【税理士が解説】社労士の顧問料の相場|月額・スポット料金の比較と選び方

【税理士が解説】社労士の顧問料の相場|月額・スポット料金の比較と選び方
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。

社労士の顧問料の相場|月額・スポット料金の比較と選び方

社労士との契約を検討している経営者に向けて、従業員数別・業種別・依頼内容別の顧問料相場、月額とスポットの使い分け、費用対効果を最大化する選び方を完全ガイド。この記事を読めば、見積もり比較で損をしない判断ができます。

🏆 結論:従業員10名未満なら月額2〜3万円、50名超は8万円〜、顧問+スポットの使い分けが最適

社労士の顧問料は従業員数に連動し、10名未満で月2〜3万円、10〜19名で月4〜5万円、20〜49名で月5〜7万円、50名以上で月8〜10万円以上が目安。給与計算・就業規則作成は別料金(就業規則新規作成20〜30万円)のケースが多く見積もり時の注意点です。顧問契約は継続サポートに、スポット契約(算定基礎届4〜6万円、助成金5〜15万円)は単発業務に最適。業種別では飲食・小売は相場通り、建設業・製造業は8万円〜と高め。税理士との一括契約で月額20〜30%の割引が可能な事務所もあります。

社労士に依頼できる業務と費用体系の全体像

社会保険労務士(社労士)は、社会保険労務士法に基づく国家資格で、労働・社会保険に関する書類作成・提出代行、労務管理コンサルティング、給与計算などを専門とします。費用は「顧問契約(月額固定)」と「スポット契約(単発業務)」の2つに大別されます。

参考:e-Gov法令検索「社会保険労務士法」全国社会保険労務士会連合会

社労士の3つの業務分類

社労士の業務は、社労士法第2条で以下の3つに整理されています。

業務分類 内容 独占業務
1号業務労働社会保険諸法令に基づく書類作成・提出代行
2号業務帳簿書類の作成(就業規則、賃金台帳など)
3号業務労務管理・社会保険関係のコンサルティング×(他の資格でも実施可)

🔷 社労士の視点

実務でよく質問されるのが「顧問料の中に何が含まれているのか」です。弊所が労務顧問を担当する従業員30名のIT企業T社からは、当初他社の見積もりで「月額3万円」の安さに惹かれたものの、実は社保手続きが別料金で年間合計すると弊所の月額5万円プランより高くついたという経緯で切り替えに至りました。顧問料は「含まれる業務範囲」とセットで比較することが最重要ポイントです。

従業員数別の顧問料相場【一覧表】

社労士の顧問料は、従業員数を基本として決まります。以下は業界相場の目安です。

従業員数 月額顧問料の相場 年額換算 主な含有業務
1〜4名20,000円〜30,000円24〜36万円簡易な社保手続き・労務相談
5〜9名30,000円〜40,000円36〜48万円社保手続き・月次相談
10〜19名40,000円〜50,000円48〜60万円社保手続き・労務相談・算定/月変
20〜29名50,000円〜60,000円60〜72万円上記+年度更新
30〜49名60,000円〜80,000円72〜96万円上記+労務コンサル
50〜99名80,000円〜120,000円96〜144万円上記+人事戦略支援
100名以上120,000円〜144万円〜上記+コンプライアンス対応

※相場は事務所規模・業種・地域により上下あり。大都市圏と地方で1〜2割の差がある場合も

業種別の顧問料相場

業種によって労務管理の複雑さが異なるため、顧問料にも差が生じます。

業種 顧問料水準 特殊事情
IT・サービス業標準フルリモート対応・みなし残業制度
小売・飲食業標準パート・アルバイト比率高め、シフト管理
建設業標準の1.2〜1.5倍労災対応が複雑、建設業労災加入
製造業標準の1.1〜1.3倍安全衛生管理・有害業務対応
運送業標準の1.2〜1.4倍改善基準告示対応、2024年問題
医療・介護標準の1.2〜1.3倍夜勤対応、介護保険連動
外資系標準の1.5〜2倍英語対応、複雑な就業規則

スポット契約の料金相場【業務別】

顧問契約を結ばず、必要な時だけ業務を依頼する「スポット契約」の料金相場です。

業務内容 スポット料金相場 備考
新規適用(社保加入手続き)30,000〜60,000円事業所の新規社保加入
算定基礎届(7月)40,000〜60,000円従業員10名超の場合相場上がる
月額変更届10,000〜20,000円1件あたり
労働保険年度更新(6月)30,000〜60,000円業種により変動
就業規則 新規作成200,000〜300,000円規模・業種による
就業規則 変更50,000〜150,000円変更範囲による
36協定届作成30,000〜50,000円事業所別に作成
助成金申請代行着手金5万+成功報酬10〜20%助成金額により変動
給与計算代行(月額)基本料10,000円+1名500〜1,000円50名で約4〜6万円/月
労務トラブル相談10,000〜30,000円/時間対面・訪問で変動
労基署対応・是正勧告100,000〜500,000円事案の複雑度による

