【行政書士が解説】在留期間更新許可申請の手続きと必要書類|納税・住民税・期間延長のポイント

【行政書士が解説】在留期間更新許可申請の手続きと必要書類|納税・住民税・期間延長のポイント
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
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在留期間更新許可申請の手続きと必要書類|納税・住民税・期間延長のポイント

外国人社員の在留期限が近づいた企業担当者に向けて、更新許可申請の流れと必要書類を解説します。この記事を読めば、更新申請のタイミング、納税証明書・住民税課税証明書の取得方法、1年ビザから3年・5年への期間延長を勝ち取るポイントが具体的にわかります。

🏆 結論:更新許可申請は在留期限の3か月前から。納税状況が最大の審査ポイント

在留期間更新許可申請は、在留期限の満了日の3か月前から受付可能です。審査期間は2週間〜1か月、印紙代6,000円、最大の審査ポイントは「住民税・所得税の納税状況」と「雇用関係の継続性」の2点です。納税に未納があると不許可や在留期間短縮(1年のみ許可など)になるため、更新前に必ず納税状況を確認してください。更新時に1年から3年・5年への期間延長を狙うなら、納税・社会保険の完納、勤続年数、職責の高さを示す書類を追加提出することで通りやすくなります。

在留期間更新許可申請とは?対象者と申請タイミング

在留期間更新許可申請とは、現在の在留資格を変更せず、引き続き同じ活動を続けるために在留期間を延長する手続きです(入管法第21条)。更新申請は在留期限の3か月前から満了日当日まで受付可能です。

更新申請が可能な在留資格

原則としてすべての中長期在留者(在留カードが交付されている外国人)が対象です。ただし「短期滞在」(観光・商用等90日以下)からの更新は原則認められず、本国に一度帰国してからビザを取り直すのが一般的です。

💡 行政書士の視点

更新申請は余裕を持って「在留期限の2か月前」までに提出することを強く推奨します。申請後、期限日までに結果が出ない場合は「特例期間」で引き続き在留可能ですが、海外出張・帰国予定がある社員は特例期間中に出国すると再入国できないリスクがあります。1か月前を切った駆け込み申請は避けてください。

更新申請の基本的な流れ【6ステップ】

【ステップ1】在留期限の3か月前から準備開始

更新申請では過去1年分の住民税課税証明書・納税証明書が必須となるため、「所得金額のわかる資料」と「納税済みの証憑」を早めに揃えます。前職がある場合は前職の退職証明書・源泉徴収票も必要です。

【ステップ2】申請書類の作成・収集

申請書類は、本人が準備するもの(パスポート・在留カード・課税証明書等)と企業が準備するもの(登記事項証明書・決算書・法定調書合計表等)に分かれます。カテゴリー1・2企業は書類が簡素化されますが、カテゴリー3以下は通常10種類以上の書類を揃えます。

【ステップ3】居住地管轄の地方出入国在留管理局へ申請書提出

本人の住居地を管轄する入管に、窓口・郵送・オンラインのいずれかで申請書類を提出します。2022年3月から企業職員・申請取次行政書士もオンライン申請が可能となっています。

【ステップ4】入管で審査(2週間〜1か月)

審査中は書類の追加提出・質問状送付・本人への面接要請が行われることがあります。追加書類の要請から2週間以内に提出しないと不交付になる場合があるため、迅速に対応してください。

【ステップ5】結果通知はがき受領→窓口で6,000円納付・新在留カード受領

許可の場合、入管から本人宛に「通知はがき」が届きます。本人・取次者がはがき・旧在留カード・パスポート・印紙6,000円を持参して入管窓口に出頭し、新しい在留カードが即日交付されます。

【ステップ6】新住居地届出(住居変更がある場合)

転居した場合は、新住居地への転入から14日以内に市区町村役所で住民票の異動手続きを行います。企業側も雇用者の住所管理を徹底してください。

必要書類一覧【技術・人文知識・国際業務の場合】

更新申請の必要書類も、企業カテゴリー1〜4で差が生じます。中小企業の多くが該当するカテゴリー3を例に示します。

本人が準備する書類

書類名 取得先 注意点
在留期間更新許可申請書(1通)入管窓口・法務省ホームページ所属機関等作成用の部分は企業が記入
写真(縦4cm×横3cm、1葉)本人撮影3か月以内、無帽・無背景・正面
パスポート・在留カード本人所持窓口で提示(コピー提出可)
住民税の課税(又は非課税)証明書(直近1年分)住所地の市区町村役所毎年6月1日以降に発行
住民税の納税証明書(直近1年分)住所地の市区町村役所1年間の総所得金額・納税状況の全ての記載があるもの

企業が準備する書類(カテゴリー3)

書類名 取得先 注意点
前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のある写し)税務署(企業が提出済)カテゴリー3の判定に必須
在職証明書企業発行社名・役職・給与・勤続年数を明記
源泉徴収票(直近1年分、本人分)企業発行年末調整済みのもの

