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業種別の個人事業税の税率と非課税業種一覧|YouTuber・農業・医業の扱い
「自分の事業に個人事業税がかかるのか分からない」という個人事業主に向けて、70法定業種の税率一覧と非課税業種を完全ガイドします。この記事を読めば、自分の業種の税率を確認し、事業税の節税対策を判断できます。


「自分の事業に個人事業税がかかるのか分からない」という個人事業主に向けて、70法定業種の税率一覧と非課税業種を完全ガイドします。この記事を読めば、自分の業種の税率を確認し、事業税の節税対策を判断できます。
🏆 結論:個人事業税は「業種」と「所得」の2つで決まる
個人事業税は70の法定業種に該当する場合のみ課税され、税率は業種に応じて3%・4%・5%の3段階です。事業主控除290万円があるため、所得290万円以下なら税額ゼロ。農業・文筆業・音楽家などは法定業種に該当しないため非課税ですが、YouTuberやSEなど判定がグレーな業種もあります。
個人事業税とは、法定業種に該当する個人事業主が都道府県に納める地方税です。所得税や住民税とは別に課税され、納付は毎年8月と11月の2回です(地方税法第72条の2)。
個人事業税 =(事業所得 + 青色申告特別控除額 − 事業主控除290万円)× 税率
注意すべきは、所得税で差し引いた青色申告特別控除(最大65万円)は個人事業税の計算では適用されない点です。つまり、青色申告特別控除を足し戻した金額が個人事業税の課税対象になります。
💡 実務のポイント
「確定申告で所得税はゼロだったのに個人事業税の通知が来た」というご相談が毎年あります。これは、青色申告特別控除65万円が所得税では引かれるが個人事業税では引かれないことと、事業主控除290万円を超える所得があることが原因です。所得税と個人事業税は計算のベースが違うことを覚えておいてください。
| 分類 | 該当業種 |
|---|---|
| 物品販売業 | 小売・卸売・ECサイト運営等 |
| 保険業・金融業 | 保険代理店・貸金業等 |
| 不動産貸付業 | アパート経営・貸駐車場等(認定基準あり) |
| 製造業 | 食品加工・印刷・木工等 |
| 運送業 | 貨物運送・旅客運送等 |
| 請負業 | 建設請負・設備工事等 |
| 飲食店業 | レストラン・居酒屋・カフェ等 |
| その他 | 駐車場業・広告業・仲立業・問屋業・旅館業・料理店業・電気供給業・土石採取業・遊技場業・遊覧所業・商品取引業・写真業・席貸業・旅行業・周旋業等 |
| 業種 | 内容 |
|---|---|
| 畜産業 | 肉牛・養鶏・養豚等 |
| 水産業 | 養殖業等 |
| 薪炭製造業 | 炭・薪の製造等 |
| 税率 | 該当業種 |
|---|---|
| 5% | 医業・歯科医業・薬剤師業・獣医業・弁護士業・司法書士業・行政書士業・公証人業・弁理士業・税理士業・公認会計士業・計理士業・社会保険労務士業・コンサルタント業・デザイン業・諸芸師匠業・理容業・美容業・クリーニング業・公衆浴場業(銭湯を除く)・歯科衛生士業・歯科技工士業・測量士業・土地家屋調査士業・海事代理士業・印刷製版業 |
| 3% | あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業、装蹄師業 |
参考: 東京都主税局「個人事業税」
法定70業種に該当しない業種は、所得がいくら高くても個人事業税は一切かかりません。主な非課税業種は以下のとおりです。
| 非課税業種 | 具体例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 農業 | 米・野菜・果物の栽培等 | 畜産業(養豚等)は4%で課税 |
| 林業 | 造林・伐採 | 伐採のみの事業は課税の場合あり |
| 文筆業 | 作家・脚本家・ライター(原稿料) | 請負契約で記事制作すると請負業に該当の可能性 |
| 画家・漫画家 | 絵画制作・漫画制作 | デザイン業と判定されると5%で課税 |
| 音楽家 | 作曲家・演奏家 | 音楽教室の運営は諸芸師匠業で5% |
| スポーツ選手 | プロ野球選手・サッカー選手等 | スポーツインストラクターは課税の場合あり |
| 芸能人 | 俳優・タレント等 | マネジメント契約が前提 |
| 通訳・翻訳 | 通訳者・翻訳者 | 翻訳会社として請負形態なら課税の可能性 |
YouTuberやVTuberの広告収入(Google AdSense等)は、動画を通じて広告を掲載し対価を得る事業であるため、多くの都道府県では「広告業」(第一種事業・税率5%)と判定されます。ただし、動画内容が教育・芸術に特化しており、広告収入が付随的なものに過ぎない場合は、実態に応じて判断される余地もあります。
💡 実務のポイント
YouTuberのクライアントから、「開業届に"映像クリエイター"と書いたのに広告業で課税された」という相談を受けたことがあります。個人事業税の業種判定は開業届の記載だけでなく、実際の収入源(AdSense広告収入か企業案件か)で判断されます。開業届の職業欄と実態が乖離していると、後から修正の手間が発生するため注意してください。