顧問契約 vs スポット契約【メリット・デメリット比較】

項目 顧問契約 スポット契約
料金形態月額固定依頼内容ごとに個別見積もり
相談対応いつでも可(月額内)都度発生
知識の蓄積会社の特性を継続的に把握都度ヒアリングが必要
年間コスト高い傾向(ただし安心料込み)依頼頻度次第で安い
緊急時対応迅速受任・見積もりから時間を要す
労務トラブル予防定期的な見直しで予防発生後の事後対応中心
向いている会社従業員10名超、頻繁な異動あり5名以下、異動少ない

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顧問料に含まれる業務の範囲【要確認ポイント】

月額顧問料の金額だけで比較すると、業務範囲の違いで実質コストが大きく変わることがあります。契約前に確認すべきポイントは以下の通りです。

顧問料に含まれることが多い業務

  • 月次の労務相談(月1回程度の打ち合わせ)
  • 入退社に伴う社会保険・雇用保険手続き(月2〜3件まで等)
  • 軽微な労務相談(メール・電話)
  • 法改正情報の提供

別料金となることが多い業務

  • 給与計算(1名あたり500〜1,500円/月の追加)
  • 就業規則の新規作成・抜本的改定
  • 算定基礎届・労働保険年度更新(顧問料内の事務所と別料金の事務所あり)
  • 助成金申請代行(成功報酬型が主流)
  • 労基署の臨検対応
  • 労務トラブル・解雇問題の長期コンサル
  • 人事評価制度の設計

⚠️ 注意:見積もり時は「業務範囲リスト」を必ず確認

同じ「月額5万円」でも、事務所Aは算定基礎届込みで実質年間60万円、事務所Bは別料金で年間70万円以上になるケースがあります。社労士事務所の公式見積書には必ず「含む業務」「含まない業務」「追加料金の条件」が明記されています。不明点は口頭確認に留めず、メール等で文書化しておくことがトラブル予防になります。

社労士の選び方【5つの判断基準】

基準1:得意分野と自社業種の一致

社労士事務所には得意分野があります。建設業専門、医療・介護専門、外資系対応など、自社業種と実績のある事務所を選ぶと効率が上がります。事務所のウェブサイトで「対応業種」「顧客数」を確認します。

基準2:料金体系の明瞭さ

「一式〇〇円」ではなく、含有業務・追加条件・スポット料金が細かく明示されている事務所を選びます。オプション料金が不透明な事務所は後のトラブルが多いです。

基準3:コミュニケーションの相性

社労士とは日常的に相談する関係です。説明のわかりやすさ、回答の早さ、人柄の相性を面談で確認します。初回相談は無料の事務所が多いため、2〜3社比較することをおすすめします。

基準4:電子化・DX対応度

電子申請やクラウド連携(SmartHR、freee、MF等)に対応しているかは、労務業務の効率に直結します。スマホ連動アプリ提供や、e-Gov活用のノウハウも重要なチェックポイントです。

基準5:他士業との連携体制

税理士・行政書士・弁護士との連携がスムーズだと、会社全体の士業対応が効率化されます。ワンストップ事務所、または近隣士業とネットワークのある事務所が便利です。

顧問料を抑える4つの工夫

工夫1:税理士事務所とのセット契約

📊 税理士の視点:税務×労務のセット契約でコストダウン

工夫2:部分委託+自社処理のハイブリッド

給与計算は自社で処理し、社保手続きと労務相談のみ社労士に委託する「ハイブリッド型」。給与計算分(月1.5〜3万円)を自社処理にすれば大幅なコストダウンが可能です。

参考:厚生労働省「労働基準関係法令」

工夫3:クラウドソフト併用で作業時間を削減

SmartHR・freee人事労務などのクラウドソフトを併用すると、社労士側の作業時間が減り、顧問料の値引き交渉がしやすくなります。月額数千円のクラウド費用で、社労士料金を月1〜2万円下げられるケースもあります。

工夫4:スポット契約の積極活用

従業員数が少なく手続き頻度が低い場合、顧問契約ではなくスポット契約の方が安くつきます。年間の社保手続きが5〜10件程度なら、スポット積み上げの方が顧問料総額より安くなることも多いです。

社労士と税理士の違い【どちらに何を依頼するか】

社労士と税理士は業務範囲が重なる部分もあり、混同されがちです。両士業の住み分けを明確にしておくと、依頼先の判断がスムーズになります。

業務 社労士 税理士
税務申告(法人税・所得税)×
社会保険手続き×
労働保険・雇用保険手続き×
給与計算
年末調整
就業規則作成×
助成金申請×
補助金申請
労務相談×

よくある失敗事例と対策

失敗事例1:安さだけで選んで業務の質が低い

月額2万円の激安事務所を選んだら、月1回の訪問もなく、相談の回答も翌週になる事例。顧問料の下限は「まともなサービス提供には月3万円〜」が目安。相場より著しく安い事務所は要注意です。

