【税理士監修】自動車税・自動車重量税の基礎知識|税率・計算方法・環境性能割の廃止

【税理士監修】自動車税・自動車重量税の基礎知識|税率・計算方法・環境性能割の廃止
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。

自動車税・自動車重量税の基礎知識|税率・計算方法・環境性能割の廃止

「社用車の税金はいくらかかるの?」「環境性能割が廃止されたって本当?」とお調べの法人経営者・個人事業主に向けて、自動車にかかる税金の種類・税率・計算方法・経費処理を完全ガイドします。この記事を読めば、車の購入から毎年の維持費まで、税金の全体像がわかります。

🏆 結論:自動車にかかる税金は3つのタイミングで発生する

自動車の税金は「購入時」「毎年」「車検時」の3フェーズで発生します。2026年4月から環境性能割が廃止され、購入時の税負担が軽減されました。一方で自動車重量税のエコカー減税は基準が厳格化されています。法人・個人事業主は全額経費計上が可能ですが、勘定科目と処理方法が税の種類ごとに異なる点に注意が必要です。

自動車にかかる税金の全体像【3フェーズで整理】

自動車にかかる税金は複数ありますが、「いつ払うか」で整理すると理解しやすくなります。以下の表で全体像を把握してください。

タイミング 税金の種類 課税主体 課税標準 2026年4月〜の変更
購入時環境性能割都道府県取得価額廃止(2年間凍結)
消費税車両本体+オプション変更なし(10%)
毎年(4月1日時点)自動車税(種別割)/ 軽自動車税(種別割)都道府県 / 市区町村排気量基本枠組みは維持
車検時自動車重量税車両重量エコカー減税は延長(基準厳格化)

📢 令和8年度税制改正のポイント

2026年3月31日をもって環境性能割が廃止(2年間凍結)されました。4月1日以降に新車・中古車を取得する場合、環境性能割はかかりません。一方、エコカー減税(自動車重量税の軽減措置)は2028年4月末まで延長されますが、2026年5月以降は燃費基準が段階的に引き上げられます。

自動車税(種別割)の排気量別税率一覧

自家用乗用車の税額一覧

自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点の所有者に課税される都道府県税です。2019年10月の税制改正で税額が引き下げられたため、登録時期によって税額が異なります。

排気量 2019年10月〜(新税率) 2019年9月以前(旧税率) 13年超重課
1,000cc以下25,000円29,500円33,900円
1,000cc超〜1,500cc以下30,500円34,500円39,600円
1,500cc超〜2,000cc以下36,000円39,500円45,400円
2,000cc超〜2,500cc以下43,500円45,000円51,700円
2,500cc超〜3,000cc以下50,000円51,000円58,600円
3,000cc超〜3,500cc以下57,000円58,000円66,700円
3,500cc超〜4,000cc以下65,500円66,500円76,400円
4,000cc超〜4,500cc以下75,500円76,500円87,900円
4,500cc超〜6,000cc以下87,000円88,000円101,200円
6,000cc超110,000円111,000円127,600円

参考: 総務省「自動車税(種別割)について」

💡 実務のポイント

社用車として人気の2,000ccクラスのSUVなら年間36,000円(新税率)。一方、13年超の古い社用車を使い続けている場合は45,400円と約26%増しです。社用車の入替を検討する際は、この重課分も含めたトータルコストで判断してください。

月割課税のしくみ

年度途中に新車を登録した場合、自動車税は「登録月の翌月から3月まで」の月割りで計算されます。逆に言えば、月末より月初に登録した方が約1ヶ月分お得です。

計算式:月割税額 = 年税額 × 登録月の翌月から3月までの月数 ÷ 12

⚠️ 注意

軽自動車税(種別割)には月割課税の制度がありません。4月2日以降に取得した場合、翌年の4月まで軽自動車税はかかりません。逆に4月1日時点で所有していれば、たとえ翌日に手放しても1年分の税額がかかります。

軽自動車税(種別割)の税額

軽自動車税は市区町村が課税する地方税です。自動車税と異なり、排気量による段階的な区分はなく、車種ごとの定額制です。

車種区分 現行税額 13年超重課
自家用乗用車(四輪)10,800円12,900円
自家用貨物車(四輪)5,000円6,000円
営業用乗用車(四輪)6,900円8,200円
営業用貨物車(四輪)3,800円4,500円

実務では、社用車として軽自動車を導入する中小企業が増えています。年間の自動車税が10,800円と普通車の3分の1以下であるうえ、車両価格も安いため、経費面でのメリットが大きいです。

自動車重量税の計算方法と税額早見表

自動車重量税のしくみ

自動車重量税は、車検のタイミングで車両重量に応じて課税される国税です。新車購入時は3年分(初回車検まで)、以後は2年分(車検ごと)を一括で納付します。

自家用乗用車の自動車重量税早見表(2年分)

