公認会計士 第47928号・税理士 第159175号
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「うちの会社の法人税率は結局何パーセント?」と疑問に感じている経営者に向けて、資本金・所得別の法人税率一覧と、防衛特別法人税を含む実効税率の計算方法を完全ガイドします。この記事を読めば、自社に適用される税率を正確に把握できます。


「うちの会社の法人税率は結局何パーセント?」と疑問に感じている経営者に向けて、資本金・所得別の法人税率一覧と、防衛特別法人税を含む実効税率の計算方法を完全ガイドします。この記事を読めば、自社に適用される税率を正確に把握できます。
🏆 結論:あなたの会社の法人税率はこれで判断
法人税の税率は、資本金1億円以下の中小法人なら年800万円以下の所得部分が15%(所得10億円超の年度は17%)、800万円超の部分が23.2%です。資本金1億円超の大法人は一律23.2%。さらに2026年4月以降、法人税額500万円超の企業には防衛特別法人税4%が上乗せされます。法人税だけでなく住民税・事業税を含めた「実効税率」は、東京23区の中小法人で約34%前後、大法人で約31.5%が目安です。
法人税の税率とは、法人の課税所得(益金-損金)に対してかかる国税の割合のことです。法人税法第66条に規定されており、法人の種類と資本金の額によって適用される税率が異なります。
ひとことで言えば、法人税の税率は「大法人は一律23.2%、中小法人は800万円以下の部分が軽減される」というのが基本です。
💡 実務のポイント
「法人税率」と「実効税率」は別物です。法人税率は国税である法人税のみの税率(最大23.2%)ですが、実効税率は住民税・事業税・防衛特別法人税なども含めた実質的な税負担率(約30〜34%)を指します。経営判断では実効税率で考えるのが正解です。
法人税は、法人の種類によって課税される所得の範囲が異なります。中小企業の経営者がまず確認すべきは、「自社が普通法人か、それ以外か」という点です。
| 法人の種類 | 具体例 | 課税範囲 |
|---|---|---|
| 普通法人 | 株式会社、合同会社、合名会社 等 | 全所得に課税 |
| 協同組合等 | 農協、信用金庫、生協 等 | 全所得に課税(軽減税率あり) |
| 公益法人等 | NPO法人、一般社団法人(非営利型)等 | 収益事業のみ課税 |
| 公共法人 | 地方公共団体、独立行政法人 等 | 非課税 |
普通法人(株式会社・合同会社など)の法人税率は、資本金の額と所得の金額によって変わります。以下の一覧表で自社がどの税率になるか確認してください。
| 法人区分 | 所得区分 | 税率 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 大法人(資本金1億円超) | 全額 | 23.2% | 法人税法第66条① |
| 中小法人(資本金1億円以下) ※年間所得10億円以下 | 年800万円以下 | 15%(特例) | 租税特別措置法第42条の3の2 |
| 年800万円超 | 23.2% | 法人税法第66条① | |
| 中小法人(資本金1億円以下) ※年間所得10億円超 | 年800万円以下 | 17%(引上げ) | 令和7年度改正 |
| 年800万円超 | 23.2% | 法人税法第66条① | |
| 適用除外事業者(中小法人で過去3年の平均所得15億円超) | 年800万円以下 | 19%(本則) | 法人税法第66条② |
| グループ通算制度適用法人 | 年800万円以下 | 19%(本則) | 令和7年度改正で適用除外 |
📢 令和7年度改正のポイント(2025年4月〜)
中小法人の軽減税率15%の特例が2027年3月31日まで2年延長されました。ただし、①年間所得が10億円を超える事業年度は軽減税率が17%に引き上げ、②グループ通算制度の適用法人は軽減税率(15%/17%)の対象外となり本則の19%が適用されます。大半の中小企業には影響ありませんが、年商規模の大きい企業は要確認です。
自社がどの法人税率になるか迷ったら、以下の判定表で確認してください。上から順に条件を見ていくだけで、適用される税率がわかります。
| 条件 | 該当 | 800万円以下の税率 | 800万円超の税率 |
|---|---|---|---|
| 資本金1億円超 | → | 23.2%(区分なし) | 23.2% |
| 資本金1億円以下 + 大法人の100%子会社 | → | 23.2%(区分なし) | 23.2% |
