【行政書士が解説】就労ビザの申請手続き|在留資格認定証明書と変更許可の違い・必要書類・流れ

監
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
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就労ビザの申請手続き|在留資格認定証明書と変更許可の違い・必要書類・流れ
外国人を採用する企業担当者に向けて、就労ビザの申請手続きを3パターン別に解説します。この記事を読めば、海外からの新規採用・国内在住者の切替・既存社員の更新の使い分けと、企業カテゴリー別の必要書類が判断でき、書類不備による不許可を避けられます。
🏆 結論:就労ビザの申請は3パターンのいずれかを選ぶ。海外在住者なら認定証明書、留学生切替なら変更許可、既存社員の更新なら更新許可
就労ビザの手続きは、採用するケースにより「在留資格認定証明書交付申請」「在留資格変更許可申請」「在留期間更新許可申請」の3種類に分かれます。海外から呼び寄せるなら認定証明書交付申請(標準処理期間1〜3か月)、日本にいる留学生などを採用するなら変更許可申請(2週間〜2か月)、既に就労ビザを持つ社員の期限切れ前の更新なら更新許可申請(2週間〜1か月)です。提出書類は企業規模によりカテゴリー1〜4に分類され、中小企業の多くはカテゴリー3で源泉徴収票等の法定調書合計表が必須書類となります。
就労ビザの申請手続き3パターンの全体像
外国人を雇用する際の就労ビザ手続きは、本人の所在地・現在の在留資格・雇用関係の有無により以下の3パターンから選択します。
| 申請の種類 |
対象者 |
標準処理期間 |
印紙代 |
| 在留資格認定証明書交付申請(COE) | 海外在住者を呼び寄せる場合 | 1〜3か月 | 無料 |
| 在留資格変更許可申請 | 日本在住の留学生新卒採用・他資格からの切替 | 2週間〜2か月 | 6,000円 |
| 在留期間更新許可申請 | 既存の就労ビザ所持者の期限切れ前の更新 | 2週間〜1か月 | 6,000円 |
💡 行政書士の視点
日本在住の留学生が卒業後に就職する場合は「変更許可申請」、海外の大学院を卒業した新卒を本国から呼ぶ場合は「認定証明書交付申請」と、同じ「新卒採用」でも手続きの種類が異なります。在留資格の選択を誤ると書類の再提出で数週間のロスになるため、採用初期段階で本人の在留状況を必ず確認してください。
【パターン1】在留資格認定証明書交付申請(海外在住者の呼び寄せ)
全体の流れ(5ステップ)
- ステップ1:企業が地方出入国在留管理局へ申請
受入企業が代理人として、勤務予定地を管轄する出入国在留管理局に在留資格認定証明書交付申請書を提出します。
- ステップ2:入管で審査(1〜3か月)
業務内容と本人の学歴・経験の関連性、企業の事業継続性が審査されます。
- ステップ3:認定証明書が企業に送付される
審査結果が郵送で通知され、許可なら在留資格認定証明書(COE)が交付されます。
- ステップ4:企業が本人へCOEを郵送→本人が現地日本大使館でビザ申請
本人が現地の日本大使館・領事館でビザ(査証)申請を行い、通常5営業日以内に発給されます。
- ステップ5:本人が日本に上陸→空港で在留カード交付
COE発行日から3か月以内に日本に入国します。成田・羽田・関空・中部・福岡・新千歳の6空港では上陸時に在留カードが即日交付されます。
必要書類(技術・人文知識・国際業務の場合)
認定証明書交付申請の書類は、企業カテゴリーによって大きく変わります。まずすべての企業に共通する書類は以下のとおりです。
- 在留資格認定証明書交付申請書(1通)
- 写真(縦4cm×横3cm、3か月以内に撮影、1葉)
- 返信用封筒(簡易書留用切手404円貼付)
- 雇用契約書または労働条件通知書の写し
- 申請理由書・採用理由書
本人に関する書類(カテゴリーによって要否変動):
- 大学等の卒業証明書(学歴で要件を満たす場合)
- 在職証明書・実務経験証明書(実務経験で要件を満たす場合)
- パスポート身分ページのコピー
- 履歴書
⚠️ COEの有効期限に注意
在留資格認定証明書は発行日から3か月以内に本人が日本に入国しないと失効します。本国でのビザ申請・渡航準備・住居手配に時間がかかる場合は、COEを受け取ってから速やかに本人に郵送する必要があります。航空券手配・入国時期を逆算してスケジュールを組んでください。
【パターン2】在留資格変更許可申請(国内在住者の切替)
全体の流れ(4ステップ)
- ステップ1:本人または代理人が居住地管轄の入管へ申請
本人の現在の住居地を管轄する出入国在留管理局に変更許可申請書を提出します。企業の申請取次が認められているケースを除き、原則本人申請です。
- ステップ2:入管で審査(2週間〜2か月)
留学生の新卒採用の場合、3〜4月の繁忙期は処理期間が延びる傾向があります。
- ステップ3:結果通知ハガキ受領→入管で手数料6,000円納付・新在留カード受領