車両重量 エコカー エコカー外(〜13年) 13年超 18年超
〜0.5t5,000円8,200円11,400円12,600円
〜1.0t10,000円16,400円22,800円25,200円
〜1.5t15,000円24,600円34,200円37,800円
〜2.0t20,000円32,800円45,600円50,400円
〜2.5t25,000円41,000円57,000円63,000円

※軽自動車の自動車重量税は重量に関係なく定額:エコカー5,000円、エコカー外6,600円、13年超8,200円、18年超8,800円(2年分)

💡 実務のポイント

社用車の入替を検討する際は、「新しい車のエコカー重量税」と「古い車の重課税額」の差額を比較してください。1.5tクラスのSUVで13年超の場合、2年分で34,200円ですが、エコカーなら15,000円と半額以下。車検のたびに約2万円の差が生まれます。

環境性能割の廃止と今後の見通し

環境性能割とは何だったのか

環境性能割(旧・自動車取得税)は、自動車を取得したときに一度だけ課税される地方税でした。2019年10月の消費税10%引き上げに伴い、自動車取得税に代わって導入されました。燃費性能に応じて0%〜3%(自家用)の税率が適用されていました。

2026年4月1日からの変更点

令和8年度税制改正大綱により、環境性能割は2026年3月31日をもって廃止(2年間の全面凍結)されました。4月1日以降に自動車を取得する場合、環境性能割はかかりません。

項目 2026年3月31日まで 2026年4月1日以降
環境性能割燃費性能に応じて0%〜3%課税廃止(非課税)
判定基準契約日ではなく「登録日」
節税効果の例車両価格300万円の場合:最大9万円9万円の負担がゼロに

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エコカー減税の基準厳格化【2026年5月〜】

自動車重量税の軽減措置であるエコカー減税は2028年4月末まで2年間延長されましたが、減税を受けるための燃費基準が段階的に引き上げられます。

時期 免税の基準 50%減の基準 25%減の基準
〜2026年4月30日2030年度基準120%達成同105%達成同90%達成
2026年5月〜2027年4月2030年度基準125%達成同110%達成同95%達成
2027年5月〜2028年4月2030年度基準130%達成同115%達成同100%達成

※EV・FCV(燃料電池車)は新車登録時+初回車検時の「2回免税」が継続。参考: 東京都主税局

⚠️ 注意

現行制度で免税だったハイブリッド車でも、2026年5月以降の車検からは燃費基準の引き上げにより減税幅が縮小される可能性があります。次回の車検前に、自分の車が新基準でどの減税区分に該当するか確認してください。

社用車購入時の税金シミュレーション【3パターン比較】

📐 シミュレーション前提条件

  • 2026年4月以降に新車を法人名義で購入
  • 環境性能割は廃止済みのため非課税
  • エコカー減税は適用なし(ガソリン車・エコカー外)で計算
  • 1年目の税金のみ比較(車両価格は除く)
税金の種類 軽自動車(660cc・0.9t) コンパクトカー(1,500cc・1.1t) SUV(2,000cc・1.6t)
環境性能割0円0円0円
自動車税(種別割)※1年目月割0円※約28,000円約33,000円
自動車重量税(3年分・新車)9,900円36,900円49,200円
1年目の税金合計約9,900円約64,900円約82,200円

※軽自動車税は4月2日以降の取得で翌年4月まで非課税。※概算値です。登録月により月割額は変動します。

グリーン化特例(軽課・重課)のしくみ

グリーン化特例(軽課)

排出ガス性能や燃費性能に優れた自動車は、新車登録の翌年度に限り、自動車税(種別割)が概ね75%または50%軽減されます。令和8年度税制改正により、グリーン化特例(軽課)は令和8・9年度の2年間延長されています。

ただし、対象車種は電気自動車(EV)・燃料電池車(FCV)・天然ガス自動車・プラグインハイブリッド車(PHEV)に限定されています。通常のガソリン車やハイブリッド車(HEV)は対象外です。

グリーン化特例(重課)

新車登録から一定年数を超えた自動車は、自動車税が重課されます。

対象車種 重課の開始時期 重課率 対象外
ガソリン車・LPG車13年超約15%ハイブリッド車
ディーゼル車11年超約15%
軽自動車(ガソリン車)13年超約20%EV・FCV等

自動車関連税の経費処理【法人・個人事業主向け】

勘定科目と仕訳方法

法人・個人事業主が社用車にかかる税金を経費処理する際の勘定科目は、税金の種類によって異なります。

税金の種類 勘定科目 経費計上のタイミング 注意点
自動車税(種別割)租税公課賦課決定の通知日 or 納付日全額損金算入OK
自動車重量税租税公課車検時(納付日)全額損金算入OK
環境性能割(※廃止済み)租税公課 or 車両運搬具取得時取得価額に含めることも可
自賠責保険料損害保険料加入時短期前払費用の特例で一括OK

