【税理士×公認会計士が解説】不動産所得の計算方法と収入計上時期|賃料・敷金・礼金・更新料の正しい処理

【税理士×公認会計士が解説】不動産所得の計算方法と収入計上時期|賃料・敷金・礼金・更新料の正しい処理
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
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不動産所得の計算方法と収入計上時期|賃料・敷金・礼金・更新料の正しい処理

不動産の家賃収入があるが確定申告でどう計算すればいいかわからない方に向けて、不動産所得の計算方法・収入項目ごとの計上時期・必要経費の範囲・管理費の処理を完全ガイドします。この記事を読めば、正しい不動産所得の計算と確定申告ができるようになります。

🏆 結論:不動産所得の計算式と収入計上の基本ルール

不動産所得=総収入金額(賃料+礼金+更新料+返還不要の敷金+共益費等)-必要経費(固定資産税+減価償却費+修繕費+借入金利子+管理委託料等)です。収入の計上時期は、原則として「契約で定められた支払日」であり、実際の入金日ではありません。未収であっても支払日が到来していれば収入に計上する必要があります(所得税基本通達36-5)。

不動産所得とは?計算式の全体像

不動産所得とは、土地や建物の貸付けによって得られる所得のことです(所得税法第26条第1項)。アパート・マンションの家賃収入、駐車場の賃料、土地の地代などが該当します。不動産を売却した際の利益は不動産所得ではなく譲渡所得になる点に注意してください。

不動産所得の計算式

不動産所得の金額は、以下の計算式で求めます。

不動産所得 = 総収入金額 - 必要経費

この計算式自体はシンプルですが、実務で迷うのは「何が総収入金額に含まれるのか」「何が必要経費にできるのか」「いつの時点で計上するのか」の3つです。以下、それぞれを詳しく解説します。

不動産所得と事業所得の違い

不動産の貸付けは、貸付規模が大きくても原則として不動産所得に分類されます。事業所得にはなりません。ただし、不動産貸付けが「事業的規模」か「業務的規模」かで、青色申告特別控除の額や損失の取扱いが異なります。

比較項目 事業的規模(5棟10室基準) 業務的規模
青色申告特別控除最大65万円(e-Tax+複式簿記)最大10万円
青色事業専従者給与必要経費に算入可不可
貸倒損失回収不能額を必要経費に算入収入に計上しないことで調整
資産損失全額必要経費に算入不動産所得の金額を限度

参考: 国税庁「No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」

💡 実務のポイント

「5棟10室基準」は、独立家屋なら5棟以上、アパート・マンションなら10室以上の貸付けが事業的規模の目安です。駐車場の場合は、おおむね50台以上で事業的規模とされます(所得税基本通達26-9)。ただし、これはあくまで形式基準であり、実質的な事業規模で判断される場合もあります。

総収入金額に含まれるもの【収入項目別の一覧】

不動産所得の総収入金額には、賃料だけでなく多くの項目が含まれます。収入に含まれるものと含まれないものを正しく区分することが、正確な申告の第一歩です。

収入項目 収入計上 計上時期
家賃(賃料)契約上の支払日
地代契約上の支払日
礼金引渡日または契約効力発生日
更新料契約効力発生日
共益費・管理費(入居者から受取)契約上の支払日
名義書換料・承諾料契約効力発生日
敷金・保証金(返還するもの)×—(預り金として処理)
敷金・保証金(返還不要が確定したもの)返還不要が確定した日

敷金・保証金の処理で間違いやすいポイント

敷金や保証金は、受け取った時点では収入に計上しません。あくまで「預り金」として負債に計上します。収入に計上するのは、返還しないことが確定した時点です。具体的には、退去時に原状回復費用を敷金から差し引いた場合や、契約書に「敷金のうち1ヶ月分は返還しない」と明記されている場合(いわゆる「敷引き」)がこれに該当します。

⚠️ 注意

敷引き(償却敷金)について、契約時に「返還しない」と定められている場合は、契約時点で収入に計上する必要があります。退去時ではなく契約時である点を見落とすと、計上漏れとなり税務調査で指摘される原因になります。

