【税理士監修】不動産所得・医療費控除・ふるさと納税の確定申告代行費用

監
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。
不動産所得・医療費控除・ふるさと納税の確定申告代行費用
「不動産収入がある」「医療費が高額になった」「ふるさと納税のワンストップ特例を使い忘れた」——こうした理由で確定申告が必要になった給与所得者・不動産オーナーに向けて、税理士に依頼する費用相場を申告タイプ別に完全ガイドします。この記事を読めば、自分でやるべきか税理士に頼むべきかの判断基準がわかります。
🏆 結論:申告タイプによって費用は3万〜25万円と幅がある
ふるさと納税や医療費控除のみなら3万〜5万円、不動産所得の申告は物件数と収入規模で5万〜25万円、複数の所得を合わせて依頼すると個別加算が基本です。ただし同じ税理士にまとめて依頼すれば「セット割」で総額を抑えられるケースが多いため、まずは見積もりを取ることが費用最適化の第一歩です。
確定申告の税理士費用が発生する3つの申告タイプ
給与所得者(会社員)であっても確定申告が必要になる代表的なケースが、不動産所得・医療費控除・ふるさと納税(ワンストップ特例の未申請分)の3つです。それぞれ税務上の取扱いが異なるため、税理士費用も変わってきます。
| 申告タイプ |
概要 |
費用相場 |
難易度 |
| 不動産所得 | 家賃収入の申告。減価償却・経費計算が必要 | 5万〜25万円 | ★★★ |
| 医療費控除 | 年間医療費が10万円超の場合の還付申告 | 3万〜5万円 | ★☆☆ |
| ふるさと納税 | ワンストップ特例未申請分の寄附金控除申告 | 3万〜5万円 | ★☆☆ |
※費用相場はスポット依頼の場合。顧問契約がある場合は顧問料に含まれることもあります。
💡 実務のポイント
医療費控除やふるさと納税だけなら自分でもできる難易度ですが、不動産所得と組み合わさると一気に複雑になります。現場で多いのは「ふるさと納税の申告だけのつもりで相談に来たら、実は不動産の減価償却を間違えていた」というケースです。複数の所得がある方は、まとめて税理士に相談するのが結果的にコスパが良いです。
不動産所得の確定申告代行費用(物件数・収入規模別)
物件数と年間不動産収入で決まる基本料金
不動産所得の確定申告費用は、保有する物件数と年間の不動産収入によって段階的に変わります。以下の表は、記帳代行なし(自分で記帳済み)の場合の申告代行料の目安です。
| 物件数 |
年間不動産収入 |
白色申告 |
青色申告(10万円控除) |
青色申告(65万円控除) |
| 1〜2室 | 〜300万円 | 5万〜8万円 | 6万〜10万円 | — |
| 3〜5室 | 300万〜500万円 | 7万〜10万円 | 8万〜12万円 | — |
| 5棟10室以上(事業的規模) | 500万〜1,000万円 | — | 10万〜15万円 | 12万〜18万円 |
| 大規模 | 1,000万円超 | — | 15万〜20万円 | 18万〜25万円 |
※5棟10室以上は所得税法上の「事業的規模」に該当し、65万円の青色申告特別控除が適用可能です。記帳代行を依頼する場合は月額1万〜3万円が別途必要です。
不動産所得の申告で追加料金が発生するケース
| 追加項目 |
追加料金の目安 |
備考 |
| 記帳代行(仕訳入力) | 月1万〜3万円 | 仕訳数で変動 |
| 消費税申告(課税事業者の場合) | 3万〜5万円 | テナント賃貸で課税売上がある場合 |
| 減価償却計算の新規設定 | 1万〜3万円/物件 | 初年度の取得時のみ |
| 不動産売却の譲渡所得申告 | 5万〜15万円 | 売却額・特別控除の適用有無で変動 |
| 青色申告承認申請の代行 | 1万〜2万円 | 初年度のみ |
📊 公認会計士の視点
不動産所得で最もコストを左右するのは「減価償却計算」です。中古物件を購入した場合、建物と建物附属設備(給排水・空調設備など)を区分して償却する方法を取れば、初期の経費を多く計上でき節税効果が上がります。しかしこの区分計算には専門知識が必要で、税理士費用に1万〜3万円加算されます。それでも節税効果が費用を大きく上回るため、結果的に税理士に依頼したほうが得になります。
なお、確定申告の税理士費用全般については「確定申告を税理士に依頼する費用相場と流れ」で詳しく解説しています。
医療費控除の確定申告代行費用
医療費控除の費用相場と含まれる業務
