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特定技能ビザの取得要件と受入れ手続き|16分野の対象業種と実務の流れ
人手不足の解消に特定技能外国人の採用を検討する企業向けに、受入企業の要件と具体的な手続きを解説します。この記事を読めば、16分野の対象業種、雇用契約の要件、1号支援計画の作成方法、登録支援機関の活用判断が具体的にわかります。


人手不足の解消に特定技能外国人の採用を検討する企業向けに、受入企業の要件と具体的な手続きを解説します。この記事を読めば、16分野の対象業種、雇用契約の要件、1号支援計画の作成方法、登録支援機関の活用判断が具体的にわかります。
🏆 結論:特定技能の受入れは「16分野の該当確認→受入機関要件の整備→支援計画作成→入管申請」の4段階。1号は約8割の企業が登録支援機関に委託
特定技能ビザは人手不足が深刻な16分野で外国人を受け入れる制度で、技人国と違い大卒要件がなく、分野別の技能試験と日本語試験に合格すれば採用できます。受入企業(特定技能所属機関)には、日本人同等の報酬・社会保険加入・1号特定技能外国人支援計画の作成・実施が義務付けられます。支援業務は自社対応・登録支援機関への委託のいずれかを選択でき、約8割の企業が委託を選びます。在留資格申請から入社まで通常3〜6か月、登録支援機関の手数料は月額2〜5万円/人が相場です。
特定技能は、人手不足の特定産業分野で一定の技能を有する外国人を即戦力として受け入れるために2019年4月に創設された在留資格です(出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表、及び入管法第2条の5第3項)。2024年3月の閣議決定で対象分野が16に拡大され、2024年12月末時点で約28万人が在留しています。
| 項目 | 特定技能1号 | 技能実習 | 技人国 |
|---|---|---|---|
| 目的 | 人材確保 | 技能移転(国際貢献) | 専門的・技術的分野の労働 |
| 対象職種 | 16分野 | 90職種165作業 | ホワイトカラー全般 |
| 学歴 | 不問(技能試験合格) | 不問 | 大卒または実務10年以上 |
| 転職 | 同一分野内で可能 | 原則不可 | 同一在留資格の範囲で可 |
| 在留期間上限 | 通算5年 | 最大5年(1号3号計) | 更新無制限 |
| 家族帯同 | 不可(2号は可) | 不可 | 可 |
2024年3月の閣議決定により、特定技能1号の対象分野は16に拡大されました。
💡 行政書士の視点
「特定技能の16分野に該当するか」を判断する際には、業種だけでなく具体的な業務区分の確認が必要です。例えば外食業の「飲食物調理」「接客」「店舗管理」は対象ですが、店舗で行う洗い場の補助作業が主業務になる場合は、業務区分を超えて単純労働と判定される恐れがあります。弊所では、受入企業の求人票と業務内容を精査し、該当区分に収まる形で業務設計することから支援を開始します。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 技能水準 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
| 試験 | 分野別技能試験+日本語試験(JFT-Basic または JLPT N4以上) | 熟練技能試験(一部分野のみ日本語試験) |
| 在留期間 | 1年・6か月・4か月(通算5年まで) | 3年・1年・6か月(更新無制限) |
| 家族帯同 | 不可 | 可(配偶者・子) |
| 対象分野 | 16分野 | 11分野(介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業除く) |
| 支援計画 | 必須 | 不要 |
| 永住権への道 | 間接的(2号経由で可能) | 要件満たせば可能 |
介護分野は1号のみで、2号の対象ではありません。ただし介護福祉士の国家資格を取得すれば、在留資格「介護」に移行して無期限で就労できるルートが設けられています。
特定技能外国人を雇用する企業は、入管法上「特定技能所属機関」と呼ばれ、入管法第2条の5第3項・第4項および特定技能の基準省令に基づく以下の要件をすべて満たす必要があります。
⚠️ 日本人と同等の報酬は「業界水準」ではなく「自社水準」
「日本人と同等額以上の報酬」とは業界平均ではなく、自社内で同じ業務に従事する日本人従業員の給与と比較します。就業規則・給与テーブル・同職日本人の給与明細が証憑として求められるため、採用前に社内の給与体系を整備する必要があります。同職の日本人がいない場合は、業界賃金統計・最低賃金の1.3倍以上などが目安となります。
1号特定技能外国人を雇用する受入企業は、支援計画を作成し、計画に基づく支援の実施が義務付けられています。支援計画の必須項目は10項目です。
🔷 社労士の視点
支援計画10項目の中でも、実務上頻繁にトラブルになるのが「相談・苦情対応」と「定期的な面談」です。日本人と同じ社内連絡体制で対応すると、言語・文化の違いから苦情が可視化されず、後に重大な労務問題(未払い残業代請求・ハラスメント告発等)に発展することがあります。入社時から母国語対応窓口を明示し、月次の面談記録を残す運用を強く推奨します。
