【税理士×公認会計士が解説】法人保険の種類と節税効果|2019年通達改正後の正しい活用法と経営者の生命保険

【税理士×公認会計士が解説】法人保険の種類と節税効果|2019年通達改正後の正しい活用法と経営者の生命保険
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。

「法人保険に入れば節税できる」は、2019年の通達改正で大きく様変わりしました。節税効果をまだ見込める保険の種類と、役員退職金準備・事業保障として本来の目的で活用する方法を、定期保険・養老保険・第三分野保険の損金算入ルールとあわせて実務目線で整理します。

🏆 結論:法人保険は「節税商品」ではなく「課税繰延+事業保障」ツール

2019年7月8日以降の契約は、最高解約返戻率によって損金算入割合が4段階に区分されます。保険料の全額損金となるのは返戻率50%以下または年換算保険料30万円以下の少額契約のみで、高返戻率の定期保険では保険料の60%〜90%が資産計上となります。「節税」ではなく「出口(解約返戻金)時の益金を役員退職金など損金と相殺する課税繰延」と、「経営者に万一があった場合の事業保障」が本来の活用法です。

法人保険とは?基本のしくみと2019年改正の位置づけ

法人保険とは、法人(会社)が契約者となり、役員や従業員を被保険者とする生命保険・第三分野保険の総称です。個人契約の生命保険と異なり、保険料を法人の損金として経理処理できる点が最大の特徴ですが、2019年(令和元年)の国税庁通達改正により、損金算入ルールが大きく変わりました。

結論から言えば、かつての「払った保険料をそのまま全額損金にできる節税スキーム」はほぼ使えなくなり、現在は「課税の繰延」と「事業保障」の2つの役割で評価されます。

法人保険の主な3つの目的

実務で法人保険を検討する経営者の目的は、大きく次の3つに整理できます。

目的 狙い 主な保険種類
事業保障経営者死亡時の借入金返済・運転資金確保定期保険・逓減定期保険
役員退職金の準備解約返戻金を退職金原資に充当長期平準定期保険・逓増定期保険・養老保険
福利厚生従業員の死亡保障・退職金準備養老保険(ハーフタックスプラン)・団体定期保険

2019年通達改正の背景

2019年改正の背景には、行き過ぎた節税商品への規制があります。改正前は、解約返戻率が80〜90%に達する定期保険でも保険料の全額を損金計上できる商品が多く、「払った保険料をほぼ取り戻せるうえに課税所得も減らせる」として販売が過熱しました。

これを問題視した国税庁は、2019年6月28日に法人税基本通達9-3-5および9-3-5の2を改正し、最高解約返戻率に応じた損金算入ルールを導入しました。改正通達は2019年7月8日以降の契約から適用され、既契約は従前ルールが維持されます。

💡 実務のポイント

既契約(2019年7月8日以前)は従前ルールで処理しますが、契約内容の変更(増額・減額・転換・払済化など)があると変更後期間は新ルールが適用されます。実務で契約内容を見直す際は、その変更が通達上の「契約内容の変更」に該当するかを必ず確認してください。

法人保険の種類と基本的な損金算入の扱い

法人保険は大きく「定期保険」「養老保険」「終身保険」「第三分野保険」の4種類に分かれ、損金算入の扱いが異なります。

定期保険(掛捨て型)

定期保険は、一定期間内に被保険者が死亡した場合に保険金が支払われる掛捨て型の生命保険です。満期保険金はないため、原則として支払保険料は全額損金算入できますが、最高解約返戻率が50%を超える場合は後述の区分ルールが適用されます。

養老保険(貯蓄型)

養老保険は、被保険者の死亡時に死亡保険金、満期時に満期保険金が支払われる貯蓄機能付きの生命保険です。死亡保険金と満期保険金が同額に設計されることが多く、国税庁タックスアンサーNo.5363に定める契約形態に該当すれば、保険料の2分の1を福利厚生費として損金算入できます(通称:ハーフタックスプラン)。

終身保険

終身保険は一生涯の死亡保障がある貯蓄性の高い保険です。貯蓄性が高いため支払保険料は全額資産計上となり、損金算入はできません。法人契約は実務上ほとんど見られず、経営者個人で契約するか、相続対策として活用されるケースが中心です。

第三分野保険(医療保険・がん保険等)

第三分野保険とは、保険業法第3条第4項第2号に規定される医療保険・がん保険・介護保険・傷害保険など、生命保険と損害保険の中間分野の保険です。2019年改正後は定期保険と同じ区分ルールが適用されますが、保険料払込期間が有期(短期払)の場合や、解約返戻金相当額のない商品には別途特例があります。