| 資本金1億円以下 + 過去3年平均所得15億円超 | → | 19% | 23.2% |
| 資本金1億円以下 + グループ通算制度適用 | → | 19% | 23.2% |
| 資本金1億円以下 + 当期所得10億円超 | → | 17% | 23.2% |
| 上記いずれにも該当しない中小法人 | → | 15% | 23.2% |
実務では、資本金1億円以下で大法人の子会社でもなく、所得も10億円以下という中小企業が大半です。その場合は「800万円以下=15%、800万円超=23.2%」というシンプルな構造になります。
軽減税率15%の恩恵を受けられる「中小法人」とは、法人税法第66条第2項に定められた以下の要件をすべて満たす法人です。
第一に、各事業年度終了時点で資本金または出資金の額が1億円以下であること。第二に、以下のいずれにも該当しないこと。すなわち、①資本金5億円以上の大法人による完全支配関係がある法人、②100%グループ内の複数の大法人に株式の全部を直接または間接に保有されている法人、③相互会社・投資法人・特定目的会社・受託法人です。
⚠️ 注意
「資本金を1億円以下にすれば軽減税率が使える」と単純に考えてはいけません。資本金を1億円以下に減資しても、親会社が資本金5億円以上の大法人であれば軽減税率は適用されません。実務では減資による節税スキームが税務調査で問題になるケースが増えています。
現在の軽減税率15%は時限的な特例措置であり、2027年(令和9年)3月31日までに開始する事業年度が対象です。特例の期限を過ぎると、本則の19%に戻ります。
この特例は過去に何度も延長されてきた経緯がありますが、恒久化が保証されているわけではありません。中長期の資金計画では、本則税率19%に戻る可能性も織り込んでおくのが堅実です。
なお、法人税のしくみや課税所得の計算方法の全体像については「法人税のしくみと計算方法|税率・課税所得・実効税率を完全ガイド」で詳しく解説しています。
防衛特別法人税は、防衛力強化の財源確保を目的として創設された法人税の付加税です。2025年3月に関連法案が成立し、2026年4月1日以後に開始する事業年度から適用されています。
計算式は「(基準法人税額 − 500万円)× 4%」です。基準法人税額とは、所得税額控除や外国税額控除を適用する前の法人税額のことです。500万円の基礎控除があるため、基準法人税額が500万円以下の中小法人には実質的な負担が生じません。
「うちの会社は防衛特別法人税がかかるのか?」を判断する目安を課税所得ベースに換算すると、以下のようになります。
| 法人区分 | 基準法人税額500万円に達する課税所得 | 判定 |
|---|---|---|
| 中小法人(軽減税率15%適用) | 約2,400万円 | これ以下なら実質0円 |
| 大法人(23.2%一律) | 約2,155万円 | これ以下なら実質0円 |
🧮 シミュレーション
中小法人で課税所得が2,400万円のとき、基準法人税額は800万円×15%+1,600万円×23.2%=491.2万円。500万円以下なので防衛特別法人税は0円です。課税所得が2,500万円になると基準法人税額は約514万円。(514万−500万)×4%=約5,600円の防衛特別法人税が発生します。
つまり多くの中小企業にとって、防衛特別法人税の直接的な負担は発生しません。ただし、基準法人税額が500万円以下でも申告書の提出は必要です。
法人税だけを見ても、実際の税負担はわかりません。法人の利益にかかる税金は全部で7種類あります(2026年4月以降)。この全体像を押さえることが、正確な資金計画の出発点です。
| 税目 | 種別 | 課税標準 | 税率(中小法人の目安) |
|---|---|---|---|
| ①法人税 | 国税 | 課税所得 | 15%/23.2% |
| ②地方法人税 | 国税 | 法人税額 | 10.3% |
| ③防衛特別法人税 | 国税 | 基準法人税額−500万円 | 4% |
| ④法人住民税(法人税割) | 地方税 | 法人税額 | 7.0%(標準) |
| ⑤法人住民税(均等割) | 地方税 | 資本金等・従業員数 | 7万円〜 |
| ⑥法人事業税(所得割) | 地方税 | 課税所得 | 3.5%〜7.0% |
| ⑦特別法人事業税 | 国税 | 法人事業税(所得割)額 | 37% |
このうち⑤の均等割は赤字でも毎年必ずかかる税金です。資本金1,000万円以下・従業員50人以下の法人の場合、都道府県分2万円+市区町村分5万円=年間7万円が最低額となります。
