【税理士×社労士が解説】年末調整の税理士代行費用(従業員数別・基本料金と加算料金)

【税理士×社労士が解説】年末調整の税理士代行費用(従業員数別・基本料金と加算料金)
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。
📋 税理士監修 🔷 社労士監修

年末調整の税理士代行費用(従業員数別・基本料金と加算料金)

「年末調整を外注するといくらかかるのか」が気になる経営者・経理担当者に向けて、従業員数5段階の料金一覧表と基本料金に含まれる業務の境界線を完全ガイドします。この記事を読めば、自社に合った依頼先と費用感を判断できます。

🏆 結論:年末調整費用は「基本料金1〜3万円+従業員1人あたり2,000〜3,000円」が相場

年末調整の税理士代行費用は、基本料金1万〜3万円に従業員1人あたり2,000〜3,000円を加算する料金体系が一般的です。従業員10名なら4万〜6万円、20名なら7万〜10万円が目安です。ただし法定調書や給与支払報告書の作成がオプション扱いの事務所もあるため、「基本料金に何が含まれるか」の確認が費用最適化のカギです。

年末調整の費用構造(基本料金+従業員単価+オプション)

年末調整の税理士費用は、多くの事務所が「基本料金+従業員1人あたりの単価×人数+オプション」の3層構造で設定しています。まずはこの構造を理解しましょう。

費用層 内容 相場
基本料金年末調整計算の事務手数料・源泉徴収票作成の基本報酬1万〜3万円
従業員単価従業員1人あたりの計算・書類作成料2,000〜3,000円/人
オプション法定調書合計表・支払調書・給与支払報告書など各1万〜2万円

💡 実務のポイント

年末調整の見積もりで最も多いトラブルが「基本料金だけを見て安いと思ったら、法定調書合計表や給与支払報告書がオプション扱いで追加費用が発生した」というケースです。見積もり時に「法定調書合計表・給与支払報告書・支払調書の作成は含まれていますか?」と必ず確認してください。

従業員数別の年末調整費用一覧表

従業員数ごとの費用の目安を、「スポット依頼」と「顧問契約あり」の2パターンで比較します。顧問契約がある場合は、年末調整が顧問料に含まれる事務所と別途料金の事務所があります。

従業員数 スポット依頼 顧問あり(別途の場合) 顧問あり(含む場合)
1〜5名2万〜3.5万円1万〜2万円0円(顧問料に含む)
6〜10名4万〜6万円2万〜3.5万円0円(顧問料に含む)
11〜20名7万〜10万円3万〜5万円一部含む場合あり
21〜50名12万〜20万円6万〜10万円別途が一般的
51〜100名20万〜35万円10万〜18万円別途が一般的

※法定調書合計表・給与支払報告書の作成費用を含んだ目安です。事務所により異なります。正確な金額は見積もりをご確認ください。

⚠️ 注意

12月に入ってからの駆け込み依頼は、特急料金として2万〜3万円が加算されるのが一般的です。11月上旬までに依頼を済ませるのが費用を抑えるポイントです。

基本料金に含まれる業務と別料金の業務の境界線

年末調整関連で税理士が対応する業務は多岐にわたります。どこまでが基本料金に含まれ、どこからがオプションかは事務所によって異なるため、以下のチェックリストで確認してください。

業務内容 含まれる率 別途の場合の目安
年末調整計算◎ ほぼ全社含む
源泉徴収票の作成◎ ほぼ全社含む
法定調書合計表の作成・提出○ 多くの事務所で含む1万〜2万円
給与支払報告書の作成・提出○ 多くの事務所で含む1万〜2万円
支払調書(報酬・不動産等)の作成△ 別途が多い1件3,000〜5,000円
住宅ローン控除の初年度対応△ 別途が多い3,000〜5,000円/件
中途入社者の前職分の取り込み○ 含む場合が多い1,000〜2,000円/件
従業員への案内文書の作成△ 事務所による5,000〜1万円
源泉所得税納付書(納特)の作成○ 含む場合が多い5,000円

見積もり比較の際は、上記9項目のうち「どこまで含まれるか」を揃えた上で金額を比較してください。基本料金が安くてもオプションが多い事務所は、結果的に割高になることがあります。

税理士 vs 社労士 vs 代行サービスのコスト比較

年末調整の外注先は税理士だけではありません。社労士(社会保険労務士)や年末調整代行サービスにも依頼できます。ただし、法的な制約と対応範囲に違いがあります。

比較項目 税理士 社労士 代行サービス
年末調整計算✅(税理士法上グレー)✅(要税理士連携)
法定調書の作成❌(税理士の独占業務)△(税理士との提携要)
給与計算との連携△(対応事務所に限る)✅(給与計算が本業)
社保手続き
節税アドバイス
費用目安(20名の場合)7万〜10万円5万〜8万円3万〜5万円
対外的信頼度

🔷 社労士の視点

年末調整の計算業務自体は税理士法第2条の独占業務(税務代理・税務書類の作成)に該当するかどうかグレーゾーンですが、法定調書合計表の作成・提出は明確に税理士の独占業務です。社労士に給与計算と年末調整をまとめて依頼する場合でも、法定調書は税理士に依頼する必要があります。4士業ワンストップの事務所であれば、この使い分けを気にする必要がありません。