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が10万円(総所得200万円未満の方はその5%)を超えた場合に、超過分を所得から差し引ける制度です。給与所得者が医療費控除の確定申告を税理士に依頼する場合の費用相場は3万〜5万円です。
| 依頼範囲 |
費用の目安 |
含まれる業務 |
| 医療費控除のみ | 3万〜5万円 | 医療費の集計・明細書作成・申告書作成・提出 |
| 医療費控除+ふるさと納税 | 3万〜6万円 | 上記+寄附金控除の計算・証明書確認 |
| 医療費控除+不動産所得 | 8万〜15万円 | 医療費控除分は加算1万〜2万円で対応 |
💡 実務のポイント
医療費控除の申告代行で最も時間がかかるのは、レシート・領収書の集計作業です。税理士に依頼する際は、あらかじめ病院名・金額・日付を一覧にまとめておくと、作業時間が短縮されて費用が下がることがあります。健康保険組合から届く「医療費のお知らせ」をそのまま添付すれば明細書作成が不要になるケースもあります。
医療費控除は自分でやるべき?税理士に頼むべき?
医療費控除は確定申告の中では比較的シンプルな手続きです。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば自分で作成・提出することもできます。以下の判定表で自分に合った方法を確認してください。
| あなたの状況 |
自分でやる |
税理士に依頼 |
| 医療費控除だけ・給与所得のみ | ◎ | △ |
| 医療費控除+ふるさと納税 | ○ | △ |
| 医療費が100万円超(高額) | △ | ○ |
| 不動産所得がある | ✕ | ◎ |
| セルフメディケーション税制を使いたい | ○ | △ |
参考: 国税庁「医療費を支払ったとき(医療費控除)」
ふるさと納税の確定申告代行費用
ワンストップ特例と確定申告の使い分け
ふるさと納税の税控除を受ける方法は「ワンストップ特例制度」と「確定申告」の2つです。ワンストップ特例を利用できるのは、寄付先が5自治体以内かつ確定申告の必要がない給与所得者に限られます。以下のいずれかに当てはまる方は確定申告が必要です。
| 確定申告が必要なケース |
理由 |
| 寄付先が6自治体以上 | ワンストップ特例の上限(5自治体)を超過 |
| 医療費控除も申告する | 確定申告するとワンストップ特例が自動的に無効に |
| 不動産所得がある | そもそも確定申告が必要(ワンストップ不可) |
| 副業所得が20万円超 | 副業所得の申告と合わせて処理 |
| ワンストップ特例の申請を忘れた | 確定申告で寄附金控除を申請するしかない |
⚠️ 注意
医療費控除のために確定申告をすると、ワンストップ特例で申請済みのふるさと納税分も自動的に無効になります。確定申告書の中で改めて寄附金控除を記載しないと、ふるさと納税の税控除が受けられなくなります。この「うっかり漏れ」は毎年非常に多いミスです。
ふるさと納税の確定申告費用の目安
ふるさと納税だけを確定申告する場合の費用は3万〜5万円が相場ですが、実務では「ふるさと納税だけ」のために税理士に依頼するケースは少なく、医療費控除や不動産所得と合わせて依頼するのが一般的です。その場合は基本料金に加算1万〜2万円程度で対応してもらえます。
参考: 総務省「ふるさと納税ポータルサイト」
AYUSAWA PARTNERS
不動産所得・医療費控除・ふるさと納税の申告をまとめてご相談
初回相談無料。税理士・公認会計士がワンストップで対応。複数の申告をまとめてご依頼いただくとお得です。
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複数の申告をまとめて依頼した場合の費用シミュレーション
不動産所得・医療費控除・ふるさと納税が重なるケースは珍しくありません。個別に依頼する場合と、同じ税理士にまとめて依頼する場合の費用差をシミュレーションします。
📐 シミュレーション前提条件
- 給与所得者(年収800万円)
- ワンルームマンション2室を賃貸(年間不動産収入240万円)
- 年間医療費25万円
- ふるさと納税8自治体に15万円寄付
- 青色申告10万円控除を利用
| 申告項目 |
個別に依頼 |
まとめて依頼 |
| 不動産所得の申告 | 8万円 | 8万円(基本料金) |
| 医療費控除 | 4万円 | +1.5万円 |