支援業務は自社で実施することも、登録支援機関に全部委託することもできます。実務では約8割の企業が登録支援機関に委託しています。
自社で支援計画を実施する場合、以下の要件を満たす必要があります。
| 費用項目 | 相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 初期費用(支援計画作成等) | 5〜15万円/人 | 初回採用時のみ |
| 月額支援費用 | 2〜5万円/人 | 継続的に発生 |
| 在留資格申請取次 | 10〜20万円/件 | 申請ごとに発生 |
| 年度更新時の対応 | 3〜10万円/人 | 更新時 |
※地域・登録支援機関により変動します。
16分野のどの業務区分で採用するか、受入予定人数、採用時期を決めます。分野によっては業界団体(協議会)への加入が必要です。
多くの分野で、受入企業は業界の分野別協議会に加入することが義務化されています。例えば建設業なら「建設技能人材機構(JAC)」、介護業なら「介護分野における特定技能協議会」への加入が必要です。
自社支援か登録支援機関委託かを決定し、委託の場合は登録支援機関と支援委託契約を締結します。登録支援機関は出入国在留管理庁のホームページで公開されている登録簿から選びます。
以下のいずれかのルートで候補者を募集します。
日本人と同等以上の報酬、社会保険加入、業務区分に適合する業務内容を明記した雇用契約書を作成します。
10項目の支援計画を具体的に作成します。登録支援機関に委託する場合は同機関が作成を代行します。
海外在住者の場合は在留資格認定証明書交付申請、日本在住者(技能実習2号修了者等)の場合は在留資格変更許可申請を行います。審査期間は2〜3か月です。
在留資格認定証明書が交付されたら本人が現地日本大使館でビザ申請・取得、入国後は事前ガイダンス・生活オリエンテーションを実施して就労開始します。
AYUSAWA PARTNERS
特定技能外国人の受入れ相談は鮎澤パートナーズへ
初回相談無料。行政書士・社労士・税理士がワンストップで、受入機関要件の整備から支援計画作成、入管申請、雇用契約・社会保険加入まで支援します。
鮎澤パートナーズに相談する2024年6月に改正入管法が成立し、技能実習制度に代わる「育成就労制度」が2027年4月1日から施行されます。育成就労は「人材育成・人材確保」を目的とし、原則3年間で特定技能1号への移行を前提とした制度設計です。
| ステージ | 期間 | 習得要件 |
|---|---|---|
| 育成就労 | 3年 | 日本語N5→N4、技能検定基礎級→随時3級 |
| 特定技能1号 | 通算5年 | 分野別技能試験+JLPT N4以上 |
| 特定技能2号 | 更新無制限 | 熟練技能試験合格 |
特定技能は19分野ですが、育成就労は17分野(航空・自動車運送業を除く)となります。2027年3月までに入国済みの技能実習生は現行制度で継続可能ですが、それ以降の新規採用は育成就労ルートに切り替わります。
| 届出の種類 | 頻度 | 届出先 |
|---|---|---|
| 受入れ困難に係る届出 | 発生日から14日以内 | 出入国在留管理庁 |
| 雇用契約の変更に係る届出 | 変更日から14日以内 | 出入国在留管理庁 |
| 定期届出(受入活動状況) | 四半期ごと | 出入国在留管理庁 |
| 外国人雇用状況届出 | 雇用・離職時 | ハローワーク |
届出漏れは受入機関基準違反となり、今後の受入れ停止・受入資格の取消対象となります。登録支援機関に委託している場合は届出も代行してもらえますが、最終責任は受入企業にあります。
残業代未払い、就業規則未整備、安全衛生法違反等が発覚すると受入機関基準違反となります。対策:入社前に社労士と連携して就業規則・36協定・給与計算を整備し、最低賃金・割増賃金を確実に支払う。
例えば外食業で雇用した特定技能外国人に清掃・洗い場のみ担当させると、業務区分逸脱と判定されます。対策:業務区分の範囲内で日報・シフト表を記録し、業務実態を明確にする。
同職日本人と比較して報酬が明らかに低い場合は不許可・受入停止となります。対策:給与テーブル・日本人同職の給与明細を整備し、雇用契約締結時点で比較資料を作成する。
定期面談を実施していない、事前ガイダンスが形式的、相談窓口が機能していない場合は支援計画違反となります。対策:面談記録・ガイダンス実施記録を書面で残す。登録支援機関と連携して定期的に実施状況を点検。
⚠️ 受入機関基準違反のペナルティ
受入機関基準に違反すると、5年間は新規の特定技能外国人受入れができなくなります。また、既雇用の外国人についても契約解消・他社移籍を求められるケースがあります。違反の多くは「悪意」ではなく「知識不足」に起因するため、受入れ開始前に社内の労務・社保・税務体制を整備することが不可欠です。
📋 この記事のポイント
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