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自社で対応 vs 税理士に依頼の損益分岐点

「うちは従業員が少ないから自分でやろう」と思う経営者も多いですが、自社対応には人件費(時間コスト)が発生します。従業員数ごとに損益分岐点を試算します。

📐 シミュレーション前提条件

  • 経営者または経理担当者の時給換算:3,000円(年収500万円÷1,700時間)
  • 年末調整の作業時間:基礎作業5時間+従業員1人あたり30分〜1時間
  • 税理士費用:基本料金2万円+従業員1人あたり2,500円
従業員数 自社対応の時間コスト 税理士に依頼する費用 おすすめ
3名約2万円(6.5時間)約2.8万円自社でも可
5名約2.6万円(8.5時間)約3.3万円どちらでも
10名約4.5万円(15時間)約4.5万円≒ 損益分岐点
20名約8.3万円(27.5時間)約7万円税理士推奨
50名約19.5万円(65時間)約14.5万円税理士必須

※自社対応のコストは時間のみの換算で、計算ミスによるやり直しリスクは含んでいません。概算値です。

損益分岐点は従業員10名前後です。ただし「計算ミスのリスク」や「経営者が本業に使える時間」を考慮すると、5名以上から税理士への依頼を検討する価値があります。控除の適用漏れによる従業員の不満や、税務署からの指摘リスクは金額に換算しにくいですが、確実にコストです。

年末調整の費用を抑える4つの方法

①従業員からの書類回収を社内で完了させてから渡す

扶養控除等申告書や保険料控除申告書を従業員から回収し、不備がない状態で税理士に渡すだけで、税理士の作業時間が大幅に減ります。書類の不備チェックが税理士側で発生すると追加費用の原因になります。

②11月上旬までに依頼する

前述のとおり、12月に入ってからの駆け込み依頼は特急料金が加算されます。遅くとも11月上旬までに依頼を完了させましょう。

③クラウド給与ソフトにデータ入力済みの状態で渡す

マネーフォワードやfreee人事労務などのクラウド給与ソフトに月次の給与データが入力済みであれば、税理士は年末調整の計算だけに集中できます。従業員単価が500〜1,000円安くなる事務所もあります。

④顧問契約とセットで依頼する

顧問税理士がいれば、年末調整が顧問料に含まれるか、含まれなくても割安な料金で対応してもらえます。スポット依頼の半額程度が目安です。顧問税理士の費用相場については「顧問税理士の費用相場と見積もりの見方」をご覧ください。

年末調整のスケジュールと依頼のタイミング

時期 会社がやること 税理士がやること
10月税理士への依頼・見積もり確定案内文書の準備・スケジュール共有
11月上旬従業員への申告書配布・回収
11月中旬回収書類の不備チェック・税理士へ送付受領・確認
11月下旬〜12月上旬年末調整計算・源泉徴収票作成
12月の最終給与還付・追徴の反映計算結果を会社へ報告
翌年1月20日まで源泉所得税納付書作成(納特)
翌年1月31日まで法定調書合計表・給与支払報告書の提出

参考: 国税庁「年末調整の仕方」

確定申告の税理士費用全般については「確定申告を税理士に依頼する費用相場と流れ」、法人決算の費用については「法人決算の税理士費用相場」もご覧ください。

よくある質問(FAQ)

年末調整を税理士に依頼する費用の相場はいくらですか?
基本料金1万〜3万円に従業員1人あたり2,000〜3,000円を加算する料金体系が一般的です。従業員10名で4万〜6万円、20名で7万〜10万円が目安です。顧問契約がある場合はスポット依頼の半額程度で対応してもらえます。
年末調整だけを税理士にスポットで依頼できますか?
はい。顧問契約がなくても年末調整だけを単発で依頼できます。ただし顧問契約がある場合より割高で、事務所によっては繁忙期の新規スポット依頼を受け付けていないところもあります。10月までに依頼先を確保しておくのが安心です。
年末調整は社労士に依頼しても大丈夫ですか?
年末調整の計算自体は社労士でも対応可能なケースが多いですが、法定調書合計表の作成・提出は税理士の独占業務に該当するため、社労士単独では完結しません。給与計算から年末調整まで一括で依頼したい場合は、税理士と社労士の両方が在籍するワンストップ事務所が便利です。
年末調整の費用は経費になりますか?
はい。年末調整の税理士報酬は「支払手数料」または「管理費」として経費に計上できます。個人事業主が従業員の年末調整を税理士に依頼した場合も同様に事業の経費です。
年末調整を依頼するとき、何を準備すればいいですか?
従業員から回収した扶養控除等申告書・保険料控除申告書・住宅ローン控除申告書のほか、月次の給与データ(給与明細または給与台帳)、中途入社者の前職の源泉徴収票が必要です。不備がない状態でまとめて渡すと費用を抑えられます。
パート・アルバイトも年末調整の人数にカウントされますか?
はい。扶養控除等申告書を提出しているパート・アルバイトは年末調整の対象となり、税理士費用の人数カウントにも含まれます。乙欄適用者(扶養控除等申告書を提出していない従業員)は年末調整の対象外ですが、源泉徴収票の作成は必要なため、別途1,500円程度かかることがあります。
年末調整で住宅ローン控除がある従業員は追加費用がかかりますか?
2年目以降の住宅ローン控除は通常の年末調整に含まれるのが一般的です。ただし、初年度は確定申告が必要なため、税理士に別途依頼する場合は3,000〜5,000円程度が加算されることがあります。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 年末調整の費用は基本料金1〜3万円+従業員1人あたり2,000〜3,000円が相場
  • 基本料金に法定調書・給与支払報告書が含まれるか必ず確認する
  • 従業員10名前後が自社対応と外注の損益分岐点
  • 11月上旬までの依頼で特急料金(2〜3万円)を回避できる
  • 社労士に依頼する場合でも法定調書の作成には税理士が必要
  • 顧問契約とセットにすればスポットの半額程度で対応可能

年末調整は毎年必ず発生する業務です。従業員5名以上の企業であれば、まずは税理士に見積もりを取って費用感を把握しておくことをおすすめします。

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