許可の場合、本人が結果通知ハガキを受け取り、入管窓口で印紙6,000円を納付して新しい在留カードを受領します。
- ステップ4:所属機関への届出
本人は新しい所属機関(企業)に関する届出を14日以内に入管へ行います。
留学生新卒採用の特例
4月入社の留学生は、「留学」から就労系在留資格への変更申請を前年12月1日から受付開始します。申請が集中する1〜2月は処理期間が延びるため、内定通知の段階で本人の学業終了時期を確認し、12月中の申請を推奨します。
🔷 社労士の視点
在留資格変更の審査中に在留期限が切れる場合は「特例期間」として最大2か月間は現在の在留資格のまま活動できます。ただし、新しい就労系在留資格の許可が出るまでは、留学の資格外活動で認められる週28時間を超える就労はできません。入社時期と在留期限のズレがある場合は、労働条件通知書の「就業開始日」を在留カード交付日に合わせる運用が安全です。
【パターン3】在留期間更新許可申請(既存社員の更新)
全体の流れ(3ステップ)
- ステップ1:在留期限の3か月前から申請可能
本人または申請取次者が、居住地管轄の入管に更新許可申請書を提出します。
- ステップ2:入管で審査(2週間〜1か月)
雇用関係の継続性・業務内容の変更がないかが審査されます。転職後の初回更新は新規採用と同等の書類が必要です。
- ステップ3:結果通知→新在留カード受領(手数料6,000円)
更新申請の必要書類(カテゴリー3企業の場合)
- 在留期間更新許可申請書(1通)
- 写真(縦4cm×横3cm)
- パスポート・在留カードの提示
- 直近1年の住民税課税証明書・納税証明書(市区町村発行)
- 在職証明書
- 源泉徴収票または給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(企業発行分)
⚠️ 更新忘れによるオーバーステイの危険
在留期限を1日でも過ぎるとオーバーステイ(不法残留)となり、退去強制・再入国制限の対象です。企業側も不法就労助長罪(入管法第73条の2、3年以下の懲役または300万円以下の罰金)に問われるリスクがあります。従業員台帳に在留期限を記録し、期限の3か月前にアラートを出す仕組みを社内で構築してください。
企業カテゴリー1〜4|書類差を決定する分類
技術・人文知識・国際業務など主要な就労系在留資格の申請では、受入企業の規模・信頼度に応じて4つのカテゴリーに分類され、提出書類に差が生じます。
| カテゴリー |
該当する企業・団体 |
書類の量 |
| 1 | 上場企業、保険業を営む相互会社、国・地方公共団体、独立行政法人、認定NPO法人、公益法人、一定の外国法人 | 最少(四季報の写し等のみ) |
| 2 | 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上の団体・個人 | 少 |
| 3 | 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く) ※多くの中小企業が該当 | 中 |
| 4 | カテゴリー1〜3のいずれにも該当しない団体・個人(新設法人・設立初年度等) | 最多 |
カテゴリー別の必要書類の差
カテゴリーが若いほど書類が簡素化され、審査も早期化する傾向があります。中小企業の多くが該当するカテゴリー3では、以下の企業書類が必要です。
- 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のある写し)
- 登記事項証明書
- 会社案内・事業内容を説明する資料(パンフレット・ホームページ印刷等)
- 決算書の写し(直近1期分)
新設法人・設立初年度のカテゴリー4では、上記に加えて事業計画書・決算見込み書・株主資本金の出所を示す資料など、事業の実在性・継続性を証明する書類が追加されます。
🧮 カテゴリー別の審査期間の目安
カテゴリー1:約2〜4週間
カテゴリー2:約3〜6週間
カテゴリー3:約4〜8週間
カテゴリー4:約2〜3か月(場合によりさらに長期化)
※カテゴリー4は新設法人のため事業の継続性が厳しく審査され、追加書類の要請も多い傾向があります。
申請先と申請方法|オンライン化の進展
紙申請と地方出入国在留管理局
従来の紙申請は、勤務予定地または本人の住居地を管轄する地方出入国在留管理局の窓口または郵送で行います。全国主要都市(東京・名古屋・大阪・札幌・仙台・広島・高松・福岡)に本局があり、その他の道府県にも支局・出張所が設置されています。
オンライン申請(在留申請オンラインシステム)
2022年3月からは、在留申請オンラインシステムの利用対象者が拡大され、企業の職員や取次行政書士も電子申請が可能となりました。申請の流れは以下のとおりです。
- 在留申請オンラインシステムの利用者情報登録(利用者情報登録票・承認申請)
- マイナンバーカードまたは電子証明書で認証
- 申請書類を電子ファイルで提出
- 審査完了後、結果通知が電子交付される
