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「法人住民税っていくらかかるの?」「赤字でも払うの?」と疑問を持つ法人経営者に向けて、法人税割と均等割の計算方法・税率一覧・申告手順を完全ガイドします。この記事を読めば、自社の法人住民税額を自分で計算できるようになります。


「法人住民税っていくらかかるの?」「赤字でも払うの?」と疑問を持つ法人経営者に向けて、法人税割と均等割の計算方法・税率一覧・申告手順を完全ガイドします。この記事を読めば、自社の法人住民税額を自分で計算できるようになります。
🏆 結論:法人住民税=法人税割+均等割の合計額
法人住民税は「法人税割」と「均等割」の2本立てです。法人税割は法人税額に税率(標準で都道府県1.0%+市町村6.0%=計7.0%)を掛けた金額。均等割は資本金等の額と従業者数で決まる定額(最低年7万円)で、赤字でも免除されません。東京23区は都民税として一括申告し、それ以外は都道府県と市町村に別々に申告します。
法人住民税とは、法人が事業所を置く地方自治体に納める地方税です。個人の住民税と同じく「地域社会の一員としての会費」という性格を持っています。
まず押さえるべき5つのポイントを整理します。
| 項目 | 法人住民税 | 法人税 | 法人事業税 |
|---|---|---|---|
| 種類 | 地方税 | 国税 | 地方税 |
| 納付先 | 都道府県+市町村 | 国(税務署) | 都道府県 |
| 課税標準 | 法人税額+資本金等 | 課税所得 | 所得+付加価値+資本 |
| 赤字の場合 | 均等割は課税 | 非課税 | 原則非課税 |
| 損金算入 | 不可 | 不可 | 可 |
参考: 総務省「法人住民税」
法人事業税と外形標準課税の詳細については、「法人事業税と外形標準課税|計算方法・分割基準・特別法人事業税」で解説しています。
法人税割は、法人が国に納める法人税額を基準に計算します。計算式はシンプルです。
法人税割 = 法人税額 × 法人税割税率
| 区分 | 標準税率 | 制限税率 |
|---|---|---|
| 都道府県民税 | 1.0% | 2.0% |
| 市町村民税 | 6.0% | 8.4% |
| 合計 | 7.0% | 10.4% |
東京23区の場合は都民税として一括で、法人税割の税率は7.0%(標準税率の合計)です。多くの自治体は標準税率を適用していますが、超過税率を採用している自治体もあるため、事業所の所在地の税率を確認してください。
💡 実務のポイント
実務で最もよくある質問が「法人税がゼロなら法人住民税もゼロですか?」です。答えは「法人税割はゼロだが、均等割は最低7万円かかる」です。赤字決算でも法人住民税の納付義務があることを忘れないでください。
均等割は法人の規模(資本金等の額と従業者数)に応じた定額です。法人の利益に関係なく、赤字であっても課税されます。
| 資本金等の額 | 年額 |
|---|---|
| 1,000万円以下 | 2万円 |
| 1,000万円超〜1億円以下 | 5万円 |
| 1億円超〜10億円以下 | 13万円 |
| 10億円超〜50億円以下 | 54万円 |
| 50億円超 | 80万円 |
| 資本金等の額 | 従業者数50人以下 | 従業者数50人超 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 5万円 | 12万円 |
| 1,000万円超〜1億円以下 | 13万円 | 15万円 |
| 1億円超〜10億円以下 | 16万円 | 40万円 |
| 10億円超〜50億円以下 | 41万円 | 175万円 |
| 50億円超 | 41万円 | 300万円 |
中小企業(資本金1,000万円以下・従業者50人以下)の均等割は、都道府県2万円+市町村5万円=年間7万円が最低額です。
法人税割+均等割の合計で、法人住民税がいくらになるか確認しましょう。
📐 シミュレーション前提条件
| 項目 | 赤字 | 法人税100万円 | 法人税300万円 | 法人税500万円 |
|---|---|---|---|---|
| 法人税割 | 0円 | 7万円 | 21万円 | 35万円 |
| 均等割 | 7万円 | 7万円 | 7万円 | 7万円 |
| 合計 | 7万円 | 14万円 | 28万円 | 42万円 |
※概算値です。個別の状況や自治体の条例税率により異なります。正確な計算は税理士にご相談ください。
事業年度の途中で事務所を設立・移転・廃止した場合、均等割は月割で計算します。
均等割(月割) = 年額 × 事務所を有していた月数 ÷ 12
事務所を有していた期間は10月1日〜3月31日の6ヶ月。資本金500万円・従業者3人で東京23区内の場合:
均等割(年額7万円)× 6ヶ月 ÷ 12 = 3万5,000円
⚠️ 注意:月数の端数処理
1ヶ月に満たない端数は切り捨てます。ただし、事業期間の全部が1ヶ月未満の場合は1ヶ月として計算します。たとえば、10月15日〜3月31日の場合、10月は15日間で1ヶ月未満ですが、10月15日から計算して11月14日で1ヶ月、以降は11月15日〜3月31日で4ヶ月+端数。合計5ヶ月とするのが一般的です。
2つ以上の都道府県・市町村に事務所がある法人は、法人住民税をそれぞれの自治体に按分して納めます。
法人税割は、各自治体の事務所の従業者数で按分します。
🧮 シミュレーション:2拠点の場合
A県A市(従業者30人)とB県B市(従業者20人)の2拠点。法人税額200万円。
法人税割(都道府県・標準税率1.0%):
A県=200万円 × 30/50 × 1.0% = 1万2,000円
B県=200万円 × 20/50 × 1.0% = 8,000円
法人税割(市町村・標準税率6.0%):
A市=200万円 × 30/50 × 6.0% = 7万2,000円
B市=200万円 × 20/50 × 6.0% = 4万8,000円
均等割は按分しません。各自治体の事務所ごとに、その市町村の従業者数と法人全体の資本金等の額で税額が決まります。つまり、拠点が増えるほど均等割の負担は増加します。
💡 実務のポイント
3拠点以上ある法人の法人住民税の申告は非常に煩雑になります。均等割は拠点ごとに別々の市町村に申告し、法人税割は従業者数で按分して各自治体に申告する必要があるためです。eLTAXの共通納税を利用すれば、複数自治体への一括納付が可能です。
東京23区は特別区制度のため、法人住民税の取り扱いが他の自治体と異なります。
| 項目 | 東京23区内 | 東京23区外・他道府県 |
|---|---|---|
| 税の名称 | 法人都民税(都道府県分+市町村分を一括) | 都道府県民税+市町村民税(別々) |
| 申告先 | 都税事務所のみ | 都道府県税事務所+市町村役場 |
| 法人税割税率 | 7.0%(一括) | 都道府県1.0%+市町村6.0% |
| 均等割(最低額) | 7万円 | 7万円(都道府県2万+市町村5万) |
| 申告書様式 | 第6号様式のみ | 第6号様式(都道府県)+第20号様式(市町村) |
法人税の確定申告書を作成し、納付すべき法人税額を確定させます。この法人税額が法人税割の計算基礎になります。
法人税額に法人税割税率(標準7.0%)を掛けます。複数拠点がある場合は従業者数で按分してから税率を掛けます。
資本金等の額と各自治体の従業者数から、均等割の年額を確認します。年度途中の設立・廃止があれば月割計算を行います。
東京23区は第6号様式を都税事務所に提出。23区外は都道府県税事務所と市町村役場にそれぞれ提出します。eLTAXによる電子申告も可能です。
事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内に納付します。納付方法は窓口納付のほか、eLTAX(クレジットカード・インターネットバンキング・ダイレクト方式)に対応しています。
📊 公認会計士の視点
法人住民税は損金不算入です。決算時に「法人税、住民税及び事業税」の勘定科目で費用計上しますが、法人税の申告書上では加算調整が必要になります。法人事業税は損金算入できるため、混同しないよう注意してください。中間申告が必要な場合は、事業年度開始の日から6ヶ月を経過した日から2ヶ月以内に中間申告書を提出します。
赤字が続く法人にとって、毎年最低7万円の均等割は無視できない負担です。事業を休止している場合の選択肢を比較します。
| 選択肢 | 均等割 | 法人の存続 | 手続き |
|---|---|---|---|
| そのまま放置 | 毎年7万円 | 存続 | 不要 |
| 休眠届の提出 | 自治体により減免の可能性あり | 存続(休眠状態) | 税務署+自治体に届出 |
| 解散・清算 | 解散後は不要 | 消滅 | 株主総会決議+登記+申告 |
| みなし解散(12年放置) | 登記官が職権で解散 | 消滅扱い | 法務局からの通知を放置 |
⚠️ 注意
休眠届を出しても均等割が自動的に免除されるわけではありません。免除されるかどうかは自治体の判断によります。一方、確定申告を無申告のまま放置すると、青色申告の承認が取り消されるリスクがあります。事業を休止する場合でも、毎年の確定申告は行ってください。
その他の税金の全体像については、「加算税の全体像を完全解説」もあわせてご覧ください。事業所税の詳細は「事業所税のしくみ」で解説しています。
📋 この記事のポイント
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