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税理士報酬の勘定科目と経費処理|源泉徴収の計算方法
「税理士に支払う報酬はどの勘定科目で処理すればいい?」「源泉徴収の計算方法がわからない」とお悩みの経営者・経理担当者に向けて、勘定科目の選び方から仕訳例・源泉徴収の計算・納付手続きまで完全ガイドします。


「税理士に支払う報酬はどの勘定科目で処理すればいい?」「源泉徴収の計算方法がわからない」とお悩みの経営者・経理担当者に向けて、勘定科目の選び方から仕訳例・源泉徴収の計算・納付手続きまで完全ガイドします。
🏆 結論:「支払報酬料」または「支払手数料」が最も一般的
税理士報酬の勘定科目に法律上の決まりはありませんが、実務では「支払報酬料」か「支払手数料」を使うのが一般的です。重要なのは、一度決めた勘定科目を継続して使うこと、そして源泉徴収(報酬の10.21%)を忘れずに行うことです。個人税理士への報酬は源泉徴収が必要ですが、税理士法人への報酬は原則不要という違いにも注意しましょう。
税理士報酬を経費として計上する際の勘定科目は、税法上の明確な規定がありません。企業の規模や会計方針に合わせて、以下の5つから選ぶのが一般的です。
| 勘定科目 | 特徴・用途 | おすすめ対象 |
|---|---|---|
| 支払報酬料 | 専門家への報酬専用。源泉徴収対象の報酬を明確に区分できる | 複数の士業に依頼している企業 |
| 支払手数料 | 銀行手数料なども含む広い科目。補助科目で区分すると管理しやすい | 小規模法人・個人事業主 |
| 支払顧問料 | 顧問契約に基づく支払い専用 | 顧問税理士との契約がある企業 |
| 業務委託費 | 外部への業務委託全般に使用 | IT企業など外注が多い企業 |
| 外注費 | 業務委託費と同義だが、専門家報酬には不向き | △(使わない方がよい) |
📊 公認会計士の視点
年間100社以上の決算を担当してきた経験上、最もおすすめの勘定科目は「支払報酬料」です。理由は、源泉徴収が必要な支払いを他の手数料と明確に区分できるため、源泉徴収漏れの防止につながるからです。「支払手数料」に含めてしまうと、銀行振込手数料や仲介手数料と混在し、年末の法定調書作成時に源泉徴収対象の金額を抽出する手間が増えます。
「どの勘定科目を選べばいいかわからない」という方は、以下の3ステップで判定しましょう。
| ステップ | 質問 | 判定 |
|---|---|---|
| ① | 複数の士業(税理士・弁護士・社労士等)に報酬を支払っていますか? | はい→「支払報酬料」で統一 |
| ② | 顧問契約に基づく月額報酬ですか? | はい→「支払顧問料」も可 |
| ③ | 税理士だけに支払いがあり、シンプルに管理したいですか? | はい→「支払手数料」+補助科目「税理士報酬」 |
最も重要なのは、一度決めた勘定科目を毎期継続して使うことです。勘定科目を途中で変更すると、前期との比較ができなくなり、税務調査で指摘を受ける原因にもなります。
所得税法第204条第1項第2号の規定により、個人の税理士に報酬を支払う場合は源泉徴収が必要です。ただし、支払先によって取り扱いが異なります。
| 支払先 | 源泉徴収 | 根拠 |
|---|---|---|
| 個人の税理士 | 必要 | 所得税法第204条第1項第2号 |
| 税理士法人 | 原則不要 | 法人への支払いは源泉徴収の対象外 |
| 個人の公認会計士 | 必要 | 所得税法第204条第1項第2号 |
| 個人の社会保険労務士 | 必要 | 所得税法第204条第1項第2号 |
| 個人の行政書士 | 原則不要 | 所得税法第204条の対象外 |
参考: 国税庁「No.2798 弁護士や税理士等に支払う報酬・料金」
⚠️ 注意
源泉徴収を怠った場合、支払者(あなたの会社)が源泉所得税の全額を負担することになります。さらに不納付加算税(10%)と延滞税(年2.4%〜8.7%)が加算されるため、決して軽視できません。特に個人の税理士に支払う場合は必ず源泉徴収を行いましょう。
税理士報酬に対する源泉徴収税率は、支払金額によって異なります。
| 1回の支払金額 | 源泉徴収税率 | 計算例(報酬10万円の場合) |
|---|---|---|
| 100万円以下の部分 | 10.21% | 10,210円 |
| 100万円超の部分 | 20.42% | — |
ここで重要なポイントがあります。消費税額が請求書で明確に区分されている場合、源泉徴収の対象は税抜金額です。つまり、税理士報酬10万円+消費税1万円の請求書であれば、源泉徴収の計算は10万円×10.21%=10,210円となります。
📐 前提条件