- 認定証明書の場合は郵送またはメール受領可能
オンライン申請のメリットは「入管窓口への往復が不要」「審査状況の進捗確認ができる」「複数人分の申請をまとめて提出できる」点です。ただし初回登録には2〜3週間を要し、書類の電子化準備も必要です。
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申請にかかる費用と期間の実例
費用の内訳
| 費用項目 |
金額 |
備考 |
| 認定証明書交付申請の印紙代 | 0円 | 無料 |
| 変更許可・更新許可の印紙代 | 6,000円 | 許可後に窓口納付 |
| 本国でのビザ申請手数料 | 3,000〜6,000円相当 | 国籍により変動 |
| 行政書士報酬(認定証明書) | 10〜20万円 | 案件難易度により変動 |
| 行政書士報酬(変更許可) | 8〜15万円 | — |
| 行政書士報酬(更新許可) | 3〜8万円 | — |
| 書類取得費用(住民票・卒業証明書等) | 1〜3万円 | 翻訳費用含む場合あり |
※実費はケースにより変動します。見積もりは行政書士にご相談ください。
3パターンの期間比較シミュレーション
📐 シミュレーション前提条件
- 受入企業:資本金1億円未満のカテゴリー3企業
- 本人:大卒、IT分野3年の実務経験者
- 在留資格:技術・人文知識・国際業務
| 項目 |
海外在住者(認定証明書) |
留学生切替(変更許可) |
既存社員(更新) |
| 書類準備期間 | 約1か月 | 約2週間 | 約1週間 |
| 入管審査期間 | 1〜3か月 | 2週間〜2か月 | 2週間〜1か月 |
| 本国ビザ申請・渡航期間 | 約3週間 | — | — |
| 合計目安 | 3〜5か月 | 1.5〜3か月 | 3〜5週間 |
採用計画では、入社日から逆算してこの期間を確保する必要があります。特に海外在住者の呼び寄せは最長5か月かかるため、内定から入社までに6か月を見込む企業が実務上多数です。
不許可になりやすいケースと対策
ケース1:学歴と業務の関連性不足(技人国)
最多の不許可理由です。文系学部卒業者を技術職として採用しようとすると、専攻と業務の関連性がないとして不許可になります。対策:雇用契約書の職務内容欄に、本人の学歴・経験と関連する業務を主要業務として明記。補助的な業務と主要業務の比率を明確化。
ケース2:受入企業の経営状態(カテゴリー3・4)
直近決算が2期連続赤字、設立初年度の新設法人では事業の継続性が疑われ不許可になるケースがあります。対策:事業計画書で売上の根拠・顧客リスト・運転資金の確保を説明。決算書と合わせて事業の実在性を示す資料を充実させる。
ケース3:給与水準が日本人より低い
入管法では「日本人が同種の業務に従事する場合の報酬と同等以上」が要件です。新卒・中途問わず、給与水準が市場相場より著しく低いと不許可リスクがあります。対策:就業規則の給与テーブルで同職同等級の日本人と同水準であることを示す。
ケース4:業務内容が単純労働に該当(技人国)
技人国では現場作業・接客業務・レジ打ちなどの単純労働に従事することはできません。対策:業務内容を「企画立案・マーケティング」「通訳翻訳を含む海外取引」など専門性が明確な記述にする。レストラン採用の場合は「店舗運営管理」「海外展開支援」などに位置付ける。
ケース5:留学生のアルバイト超過
留学時代に週28時間を超えてアルバイトしていた事実が発覚すると、就職時の変更申請で不許可になります。対策:採用時に本人のアルバイト履歴を確認。超過がある場合は事情説明書で改悛の意を示す。
💡 実務のポイント
弊所で2024〜2025年に扱った技人国の認定証明書案件のうち、不許可となった事例の約6割は「学歴と業務の関連性不足」が原因でした。申請前の段階で本人の卒業証明書・成績証明書と雇用契約書の業務内容を突き合わせ、関連性が弱い部分を雇用契約書の業務記述で補強することで許可率が大幅に向上します。不許可となった場合でも、入管で不許可理由を確認してから再申請する方法が可能です。
申請取次行政書士の活用|企業が外注する判断基準
行政書士に依頼するメリット
- 本人・企業が入管に行く必要がない(申請取次者が代理で書類提出)
- 書類不備による補正・差し戻しを回避できる
- 不許可リスクを事前診断できる
- 入管との事前相談・照会にも対応
- 日本語に不安のある本人への説明も任せられる
自社対応と行政書士依頼の判断基準
| 状況 |
自社対応可能 |
行政書士依頼を強く推奨 |
| カテゴリー1・2の企業、単純な更新申請 | ○ | — |
| カテゴリー3企業、留学生新卒の変更申請 | △ | 推奨 |
| 海外在住者の認定証明書交付申請 | — | ○ |
| カテゴリー4の新設法人 | — | ○ |
| 業務内容と学歴の関連性が微妙な場合 | — | ○ |
| 一度不許可になった案件の再申請 | — | ○ |
よくある質問
認定証明書の交付申請と変更許可申請、どちらを使えばいいですか?