📊 公認会計士の視点

自動車税(種別割)は「租税公課」として全額損金算入できます。ただし、事業用と私用を兼ねる場合は、走行距離などの合理的な基準で按分が必要です。法人の場合は100%事業用として処理できますが、個人事業主は家事按分を忘れると税務調査で否認されるリスクがあります。

個人事業主の家事按分のポイント

個人事業主が自家用車を事業にも使っている場合、事業使用割合を合理的に計算して按分する必要があります。按分基準としては、走行距離(業務用の走行距離÷総走行距離)が最も合理的です。実務では50%〜80%の事業使用割合が一般的ですが、根拠資料(運転日報や走行記録)がないと税務調査で指摘されるケースが多いです。

自動車税の納付方法と期限

自動車税(種別割)は毎年5月上旬に納税通知書が届き、5月末日が納付期限です。納付が遅れると延滞金が発生します。

納付方法 手数料 メリット
金融機関・コンビニ窓口無料領収書が即時発行される
口座振替無料払い忘れ防止
クレジットカード手数料あり(330円程度〜)ポイント還元がある場合はお得
スマートフォン決済(PayPay・LINE Pay等)無料(自治体による)24時間いつでも納付可能
eLTAX(地方税ポータル)無料法人は一括管理が可能

実務では、法人の場合は口座振替を設定しておくのが最も確実です。複数台の社用車を保有している場合、1台でも納付漏れがあると車検が通らなくなるため注意してください。現在は電子的に納税状況が確認できるため、車検用の紙の納税証明書は基本的に不要です。

よくある質問(FAQ)

環境性能割が廃止されたので、車を買うときの税金は消費税だけですか?
購入時にかかる税金は消費税のみになりました。ただし、新車購入時には自動車重量税(3年分)も車検時に納付する必要があります。また、毎年の自動車税(種別割)は引き続きかかります。「購入時の税金」と「保有時の税金」を分けて考えてください。
自動車税の13年超重課はいつかなくなりますか?
現時点で13年超の重課を廃止する方針は示されていません。ただし、2028年以降にEVへの車両重量課税の導入が予定されており、自動車税の枠組み全体が見直される可能性があります。最新の税制改正大綱を注視してください。
法人名義の車の自動車税は全額経費にできますか?
はい、法人名義の車の自動車税(種別割)は全額「租税公課」として損金算入できます。ただし、代表者個人の私的使用が明らかな場合は、役員報酬(現物給与)として扱われるリスクがあります。社用車規程を整備し、業務使用であることを明確にしておくことが重要です。
軽自動車税に月割はありますか?
軽自動車税(種別割)には月割課税の制度がありません。4月1日時点の所有者に年額が一括課税されます。そのため、4月2日以降に取得すればその年度の軽自動車税はかからず、翌年の4月まで非課税です。逆に3月中に取得すると、わずか数日の所有で1年分の税金がかかります。
エコカー減税の対象車かどうかはどこで確認できますか?
国土交通省のウェブサイト「自動車の燃費性能の評価及び公表に関する実施要領」で車種ごとの燃費達成度を確認できます。また、販売店やメーカーのウェブサイトでもエコカー減税の適用可否が記載されていることが多いです。車検証の「型式」で検索すると確実です。
自動車税を滞納するとどうなりますか?
納付期限(5月末)を過ぎると延滞金が発生します。延滞金は納期限の翌日から1ヶ月以内は年7.3%程度、それ以降は年14.6%程度です。さらに、滞納が続くと車検が通らなくなり、最悪の場合は財産の差押えに至ることもあります。加算税の全体像については「加算税の全体像」もご覧ください。
2028年からEVの自動車税が変わると聞きましたが本当ですか?
令和8年度税制改正大綱で、2028年以降に新車登録されるEVについて、排気量ではなく「車両重量」に応じた課税方式を導入する方針が示されました。現行では、EVは一律で1,000cc以下のガソリン車と同じ最低区分(25,000円)ですが、重量の重いEVはガソリン車と同程度の負担が求められる見通しです。詳細は令和9年度の税制改正で決定される予定です。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 自動車の税金は「購入時」「毎年」「車検時」の3フェーズで発生
  • 環境性能割は2026年4月1日から廃止。購入時の税負担が軽減
  • 自動車税(種別割)は排気量別。2019年10月以降の登録車は税率引き下げ済み
  • 13年超の車は自動車税・重量税ともに重課。社用車の入替タイミングに注意
  • エコカー減税は2028年4月末まで延長。ただし2026年5月から基準が厳格化
  • 法人の自動車税は全額「租税公課」で損金算入OK。個人事業主は家事按分が必要

エコカー減税の詳細や自動車関連税の経費処理については「エコカー減税・グリーン化特例と自動車関連税の経費処理」もあわせてご覧ください。

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