【税理士が解説】人事労務クラウドサービスの比較|SmartHR・freee・ジョブカン・マネーフォワード

【税理士が解説】人事労務クラウドサービスの比較|SmartHR・freee・ジョブカン・マネーフォワード
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。

人事労務クラウドサービスの比較|SmartHR・freee・ジョブカン・マネーフォワード

人事労務のDX化を検討する経営者・人事担当者に向けて、主要クラウドサービス5社の料金・機能・連携性・向き不向きを完全比較。この記事を読めば、自社の規模・既存システムに最適なサービスを迷わず選定できます。

🏆 結論:SmartHR(シェアNo.1・UI最強)、freee・マネフォ(会計連携重視)、ジョブカン(低コスト)の4軸で選ぶ

人事労務クラウドは「既存システム」「予算」「機能ニーズ」の3軸で選びます。SmartHRは労務管理クラウド市場シェアNo.1でUI/UX・タレントマネジメント機能が強み。freee・マネーフォワードは会計ソフトと連動する統合バックオフィス型。ジョブカン労務HRはジョブカンシリーズ統合でコストパフォーマンス重視。オフィスステーションは社労士連携・電話サポートが充実。料金は従業員1名あたり月額400〜1,000円が相場、初期費用は原則無料。まずは入社手続きから段階導入し、年末調整・社保電子申請へ機能拡張するのが王道です。

人事労務クラウドサービスとは?導入メリット

人事労務クラウドサービスは、入退社手続き・社会保険・雇用保険の申請・年末調整・給与明細配信・マイナンバー管理などの労務業務を、クラウド上で一元管理するシステムです。2020年の大法人向け電子申請義務化以降、中小企業でも急速に導入が進んでいます。

参考:厚生労働省「労働保険関係手続の電子申請」日本年金機構「電子申請」

導入による3つのメリット

  • 業務時間の大幅削減:紙・Excel管理と比べて労務業務が6〜8割減
  • 従業員セルフサービス化:住所変更・マイナンバー入力を従業員が自分でできる
  • ペーパーレス・リモート対応:年末調整・給与明細を完全電子化

🔷 社労士の視点

弊所が顧問を担当する従業員40名の小売業P社では、2024年にSmartHRを導入し、紙ベースの労務管理から完全移行しました。導入後1年で、入退社手続きが1件あたり2時間→30分に短縮、年末調整も40時間→10時間と激減。何より「人事担当者が他の戦略業務に時間を使えるようになった」のが大きな効果です。年間で人事担当者1名分の稼働時間が浮いた計算になります。

主要5サービスの料金・機能比較表

ここでは人事労務クラウド市場の主要5サービスを比較します。料金は2026年4月時点の公式情報を参考にした目安額で、企業の従業員数によって変動します。

サービス 料金(目安) 強み 向いている会社
SmartHR月額400円/人〜
初期費用0円
UI/UX最強、シェアNo.1、タレマネ機能UIを重視、50名以上、タレマネもやりたい
freee人事労務月額1,980円〜
従量課金あり
freee会計と連動、給与計算一体型すでにfreee会計を利用、小規模〜中規模
ジョブカン労務HR月額400円/人
初期費用0円
ジョブカンシリーズ統合、低コストジョブカン勤怠・給与ユーザー、コスト重視
マネーフォワード
クラウド人事管理
月額3,980円〜
利用者数による
MFクラウド経費・会計と連動MFクラウドシリーズ既ユーザー
オフィスステーション
労務
月額440円/人
初期費用110,000円
118帳票対応、電話サポート、社労士連携社労士と連携、電話サポート必須の会社

※料金は2026年4月時点の公式情報を参考にした目安。実際の見積もりは各社にお問い合わせください。

各サービスの詳細解説

SmartHR|シェアNo.1の労務管理クラウド

SmartHR社が提供する、労務管理クラウドの代名詞的存在。労務管理クラウド市場で圧倒的シェアを持ち、従業員のセルフ操作性が業界最高レベルです。2025年からは勤怠管理・給与計算機能も本体に統合され、オールインワン化が進んでいます。