⚠️ 転職後の初回更新は書類が増える

転職後に初めて行う更新申請では、新規採用と同等の書類が必要です。新所属機関の登記事項証明書、法定調書合計表、決算書、雇用契約書、申請理由書などが追加で求められます。転職時期と在留期限が近い場合は、行政書士への依頼を強く推奨します。

納税証明書・住民税課税証明書の取得方法と落とし穴

更新申請で最も見落とされがちなのが「住民税・所得税の納税状況」です。未納や取得できない状況が不許可の直接原因となるため、取得手順を確実に押さえてください。

住民税の課税証明書・納税証明書

取得先は毎年1月1日時点で住民票があった市区町村役所です。1年の途中で引越した場合、元の市区町村に行く必要があります。前年分の証明書は毎年6月1日以降に発行可能です。

証明書の種類 記載内容 発行手数料
課税証明書年間の所得金額・住民税額1通300円前後
納税証明書住民税の納付済み額・未納の有無1通300円前後

6月1日前の更新タイミングへの対応

例えば5月に在留期限が切れる場合、前年分の証明書は前年6月1日以降に取得できますが、「最新の前年分」は当年6月1日以降でないと発行されません。こうした場合は以下のように対応します。

💡 実務のポイント

住民税の納税方法は「特別徴収(給与天引き)」と「普通徴収(自分で納付)」の2パターンがあります。企業が特別徴収している場合は未納になる可能性は低いですが、普通徴収の場合は本人の納付忘れで未納が発生することがあります。入社時から特別徴収に切り替えておくと、更新申請時の納税証明書に「未納なし」と確実に記載されるため、実務上のリスクが大きく下がります。

不許可になりやすい5パターンと対策

パターン1:住民税・所得税の未納

最も致命的な不許可理由です。納期限到来後も未納がある場合、更新不許可または在留期間を1年に短縮される可能性が高まります。対策:更新申請前に必ず納税状況を確認し、未納があれば完納してから証明書を取得する。追納時の延滞金も完納してください。

パターン2:雇用関係の変更・失業

申請時点で失業している、または在職期間が極端に短い場合、在留継続の合理性が疑われます。対策:失業期間が短ければ次の就職先の内定書・雇用契約書を提出。失業期間が3か月を超える場合は「出国準備」の特定活動に切り替えを検討。

パターン3:勤務実態と在留資格の活動範囲の乖離

技人国で許可を受けた外国人が単純労働を行っている場合、次回更新で不許可になります。対策:企業側が業務内容を適切に管理し、資格外活動に該当する業務を外国人社員に担当させない。業務分担表・日報で業務実態を記録する。

パターン4:法令違反(交通違反含む)

重大な交通違反・犯罪歴があると素行要件に影響します。対策:該当事案がある場合は反省書・改悛の意を示す文書を添付する。

パターン5:所属機関変更届の未提出

転職後14日以内の所属機関変更届を怠っていると、更新審査でマイナス評価となります。対策:届出漏れに気づいたら速やかに届出を行い、申請書で事情説明する。

不許可になった場合の対応フロー

「お知らせ」封書を受領したら不許可の可能性大

更新不許可の場合、許可の際の「通知はがき」ではなく、「お知らせ」と書かれた封書が本人宛に郵送されます。封書には「入管に出頭する日時」と「現金4,000円を持参する旨」が記載されており、不許可であることの明示はありませんが、慣行上この書式が不許可通知です。

入管出頭時の選択肢

入管担当官から不許可理由の説明を受けた後、以下のいずれかを選択します。

  1. 「出国準備」の特定活動への変更許可申請:通常1〜3か月の出国準備期間が付与される。就労は原則不可
  2. 再申請:不許可理由を解消した上で再度更新許可申請を行う
  3. 変更許可申請:別の在留資格(家族滞在・日本人の配偶者等)に切り替え可能な場合

📢 特例期間について

在留期限満了日までに更新申請を受理された場合、処分(結果通知)が出るまでまたは満了日から2か月が経過する日のいずれか早い日まで、従前の在留資格で在留・就労を継続できます(入管法第21条第4項)。特例期間は就労系在留資格であれば引き続き同じ業務で就労可能ですが、海外出張等で出国すると再入国不可となるため要注意です。

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1年ビザから3年・5年への期間延長を狙うポイント

更新時は現在の在留期間と同じ期間で更新するのが一般的ですが、本人の在留状況が良好であれば、より長い期間(1年→3年、3年→5年)が許可される可能性があります。企業・本人の双方に以下のメリットがあります。

期間延長を通しやすくする3つの方法

  1. 納税・社保の完納を明示:過去3〜5年分の納税証明書を自主的に提出し、安定した納税実績を示す
  2. 勤続年数・職責を示す書類を追加:昇進通知書・昇給通知書・業務責任の説明書
  3. 申請理由書で長期在留の合理性を説明:継続的な業務従事の必要性・将来計画を具体的に記述