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 支払報酬料 | 50,000円 | 普通預金 | 44,895円 |
| 仮払消費税 | 5,000円 | 預り金(源泉所得税) | 5,105円 |
| — | — | —(※差額は預り金) | — |
※源泉徴収税額:50,000円×10.21%=5,105円、税理士への振込額:50,000円+5,000円(消費税)−5,105円(源泉)=49,895円
税理士法人は法人格を持つため、報酬の源泉徴収は原則として不要です。仕訳はシンプルになります。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 支払報酬料 | 50,000円 | 普通預金 | 55,000円 |
| 仮払消費税 | 5,000円 | — | — |
💡 実務のポイント
現場で最も多いミスは「税理士法人への支払いにも源泉徴収してしまう」ケースです。個人の税理士事務所から税理士法人に変更した場合は、源泉徴収の要否が変わるため、必ず確認しましょう。逆に、税理士法人に所属する税理士個人に直接支払う場合は、源泉徴収が必要になるケースもあります。
1回の支払いが100万円を超える場合は、100万円以下の部分と超える部分で税率が異なります。たとえば、決算料として120万円(税抜)を個人の税理士に支払う場合の源泉徴収税額は次のとおりです。
100万円×10.21%=102,100円 + 20万円×20.42%=40,840円 = 合計142,940円
顧問税理士の費用相場について詳しくは、「顧問税理士の費用相場と選び方ガイド」で解説しています。
インボイス制度(適格請求書等保存方式)のもとでは、仕入税額控除を受けるために、税理士が発行する適格請求書(インボイス)の保存が必要です。
適格請求書には、登録番号・適用税率・消費税額が記載されている必要があります。税理士がインボイス発行事業者でない場合(免税事業者の場合)、消費税の仕入税額控除が制限されます。
現在は経過措置として、免税事業者からの仕入れについても一定割合の仕入税額控除が認められています(令和8年9月30日まで80%控除、令和11年9月30日まで50%控除)。顧問税理士がインボイス登録事業者かどうかは、契約前に必ず確認しましょう。
源泉徴収した所得税は、原則として支払月の翌月10日までに税務署へ納付する必要があります。ただし、従業員10人未満の小規模事業者は「源泉所得税の納期の特例」を適用できます。
| 区分 | 対象期間 | 納付期限 |
|---|---|---|
| 原則 | 毎月の源泉徴収分 | 支払月の翌月10日 |
| 納期の特例(1〜6月分) | 1月〜6月の源泉徴収分 | 7月10日 |
| 納期の特例(7〜12月分) | 7月〜12月の源泉徴収分 | 翌年1月20日 |
納期の特例の適用を受けるには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署に提出する必要があります。実務では、中小企業の大半がこの特例を利用しています。
税理士報酬を支払った場合、年間の支払額が5万円を超えるときは「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」を作成し、翌年1月31日までに税務署へ提出する義務があります(所得税法第225条)。
支払調書には、支払先の氏名・住所・マイナンバー(個人番号)・支払金額・源泉徴収税額などを記載します。税理士に依頼している場合は、年末の法定調書合計表の作成と同時に処理してもらえます。
確定申告時の税理士費用について詳しくは、「確定申告の税理士費用相場ガイド」をご覧ください。
| 項目 | 個人事業主 | 法人 |
|---|---|---|
| 源泉徴収義務 | 従業員がいない場合は不要(給与支払事務所でない場合) | 常に必要 |
| 経費の計上先 | 事業の経費として全額計上可能 | 損金算入可能 |
| 確定申告での扱い | 事業所得の必要経費 | 法人税の損金 |
💡 実務のポイント
よく質問されるのが「従業員のいない個人事業主でも源泉徴収が必要か?」という点です。結論として、従業員を雇用しておらず給与の支払事務所の届出をしていない個人事業主は、税理士報酬の源泉徴収義務がありません。ただし、1人でもアルバイトを雇っている場合は源泉徴収義務が発生するため注意が必要です。
税理士に依頼できる業務の全体像については、「税理士の業務範囲を一覧表で解説」も参考になります。
📋 この記事のポイント
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