⭐ 50名以上のUI重視企業に最適

主な機能:入退社手続き、社保電子申請、給与明細配信、年末調整、マイナンバー管理、人事評価、サーベイ、スキル管理、組織図作成

料金:従業員1名あたり月額400円(税抜)〜。無料プラン(30名まで)もあるため小規模企業の試用に向きます。

強み:業界最高水準のUI/UX、従業員が直感的に操作可能、120以上の外部サービスとAPI連携、タレントマネジメント機能

弱み:給与計算は別サービス連携が主流(2025年から本体機能化が進行中)

freee人事労務|freee会計ユーザーの自然な選択

会計ソフト「freee会計」の提供会社が展開する人事労務サービス。freee会計の利用企業なら、給与仕訳・法定調書など会計連動が自動化されるため、低コストで運用できます。

主な機能:給与計算、入退社手続き、年末調整、社保電子申請、マイナンバー管理、勤怠管理(オプション)

料金:月額1,980円〜(従業員3名まで)〜利用規模で増額。freee会計とのセット割引あり

強み:freee会計との完全連動、給与計算が標準機能、スモールビジネスに特化した料金設計

弱み:SmartHRと比較してUI/UXはやや劣る、大規模企業向け機能は限定的

ジョブカン労務HR|コストパフォーマンス重視

株式会社DONUTSが提供するジョブカンシリーズの一角。ジョブカン勤怠管理・給与計算との統合で、バックオフィス全体を低コストで運用できます。

主な機能:入退社手続き、社保電子申請、年末調整、マイナンバー管理、従業員名簿管理、ジョブカン他シリーズ連携

料金:月額400円/人。ジョブカン勤怠(200円/人)+ジョブカン給与(400円/人)と統合すれば3製品で月額1,000円/人でバックオフィス構築可能

強み:低価格、ジョブカンシリーズでの統合運用、中小企業向けの実用的な機能

弱み:タレントマネジメント機能は限定的、SmartHRほどのUI/UX完成度はない

マネーフォワード クラウド人事管理|経理〜労務の統合管理

株式会社マネーフォワードが提供する、クラウド経費・クラウド会計とシームレス連携する人事管理サービス。バックオフィス全体をマネーフォワードで統一したい企業に向きます。

主な機能:入退社手続き、社保電子申請、年末調整、マイナンバー管理、MFクラウド経費・給与・会計との連動

料金:スモールビジネスプラン月額3,980円〜、ビジネスプラン月額5,980円〜

強み:MFクラウドシリーズ統合、中堅企業〜上場企業向けの機能拡張性、経費精算との一体運用

弱み:単体利用ではコストが高め、既存ユーザー以外には導入負担大

オフィスステーション 労務|社労士連携・118帳票対応

株式会社エフアンドエムが提供する、社労士実務に強い労務クラウド。118種類の労務帳票に対応し、社労士事務所が顧問先管理に活用するケースも多いです。

主な機能:118帳票対応、入退社手続き、社保電子申請、年末調整、マイナンバー管理、社労士連携

料金:月額440円/人、初期費用110,000円

強み:帳票の網羅性(業種特有の届出も対応)、電話サポート、社労士事務所との親和性

弱み:初期費用が必要、UI/UXはSmartHRに劣る

選び方の判断フローチャート

自社にどのサービスが最適かを、以下の判断フローで絞り込めます。

条件 推奨サービス
freee会計を既に使っているfreee人事労務(自動連動でコスト効率最大)
MFクラウドを既に使っているマネーフォワード クラウド人事管理
ジョブカン勤怠を既に使っているジョブカン労務HR(統合ディスカウント)
UIを最重視、従業員数50名以上SmartHR
タレマネ機能も欲しいSmartHR
コスト最小化が最優先ジョブカン労務HR または freee人事労務
電話サポート必須オフィスステーション 労務
社労士と連携したいオフィスステーション または SmartHR