法人決算の全体的な流れについては「法人決算の流れと必要書類を完全ガイド」も併せてご確認ください。
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鮎澤パートナーズに相談する実効税率(法定実効税率)とは、法人の利益に対する税金の実質的な負担率のことです。法人税だけでなく、地方法人税・住民税・事業税・特別法人事業税・防衛特別法人税を合計した「込み込み」の税率です。
事業税は損金算入できる(翌期の法人税の課税所得から差し引ける)ため、単純に各税率を足し算するだけでは正確な数値になりません。以下の算式で計算します。
📐 実効税率の計算式
実効税率 =(法人税率 ×(1 + 地方法人税率 + 住民税率 + 防衛特別法人税率)+ 事業税率 + 特別法人事業税率)÷(1 + 事業税率 + 特別法人事業税率)
※防衛特別法人税率の簡便的な扱い:基礎控除を無視した場合、法人税率に対して4%を付加
以下は東京23区に本社がある法人の実効税率の目安です。所在地や超過税率の有無で変わりますが、資金計画の目安として活用してください。
| 法人区分 | 実効税率(防衛特別法人税なし) | 実効税率(防衛特別法人税あり) |
|---|---|---|
| 大法人(外形標準課税・超過税率) | 約30.62% | 約31.52% |
| 中小法人(所得800万円超の部分) | 約33.58% | 約34.48% |
| 中小法人(所得800万円以下の部分) | 約21.37% | 約21.37%(※) |
※中小法人の軽減税率適用部分は基準法人税額が500万円以下になるケースが大半のため、防衛特別法人税が実質0円になることが多い
📊 公認会計士の視点
繰延税金資産・負債の計算に使う実効税率は、一時差異が解消される年度の税率で計算する必要があります。2026年4月以降に解消が見込まれる一時差異については、防衛特別法人税込みの実効税率を使う点に注意してください。会計ソフトのマスターが更新されているか確認しましょう。
実際にいくら税金を払うのか、課税所得別に法人税等の合計額をシミュレーションします。自社の課税所得に近いパターンで確認してください。
📐 シミュレーション前提条件
| 項目 | パターンA(500万円) | パターンB(1,500万円) | パターンC(5,000万円) |
|---|---|---|---|
| 課税所得 | 500万円 | 1,500万円 | 5,000万円 |
| ①法人税 | 75.0万円 | 282.4万円 | 1,094.4万円 |
| ②地方法人税 | 7.7万円 | 29.1万円 | 112.7万円 |
| ③防衛特別法人税 | 0円 | 0円 | 23.8万円 |
| ④法人住民税(法人税割) | 5.3万円 | 19.8万円 | 76.6万円 |
| ⑤法人住民税(均等割) | 7.0万円 | 7.0万円 | 7.0万円 |
| ⑥法人事業税 | 17.5万円 | 59.5万円 | 282.5万円 |
| ⑦特別法人事業税 | 6.5万円 | 22.0万円 | 104.5万円 |
| 法人税等合計 | 約119万円 | 約420万円 | 約1,702万円 |
| 実質税負担率 | 約23.8% | 約28.0% | 約34.0% |
※概算値です。個別の状況により異なります。正確な計算は税理士にご相談ください。
パターンCでは防衛特別法人税が約23.8万円発生していますが、全体の税負担に占める割合は約1.4%。大半の中小企業にとっては「気にしすぎなくてよい」水準です。
「法人化した方が税金は安くなるのか?」は経営者から最も多い質問の一つです。結論から言えば、課税所得が800万円を超えるあたりから法人化の税メリットが出始めます。
| 課税所得 | 所得税+住民税(個人) | 法人税等(法人) | 有利な方 |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 約30% | 約24% | 法人がやや有利 |
| 800万円 | 約33% | 約24% | 法人が有利 |
| 1,500万円 | 約43% | 約28% | 法人が明確に有利 |
| 3,000万円 | 約50% | 約33% | 法人が大幅有利 |
※個人は所得税率+復興特別所得税+住民税10%の合算。法人は法人税等の実質税負担率。社会保険料・設立コスト・役員報酬の影響は含まず。
💡 実務のポイント