| ふるさと納税(寄附金控除) | 3万円 | +1万円 |
| 合計 | 15万円 | 10.5万円 |
※概算値です。事務所によりセット割の適用可否は異なります。
まとめて依頼することで約4.5万円の差が出ます。確定申告書は1通なので、不動産所得を基本としてそこに医療費控除やふるさと納税を追加する形であれば、税理士側の作業効率が上がり、料金も割安になるしくみです。
🧮 節税効果も含めた実質コスト
上記の前提条件のケースでは、税理士による青色申告の適用で所得税・住民税が約3万円減、医療費控除で約4.5万円還付、ふるさと納税で約4.3万円の税控除(自己負担2,000円除く)が見込めます。節税・還付効果の合計は約11.8万円で、税理士費用10.5万円を上回るため実質的にはプラスになります。
自分でやる vs 税理士に依頼:総合判断表
最終的に「自分でやるか」「税理士に依頼するか」は、手間と費用のバランスで決まります。以下の表で自分の状況を確認してください。
| 申告パターン |
自力の難易度 |
自力の目安時間 |
税理士費用 |
おすすめ |
| ふるさと納税のみ | ★☆☆ | 1〜2時間 | 3万〜5万円 | 自分で |
| 医療費控除のみ | ★☆☆ | 2〜4時間 | 3万〜5万円 | 自分で |
| 医療費+ふるさと納税 | ★★☆ | 3〜5時間 | 3万〜6万円 | 自分でも可 |
| 不動産所得(1〜2室) | ★★★ | 10〜20時間 | 5万〜10万円 | 税理士推奨 |
| 不動産+医療費+ふるさと | ★★★ | 15〜25時間 | 8万〜15万円 | 税理士推奨 |
| 不動産(5棟10室以上) | ★★★ | 30時間以上 | 12万〜25万円 | 税理士必須 |
不動産所得の申告は減価償却の計算だけでも専門知識が必要であり、計算ミスは翌年以降の申告にも影響が連鎖します。1〜2室の小規模であっても、初年度は税理士に依頼して正しい計算方法を確立しておくことをおすすめします。
税理士費用を抑えるための5つのコツ
①資料を事前に整理して渡す
不動産の管理会社からの明細、医療費の領収書、ふるさと納税の寄附金受領証明書を日付順にまとめて渡すだけで、税理士の集計作業が大幅に減り、費用を1万〜2万円下げられることがあります。
②繁忙期を避けて早めに依頼する
確定申告の繁忙期は2月〜3月です。12月までに依頼すれば、事務所によっては早期依頼割引を適用してくれます。逆に3月に入ってからの駆け込み依頼は割増料金になるリスクがあります。
③クラウド会計で記帳を自分で行う
不動産所得の記帳をfreeeやマネーフォワードで自分で行い、税理士には申告書の作成だけを依頼する形にすれば、記帳代行料(月1万〜3万円)を節約できます。
④複数の申告をまとめて1人の税理士に依頼する
前述のシミュレーションで示したとおり、不動産+医療費+ふるさと納税をまとめて依頼すると個別依頼より3万〜5万円安くなります。
⑤相見積もりを取る
最低3社から見積もりを取り、「何が含まれて何が別料金か」を揃えて比較してください。顧問税理士の費用相場や見積もりの見方は「顧問税理士の費用相場と見積もりの見方」も参考になります。
不動産所得の節税で税理士費用以上の効果を得る方法
不動産所得の申告を税理士に依頼する最大のメリットは、専門知識による節税効果です。以下のパターンでは、税理士費用を大幅に上回る節税が見込めます。
| 節税パターン |
節税効果の目安 |
内容 |
| 青色申告65万円控除の適用 | 10万〜28万円/年 | 事業的規模の場合。税率30%なら約20万円の節税 |
| 建物附属設備の区分償却 | 5万〜30万円/年 | 建物本体と附属設備を分けて短い耐用年数で償却 |
| 経費の網羅的計上 | 3万〜10万円/年 | 管理費・修繕積立金・ローン利息・火災保険料などの漏れ防止 |
| 損益通算 | 5万〜20万円/年 | 不動産所得の赤字を給与所得と相殺して源泉税を還付 |
税理士費用が10万円だとしても、上記の節税効果を合わせれば年間20万〜50万円以上の削減が見込めるケースも珍しくありません。特に不動産取得初年度は各種経費が多く赤字になりやすいため、損益通算による所得税還付のメリットが大きくなります。
参考: 国税庁「不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」
よくある質問(FAQ)
不動産所得の確定申告を税理士に依頼する費用はいくらですか?