収入計上時期の詳細ルール【所得税基本通達36-5】

不動産所得で最も間違いやすいのが「いつ収入に計上するか」です。原則は「実際に入金された日」ではなく、「契約上の支払日」です。

家賃・地代・共益費の計上時期

所得税基本通達36-5により、家賃・地代・共益費の収入計上時期は以下のように定められています。

ケース 計上時期
契約で支払日が定められている場合その定められた支払日
支払日が定められていない場合実際に支払を受けた日
「請求があったとき」と定められている場合請求の日
係争中の賃料について判決・和解があった場合判決・和解のあった日

参考: 国税庁「No.1376 不動産所得の収入計上時期」

12月-1月の年末年始の期間帰属が問題になるケース

不動産所得の確定申告で最も混乱しやすいのが、年末年始をまたぐ賃料の処理です。典型的な3パターンを具体例で解説します。

📐 前提条件

  • 賃料:月額10万円
  • 契約条件:「翌月分の賃料を前月末日までに支払う」
  • 暦年:2025年分の確定申告
ケース 状況 2025年分の処理
ケース12026年1月分の家賃10万円が2025年12月25日に入金された2025年分の収入に計上する(契約上の支払日=12月末日が2025年に属するため)
ケース22026年1月分の家賃10万円が2025年12月末日までに入金されなかった2025年分の収入に計上する(未入金でも、契約上の支払日=12月末日で未収入金として計上)
ケース32025年12月分の家賃10万円が2025年11月28日に入金された2025年分の収入に計上する(契約上の支払日=11月末日が2025年に属するため)

💡 実務のポイント

確定申告の際、通帳の入金日をそのまま収入計上日にしてしまう方が非常に多いです。しかし税法上は「契約上の支払日」が基準です。未入金であっても支払日が到来していれば未収入金として収入に計上し、翌年入金されたら未収入金を消す処理が正しい方法です。この処理を怠ると、税務調査で「収入の計上漏れ」として指摘されます。

礼金・更新料の計上時期

礼金や更新料は、家賃とは異なる計上時期になります。物件の引渡しを伴う場合は引渡日、引渡しを伴わない場合(更新料など)は契約の効力発生日が計上時期です。名義書換料や承諾料も同じルールです。

必要経費にできるもの・できないもの【完全リスト】

不動産所得の計算で総収入金額から差し引ける必要経費は、「不動産収入を得るために直接必要な費用」に限られます。

必要経費にできる主な項目

経費項目 内容・注意点
固定資産税・都市計画税賃貸用資産にかかる分
減価償却費建物・建物附属設備・構築物は定額法で計算
修繕費原状回復費用。価値を高める支出は資本的支出として資産計上
損害保険料火災保険・地震保険の保険料
借入金の利子賃貸用不動産の取得・改良にかかる借入金の利子。元本返済部分は不可
管理委託料不動産管理会社への委託費用
仲介手数料(入居者募集)入居者の募集にかかった費用
交通費物件の管理・確認のための交通費
通信費入居者・管理会社との連絡にかかる費用(按分が必要)
税理士報酬不動産所得の申告にかかる税理士費用

必要経費にできないもの

借入金の元本返済額は経費にできません。ローンの返済額のうち利子部分のみが経費になります。また、所得税・住民税・国民健康保険料は必要経費にはなりません。さらに、土地の取得にかかる借入金の利子で、不動産所得が赤字になる部分は損益通算の対象外です(所得税法第69条第2項、租税特別措置法第41条の4)。

⚠️ 注意

「土地取得にかかる借入金利子」は損益通算の制限対象です。建物と土地を一括で借入金により取得した場合、借入金は「まず建物の取得に充てた」と考えて計算します。この計算を誤ると、損益通算できない赤字を他の所得から差し引いてしまい、税務調査で否認されます。

参考: 国税庁「No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算」

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管理委託 vs 自主管理のコスト比較と経費処理

不動産管理を管理会社に委託するか自分で行うかは、経費の面でも大きく影響します。管理委託料は全額が必要経費になりますが、自主管理の場合は「自分の労務に対する対価」は経費にならないため、トータルの節税効果が異なります。