失敗事例2:業務範囲の確認不足で想定外の追加料金

「算定基礎届」「年末調整用資料作成」「入退社手続きが月3件超」など、含有業務の範囲外になる業務が多発し、実質コストが月10万円近くになったケース。契約前の業務範囲シートで明文化します。

失敗事例3:法改正対応が遅く違法状態に

「2024年4月からの労基法改正」「育児介護休業法改正」などに情報提供が遅く、就業規則が古いまま運営されて労基署から指導を受けたケース。法改正対応の速さを事前に確認します。

失敗事例4:相性が合わず担当変更も困難

面談時は良かったが、実務担当者(有資格者でない事務員)との相性が悪く、結局使いにくいケース。「誰が担当するか」「担当者変更は可能か」を確認します。

よくある質問(FAQ)

社労士と契約する必要がある会社はどんな会社ですか?
従業員を雇用している会社はすべて社保手続きが発生するため、社労士の必要性が生じます。従業員数5名未満ならスポット契約でも対応可能ですが、10名超になると顧問契約が効率的です。ベンチャーで人事専任がいない会社、建設業・医療・介護のような複雑業種は、小規模でも顧問契約推奨です。
月額料金に給与計算は含まれますか?
多くの事務所で給与計算は別料金(従業員1名あたり500〜1,500円/月の追加)です。月額顧問料に給与計算込みの事務所もあるため、見積もり時に必ず確認します。
スポット契約から顧問契約への切り替えは可能ですか?
可能です。多くの事務所で、スポット業務を数回依頼した後に顧問契約へ移行するケースは一般的です。スポット業務でサービスの質を見極めてから顧問契約を決められる、合理的な流れです。
社労士変更時の引き継ぎはどうなりますか?
新旧社労士間で直接データ引き継ぎが行われることは少なく、事業者が主体となって人事データ・就業規則・過去の申請履歴を新社労士に提供します。マイナンバー管理データも適切な返却・廃棄手続きが必要です。切り替えタイミングは月末・年度末が一般的です。
顧問料の消費税はどう処理しますか?
社労士顧問料は消費税の課税取引のため、税抜価格+消費税10%で請求されます。免税事業者(インボイス未登録)の社労士から受ける場合、経過措置適用で一部仕入税額控除が可能(2026年現在70%控除)です。
助成金申請代行の成功報酬はどれくらいが相場ですか?
助成金額の10〜20%(着手金5〜10万円+成功報酬)が一般的です。たとえばキャリアアップ助成金(正社員化コース)で60万円受給の場合、成功報酬6〜12万円+着手金が発生します。
就業規則の新規作成はなぜ20〜30万円も必要ですか?
就業規則は会社の規模・業種・働き方に応じたオーダーメイドの文書で、ヒアリング・条文起草・従業員代表意見聴取・労基署届出までの一連の作業で20時間以上要します。弁護士作成の契約書と同等の専門性のため、相場として適正価格です。
社労士を複数契約することはできますか?
理論上可能ですが、情報の重複管理が発生するため現実的ではありません。「メイン社労士+専門分野のスポット社労士」という使い分けは有効です(例:顧問は地元社労士、労基署対応は専門性の高い社労士)。
地方と都市部で顧問料に差はありますか?
都市部の方が1〜2割高い傾向がありますが、オンライン対応が主流の現在、地方社労士に都市部企業が依頼するケースも増えています。地方社労士でもクラウド・電子申請対応であれば、都市部と同等のサービスが受けられます。
鮎澤パートナーズに依頼する場合の料金目安を教えてください
従業員数・業種・依頼業務範囲により個別見積もりとなりますが、業界相場より2〜3割安く提供しています。税理士・公認会計士との一括契約で追加割引も可能です。無料相談で詳細見積もりを提示しますので、お気軽にご連絡ください。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 社労士顧問料は従業員数に連動、1〜9名で月2〜4万円、50名超は月8〜12万円
  • 業種により1.2〜1.5倍の変動、建設・運送・外資系は相場より高め
  • スポット契約は単発業務向け(算定4〜6万円、就業規則作成20〜30万円等)
  • 顧問料は「含まれる業務範囲」をセットで比較しないと実質コストがわからない
  • 税理士×社労士のセット契約で月額20〜30%割引可能な事務所あり
  • 給与計算は多くの事務所で別料金(従業員1名あたり500〜1,500円/月)
  • 選び方は①業種適性②料金明瞭さ③相性④DX対応⑤他士業連携の5軸

社労士の顧問料は、会社の規模・業種・業務範囲によって大きく異なります。「月額いくら」という表面的な比較ではなく、含まれる業務範囲・追加料金の条件・サービスの質を総合的に判断することが、費用対効果を最大化する鍵です。特に税理士との一括契約は、コスト削減と業務連携の両方で大きなメリットがあります。

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