【行政書士が解説】行政書士の報酬相場|許認可別の費用一覧と失敗しない選び方7つのポイント

【行政書士が解説】行政書士の報酬相場|許認可別の費用一覧と失敗しない選び方7つのポイント
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。

行政書士の報酬相場|許認可別の費用一覧と失敗しない選び方7つのポイント

「行政書士に依頼したいけど、いくらかかるか分からない」「安すぎる事務所は大丈夫?」という経営者・創業者に向けて、業務別の報酬相場と事務所選びの実務ポイントを整理します。

🏆 結論:報酬は「業務」×「難易度」×「地域」で決まる

行政書士の報酬は2004年に自由化されて以来、各事務所が自由に設定できるため、同じ業務でも事務所により2〜3倍の差が生じます。日本行政書士会連合会が5年ごとに実施する報酬額統計を基準に、業務別の平均相場は「建設業許可新規12〜15万円」「飲食店営業許可4〜7万円」「宅建業免許10〜15万円」「産廃収集運搬業許可10〜15万円」「相続関係書類作成5〜10万円」「帰化許可申請20〜30万円」が目安です。ただし相場より極端に安い事務所は「差戻し多発」「アフターフォローなし」等のリスクがあり、極端に高い事務所も「付加サービスが不要なケース」が多いため、見積もりの透明性・実績・アクセス・専門性の4軸で比較するのが実務的です。複数許認可が必要な場合は、ワンストップ事務所(行政書士+他士業併設)の方が総費用・総時間で有利になるケースがほとんどです。

行政書士報酬の3つの構成要素

行政書士に依頼する際の費用は、大きく3つに分けられます。見積書を比較する時は、どの部分の金額かを確認することが重要です。

構成要素 内容 相場
①行政書士報酬書類作成・相談・代行の対価業務による(下記詳細)
②法定費用(実費)登録免許税・印紙代・証明書発行手数料5,000〜20万円
③作業日当・交通費遠方出張・現地調査時の実費1日2.5万〜4万円+交通費

💡 実務のポイント:見積書で「込み」か「別途」かを必ず確認

「建設業許可10万円」と広告にあっても、法定費用9万円が別途請求される場合があります。見積書を受け取ったら「法定費用込み」か「別途」かを必ず確認してください。弊所で顧問先から相談を受けた事例では、建設業許可を6万円で依頼したが実費9万円別途+差戻し2回の追加対応で合計24万円になったケースがあります。安価な見積もりには理由があるため、総額で比較することが重要です。

業務別報酬相場一覧|許認可・届出

日本行政書士会連合会の報酬額統計(令和2年度調査)と実務感覚をもとに、業務別の報酬相場を整理します。以下は行政書士報酬のみの金額で、法定費用(実費)は別途必要です。

建設業関連

業務 報酬相場 法定費用
建設業許可申請(知事・新規)12万〜20万円9万円
建設業許可申請(大臣・新規)15万〜25万円15万円
建設業許可更新6万〜10万円5万円
業種追加6万〜10万円5万円
決算変更届(年1回)3万〜5万円
経営事項審査(経審)10万〜15万円2〜3万円

飲食・店舗関連

業務 報酬相場 法定費用
飲食店営業許可4万〜7万円16,000〜18,000円
深夜酒類提供飲食店営業届6万〜12万円
風俗営業許可15万〜25万円24,000円
旅館業許可15万〜25万円22,000円
住宅宿泊事業(民泊)届出8万〜12万円

不動産・運送・廃棄物関連

業務 報酬相場 法定費用
宅地建物取引業免許(知事)10万〜15万円33,000円
宅地建物取引業免許(大臣)15万〜25万円9万円
古物商許可4万〜7万円19,000円
一般貨物自動車運送事業許可40万〜60万円12万円
産業廃棄物収集運搬業許可10万〜15万円81,000円
産業廃棄物処分業許可30万〜50万円10万円

人材・金融関連

業務 報酬相場 法定費用
労働者派遣事業許可20万〜40万円12万円+印紙9万円
有料職業紹介事業許可15万〜30万円55,000円+印紙
貸金業登録20万〜40万円90,000〜150,000円
旅行業登録15万〜25万円15,000〜45,000円

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業務別報酬相場一覧|会社設立・相続・ビザ

会社設立関連

業務 報酬相場 法定費用
定款作成(電子定款対応)2万〜5万円3〜5万円(認証手数料)
株式会社設立フルサポート6万〜10万円15万円(登録免許税等)
合同会社設立フルサポート4万〜7万円6万円(登録免許税等)
NPO法人設立15万〜30万円
一般社団法人設立8万〜15万円11万円(登録免許税等)

相続・遺言関連

業務 報酬相場 備考
遺産分割協議書作成5万〜15万円相続人数・財産額による
相続人調査(戸籍収集)3万〜8万円
相続財産目録作成3万〜8万円
遺言書作成(公正証書)8万〜15万円公証人手数料別途
遺言書作成(自筆証書)3万〜8万円
相続手続き一括(包括)財産額の0.5〜1%
(最低15〜30万円)
相続税申告は税理士対応