管理委託 vs 自主管理のコスト比較

📐 シミュレーション前提条件

  • 家賃月額10万円×6室=月額60万円(年間720万円)
  • 管理委託料:家賃の5%
項目 管理委託 自主管理
管理委託料(年間)36万円0円
経費算入額36万円0円
節税効果(税率30%と仮定)約10.8万円の税金減0円
実質負担額約25.2万円0円(ただし自分の時間を消費)

管理委託料は「支払手数料」として必要経費に計上します。管理会社の業務範囲(入居者対応・家賃回収・清掃・修繕手配など)によって料率は3〜8%が相場です。

年間収支シミュレーション【3パターン】

不動産所得の計算を具体的な数字で理解するため、3つのパターンでシミュレーションを行います。

パターン1:ワンルームマンション1戸(区分所有)

📐 前提条件

  • 取得価額2,500万円(建物1,500万円・土地1,000万円)、RC造、築15年、耐用年数34年(中古の簡便法:47年−15年+15年×0.2=35年→34年で計算)
  • 家賃月額8万円、管理費・修繕積立金月額2万円(オーナー負担)、管理委託料5%
  • 借入金2,000万円、金利2%、ローン元利均等返済
項目 年間金額
【収入】家賃(8万円×12ヶ月)96万円
総収入金額96万円
【経費】減価償却費(1,500万÷34年)約44.1万円
【経費】管理費・修繕積立金24万円
【経費】管理委託料(5%)4.8万円
【経費】固定資産税・都市計画税約8万円
【経費】借入金利子約38万円
【経費】損害保険料約2万円
必要経費合計約120.9万円
不動産所得△約24.9万円(赤字)

※概算値です。借入金利子は初年度の概算。正確な計算は税理士にご相談ください。

パターン2:木造アパート1棟6室

項目 年間金額
【収入】家賃(6万円×6室×12ヶ月)432万円
【収入】礼金(6万円×入退去2件)12万円
【収入】更新料(6万円×更新1件)6万円
総収入金額450万円
【経費】減価償却費(建物3,000万÷22年)約136.4万円
【経費】固定資産税・都市計画税約35万円
【経費】借入金利子約70万円
【経費】管理委託料+修繕費+保険等約55万円
必要経費合計約296.4万円
不動産所得約153.6万円

パターン3:区分マンション3戸

項目 年間金額
【収入】家賃(10万円×3戸×12ヶ月)360万円
総収入金額360万円
【経費】減価償却費(3戸合計)約90万円
【経費】管理費・修繕積立金(3戸合計)72万円
【経費】その他(固定資産税・保険・管理委託等)約60万円
必要経費合計約222万円
不動産所得約138万円

減価償却を活用した節税テクニックについては「不動産賃貸の減価償却を最大化する実務テクニック」で詳しく解説しています。

住宅用 vs 事業用の消費税判定フロー

不動産の賃貸収入は、貸付ける用途が「住宅」か「事業用」かで消費税の取扱いが大きく異なります。住宅の貸付けは非課税(消費税法第6条第1項、別表第一第13号)、事業用の貸付けは課税対象です。

貸付けの種類 消費税 備考
住宅の貸付け(家賃・共益費)非課税契約で住宅用であることが明らか
事業用建物の貸付け(オフィス・店舗)課税10%の消費税が発生
駐車場の貸付け課税住宅に付随する場合でも原則課税
土地の貸付け非課税1ヶ月未満の短期貸付けは課税
礼金・更新料(住宅用)非課税家賃に準じた取扱い
敷金(返還するもの)不課税資産の譲渡等の対価に該当しない

💡 実務のポイント

住宅として賃貸している物件でも、入居者が事業用として使用していることが判明した場合、消費税の課税関係が変わる可能性があります。実務では、賃貸借契約書に「住宅用に限る」旨を明記し、用途変更の場合は届出を求める条項を入れておくことが重要です。

修繕費と資本的支出の判定基準

賃貸物件の修繕にかかった費用は、「修繕費」として全額がその年の経費になるものと、「資本的支出」として資産計上して減価償却するものに分かれます。この判定を誤ると税務調査で否認されるため、正しく区分することが重要です。

判定基準 修繕費 資本的支出
20万円未満の支出
おおむね3年以内の周期で行われるもの
60万円未満の支出
前年末の取得価額の10%以下の支出
使用可能期間を延長する支出
資産の価値を高める支出

