【税理士×行政書士のダブル監修】登録免許税の基礎知識|税額一覧表・軽減措置・所有権移転登記の計算

【税理士×行政書士のダブル監修】登録免許税の基礎知識|税額一覧表・軽減措置・所有権移転登記の計算
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
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登録免許税の基礎知識|税額一覧表・軽減措置・所有権移転登記の計算

不動産の購入や相続で「登録免許税はいくらかかる?」とお悩みの方に向けて、登録免許税の計算方法を4ステップで解説します。税額一覧表、売買・相続・贈与の税率比較、住宅用家屋の3種類の軽減措置、具体的なシミュレーションまで網羅しています。

🏆 結論:登録免許税は「固定資産税評価額×税率」で計算する

登録免許税の計算式は「固定資産税評価額×税率」です。税率は登記の種類と取得原因によって異なり、売買なら2.0%(土地は軽減で1.5%)、相続なら0.4%、贈与なら2.0%です。住宅用家屋はさらに軽減措置があり、保存登記0.15%・移転登記0.3%・抵当権設定0.1%に下がります。

登録免許税とは?基本的なしくみを5つのポイントで解説

登録免許税とは、不動産や会社の登記を行う際に国に納める税金です。不動産を購入したり相続したりして所有者が変わるとき、法務局で所有権の移転登記を行いますが、その際に登録免許税を納付する必要があります。

ポイント 内容
①課税主体国税(税務署ではなく法務局に納付)
②納税義務者登記を受ける者(不動産の買主・相続人など)
③課税標準固定資産税評価額(抵当権設定は債権金額)
④納付方法原則は現金納付(3万円以下は収入印紙も可)
⑤納付時期登記申請時(申請書に領収証書を貼付)

💡 実務のポイント

登録免許税の課税標準となる「固定資産税評価額」は、売買価格(時価)とは異なります。一般的に時価の70%程度で設定されているため、3,000万円で購入した不動産でも課税標準は2,100万円程度になります。固定資産課税明細書(毎年5月頃に届く納税通知書に添付)で確認できます。

登録免許税の計算方法【4ステップ】

登録免許税の計算は以下の4ステップで行います。端数処理のルールが細かいため、順番に確認していきましょう。

ステップ 内容 端数処理
1固定資産税評価額を確認する
2課税標準額を算出する(複数不動産は合算)1,000円未満切り捨て
3課税標準額×税率で税額を計算する100円未満切り捨て
4計算した税額が1,000円未満なら1,000円に最低税額1,000円

📐 計算例:固定資産税評価額5,125,300円の土地の売買による所有権移転登記

  • ステップ1:固定資産税評価額 = 5,125,300円
  • ステップ2:課税標準額 = 5,125,000円(1,000円未満切り捨て)
  • ステップ3:税額 = 5,125,000円 × 1.5%(土地の軽減税率)= 76,875円 → 76,800円(100円未満切り捨て)
  • ステップ4:76,800円 ≧ 1,000円 → 登録免許税額 = 76,800円

登録免許税の税額一覧表|登記の種類×取得原因別

不動産登記の登録免許税率一覧

登記の種類 課税標準 本則税率 軽減税率 軽減の条件
所有権保存登記(新築建物)固定資産税評価額0.4%0.15%住宅用家屋(〜2027/3)
所有権移転登記(売買・土地)固定資産税評価額2.0%1.5%土地の売買(〜2026/3)
所有権移転登記(売買・建物)固定資産税評価額2.0%0.3%住宅用家屋(〜2027/3)
所有権移転登記(相続)固定資産税評価額0.4%免税措置あり(100万円以下)
所有権移転登記(贈与・遺贈等)固定資産税評価額2.0%
抵当権設定登記債権金額0.4%0.1%住宅用家屋(〜2027/3)
抵当権抹消登記不動産の個数1個1,000円
所有者の住所・氏名変更登記不動産の個数1個1,000円