在留資格・外国人関連

業務 報酬相場 法定費用
在留資格認定証明書交付申請10万〜15万円
在留資格変更許可申請10万〜15万円4,000円
在留期間更新許可申請5万〜8万円4,000円
永住許可申請10万〜20万円8,000円
帰化許可申請20万〜30万円
経営・管理ビザ15万〜25万円

その他書類作成

業務 報酬相場
契約書作成(一般的)5万〜15万円
内容証明郵便作成1万〜3万円
車庫証明1万〜2万円
自動車移転登録1.5万〜3万円
補助金・助成金申請着手金10万円〜+成功報酬10〜15%

※上記は全国平均の目安です。都市部は相場の上限寄り、地方は下限寄りに設定されることが多くあります。

報酬が高い事務所・安い事務所の違い

同じ業務でも事務所により2〜3倍の差が生じる理由は、以下の5点に集約されます。

要因 高めに設定される事務所 安めに設定される事務所
①経験・実績該当業務10年以上・申請実績豊富開業直後・実績少なめ
②サポート内容事前コンサル・許可後の変更届継続支援込み書類作成のみ・アフター別料金
③所在地都市部(東京・大阪)地方・郊外
④専門性特定分野に特化(建設業専門等)幅広く対応
⑤他士業連携税理士・社労士等ワンストップ行政書士単独

⚠️ 注意:極端に安い事務所のリスク

相場の半額以下で建設業許可を請け負う事務所は、①書類作成のみで要件確認をしない(差戻しが多発)、②実費別途で結果的に高額、③経験不足で審査長期化、④アフターフォローなし、のいずれかのケースが多いです。弊所で顧問先から相談を受けた中には、5万円で依頼したが差戻し4回・4カ月遅延で、結局追加10万円+時間ロスになった事例もあります。「適正な相場を踏まえた見積もり」で、透明性のある説明ができる事務所を選ぶのが結果的に安全です。

失敗しない行政書士の選び方7つのポイント

行政書士選びで後悔しないために、以下の7つのポイントを基準に比較しましょう。

ポイント1:該当業務の実績数

「建設業許可を年間何件扱っているか」「産廃業許可を過去5年で何件経験したか」等、具体的な業務実績数を確認します。経験1〜2件の事務所より、年間50件以上の専門事務所の方が、要件判定・差戻し回避・行政との折衝スキルで勝ります。

ポイント2:見積書の透明性

見積書に「行政書士報酬」「法定費用(実費)」「作業日当」が明確に分かれているかを確認します。総額のみで内訳が曖昧な見積もりは、後から追加請求が発生するリスクが高くなります。

ポイント3:他士業との連携

許認可申請に加えて、税務(税理士)・労務(社労士)・会計(公認会計士)の対応が必要なケースでは、ワンストップ事務所の方が総費用・総時間で有利になります。特に会社設立+許認可+税務届出をまとめて依頼する場合、連携不備による手戻り防止になります。

ポイント4:アフターフォロー体制

許認可取得後の変更届・更新申請まで対応する顧問契約の有無を確認します。建設業は毎年の決算変更届が必須で、単発依頼を繰り返すより顧問契約(月額3〜10万円)の方が効率的です。

ポイント5:対応スピード

問い合わせ時の返信速度で対応品質が分かります。24時間以内に返信がある事務所は業務も迅速な傾向があります。逆に初回返信に3日以上かかる事務所は、申請期間中のコミュニケーションも遅延しやすい可能性があります。

ポイント6:立地・アクセス

地域性のある許認可(建設業の知事許可、都道府県別の環境関係等)は、所管行政庁に近い事務所の方が実務的です。行政窓口との日常的な付き合いがあり、非公式な事前相談がスムーズになります。

ポイント7:口コミ・紹介元

インターネット上の口コミに加えて、同業者・取引先・税理士・銀行等からの紹介を重視します。紹介案件は「外れ」が少なく、紹介者のチェックが入っているため信頼性が高くなります。

🔷 行政書士の視点:3社相見積もりが実務的

重要な許認可(建設業・産廃業・労働者派遣等)では、最低3社から相見積もりを取ることをおすすめします。見積もり時の対応姿勢・質問への回答の的確さ・提案内容の充実度で、実際の業務品質が見極められます。弊所で顧問先からの相談で、A事務所15万円・B事務所22万円・C事務所18万円の見積もりを比較し、B事務所(一見最高額)を選んだケースがあります。決め手はB事務所の「要件確認の徹底」と「取得後1年間の変更届フォロー付き」で、結果的に満足度が最も高くなりました。価格だけでなく「期待できる成果」を比較することが重要です。

複数許認可が必要な場合の費用試算

会社設立と複数許認可を同時進行する場合、個別依頼とワンストップ依頼で大きな差が生じます。

🧮 シミュレーション:建設業で会社設立+許可取得の費用比較

パターンA:個別依頼
・会社設立(行政書士A):報酬8万+実費15万=23万
・建設業許可(行政書士B):報酬15万+実費9万=24万
・税務届出(税理士C):報酬5万
・社保手続き(社労士D):報酬3万
→合計55万円、打合せ回数4人分、情報連携の手間大