修繕費と資本的支出の詳しい判定基準については「修繕費と資本的支出の判定基準」で解説しています。

不動産所得の損益通算と確定申告の注意点

損益通算のルール

不動産所得が赤字になった場合、原則として給与所得など他の所得と損益通算ができます(所得税法第69条第1項)。これが不動産投資の節税効果の一つです。ただし、以下の2つの制限があります。

第一に、土地の取得にかかる借入金の利子相当額は損益通算の対象外です。第二に、生活に通常必要でない資産(別荘など)の貸付けにかかる損失は損益通算できません。

青色申告のメリット

不動産所得の確定申告では、青色申告を選択することで大きなメリットがあります。事業的規模(5棟10室以上)の場合は最大65万円の青色申告特別控除が受けられ、業務的規模でも10万円の控除が適用されます。また、青色申告なら赤字を3年間繰り越すことも可能です。

📊 公認会計士の視点

不動産所得の赤字で損益通算を行う場合、減価償却費によるキャッシュフローと税務上の損益のズレを正しく理解しておく必要があります。減価償却費は現金の支出を伴わない経費なので、税務上は赤字でもキャッシュフローはプラスというケースが頻繁にあります。この「デッドクロス」のタイミング(借入金元本返済額が減価償却費を上回る時点)を事前にシミュレーションしておくことが、不動産賃貸経営の安定に不可欠です。

税務調査で指摘されやすい不動産所得の計上ミス5選

不動産所得の確定申告で税務調査の際に指摘されやすいポイントを、実務経験に基づいて解説します。

ミス1:入金日ベースで収入を計上している

最も多いミスです。通帳の入金日をそのまま収入の計上日にしてしまうケースです。正しくは「契約上の支払日」が計上日です。特に年末年始の処理でこのミスが発生しやすく、1月分の前払家賃が12月に入金されたケースで、翌年の収入として処理してしまうと計上漏れになります。

ミス2:敷金の償却分(敷引き)の計上漏れ

契約書で「敷金のうち1ヶ月分は返還しない」と定められている場合、契約締結時に収入に計上する必要があります。退去時まで計上を先延ばしにすると、計上時期のズレとして指摘されます。

ミス3:借入金の元本返済を経費に計上している

ローンの毎月の返済額のうち、経費にできるのは利子部分のみです。元本返済部分は経費にはなりません。ローンの返済予定表で元本と利子の内訳を確認し、利子部分のみを経費として計上してください。

ミス4:修繕費と資本的支出の区分ミス

建物の価値を高める工事(間取り変更、グレードアップなど)を修繕費として一括経費にしていると、税務調査で「資本的支出」として否認されます。60万円を超える工事は特に慎重に判定する必要があります。

ミス5:自宅兼賃貸の按分が不合理

自宅の一部を賃貸している場合や、自宅を兼ねた賃貸経営の経費(通信費・交通費・事務用品等)は、事業用部分とプライベート部分を合理的に按分する必要があります。面積按分や時間按分の根拠を記録しておかないと、税務調査で経費の全額が否認されるリスクがあります。

事業的規模の基準については「5棟10室基準と事業的規模の判定」も参考にしてください。

農業所得との計算方法の違い

農業所得も不動産所得と同様に「総収入金額-必要経費」で計算しますが、収入の内容と認められる経費が異なります。農業所得は事業所得に分類され、農産物の販売額が収入になります。不動産の貸付けとは所得区分が異なるため、不動産所得と農業所得が両方ある場合は、それぞれ別々に計算して合算します。

農業所得の特徴的な点は、自家消費分(自分で食べる分の農産物)も収入に含める必要があることです。この場合、通常の販売価格の70%で評価します。不動産所得にはこのような概念はありません。

よくある質問(FAQ)