物件数と年間不動産収入によって異なりますが、1〜2室・年収300万円以下で5万〜10万円、5棟10室以上の事業的規模で12万〜25万円が相場です。記帳代行を含める場合はさらに月額1万〜3万円が加算されます。
医療費控除の確定申告は自分でできますか?
はい。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、給与所得者の方は比較的簡単に作成できます。ただし不動産所得など他の申告が必要な場合は、あわせて税理士に依頼したほうが漏れやミスを防げます。
ふるさと納税のワンストップ特例を忘れた場合はどうなりますか?
ワンストップ特例の申請を忘れた場合は確定申告で寄附金控除を申請する必要があります。5年以内であれば遡って還付申告が可能です。税理士に依頼する場合は3万〜5万円が目安ですが、他の申告と合わせれば加算1万〜2万円で済むことが多いです。
医療費控除とふるさと納税を同時に申告する場合の注意点は?
確定申告をするとワンストップ特例が自動的に無効になります。ふるさと納税の寄附金控除を確定申告書に記載しないと、ふるさと納税の税控除が受けられなくなるため要注意です。
不動産所得が赤字の場合も確定申告は必要ですか?
義務ではありませんが、赤字の不動産所得は給与所得と損益通算できるため、確定申告すると所得税の還付を受けられます。特に物件取得初年度は各種費用が多く赤字になりやすいため、積極的に申告すべきです。
税理士に支払った報酬は経費になりますか?
不動産所得に関する税理士報酬は、不動産所得の必要経費として計上できます。ただし給与所得のみに関する報酬(医療費控除やふるさと納税のみの申告代行費用)は経費にできません。不動産所得と給与所得の両方を依頼した場合は、税理士に内訳を分けてもらい不動産分のみを経費計上します。
不動産所得の確定申告を依頼するとき、何を準備すればいいですか?
管理会社からの年間収支明細、固定資産税の納税通知書、ローンの返済予定表、火災保険の証券、修繕費の領収書、売買契約書(初年度のみ)、源泉徴収票が主な必要書類です。これらを事前に揃えておくと税理士の作業が効率的になり、費用を抑えられます。
まとめ
📋 この記事のポイント
- 不動産所得の申告費用は物件数と収入規模で5万〜25万円
- 医療費控除・ふるさと納税のみなら自分でも可能(費用は各3万〜5万円)
- 複数の申告をまとめて1人の税理士に依頼すれば3万〜5万円の割引効果
- 不動産所得がある場合は他の控除も合わせて税理士に依頼するのが最もコスパが高い
- 青色申告・区分償却・損益通算で税理士費用以上の節税効果が得られる
- 資料の事前整理と早期依頼で費用をさらに1万〜3万円抑えられる
まずはご自身の申告パターンを確認し、この記事の判断表を参考に「自分でやるか」「税理士に頼むか」を決めてください。不動産所得がある方は、初年度だけでも税理士に依頼することで正しい計算基盤を作れます。
AYUSAWA PARTNERS
不動産所得・医療費控除・ふるさと納税の確定申告をまとめてご相談
初回相談無料。税理士・公認会計士がワンストップで対応。不動産オーナーの申告に豊富な実績があります。
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