🧮 企業規模別の選び方ガイド

従業員10名以下:SmartHR無料プラン(30名まで)、freee人事労務(freee会計ユーザー)、ジョブカン労務HR

11〜50名:SmartHR(UI重視)、freee人事労務(会計連動)、ジョブカン労務HR(コスト)

51〜200名:SmartHR(シェアNo.1)、マネーフォワード(MF既ユーザー)、オフィスステーション(社労士連携)

200名以上:SmartHR(タレマネ併用)、オフィスステーション(豊富な帳票)、HRBrain(タレマネ特化)

料金試算シミュレーション【従業員数別】

従業員数別に、主要3サービスの年間費用を試算します。実際の料金は機能追加やオプションによって変動します。

従業員数 SmartHR freee人事労務 ジョブカン労務HR
20名月8,000円(年9.6万円)月3,980円(年4.8万円)月8,000円(年9.6万円)
50名月20,000円(年24万円)月8,800円(年10.6万円)月20,000円(年24万円)
100名月40,000円(年48万円)月17,600円(年21万円)月40,000円(年48万円)
200名月80,000円(年96万円)要問合せ月80,000円(年96万円)

※料金体系は各社により異なる。freeeは従量課金、SmartHR・ジョブカンは人数連動。ボリュームディスカウントあり。

AYUSAWA PARTNERS

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税務・会計連携の視点【税理士の視点】

📊 税理士の視点:会計ソフトとのシームレス連携の重要性

人事労務クラウドを選ぶ際、最優先すべきは会計ソフトとの連動性です。給与データから法定調書(源泉徴収票・支払調書)・年末調整の会計仕訳まで自動連動するかで、バックオフィス全体の業務時間が大きく変わります。弊所が税務顧問を担当する資本金500万円のIT企業Q社では、freee会計と人事労務を統合して法人税申告時の給与データ整合性確認が不要になり、税理士側の作業時間が年間約20時間減りました。既に会計ソフトを使っている企業は、「同じシリーズの人事労務を選ぶ」のが最も合理的です。

導入時の失敗事例と対策

失敗事例1:安さだけで選んだら使いづらく従業員が定着しない

月額400円の安価サービスを選んだものの、UIが複雑で従業員が操作を嫌がり、結局人事担当者が代理入力するケース。SmartHRのように月額400円でもUI/UXに優れたサービスが存在します。体験版を従業員5〜10名で試用してから決定するのが安全です。

失敗事例2:会計ソフトと連動しないサービスを選んで手作業が残る

「人事労務だけ」と考えてSmartHRを選んだら、会計ソフト(freee会計)との連動がないため給与仕訳を手入力する羽目に。会計ソフトを既に使っている場合は、連動性を事前確認します。

失敗事例3:社労士との連携が取れず二重管理に

社労士事務所に手続きを委託している企業が、社労士の使用していないサービスを導入すると、二重データ管理が発生。オフィスステーションなど社労士親和性の高いサービスの検討、または社労士との事前調整が重要です。

失敗事例4:機能を使いこなせず「高いExcel」状態

多機能なサービスを選んだが、年末調整と給与明細配信しか使わず、タレマネ・評価機能は休眠状態。段階的に機能を拡張するロードマップを導入時に描いておくと、投資対効果が高まります。

導入後の運用体制づくり【4つのポイント】

ポイント1:入社手続きから段階導入

一気に全機能を使い始めると定着しません。まずは「入退社手続き」の電子化からスタートし、次に「年末調整」「給与明細配信」と段階的に拡大する流れが失敗しにくいです。

ポイント2:従業員への説明会とマニュアル整備

導入初月は従業員が操作に戸惑います。全従業員向けの説明会(30分程度)と、スマホ向けの簡易マニュアルを用意して浸透を図ります。

ポイント3:社労士・税理士との連携設計

社労士・税理士がクラウド内のデータをどこまで閲覧できるか、権限設定を明確にします。社労士と共同アカウントを運用することで、電子申請代行の効率が上がります。

ポイント4:BCP(事業継続計画)の整備

クラウドサービスが一時的に障害停止するリスクに備え、過去データのバックアップ、代替手段を用意します。特に月末月初の給与計算期にサービス障害が起きるとインパクトが大きいため、事前対策が重要です。