保険種類 貯蓄性 損金算入の原則 主な用途
定期保険(短期)全額損金事業保障
長期平準定期保険中〜高返戻率による4区分役員退職金準備
逓増定期保険返戻率による4区分役員退職金準備
養老保険条件により1/2損金福利厚生・退職金
終身保険全額資産計上(法人活用は稀)
医療保険(第三分野・短期払)年払30万円以下で全額損金経営者の医療保障
がん保険(第三分野)低〜中返戻率による4区分経営者の医療保障

2019年通達改正後の損金算入ルール【4区分の完全整理】

最も重要なのがこの4区分ルールです。2019年7月8日以降に契約した保険期間3年以上の定期保険・第三分野保険で最高解約返戻率が50%を超えるものは、法人税基本通達9-3-5の2により、返戻率に応じて損金算入割合と資産計上期間が定められます。

最高解約返戻率による4区分の詳細

最高解約返戻率 資産計上期間 資産計上額 取崩期間
50%以下なし(全額損金)
50%超〜70%以下保険期間の前半4割支払保険料×40%保険期間の4分の3経過後〜保険期間終了日
70%超〜85%以下保険期間の前半4割支払保険料×60%保険期間の4分の3経過後〜保険期間終了日
85%超保険期間開始日〜最高返戻率期間の終了日(最低5年)当初10年間:支払保険料×最高返戻率×90%/11年目以降:支払保険料×最高返戻率×70%解約返戻金額が最大となる期間経過後〜保険期間終了日

📐 損金算入額の計算例(年払保険料100万円・保険期間20年の場合)

  • 返戻率50%以下:損金100万円/資産計上0円
  • 返戻率60%(50〜70%区分):前半8年間は損金60万円/資産計上40万円
  • 返戻率80%(70〜85%区分):前半8年間は損金40万円/資産計上60万円
  • 返戻率90%(85%超区分、当初10年):損金約19万円/資産計上約81万円

30万円特例と短期払の特例

ただし、次のいずれかに該当する場合は4区分ルールが緩和されます。

📢 2つの特例

30万円特例:最高解約返戻率が70%以下で、かつ1被保険者あたり年換算保険料が30万円以下なら、返戻率区分に関係なく全額損金算入が可能。
解約返戻金のない短期払の特例:保険期間を通じて解約返戻金相当額がない定期保険・第三分野保険で、短期払(保険料払込期間が保険期間より短い)の場合、1被保険者あたり年払保険料30万円以下なら支払時全額損金。

なぜ「節税効果」が薄れたのか

改正前は、返戻率80%以上の保険でも保険料の全額を損金にできたため、「払った保険料の全額が損金になり、数年後には80%以上が解約返戻金として戻ってくる」という実質的な節税効果がありました。改正後は返戻率が高いほど資産計上割合が増えるため、「払った時点での損金算入額」が大幅に減りました。

結果として、法人保険は「今期の税金を減らす商品」から「解約返戻金を受け取るときに退職金などの損金と相殺して課税を平準化する商品(課税繰延)」に役割が変わりました。

養老保険とハーフタックスプランの活用

養老保険は2019年改正の影響を受けないため、現在でも契約形態次第で保険料の2分の1を損金算入できる数少ない商品です。

ハーフタックスプラン(1/2損金)の契約形態

ハーフタックスプランが成立するのは、次の契約形態の場合です。

契約要素 設定
契約者法人
被保険者原則として全役員・全従業員
死亡保険金受取人被保険者の遺族
満期保険金受取人法人

この条件を満たすと、支払保険料の1/2が「保険料積立金(資産計上)」、残り1/2が「福利厚生費(損金算入)」として処理できます。

福利厚生費として認められる要件

ただし、次のいずれかに該当する場合は福利厚生費ではなく「給与」として取り扱われ、被保険者個人に所得税が課税される点に注意が必要です。

⚠️ 給与課税となるケース

① 役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合
② 役員または使用人の全部または大部分が同族関係者である法人で、同族関係者を被保険者とする場合
③ 普遍的加入(全従業員加入)の要件を満たさない場合(過半数未満の加入や、合理的な基準なく一部のみを対象とする場合など)

実務で否認されやすいのは、同族会社で役員のみや同族関係者のみを被保険者にするケースです。福利厚生として認められるには、就業規則・福利厚生規程に保険加入を明記し、全従業員を原則加入としつつ合理的な除外基準(勤続年数・入社時期など)を設ける必要があります。