参考: 国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」

⚠️ 土地の軽減措置の期限に注意

土地の売買による所有権移転登記の軽減税率1.5%は、2026年3月31日までの登記が対象です。それ以降は本則の2.0%に戻る可能性がありますので、土地の購入を検討中の方はスケジュールに注意してください。一方、住宅用家屋の軽減措置は2027年3月31日までです。

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住宅用家屋の登録免許税の軽減措置|3種類の比較

軽減措置の適用要件(共通)

住宅用家屋の登録免許税の軽減を受けるには、以下の共通要件を全て満たす必要があります。

No. 要件 詳細
1個人の自己居住用法人は対象外。投資用・セカンドハウスも対象外
2床面積50㎡以上登記簿上の床面積で判定
3新築or取得後1年以内に登記1年を超えると軽減が受けられない
4市区町村長の証明書を添付「住宅用家屋証明書」を登記申請時に提出

3種類の軽減措置の税率比較

登記の種類 本則 一般住宅 長期優良住宅 低炭素住宅
所有権保存登記0.4%0.15%0.1%0.1%
所有権移転登記(売買)2.0%0.3%0.1%(戸建)/ 0.2%(マンション)0.1%
抵当権設定登記0.4%0.1%0.1%0.1%

※軽減措置は2027年3月31日までの登記が対象です。

💡 実務のポイント

住宅用家屋の軽減措置で見落としがちなのが「住宅用家屋証明書」の取得です。この証明書がないと軽減を受けられず、本則税率で計算されます。市区町村の窓口で申請でき、手数料は1,300円程度です。司法書士に登記を依頼する場合は通常取得してもらえますが、自分で登記する場合は忘れずに申請してください。

3パターンで税額シミュレーション

📐 シミュレーション前提条件

  • 土地の固定資産税評価額:2,000万円
  • 建物の固定資産税評価額:1,500万円(新築の場合は認定基準表による額)
  • 住宅ローン借入額:3,000万円
  • 全て住宅用家屋の軽減措置の要件を満たすものとする
登記の種類 ①新築一戸建て ②中古マンション ③相続
土地の所有権移転(売買1.5%)30万円30万円
土地の所有権移転(相続0.4%)8万円
建物の所有権保存(軽減0.15%)2.25万円
建物の所有権移転(軽減0.3%)4.5万円
建物の所有権移転(相続0.4%)6万円
抵当権設定(軽減0.1%)3万円3万円
合計35.25万円37.5万円14万円

※概算値です。端数処理により実際の税額は異なります。正確な計算は司法書士または税理士にご相談ください。

相続登記の登録免許税と免税措置

相続登記は0.4%で統一

相続(相続人に対する遺贈を含む)による所有権移転登記の税率は0.4%です。売買の2.0%と比べると大幅に低い税率ですが、相続する不動産が複数ある場合は合計額がかなりの金額になることもあります。

相続登記の免税措置(2027年3月まで)

以下の2つの免税措置が設けられています。

免税措置 内容 期限
①数次相続の免税相続により土地を取得した個人が登記前に死亡した場合、その死亡者名義への登記は免税2027年3月31日まで
②少額土地の免税相続による土地の所有権移転登記で、課税標準が100万円以下の場合は免税2027年3月31日まで

📢 2024年4月から相続登記が義務化

2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続による不動産取得を知った日から3年以内に登記しなければ、10万円以下の過料が科される可能性があります。免税措置が利用できるうちに早めに手続きすることをおすすめします。

抵当権設定登記の登録免許税

住宅ローンを利用して不動産を購入する場合、金融機関が不動産に抵当権を設定します。この抵当権設定登記にも登録免許税がかかります。

項目 内容
課税標準債権金額(住宅ローンの借入額)
本則税率0.4%
住宅用家屋の軽減税率0.1%(2027年3月まで)
計算例(3,000万円の借入)本則:3,000万×0.4%=12万円 / 軽減:3,000万×0.1%=3万円