よくある質問(FAQ)

SmartHRとfreee人事労務、どちらを選ぶべきですか?
既にfreee会計を使っているならfreee人事労務、会計ソフトがバラバラ or UI最重視ならSmartHRが基本方針です。freeeは低コストかつ給与計算一体型、SmartHRは業界最高水準のUI/UXと従業員セルフサービス機能が強みです。
無料で使える人事労務クラウドはありますか?
SmartHRの「0円プラン」(従業員30名以下、基本機能限定)が唯一の本格的な無料プランです。電子申請や年末調整機能は対象外のため、試用目的か極小規模向けです。
人事労務クラウドで社会保険の電子申請は可能ですか?
主要サービス(SmartHR・freee・ジョブカン・MF・オフィスステーション)はすべて社保電子申請に対応しています。GビズIDまたは電子証明書を紐付けて使います。
給与計算は人事労務クラウドで完結しますか?
サービスによります。freee人事労務、ジョブカン、マネーフォワード、SmartHR(2025年以降)は給与計算機能を本体に持ちます。一方、オフィスステーションは労務特化のため給与計算は別サービス連携が必要です。
導入にかかる期間はどれくらいですか?
従業員データ移行〜初期設定〜運用開始まで、通常1〜3か月が目安です。従業員50名以下なら1か月、200名以上なら3〜6か月を見込んでおくと安全です。年末調整直前の11月〜12月は避けて導入します。
マイナンバー管理は安全ですか?
主要サービスはすべてISMS(ISO27001)認証を取得し、国の定めるマイナンバー安全管理措置を満たしています。紙管理よりクラウド管理の方が情報漏洩リスクは低いのが実情です。詳しい安全管理措置の内容は個人情報保護委員会「マイナンバー制度」を参照してください。
社労士に委託している場合も人事労務クラウドを使うべきですか?
社労士と連携した運用が可能です。社労士側がクラウドにアクセスし、手続きを代行する「共同運用」が効率的です。導入前に顧問社労士と連携可能なサービスを確認してください。
海外拠点がある場合はどのサービスが良いですか?
日本国内の労務管理が中心なら、どのサービスも対応可能です。海外従業員の管理まで必要な場合、グローバル対応のHCMシステム(Workday、SAP SuccessFactors)を検討する方が適切です。
年末調整の電子化で本当に工数は減りますか?
大幅に減ります。従業員50名モデルで、紙配布→回収→確認→入力の一連の作業が年間40時間→10時間に短縮される事例が多数あります。マイナンバーカードでの保険料控除証明書取得と連動すればさらに効率化できます。
サービス間の乗り換えは可能ですか?
可能ですが、データ移行に手間がかかります。CSV出力・インポート機能はどのサービスにもあり、年度切替の4月や年末調整後の1月がスムーズな乗り換えタイミングです。2〜3か月の並行稼働期間を設けるのが安全です。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • SmartHR:シェアNo.1・UI/UX最強・タレマネ機能あり
  • freee人事労務:freee会計連動・給与計算一体型・スモールビジネスに安価
  • ジョブカン労務HR:コスパ最優秀・ジョブカンシリーズ統合
  • マネーフォワード:MFクラウド連携・中堅〜上場向け
  • オフィスステーション:118帳票対応・電話サポート・社労士連携
  • 選び方は「既存会計ソフト」「従業員数」「機能ニーズ」の3軸
  • 入社手続き→年末調整→給与明細の順で段階導入が失敗しない王道

人事労務クラウドサービスは、2020年の電子申請義務化以降、中小企業にも普及が加速しています。サービス選定で重要なのは、自社の規模・既存システム・社労士との連携体制を総合的に考慮することです。無料プランや無料トライアルを活用して、実際に従業員に使ってもらってから導入を決めるのが失敗しないコツです。

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