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「事業所税って法人事業税とは別物?」「うちの会社は対象?」と疑問を持つ法人経営者に向けて、事業所税の対象となる都市・免税点の判定方法・資産割と従業者割の計算方法を完全ガイドします。


「事業所税って法人事業税とは別物?」「うちの会社は対象?」と疑問を持つ法人経営者に向けて、事業所税の対象となる都市・免税点の判定方法・資産割と従業者割の計算方法を完全ガイドします。
🏆 結論:事業所税は大都市の「規模の大きい事業所」だけに課される目的税
事業所税は、東京23区や政令指定都市など約80の都市のみで課税される目的税です。課税されるのは、床面積の合計が1,000㎡超(資産割)または従業者数の合計が100人超(従業者割)の事業所を持つ法人・個人です。税率は資産割が1㎡あたり年600円、従業者割が給与総額の0.25%。すべての市町村で課税されるわけではなく、小規模な事業所には免税点が設けられています。
事業所税とは、都市環境の整備・改善(道路、公園、学校、病院など)に使う財源を確保するための目的税です。法人事業税と名前が似ていますが、まったく別の税金です。
| 項目 | 事業所税 | 法人事業税 |
|---|---|---|
| 課税標準 | 床面積・従業者給与 | 所得(+付加価値+資本) |
| 課税対象 | 指定都市のみ(約80都市) | 全国すべての法人 |
| 免税点 | 床面積1,000㎡超 / 従業者100人超 | なし |
| 納付先 | 市町村(23区は都税事務所) | 都道府県 |
| 損金算入 | 可(租税公課) | 可 |
| 使途 | 都市環境整備(目的税) | 一般財源 |
法人事業税の詳細は「法人事業税と外形標準課税|計算方法・分割基準・特別法人事業税」をご覧ください。
事業所税は地方税法で定められた都市のみで課税されます。すべての市町村で課税されるわけではありません。
| カテゴリ | 主な都市 |
|---|---|
| 東京都(特例で都税) | 23区+武蔵野市・三鷹市・八王子市・町田市 |
| 政令指定都市(20市) | 札幌・仙台・さいたま・千葉・横浜・川崎・相模原・新潟・静岡・浜松・名古屋・京都・大阪・堺・神戸・岡山・広島・北九州・福岡・熊本 |
| 人口30万人以上の指定都市等 | 旭川・宇都宮・所沢・船橋・柏・川口・越谷・市川・松戸・川越・藤沢・横須賀・豊橋・岐阜・姫路・尼崎・西宮・長崎・鹿児島 等 |
💡 実務のポイント
事業所を移転する際に見落とされがちなのが事業所税です。たとえば、事業所税が課税されない市から東京23区内に本社を移転すると、新たに事業所税が発生します。移転前に事業所税の有無と年間コストを確認しておきましょう。
事業所税には中小企業の負担を排除するために免税点が設けられています。免税点以下であれば課税されません。
| 区分 | 免税点 | 超えた場合 |
|---|---|---|
| 資産割 | 指定都市内の合計床面積が1,000㎡以下 | 全床面積に課税(超えた部分だけではない) |
| 従業者割 | 指定都市内の従業者数が100人以下 | 全従業者の給与に課税 |
⚠️ 注意:資産割と従業者割は別々に判定
資産割と従業者割の免税点判定は独立して行います。たとえば、床面積が1,200㎡(1,000㎡超で課税)だが従業者が80人(100人以下で非課税)の場合、資産割のみ課税され、従業者割は非課税です。また、免税点を超えると「超えた分だけ」ではなく、全額が課税対象になる点に注意してください。
免税点の判定は事業年度末日の現況で行います。判定時に注意すべき3つのポイントがあります。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 同一指定都市内の合算 | 同じ指定都市内に複数の事業所がある場合、床面積・従業者数を合算して判定 |
| みなし共同事業 | 親族や同族会社(特殊関係者)と同一家屋で事業を行っている場合、合算して判定 |
| パート・アルバイト | 免税点判定では正社員のみカウント。パート・アルバイトは除外 |
資産割は事業所の床面積に対して課税されます。計算式はシンプルです。
資産割 = 事業所床面積(㎡) × 600円
| 含まれる | 含まれない(非課税) | グレーゾーン |
|---|---|---|
| 事務所・執務スペース | 食堂(福利厚生施設) | 休憩室が会議室を兼ねる → 課税 |
| 店舗・工場 | 売店(福利厚生施設) | 制服更衣室 → 課税(業務上必要) |
| 倉庫(無人倉庫含む) | 時間貸し駐車場(一般公開) | 月極専用駐車場 → 課税 |
| 共用部分(按分) | 教育施設・医療施設等 | モデルハウス → 原則非課税 |
事業年度の途中で事業所を新設・廃止した場合は月割計算します。
🧮 シミュレーション:年度途中の新設
3月決算法人が9月15日に1,500㎡の事業所を新設した場合
新設月の翌月(10月)から3月までの6ヶ月で月割計算
1,500㎡ × 6/12 = 750㎡(月割後の床面積)
資産割=750㎡ × 600円 = 45万円
従業者割は、従業者に支払った給与の総額に対して課税されます。
従業者割 = 従業者給与総額 × 0.25%
| 含まれる | 含まれない |
|---|---|
| 基本給・賞与・各種手当 | 退職金 |
| 時間外手当・住居手当 | 非課税通勤手当 |
| 現物給与 | 年金・恩給 |
| パート・アルバイトの給与(税額計算時) | 65歳以上の従業者(役員除く)の給与 |
💡 実務のポイント
免税点判定ではパート・アルバイトを除外して100人以下かを判定しますが、税額計算ではパート・アルバイトの給与も給与総額に含めます。この「判定」と「計算」で対象者が異なる点は、実務で最もよく間違えるポイントです。また、65歳以上の従業者と障害者の給与は給与総額から控除できますが、役員は年齢にかかわらず控除できません。
📐 シミュレーション前提条件
| 項目 | パターンA | パターンB | パターンC |
|---|---|---|---|
| 床面積 | 1,200㎡ | 3,000㎡ | 5,000㎡ |
| 従業者数 | 120人 | 200人 | 500人 |
| 給与総額 | 6億円 | 12億円 | 30億円 |
| 資産割 | 72万円 | 180万円 | 300万円 |
| 従業者割 | 150万円 | 300万円 | 750万円 |
| 合計 | 222万円 | 480万円 | 1,050万円 |
※概算値です。非課税施設や課税標準の特例の適用により異なります。正確な計算は税理士にご相談ください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申告期限 | 事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内(延長制度なし) |
| 納付先 | 市町村役場(23区は都税事務所) |
| 申告書様式 | 第44号様式+別表1〜4 |
| 会計処理 | 販売費及び一般管理費の「租税公課」(未払分は「未払金」) |
| 届出義務 | 事業所の新設・廃止から1ヶ月以内に届出 |
⚠️ 注意:法人事業税と違い申告期限の延長制度がない
法人事業税は法人税の申告期限延長に合わせて延長できますが、事業所税には延長制度がありません。3月決算の場合、法人税の申告期限は延長により6月末まで伸ばせますが、事業所税は5月31日が期限です。事業所税の申告を忘れないよう、法人税とは別にスケジュール管理してください。
法人住民税の均等割やスケジュールは「法人住民税のしくみ|法人税割・均等割の計算と申告方法」をご覧ください。その他の税金の全体像は「加算税の全体像を完全解説」で紹介しています。
📋 この記事のポイント
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