📊 公認会計士の視点

法人が事業用不動産を取得する場合、登録免許税は「取得価額に含める」か「支出時の費用(租税公課)にする」かを選択できます。取得価額に含めれば減価償却を通じて費用化され、支出時に費用処理すれば一括で損金になります。物件の取得目的や当期の損益状況に応じて有利な方を選択してください。

不動産取得時の4税比較表

不動産を取得すると、登録免許税以外にも複数の税金がかかります。全体像を把握しておくと資金計画が立てやすくなります。

税金 課税タイミング 課税主体 税率の目安
登録免許税登記申請時(1回限り)0.1%〜2.0%
不動産取得税取得後3〜6ヶ月(1回限り)都道府県3%〜4%
印紙税契約書作成時(1回限り)200円〜60万円
固定資産税毎年1月1日時点の所有者(毎年)市区町村1.4%(標準税率)

不動産取得税の詳細は「不動産取得税の基礎知識」で、印紙税については「印紙税の基礎知識」で解説しています。抵当権設定・会社設立・還付請求の手続きは「登録免許税の各論」をご参照ください。その他の税金の全体像は「加算税・延滞税の全体像」もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

登録免許税の計算で使う「固定資産税評価額」はどこで確認できますか?
毎年5月頃に届く固定資産税の納税通知書に添付されている「課税資産明細」に記載されています。「価格」または「評価額」と表記されている欄が固定資産税評価額です。なお「課税標準額」とは異なりますので注意してください。新築建物で評価額がまだ付いていない場合は、法務局が「新築建物課税標準価格認定基準表」に基づいて認定した価額を使います。
相続登記の登録免許税はいくらですか?
相続による所有権移転登記の税率は0.4%です。固定資産税評価額が2,000万円の不動産であれば、2,000万円×0.4%=8万円です。なお、土地の評価額が100万円以下の場合は2027年3月まで免税措置があります。
住宅用家屋の軽減措置を受けるには何が必要ですか?
市区町村が発行する「住宅用家屋証明書」が必要です。自己居住用の住宅で床面積50㎡以上、新築or取得後1年以内に登記するなどの要件を満たすと取得できます。手数料は1,300円程度です。この証明書がないと本則税率が適用されます。
登録免許税の軽減措置はいつまでですか?
住宅用家屋の保存・移転・抵当権設定の軽減措置は2027年3月31日までです。土地の売買による所有権移転登記の軽減税率1.5%は2026年3月31日までです。延長される可能性はありますが、現時点では期限が定められています。
登録免許税は経費になりますか?
法人の場合、登録免許税は「取得価額に含める」か「支出時の費用(租税公課)にする」かを選択できます。個人事業主の場合、事業用不動産の取得に伴う登録免許税は必要経費になります。居住用不動産の場合は経費にはなりません。
登録免許税はどうやって納付しますか?
原則として金融機関で現金を納付し、その領収証書を登記申請書に貼付して法務局に提出します。登録免許税額が3万円以下の場合は、収入印紙で納付することも可能です。司法書士に依頼する場合は、報酬と一緒に登録免許税分を預けるのが一般的です。
新築建物の登録免許税の課税標準はどう計算しますか?
新築建物は固定資産課税台帳にまだ価格が登録されていないため、法務局が定める「新築建物課税標準価格認定基準表」に基づいて課税標準が決定されます。木造住宅なら1㎡あたり○万円という基準があり、延床面積を掛けて算出します。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 登録免許税は「固定資産税評価額×税率」で計算。課税標準の1,000円未満切り捨て、税額の100円未満切り捨てに注意
  • 売買は2.0%(土地は軽減で1.5%)、相続は0.4%、贈与は2.0%と取得原因で税率が大きく異なる
  • 住宅用家屋の軽減措置(保存0.15%・移転0.3%・抵当権0.1%)を受けるには「住宅用家屋証明書」が必須
  • 長期優良住宅・低炭素住宅はさらに低い税率が適用される(保存・移転0.1%)
  • 相続登記は2024年4月から義務化。土地100万円以下の免税措置は2027年3月まで
  • 法人の場合、登録免許税は取得価額算入と即時費用処理を選択可能

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