記0.3%・抵当権設定0.1%に下がります。
登録免許税とは、不動産や会社の登記を行う際に国に納める税金です。不動産を購入したり相続したりして所有者が変わるとき、法務局で所有権の移転登記を行いますが、その際に登録免許税を納付する必要があります。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ①課税主体 | 国税(税務署ではなく法務局に納付) |
| ②納税義務者 | 登記を受ける者(不動産の買主・相続人など) |
| ③課税標準 | 固定資産税評価額(抵当権設定は債権金額) |
| ④納付方法 | 原則は現金納付(3万円以下は収入印紙も可) |
| ⑤納付時期 | 登記申請時(申請書に領収証書を貼付) |
💡 実務のポイント
登録免許税の課税標準となる「固定資産税評価額」は、売買価格(時価)とは異なります。一般的に時価の70%程度で設定されているため、3,000万円で購入した不動産でも課税標準は2,100万円程度になります。固定資産課税明細書(毎年5月頃に届く納税通知書に添付)で確認できます。
登録免許税の計算は以下の4ステップで行います。端数処理のルールが細かいため、順番に確認していきましょう。
| ステップ | 内容 | 端数処理 |
|---|---|---|
| 1 | 固定資産税評価額を確認する | — |
| 2 | 課税標準額を算出する(複数不動産は合算) | 1,000円未満切り捨て |
| 3 | 課税標準額×税率で税額を計算する | 100円未満切り捨て |
| 4 | 計算した税額が1,000円未満なら1,000円に | 最低税額1,000円 |
📐 計算例:固定資産税評価額5,125,300円の土地の売買による所有権移転登記
| 登記の種類 | 課税標準 | 本則税率 | 軽減税率 | 軽減の条件 |
|---|---|---|---|---|
| 所有権保存登記(新築建物) | 固定資産税評価額 | 0.4% | 0.15% | 住宅用家屋(〜2027/3) |
| 所有権移転登記(売買・土地) | 固定資産税評価額 | 2.0% | 1.5% | 土地の売買(〜2026/3) |
| 所有権移転登記(売買・建物) | 固定資産税評価額 | 2.0% | 0.3% | 住宅用家屋(〜2027/3) |
| 所有権移転登記(相続) | 固定資産税評価額 | 0.4% | — | 免税措置あり(100万円以下) |
| 所有権移転登記(贈与・遺贈等) | 固定資産税評価額 | 2.0% | — | — |
| 抵当権設定登記 | 債権金額 | 0.4% | 0.1% | 住宅用家屋(〜2027/3) |
| 抵当権抹消登記 | 不動産の個数 | 1個1,000円 | — | — |
| 所有者の住所・氏名変更登記 | 不動産の個数 | 1個1,000円 | — | — |
⚠️ 土地の軽減措置の期限に注意
土地の売買による所有権移転登記の軽減税率1.5%は、2026年3月31日までの登記が対象です。それ以降は本則の2.0%に戻る可能性がありますので、土地の購入を検討中の方はスケジュールに注意してください。一方、住宅用家屋の軽減措置は2027年3月31日までです。
住宅用家屋の登録免許税の軽減を受けるには、以下の共通要件を全て満たす必要があります。
| No. | 要件 | 詳細 |
|---|---|---|
| 1 | 個人の自己居住用 | 法人は対象外。投資用・セカンドハウスも対象外 |
| 2 | 床面積50㎡以上 | 登記簿上の床面積で判定 |
| 3 | 新築or取得後1年以内に登記 | 1年を超えると軽減が受けられない |
| 4 | 市区町村長の証明書を添付 | 「住宅用家屋証明書」を登記申請時に提出 |
| 登記の種類 | 本則 | 一般住宅 | 長期優良住宅 | 低炭素住宅 |
|---|---|---|---|---|
| 所有権保存登記 | 0.4% | 0.15% | 0.1% | 0.1% |
| 所有権移転登記(売買) | 2.0% | 0.3% | 0.1%(戸建)/ 0.2%(マンション) | 0.1% |
| 抵当権設定登記 | 0.4% | 0.1% | 0.1% | 0.1% |
※軽減措置は2027年3月31日までの登記が対象です。
💡 実務のポイント