養老保険の経理処理

場面 借方 貸方
保険料支払時保険料積立金 50万円/福利厚生費 50万円現金預金 100万円
満期保険金受取(満期1,200万円・積立金累計1,000万円)現金預金 1,200万円保険料積立金 1,000万円/雑収入 200万円
死亡保険金を遺族が受取雑損失(保険料積立金相当額)保険料積立金

📊 公認会計士の視点

養老保険の保険料積立金は貸借対照表の「投資その他の資産」に計上され、長期の資金ロックが発生します。会計上は実質的に金融商品に近い性格を持ちますが、中途解約すると解約返戻金が積立金を下回ることが多く、会計上も損失計上になります。導入前にキャッシュフローへの影響を試算し、保険料の継続支払能力があるかを必ず検討してください。

役員退職金と法人保険の連携【出口戦略】

2019年改正後の法人保険の中心的な活用法は、解約返戻金のピーク時期を役員退職金の支給時期に合わせることです。これにより、受取時の益金(雑収入)を退職金の損金(役員退職給与)で相殺し、課税を繰り延べた上で最終的な税負担を圧縮できます。

課税繰延のしくみ

フェーズ 法人側の税務処理 個人側の税務処理
保険料支払中損金算入分で課税所得を圧縮
解約返戻金受取時解約返戻金 − 資産計上累計額 = 雑収入(益金)
役員退職金支給(同期)役員退職給与として損金算入(雑収入と相殺)退職所得(1/2課税・退職所得控除あり)で低税負担

役員退職金の適正額と法人税法上の制約

役員退職金は法人税法第34条および法人税法施行令第70条第2号により、「不相当に高額な部分の金額」は損金不算入となります。適正額の算定には一般的に「功績倍率方式」が用いられます。

🧮 功績倍率方式による役員退職金のシミュレーション

適正額 = 最終月額報酬 × 役員在任年数 × 功績倍率

計算例:最終月額報酬100万円・在任25年・功績倍率3.0倍の代表取締役
100万円 × 25年 × 3.0 = 7,500万円

功績倍率の目安:代表取締役 2.5〜3.0倍/専務・常務 2.0倍前後/取締役 1.5倍前後(判例・実務の一般的水準)

解約タイミングの設計

役員退職金準備として法人保険を活用する場合、次の3点を事前に設計する必要があります。

  1. 解約返戻金のピーク時期:役員の退任予定時期(通常65〜70歳)と保険の最高返戻期間を一致させる
  2. 返戻率:ピーク時の返戻率が80%以上あることを設計書面で確認する
  3. 退職金原資とのバランス:解約返戻金だけでは退職金全額を賄えないケースが多いため、内部留保・小規模企業共済等と組み合わせる

💡 実務のポイント

現場の経験上、解約時期と退職時期が1〜2年ずれるだけで、同一期に雑収入と役員退職給与を対応させられず、雑収入のみが法人税の課税所得を押し上げる事態が起こります。契約時点で「何歳で退任し、その年度に解約する」というスケジュールを取締役会議事録に残しておくと、税務調査時の説明がスムーズです。

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経営者の生命保険と事業保障

法人保険のもう一つの本来的な役割が「経営者死亡時の事業保障」です。中小企業では代表者が会社の信用そのものであり、経営者が突然死亡した場合、金融機関からの借入金の一括返済請求や売上の急減といった事態に直面する可能性があります。

事業保障として必要な保険金額の算定

事業保障として必要な保険金額は、「運転資金6か月分+借入金残高+役員退職金相当額」を目安に算定します。

🧮 必要保障額シミュレーション

前提:年商3億円・月商2,500万円・月額固定費1,500万円・借入金1億円の中小企業

① 運転資金6か月:1,500万円 × 6 = 9,000万円
② 借入金返済:1億円
③ 役員退職金:5,000万円

合計必要保障額:約2億4,000万円

事業保障に適した保険の選び方

事業保障が目的なら、解約返戻金の有無にこだわらず、保険料が割安な掛捨て型定期保険が第一選択となります。必要保障額が大きいため、返戻率50%以下の短期定期保険(全額損金)を基本に、高額保障を確保しつつ保険料負担を抑えるのが実務的なアプローチです。

名義変更(低解約返戻金型保険)規制と最新の留意点

2019年通達改正後も抜け穴として利用されたのが、低解約返戻金型定期保険を使った「名義変更プラン」です。法人で保険料を支払い、解約返戻率が低い期間に保険を個人(経営者)名義に変更することで、安い譲渡価額で個人に移転し、その後返戻率が跳ね上がった時期に個人が解約して差額を得るスキームでした。