税率の比較だけで法人化を判断してはいけません。法人化すると社会保険の加入義務が生じ、法人住民税の均等割(最低年7万円)は赤字でも必要です。一方で、役員報酬による給与所得控除や退職金の活用など、法人ならではの節税手法もあります。法人化のタイミングについては「法人化のベストタイミングを判断する方法」で詳しく解説しています。
日本の法人税率は、1990年代の37.5%をピークに段階的に引き下げられてきました。国際競争力の確保が主な理由ですが、2026年の防衛特別法人税により、実効税率ベースではやや上昇に転じています。
| 適用時期 | 普通法人の基本税率 | 中小法人の軽減税率 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 〜2011年度 | 30.0% | 18% | - |
| 2012〜2014年度 | 25.5% | 15% | +復興特別法人税10% |
| 2015年度 | 25.5% | 15% | 復興特別法人税廃止 |
| 2016〜2017年度 | 23.4% | 15% | - |
| 2018年度〜現在 | 23.2% | 15% | - |
| 2026年4月〜 | 23.2% | 15% | +防衛特別法人税4% |
法人税の基本税率自体は23.2%のまま据え置きですが、防衛特別法人税という「付加税」が追加されたことで、法人税額ベースでは約1%弱の負担増です。ただし、かつての復興特別法人税(法人税額の10%)と比べれば負担は軽めです。
普通法人以外にも法人税が課される法人があります。主なものを整理します。
農協・信用金庫・生協などの協同組合等は、年800万円以下の所得に15%(本則19%)、800万円超の部分に19%の税率が適用されます。普通法人の23.2%より低い税率が設定されている点が特徴です。なお、特定の協同組合等(出資総額が1億円超の信用金庫等)で年10億円を超える部分の所得には22%の税率が適用されます。
公益法人等や人格のない社団等は、収益事業から生じた所得のみが課税対象です。年800万円以下は15%(本則19%)、800万円超は23.2%で、普通法人と同じ税率構造になります。収益事業以外の所得は非課税です。
中小法人の税率は、所得800万円を境に15%から23.2%に跳ね上がります。この8.2%の差は大きく、年間800万円の所得であれば120万円で済む法人税が、801万円になった途端に800万円×15%+1万円×23.2%=約120.2万円になります。境界を1万円超えても影響は軽微ですが、「800万円以内に収める」意識は節税の出発点です。
💡 実務のポイント
所得が800万円をやや超える見込みの場合、決算前に経営者向けの小規模企業共済の掛金増額(個人側の所得控除)や、40万円未満の少額減価償却資産の即時償却(令和8年度改正で上限引上げ)を検討するのが実務のセオリーです。ただし、節税ありきで不要な出費をするのは本末転倒なので注意してください。
法人税率と所得税率のバランスを考え、役員報酬の金額を調整するのは中小企業の定番の節税策です。法人に利益を残せば23.2%の法人税がかかり、役員報酬として受け取れば所得税+住民税+社会保険料がかかります。
この最適解は、法人の課税所得と経営者個人の所得控除額によって変わるため、一概に「いくらが正解」とは言えません。役員報酬の設計については「役員報酬の基礎知識と決め方」で詳しく解説しています。
資本金を1億円以下に減資して中小法人の軽減税率を適用しようとする「減資節税」は、近年の税制改正で対象範囲が絞られています。令和6年度改正で、前事業年度に外形標準課税の対象だった法人が資本金を1億円以下に減資しても、資本金と資本剰余金の合計が10億円を超える場合は外形標準課税が継続される措置が導入されました。
前事業年度の確定法人税額が20万円を超えた場合、中間申告が必要です。実務で見かけるミスとして、「前期は赤字だったから中間申告は不要だろう」と思い込んでいたが、繰越欠損金控除前の法人税額では20万円を超えていたケースがあります。防衛特別法人税の中間申告は2027年4月1日以後に開始する事業年度から必要になるので、こちらも忘れないようにしましょう。
事業計画で「法人税率は23.2%」とだけ計算していると、住民税・事業税を含めた実際の税負担と10%近く乖離します。銀行への融資申請資料や事業計画書では、必ず実効税率ベースで計算してください。
減価償却の活用による課税所得のコントロールについては「減価償却の基礎知識と耐用年数」も参考になります。
📋 この記事のポイント
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