住宅用家屋の軽減措置で見落としがちなのが「住宅用家屋証明書」の取得です。この証明書がないと軽減を受けられず、本則税率で計算されます。市区町村の窓口で申請でき、手数料は1,300円程度です。司法書士に登記を依頼する場合は通常取得してもらえますが、自分で登記する場合は忘れずに申請してください。
📐 シミュレーション前提条件
| 登記の種類 | ①新築一戸建て | ②中古マンション | ③相続 |
|---|---|---|---|
| 土地の所有権移転(売買1.5%) | 30万円 | 30万円 | — |
| 土地の所有権移転(相続0.4%) | — | — | 8万円 |
| 建物の所有権保存(軽減0.15%) | 2.25万円 | — | — |
| 建物の所有権移転(軽減0.3%) | — | 4.5万円 | — |
| 建物の所有権移転(相続0.4%) | — | — | 6万円 |
| 抵当権設定(軽減0.1%) | 3万円 | 3万円 | — |
| 合計 | 35.25万円 | 37.5万円 | 14万円 |
※概算値です。端数処理により実際の税額は異なります。正確な計算は司法書士または税理士にご相談ください。
相続(相続人に対する遺贈を含む)による所有権移転登記の税率は0.4%です。売買の2.0%と比べると大幅に低い税率ですが、相続する不動産が複数ある場合は合計額がかなりの金額になることもあります。
以下の2つの免税措置が設けられています。
| 免税措置 | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| ①数次相続の免税 | 相続により土地を取得した個人が登記前に死亡した場合、その死亡者名義への登記は免税 | 2027年3月31日まで |
| ②少額土地の免税 | 相続による土地の所有権移転登記で、課税標準が100万円以下の場合は免税 | 2027年3月31日まで |
📢 2024年4月から相続登記が義務化
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続による不動産取得を知った日から3年以内に登記しなければ、10万円以下の過料が科される可能性があります。免税措置が利用できるうちに早めに手続きすることをおすすめします。
住宅ローンを利用して不動産を購入する場合、金融機関が不動産に抵当権を設定します。この抵当権設定登記にも登録免許税がかかります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課税標準 | 債権金額(住宅ローンの借入額) |
| 本則税率 | 0.4% |
| 住宅用家屋の軽減税率 | 0.1%(2027年3月まで) |
| 計算例(3,000万円の借入) | 本則:3,000万×0.4%=12万円 / 軽減:3,000万×0.1%=3万円 |
📊 公認会計士の視点
法人が事業用不動産を取得する場合、登録免許税は「取得価額に含める」か「支出時の費用(租税公課)にする」かを選択できます。取得価額に含めれば減価償却を通じて費用化され、支出時に費用処理すれば一括で損金になります。物件の取得目的や当期の損益状況に応じて有利な方を選択してください。
不動産を取得すると、登録免許税以外にも複数の税金がかかります。全体像を把握しておくと資金計画が立てやすくなります。
| 税金 | 課税タイミング | 課税主体 | 税率の目安 |
|---|---|---|---|
| 登録免許税 | 登記申請時(1回限り) | 国 | 0.1%〜2.0% |
| 不動産取得税 | 取得後3〜6ヶ月(1回限り) | 都道府県 | 3%〜4% |
| 印紙税 | 契約書作成時(1回限り) | 国 | 200円〜60万円 |
| 固定資産税 | 毎年1月1日時点の所有者(毎年) | 市区町村 | 1.4%(標準税率) |
不動産取得税の詳細は「不動産取得税の基礎知識」で、印紙税については「印紙税の基礎知識」で解説しています。抵当権設定・会社設立・還付請求の手続きは「登録免許税の各論」をご参照ください。その他の税金の全体像は「加算税・延滞税の全体像」もあわせてご覧ください。
📋 この記事のポイント
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