パターンB:ワンストップ事務所
・会社設立+建設業許可+税務届出+社保手続きセット
→合計45万円程度、打合せ1窓口、情報連携自動化
→20%程度の費用削減+時間大幅短縮

報酬を抑える5つの方法

方法1:自分で準備できる書類は準備する

登記事項証明書・印鑑証明書・住民票等は自分で取得すれば実費のみで済みます。行政書士に取得代行を依頼すると1通3,000〜5,000円の実費+報酬が追加されます。

方法2:パック料金を活用する

「会社設立+許認可セット」「相続手続き丸ごとパック」等のパック料金は、個別依頼より10〜30%安くなるケースが多くあります。

方法3:繁忙期を避ける

建設業許可は年度初め(4〜6月)、相続案件は年度末(2〜3月)に集中するため、繁忙期の報酬は若干上がる傾向があります。タイミングに余裕があれば閑散期を選ぶのも一策です。

方法4:複数許認可を同時依頼する

同時期に複数の許認可が必要な場合、1社にまとめて依頼すると単品の合計より10〜20%程度の割引が適用されるケースが多くあります。

方法5:顧問契約を活用する

毎年の変更届・決算変更届・更新申請が必要な業種は、単発依頼を繰り返すより月額顧問契約の方が総額で安くなります。月額3〜10万円の顧問料で、全ての定期手続きを包括的に対応できるのが一般的です。

よくある質問

行政書士の報酬に消費税は含まれていますか?
事務所により異なります。見積書・料金表に「税込」「税別」の記載があるか必ず確認してください。税抜表示だと実際の請求額が10%高くなります。見積書を受け取ったら「この金額は税込ですか」と確認するのが実務的です。
見積もり段階で料金は発生しますか?
多くの事務所で初回相談・見積もりは無料です。ただし複雑な案件の事前調査・詳細見積もりは有料となることがあります。ホームページや電話問い合わせで「初回無料相談」「無料見積もり」の明示を確認してください。
着手金と成功報酬の違いは何ですか?
着手金は契約時に前払いする料金で、申請が受理されなくても返金されないのが一般的です。成功報酬は許可取得後に支払う成果報酬で、補助金申請などで採用されることが多い料金体系です。通常の許認可申請は着手金方式(または分割払い)が主流で、依頼時に報酬の30%〜50%を着手金として支払うケースが多くあります。
許可が取れなかった場合は返金されますか?
事務所により異なりますが、要件未充足で許可が下りなかった場合、着手金は基本的に返金されません(調査・書類作成の対価として)。一方、行政書士側のミスで不受理となった場合は、全額または一部返金の対応が一般的です。契約書に「不許可時の取扱い」を明記してもらうのが実務的です。
行政書士報酬と法定費用はどう違いますか?
行政書士報酬は行政書士が受け取る対価(書類作成・代行の手数料)で、法定費用は申請時に役所へ支払う公的な手数料(印紙・登録免許税等)です。法定費用は法律で決まった金額で、事務所による差はありません。「建設業許可10万円」と広告していても、法定費用9万円は別途必要となるケースがあります。
行政書士とコンサルタントの報酬差は何が理由ですか?
行政書士は独占業務(官公署への書類作成・提出代行)を行える国家資格者で、コンサルタントは法的な代行権限はありません。許認可申請そのものの代行は行政書士しかできず、コンサルタントは「助言・指導」のみが合法的な業務範囲です。報酬相場は行政書士の方が一般に10〜30%高めですが、独占業務の専門性を考えれば合理的な水準です。
相続手続きを全部依頼するといくらかかりますか?
相続人調査・財産調査・遺産分割協議書作成・名義変更等を全て依頼した場合、財産総額5,000万円で35万〜50万円、1億円で50万〜80万円程度が相場です。相続税申告が必要な場合は税理士報酬(財産額の0.5〜1%、最低40万円)が別途必要。相続税なしなら行政書士単独、相続税ありなら行政書士+税理士の併設事務所が効率的です。
補助金申請の成功報酬はいくらですか?
着手金10〜30万円+成功報酬10〜15%が一般的です。例えばものづくり補助金1,000万円獲得なら、着手金20万+成功報酬100〜150万で計120〜170万円。不採択でも着手金は戻らないため、採択率の高い経験豊富な事務所を選ぶことが重要です。採択実績(「過去〇〇件中〇〇件採択」等)を公開している事務所が安心です。

📋 この記事のポイント

  • 行政書士報酬は2004年に自由化、業務により2〜3倍の差が生じる
  • 報酬は「行政書士報酬+法定費用+作業日当」の3要素で構成
  • 建設業許可新規12〜20万円、飲食店営業許可4〜7万円、宅建業免許10〜15万円が目安
  • 会社設立フルサポートは6〜10万円+実費15万円
  • 相続関連は5〜15万円、帰化許可20〜30万円が相場
  • 極端に安い事務所は差戻し・アフターフォロー不足リスクあり
  • 選び方の7ポイント:実績・見積透明性・他士業連携・アフター・対応速度・立地・紹介
  • 複数許認可+他士業業務はワンストップ事務所で20%以上費用削減可能
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