不動産所得の確定申告はいくらから必要ですか?
給与所得者の場合、不動産所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です(所得税法第121条第1項)。ただし、住民税の申告は20万円以下でも必要です。年金受給者や個人事業主の場合は、不動産所得がある時点で確定申告が必要になります。なお、「20万円」は収入ではなく所得(=収入-経費)の金額です。
家賃が未入金の場合でも収入に計上する必要がありますか?
はい、契約上の支払日が到来していれば、実際の入金がなくても「未収入金」として収入に計上する必要があります。その後、回収不能が確定した場合は貸倒損失として処理します。ただし、貸倒損失の計上要件は厳格で、事業的規模でなければ「収入がなかったものとして計算する」方法で調整します。
個人で不動産を貸している場合、消費税の申告は必要ですか?
住宅の貸付けのみの場合、家賃収入は非課税売上のため消費税の納税義務はありません。事業用(オフィス・店舗・駐車場)の貸付けがあり、課税売上高が1,000万円を超えると、翌々年から消費税の課税事業者になります。住宅用と事業用の両方がある場合は、事業用の課税売上高のみで判定します。
不動産所得の赤字は他の所得と相殺できますか?
原則として損益通算が可能です。ただし、土地の取得に要した借入金の利子に相当する部分の赤字は損益通算の対象外です。また、別荘など生活に通常必要でない資産の貸付けによる赤字も損益通算できません。建物取得にかかる借入金利子による赤字は損益通算可能です。
減価償却費の計算方法を教えてください
個人の不動産所得の場合、建物・建物附属設備・構築物は定額法で計算します。計算式は「取得価額×定額法の償却率」です。中古物件は簡便法で耐用年数を算出します。法定耐用年数の全部を経過した中古資産は「法定耐用年数×20%」、一部を経過した場合は「(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%」で計算します。端数は1年未満を切り捨て、2年未満なら2年とします。
管理会社への委託費用はどの勘定科目で経費にしますか?
「管理費」または「支払手数料」として必要経費に計上します。管理委託料のほか、入居者募集の仲介手数料なども経費になります。管理会社からの月次報告書や契約書を保管しておくと、税務調査の際の証拠書類になります。
不動産所得の確定申告で必要な書類は何ですか?
青色申告の場合は「青色申告決算書(不動産所得用)」、白色申告の場合は「収支内訳書(不動産所得用)」が必要です。添付書類として、賃貸借契約書の写し、固定資産税の通知書、ローンの返済予定表、管理会社からの明細書、修繕費の領収書などを準備してください。e-Taxで申告する場合は添付省略できる書類もありますが、5年間の保存義務があります。
サラリーマンが副業で不動産投資をしている場合、確定申告でばれますか?
確定申告自体で会社にばれることはありませんが、住民税の納付方法で注意が必要です。確定申告書の「住民税の徴収方法」で「自分で納付(普通徴収)」を選択すれば、不動産所得分の住民税は給与からの天引きにはなりません。ただし、自治体によっては普通徴収に対応していない場合もあるため、事前に確認してください。
更新料を受け取った場合の仕訳を教えてください
更新料は受け取った時点で「雑収入」または「不動産収入」として収入に計上します。仕訳は「普通預金 60,000 / 不動産収入 60,000」(更新料6万円を受領した場合)です。計上時期は契約の効力発生日(更新日)であり、入金日ではない点に注意してください。
海外不動産の賃料も不動産所得になりますか?
はい、日本の居住者は全世界所得に対して課税されるため(所得税法第7条第1項第1号)、海外不動産の賃料も不動産所得として確定申告が必要です。外国で課された税金は外国税額控除の対象になります。なお、海外不動産の減価償却について、以前は日本の耐用年数より短い中古物件の減価償却で大きな節税が可能でしたが、令和3年度税制改正で国外中古建物の減価償却費のうち簡便法による超過分は損益通算が制限されています。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 不動産所得=総収入金額(賃料+礼金+更新料+返還不要の敷金等)-必要経費
  • 収入の計上時期は「契約上の支払日」であり、入金日ではない(所得税基本通達36-5)
  • 敷金は受取時には預り金。返還不要が確定した時点で収入に計上する
  • 必要経費に借入金の元本返済は含められない。利子部分のみが経費
  • 土地取得にかかる借入金利子による赤字は損益通算の対象外
  • 住宅の貸付けは消費税非課税。事業用は課税対象
  • 修繕費と資本的支出の判定を誤ると税務調査で否認されるため、60万円超の工事は特に注意

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