【税理士×社労士が解説】中小企業向け補助金・助成金一覧|主要4大補助金を対象・金額・採択率で徹底比較

【税理士×社労士が解説】中小企業向け補助金・助成金一覧|主要4大補助金を対象・金額・採択率で徹底比較
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
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中小企業向け補助金・助成金一覧|主要4大補助金を対象・金額・採択率で徹底比較

「うちの会社で使える補助金や助成金はどれ?」「補助金と助成金は何が違うの?」という経営者・個人事業主に向けて、経産省系4大補助金と厚労省系3大助成金を対象・金額・補助率・採択率で横断比較します。この記事を読めば、自社の事業フェーズに合った最適な制度を選べるようになります。

🏆 結論:補助金は「設備投資・販路開拓」、助成金は「雇用・賃上げ」。目的で使い分ける

補助金(経産省系)は審査があり不採択の可能性がありますが、設備投資や販路開拓に数十万〜数千万円の支援が受けられます。助成金(厚労省系)は要件を満たせば原則受給でき、雇用や賃上げに活用できます。両者は併用可能なケースが多いため、「補助金で設備投資+助成金で人材確保」のように組み合わせて活用するのが最も効果的です。

補助金と助成金の違い【比較表】

そもそも何が違うのか

「補助金」と「助成金」は混同されがちですが、管轄省庁・審査の有無・受給の確実性が根本的に異なります。以下の比較表で違いを整理しましょう。

比較項目 補助金(経産省系) 助成金(厚労省系)
管轄経済産業省・中小企業庁厚生労働省
審査の有無あり(採択率30〜60%程度)なし(要件充足で原則受給)
主な目的設備投資・販路開拓・IT化・新事業雇用促進・賃上げ・労働環境改善
金額の傾向数十万〜数千万円数万〜数百万円
返済義務なしなし
公募時期年数回の公募期間あり通年で随時申請可能が多い
支払タイミング後払い(事業完了後に精算)後払い(実施確認後に支給)
相談先認定支援機関(税理士等)社会保険労務士

🔷 社労士の視点

助成金の原資は雇用保険料です。つまり、雇用保険に加入している事業所であれば、すでに保険料として支払っている原資を「取り戻す」感覚で活用できます。雇用保険法に基づく制度であるため、要件を満たせば受給は権利です。「助成金=もらえるもの」ではなく「助成金=支払った保険料の還元」と理解しましょう。

経産省系4大補助金【横断比較マトリクス】

主要4補助金の一覧表

中小企業が活用できる経済産業省・中小企業庁系の主要補助金を、対象・補助上限額・補助率・採択率の目安で横断比較しました。

補助金名 対象者 補助上限額 補助率 採択率目安 難易度
小規模事業者持続化補助金従業員20人以下50〜250万円2/340〜55%★★☆
新事業進出・ものづくり補助金中小企業750〜5,000万円1/2〜2/340〜50%★★★
デジタル化AI導入補助金(旧IT導入補助金)中小企業5〜450万円1/2〜3/450〜70%★★☆
事業承継・引継ぎ補助金事業承継を行う中小企業150〜800万円1/2〜2/350〜60%★★☆

※金額・補助率・採択率は公募回により変動します。最新の公募要領を必ず確認してください。

参考: 中小企業庁「補助金等の公募案内」

💡 実務のポイント

2026年度から「ものづくり補助金」と「中小企業新事業進出補助金」が統合され「新事業進出・ものづくり補助金」となり、また「IT導入補助金」が「デジタル化AI導入補助金」に名称変更されました。制度の本質は変わりませんが、公募要領の確認は必須です。

持続化補助金の詳細な申請方法と採択のコツについては、「小規模事業者持続化補助金の概要と申請方法」で詳しく解説しています。また、ものづくり補助金・IT導入補助金については「ものづくり補助金・IT導入補助金の概要と申請方法」をご覧ください。