システムエンジニアやプログラマーは法定70業種に明記されていないため、原則として非課税です。しかし、都道府県によって判断が異なるのが実情で、「請負業」や「コンサルタント業」と認定されて課税されるケースがあります。
課税・非課税の判断は、主に以下の要素で分かれます。
| 要素 | 非課税と判断されやすい | 課税と判断されやすい |
|---|---|---|
| 契約形態 | 準委任契約(SES) | 請負契約(成果物の納品) |
| 報酬の決まり方 | 稼働時間に基づく | 成果物単位 |
| 完成義務 | なし | あり |
⚠️ 注意
東京都ではSEを非課税としている一方、他の多くの都道府県ではSEに対して課税しています。事業所を移転した場合や複数の都道府県に事業所がある場合は、移転先・所在地の取扱いを事前に確認してください。もし課税されたが契約が準委任であれば、契約書を持参して都道府県税事務所に説明することで課税取消しになったケースも実際にあります。
医業は第三種事業(税率5%)に該当しますが、社会保険診療による所得は非課税です。自由診療(美容整形・インプラント等)による所得のみが課税対象になります。
なお、あんま・マッサージ・はり・きゅう・柔道整復は第三種事業の中でも税率3%と低く設定されています。
農業そのもの(作物の栽培・収穫・販売)は非課税です。ただし、加工品(ジャム・漬物等)を製造して販売する場合は「製造業」として第一種事業(5%)に該当する可能性があります。直売所を運営する場合も「物品販売業」と判定されるケースがあるため、収入の内訳に注意してください。
不動産貸付業は第一種事業(5%)ですが、小規模な不動産貸付には認定基準があり、基準に満たない場合は課税されません。東京都の認定基準は以下のとおりです。
| 不動産の種類 | 課税基準 |
|---|---|
| アパート・マンション | 10室以上 |
| 独立家屋 | 5棟以上 |
| 土地 | 貸付件数10件以上または貸付面積2,000㎡以上 |
| 駐車場 | 建築物の場合を除き、10台以上 |
不動産所得の計算方法については、「不動産所得の計算方法と収入計上時期」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
📐 シミュレーション前提条件
| 青色控除前の事業所得 | 税率5%の場合 | 税率4%の場合 | 税率3%の場合 |
|---|---|---|---|
| 290万円以下 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 400万円 | 55,000円 | 44,000円 | 33,000円 |
| 500万円 | 105,000円 | 84,000円 | 63,000円 |
| 700万円 | 205,000円 | 164,000円 | 123,000円 |
| 1,000万円 | 355,000円 | 284,000円 | 213,000円 |
※納付した個人事業税は翌年の確定申告で「租税公課」として経費計上できます。
📊 公認会計士の視点
所得1,000万円で税率5%の場合、個人事業税だけで年間35.5万円の負担になります。法人化すれば個人事業税はなくなり、代わりに法人事業税(実効税率に含まれる)が課されますが、多くの場合トータルの税負担は軽減されます。個人事業税の負担が大きくなってきたら、法人化のシミュレーションを検討するタイミングです。
確定申告書の「職業」欄に記載した業種が、個人事業税の業種判定の出発点になります。たとえば「コンサルタント」と書けば第三種事業(5%)として課税される可能性が高まり、「経営アドバイザー」と書いても実態がコンサルティングであれば同じ判定になります。
重要なのは、職業欄の記載名ではなく、実際の事業内容と収入源で判定されるということです。非課税業種に該当する事業を行っているのに、開業届の職業欄を曖昧に書いてしまったために課税されるケースもあるため、開業届と確定申告書の職業欄は実態に即して正確に記載しましょう。
確定申告の基本的な流れやフリーランスの届出については、「フリーランスの確定申告の基礎と必要書類」も参考にしてください。
青色申告特別控除前の事業所得が290万円以下であれば、個人事業税はゼロです。所得がこのラインを少し超える程度であれば、経費の見直しや小規模企業共済の掛金を増やすなどの対策で事業税をゼロにできる場合があります。
家族従業員がいる場合、青色事業専従者給与を支払うことで事業所得を減らし、個人事業税の課税対象額を圧縮できます。個人事業税の計算でも、青色事業専従者給与は経費として認められます。
法人化すれば個人事業税は課税されなくなります。代わりに法人事業税が課されますが、法人全体の実効税率に含まれるため、個人事業税5%を別途支払うよりも効率的なケースが多いです。業種別の法人化タイミングについては、「業種別の経費率の目安と税務調査リスク」の経費率データも参考になります。
📋 この記事のポイント
✅ まとめボックス
個人事業税は業種と所得で決まる地方税です。自分の事業が70法定業種に該当するかを確認し、該当する場合は税率(3%・4%・5%)と事業主控除290万円を踏まえて税額を試算しましょう。SE・YouTuber・農業加工品販売など判定がグレーな業種は、管轄の都道府県税事務所に事前確認することをおすすめします。
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