本人が海外在住なら「認定証明書交付申請」、日本にいて別の在留資格(留学・家族滞在等)を持っているなら「変更許可申請」です。本人の現在の所在地と在留カードの有無で判断してください。
申請の途中で企業情報や雇用条件が変わった場合はどうなりますか?
審査中に給与額・職務内容・就業場所が変わる場合は、速やかに入管に追加書類を提出します。審査完了後の変更は再申請が必要です。入社直前の条件変更は絶対に避けてください。
不許可になった場合、同じ内容で再申請できますか?
同じ内容での再申請は再び不許可となる可能性が高いです。不許可理由を入管で確認し、原因を解消した上で再申請する必要があります。学歴要件で不許可になった場合は雇用契約書の業務内容調整、企業の経営状態で不許可になった場合は事業計画書の充実化など、状況に応じた対策を講じます。
審査期間中に在留期限が切れた場合はどうなりますか?
変更許可・更新許可申請中に在留期限が切れた場合、最大2か月間の「特例期間」があり、現在の在留資格のまま活動継続が可能です。ただし新しい在留資格が許可されるまでは、現在の資格で認められた活動範囲を超えることはできません。
在留資格認定証明書(COE)が不交付となったら何か救済方法はありますか?
不交付処分に対しては行政不服審査法に基づく審査請求が可能ですが、実務では再申請で原因を解消する方が実用的です。入管で不交付理由を確認できますので、その内容を踏まえた追加資料を揃えて再申請します。
在留申請オンラインシステムで申請すれば審査が早くなりますか?
オンライン申請でも審査期間は紙申請と同じです。メリットは入管窓口への移動が不要なこと、進捗確認ができること、大量申請の一括処理ができることです。書類の電子化・事前登録に時間がかかるため、単発申請なら紙でも大差ありません。
転職した場合、前職の就労ビザはそのまま使えますか?
同じ在留資格の範囲内であれば転職は可能ですが、次回の更新申請では新しい所属機関の事業内容・雇用契約書が審査されます。また、本人は所属機関変更の届出を14日以内に入管へ行う義務があります。転職後の初回更新申請は新規採用と同等の書類が必要になるため、早めの準備を推奨します。
申請書類の外国語のものは翻訳が必要ですか?
はい、外国語で作成された書類には日本語訳文の添付が必要です。翻訳は本人または企業担当者が作成できますが、翻訳者の氏名・連絡先を明記します。公証役場の認証は必須ではありませんが、内容の信頼性が疑われそうな場合は認証を取得すると安全です。
📋 この記事のポイント
- 就労ビザの申請は「認定証明書交付」「変更許可」「更新許可」の3パターン
- 海外在住者の呼び寄せは認定証明書(無料・1〜3か月)
- 国内在住者の切替・更新は印紙代6,000円(2週間〜2か月)
- 企業カテゴリー1〜4で必要書類が大きく変わる。中小企業の多くはカテゴリー3
- カテゴリー3企業の必須書類は源泉徴収票等の法定調書合計表・登記事項証明書・決算書
- 不許可の最多原因は学歴と業務の関連性不足。雇用契約書の業務内容で補強する
- 海外在住者の呼び寄せは合計3〜5か月必要。採用計画に織り込む
- オンライン申請は審査期間は同じだが、窓口移動不要・進捗確認可能のメリット
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