厚労省系3大助成金【横断比較マトリクス】

主要3助成金の一覧表

厚生労働省系の助成金は、雇用保険法に基づく制度が中心です。補助金と違い審査による不採択がなく、要件を満たせば原則として受給できるのが特徴です。

助成金名 対象の取り組み 金額の目安 受給要件のポイント
キャリアアップ助成金(正社員化コース)非正規→正社員転換1人あたり80万円(中小企業)転換後6ヶ月の賃金3%以上増加
業務改善助成金最低賃金引き上げ+設備投資最大600万円事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ
人材開発支援助成金従業員への教育訓練経費の45〜75%+賃金助成事前の訓練計画の届出が必須

参考: 厚生労働省「事業主の方のための雇用関係助成金」

🔷 社労士の視点

キャリアアップ助成金の正社員化コースは、中小企業で最も利用されている助成金の一つです。2026年度は予算概算要求額が554億円と大規模で、非正規雇用労働者の情報開示加算(1事業所あたり20万円)も新設されました。パート・アルバイトを正社員にする予定があるなら、キャリアアップ計画書の事前提出を忘れずに。雇用保険法施行規則に基づく手続きが必要です。

事業フェーズ別の最適制度判定フロー

あなたの会社に合った制度はどれ?

補助金・助成金は多数あるため「結局どれに申請すればいいのか」と迷う方が少なくありません。事業のフェーズと目的に合わせて最適な制度を選ぶための判定フローを用意しました。

事業フェーズ やりたいこと 最適な制度 理由
創業期販路開拓・チラシ・HP作成持続化補助金(創業型)創業後1年以内なら上限200万円
創業期ITツール導入デジタル化AI導入補助金会計ソフト・ECなど導入費用を補助
成長期設備投資・新商品開発新事業進出・ものづくり補助金革新的な設備投資に最大5,000万円
成長期パート→正社員の転換キャリアアップ助成金1人あたり80万円、要件充足で確実に受給
成長期従業員の賃上げ+設備投資業務改善助成金賃上げと設備投資を同時に実現、最大600万円
成長期従業員のスキルアップ人材開発支援助成金研修費用の最大75%+賃金助成
承継期事業承継・M&A事業承継・引継ぎ補助金承継に伴う設備投資やDD費用を補助

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初回相談無料。税理士×社労士のダブル体制で、補助金(経産省系)と助成金(厚労省系)の両方をワンストップでサポートします。

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補助金・助成金の併用可否マトリクス

同時に使える?使えない?

「補助金と助成金は同時に使えるの?」という質問は非常に多くいただきます。結論から言えば、経産省系の補助金と厚労省系の助成金は管轄が異なるため、原則として併用が可能です。ただし、同じ経費に対して二重に補助を受けることはできません。

組み合わせ 併用可否 注意点
持続化補助金+キャリアアップ助成金販路開拓+正社員化で別経費のため併用可
ものづくり補助金+業務改善助成金同一設備を対象にしない限り併用可
持続化補助金+ものづくり補助金同一公募回での同時申請は不可の場合あり
IT導入補助金+人材開発支援助成金IT導入+操作研修で別経費のため併用可
同一経費に対する補助金+助成金の二重受給×同じ経費への二重交付は全ての制度で禁止

💡 実務のポイント

実務で最もよく見かける併用パターンは「持続化補助金で店舗改装+キャリアアップ助成金でパートを正社員化」です。設備投資は補助金で、人材確保は助成金でカバーすることで、投資と人材の両方を少ない自己負担で実現できます。中小企業等経営強化法第17条に基づく経営力向上計画を策定しておくと、補助金の加点にも活用できて一石二鳥です。

社会保険料率の最新情報と助成金への影響

2026年度の社会保険料率

助成金の受給要件には賃上げや社会保険加入が関わるため、現行の社会保険料率を把握しておくことが重要です。

保険種別 料率(労使合計) 事業主負担分
健康保険(協会けんぽ・東京)9.98%4.99%
厚生年金保険18.3%9.15%
雇用保険(一般の事業)1.55%0.95%
労災保険(その他の事業)0.3%0.3%(全額事業主)

※健康保険料率は都道府県により異なります。雇用保険料率は2025年4月改定分。最新の料率は各機関のHPでご確認ください。

⚠️ 注意

パートを正社員化してキャリアアップ助成金を受給する場合、正社員化に伴い社会保険の加入義務が生じることがあります。助成金80万円を受給しても、社会保険料の事業主負担(年額約30〜50万円)が発生するため、トータルの損益を試算したうえで意思決定してください。