🧮 期間延長の実務的な目安

初回更新で1年→3年:勤続3年以上・納税完納・役職あり
初回更新で3年→5年:勤続5年以上・管理職・配偶者家族帯同あり
1年ビザが継続する主因:納税未納・転職直後・業績不安定な企業・勤続1年未満
実務上、1年→1年が継続している場合は何らかの懸念点があると判断されます。

更新申請のスケジュール管理|企業担当者向けチェックリスト

6か月前〜3か月前

3か月前〜1か月前

1か月前〜期限日

🔷 社労士の視点

外国人社員の入社時から、給与明細・源泉徴収票・住民税特別徴収切替を標準プロセスに組み込むと、更新申請時の書類準備が大幅に楽になります。弊所では、外国人採用時のオンボーディング項目に「住民税特別徴収の申請」「毎年6月の住民税決定通知書の本人説明」を入れることを推奨しています。これを怠ると、社員本人が住民税の納付を忘れて未納となり、更新時に不許可や期間短縮になるリスクが高まります。

よくある質問

在留期限のどのくらい前から申請できますか?
在留期限の3か月前から満了日当日まで申請可能です。実務上は期限の2か月前までに申請を完了することが強く推奨されます。期限1か月前を切ってから申請すると、書類不備の補正時間が足りず、特例期間中に出国できないなどのリスクが生じます。
更新申請は本人が入管に行く必要がありますか?
申請書の提出は、本人のほか、地方出入国在留管理局長から申請等取次の承認を受けた行政書士・企業職員等が代理可能です。ただし許可後の新在留カード受領は原則本人出頭が必要です。オンライン申請なら受領を郵送にすることも可能になりました。
住民税の未納があっても更新は可能ですか?
未納がある状態では更新不許可または在留期間短縮(1年のみ許可)のリスクが高いです。更新申請前に必ず納付を完了し、改めて納税証明書を取得してください。延滞金も含めた完納が必要です。
転職直後の更新申請は不利ですか?
転職後3か月以上勤続していれば、新所属機関の書類を揃えた上で通常通り申請できます。転職後1か月未満の申請は雇用関係の継続性が疑われる場合があるため、前職の退職証明書・新職の雇用契約書・入社理由書を充実させてください。
在留期間が1年から3年になるにはどうすればいいですか?
実務的には、同一企業での勤続3年以上・納税と社会保険の完全な完納・役職の上昇・家族帯同状況などが評価ポイントです。3年以上の期間を希望する旨を申請書の希望在留期間欄に明記し、理由書で長期勤続の予定と業務の継続性を説明します。
在留期間の更新で不許可になったら日本から出なくてはいけませんか?
即時強制退去にはなりませんが、通常「出国準備」の特定活動(在留期間30〜90日)への変更を求められます。その期間内に出国するか、別の在留資格への変更申請を行うか、再度更新申請をするかの選択になります。
オンライン申請と窓口申請で審査期間は違いますか?
公式にはどちらも審査期間は同じとされています。実務上はオンライン申請の方が進捗確認ができ、追加書類要請への対応が迅速にできる点で若干有利です。ただし初回利用には利用者情報登録(2〜3週間)が必要なため、単発申請なら窓口申請で十分です。
更新の際に今までの職場と違う仕事をしたい場合はどうすればいいですか?
同じ在留資格の範囲内であれば転職は可能です。範囲外の業務(例:技人国→介護)になる場合は「在留資格変更許可申請」となり、更新とは別の手続きです。新職場での業務内容が現在の在留資格の範囲内か、事前に行政書士や入管に相談してください。
家族(配偶者・子)の家族滞在も同時に更新できますか?
家族滞在の在留期限は本人(扶養者)の在留期限と連動します。本人の更新と同時に家族の更新申請も行うのが一般的です。家族1人あたり別の申請書と証拠書類(婚姻証明書・出生証明書等)が必要で、印紙代も6,000円×人数分かかります。
新在留カード受領時に必要な持ち物は何ですか?
通知はがき、旧在留カード、パスポート、収入印紙6,000円(窓口で購入可能)の4点が必要です。本人出頭が原則ですが、申請取次者による代理受領が認められるケースもあります。オンライン申請の場合は郵送受領も可能です。

📋 この記事のポイント

  • 更新申請は在留期限の3か月前から満了日まで受付可能
  • 審査期間2週間〜1か月、印紙代6,000円
  • 住民税課税証明書・納税証明書は取得市区町村と発行時期に注意
  • 未納は不許可・期間短縮の直接原因。更新前に必ず完納を確認
  • 転職後の初回更新は新規採用と同等の書類が必要
  • 1年→3年への期間延長には勤続実績・納税完納・役職の証明書類を追加
  • 申請中に期限が切れても最大2か月の特例期間で就労継続可能(出国すると再入国不可)
  • 不許可時は「お知らせ」封書で通知。出国準備への変更か再申請を選択

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