補助金・助成金の申請スケジュール管理

年間カレンダーの考え方

補助金は公募期間が限られており、助成金も事前計画の届出が必要なため、スケジュール管理が成否を分けます。以下の年間スケジュール目安を参考に、計画的な準備を行いましょう。

時期 やるべきこと 対象制度
1〜2月前年度の制度改正情報を確認。GビズID取得。経営力向上計画の認定申請全補助金
3〜4月年度初回の公募開始。持続化補助金・ものづくり補助金の申請準備持続化・ものづくり
4〜6月キャリアアップ計画書の提出。年度初回の助成金申請キャリアアップ・業務改善
7〜9月第2回公募への申請。持続化補助金の秋公募準備IT導入・持続化
10〜12月補正予算の動向チェック。翌年度の予算案・新制度の情報収集全制度

資金調達全体の戦略については「中小企業の資金調達の全体像」で、補助金の事業計画書の書き方については「補助金申請を通すコツ|採択される事業計画書の書き方と加点項目の攻略法」で詳しく解説しています。

よくある質問(FAQ)

補助金と助成金、どちらを先に申請すべきですか?
目的により異なります。設備投資が先なら補助金、人材確保が先なら助成金を優先してください。両方を同時期に申請することも可能です。ただし、補助金は公募期間が限られるため、公募スケジュールに合わせて準備を進めるのが実務上のベストです。
個人事業主でも助成金は受給できますか?
はい、雇用保険に加入している従業員がいれば受給可能です。キャリアアップ助成金や業務改善助成金は個人事業主でも利用できます。ただし、従業員がいない(一人親方など)場合は雇用保険適用事業所ではないため、厚労省系の助成金は対象外となります。
補助金・助成金は課税されますか?
はい、補助金も助成金も法人税・所得税の課税対象です。法人では雑収入(益金)、個人事業主では事業所得の総収入金額に計上します。ただし、補助金で取得した固定資産には法人税法第42条に基づく圧縮記帳を適用して課税を繰り延べることが可能です。
不正受給をするとどうなりますか?
補助金・助成金の不正受給は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(補助金適正化法)第29条により、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性があります。また、不正受給した金額の返還に加え、加算金(年10.95%)が課されます。不正受給は事業者名が公表されるため、社会的信用も大きく損なわれます。
税理士と社労士、どちらに相談すべきですか?
経産省系の補助金は税理士(認定支援機関)、厚労省系の助成金は社会保険労務士が適任です。両方を検討したい場合は、鮎澤パートナーズのように税理士と社労士の両方が在籍するワンストップ事務所に相談するのが効率的です。
採択されなかった場合、次の公募で再チャレンジできますか?
はい、不採択でも次の公募回で再申請できます。多くの場合、不採択理由が通知されるため、指摘事項を修正して再提出すれば採択率は上がります。助成金は審査がないため不採択という概念がなく、要件不備の場合は修正して再申請すれば受給できます。
補助金の申請に費用はかかりますか?
補助金自体の申請に手数料はかかりません。ただし、税理士や中小企業診断士に事業計画書の作成を依頼する場合は別途費用が発生します。着手金5〜10万円+成功報酬(補助金額の10〜15%)が相場です。商工会議所の無料相談や中小企業庁の「ミラサポplus」も活用できます。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 補助金(経産省系)は設備投資・販路開拓向け、助成金(厚労省系)は雇用・賃上げ向け
  • 補助金は審査あり(採択率30〜60%)、助成金は要件充足で原則受給可能
  • 4大補助金:持続化(50〜250万円)・ものづくり(750〜5,000万円)・IT導入(5〜450万円)・事業承継(150〜800万円)
  • 3大助成金:キャリアアップ(1人80万円)・業務改善(最大600万円)・人材開発(経費の45〜75%)
  • 経産省系の補助金と厚労省系の助成金は、同一経費でなければ併用可能
  • 補助金・助成金は法人税・所得税の課税対象。圧縮記帳で課税繰延が可能な場合あり
  • 補助金は税理士(認定支援機関)、助成金は社労士に相談するのが最も効率的

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