2021年6月改正による規制強化

国税庁は2021年(令和3年)6月に所得税基本通達36-37を改正し、名義変更時の譲渡価額の算定ルールを大幅に強化しました。改正後は、支払保険料の累計額の7割に相当する金額を下回る解約返戻金の場合、譲渡価額は解約返戻金ではなく資産計上額をベースに算定されることとなり、節税スキームとしてはほぼ使えなくなりました。

⚠️ 名義変更プランの実質的な終焉

2021年7月1日以降に名義変更または権利譲渡する保険契約は、資産計上額が譲渡価額の下限となるため、「安く個人に移転する」メリットが消失しました。既契約でも改正後の名義変更には新ルールが適用されるため、過去の提案書通りに実行すると思わぬ税負担が発生します。

法人保険のメリット・デメリット

メリット

デメリット

法人保険を検討すべきケースと避けるべきケース

検討すべきケース 避けるべきケース
借入金があり経営者死亡時のリスクヘッジが必要単純に「今期の税金を減らしたい」が目的
役員退職金の計画的準備を始めたいキャッシュフローに余裕がない
業績が安定的で保険料の長期支払能力がある3〜5年以内に解約する可能性がある
小規模企業共済・経営セーフティ共済を限度額まで活用済み共済をまだ活用していない
経営者の高度な医療保障を確保したい個人の生命保険で十分な保障がある

💡 実務のポイント

法人保険を検討する順番は、①小規模企業共済・経営セーフティ共済の活用 → ②掛捨て型定期保険での事業保障確保 → ③役員退職金準備として長期平準定期・養老保険の検討、というのが実務上の王道です。いきなり高額な長期平準定期保険から入ると、キャッシュフローを圧迫します。

法人保険の経理処理と税務調査対応

保険料支払時の仕訳例(長期平準定期保険・返戻率80%)

場面 借方 貸方
保険料100万円支払(前半4割期間)保険料 40万円/前払保険料 60万円現金預金 100万円
取崩期間に入ってから保険料 xx万円/前払保険料取崩 xx万円現金預金 100万円
解約返戻金8,000万円受取(資産計上累計6,000万円)現金預金 8,000万円前払保険料 6,000万円/雑収入 2,000万円

税務調査で指摘されやすいポイント

税理士法第2条第1項に定める税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士の独占業務であり、保険の経理処理に不安がある場合は税理士への相談が必要です。

最新の法改正動向と今後の展望

法人保険の税務は2019年改正・2021年名義変更規制と続いた結果、現在は「節税商品」としての色合いはほぼ消え、本来の「保障」と「課税の繰延」に役割が収斂しました。今後の論点としては以下が挙げられます。

まとめ|法人保険は「節税」から「保障と繰延」へ

📋 この記事のポイント

  • 2019年改正により、最高解約返戻率に応じた4区分で損金算入割合が決まる
  • 全額損金となるのは返戻率50%以下または年換算保険料30万円以下の少額契約のみ
  • 養老保険のハーフタックスプランは2019年改正の影響を受けず、現在も1/2損金が可能
  • 法人保険の本来の役割は「事業保障」と「役員退職金原資の積立(課税繰延)」
  • 解約タイミングと役員退職金支給時期を一致させる出口戦略の設計が不可欠
  • 2021年改正により名義変更による個人移転スキームはほぼ使えなくなった
  • 導入前に小規模企業共済・経営セーフティ共済を優先的に検討すべき

次に取るべきアクション

  1. 自社の借入金残高・運転資金額から必要保障額を算定する
  2. 既加入の法人保険について設計書を取り寄せ、最高解約返戻率と資産計上期間を確認する
  3. 小規模企業共済・経営セーフティ共済の加入状況を確認し、未加入なら優先的に検討する
  4. 役員退職金規程がない場合は整備し、将来の退職金支給時期を取締役会で確認する
  5. 税務調査対応として、保険契約書・設計書・経理処理の整合性を税理士とチェックする

関連する論点として、小規模企業共済と経営セーフティ共済の活用損害保険の経費処理とBCP策定もご覧ください。資金調達の全体像は資金調達完全ガイドで、銀行融資との関係は銀行融資と決算書の見られ方で整理しています。

よくある質問(FAQ)

2019年7月8日以前に契約した法人保険は、今も従前ルールで処理してよいですか?
はい。2019年7月8日以前の既契約は、原則として契約時のルールが継続適用されます。ただし、契約内容の変更(増額・減額・転換・払済化・延長等)があった場合は、変更後の期間について新ルールが適用されます。「契約内容の変更」に該当するかは個別判断が必要なため、保険会社と税理士に確認してください。
年払保険料30万円以下なら、どんな保険でも全額損金にできますか?
いいえ。全額損金となるのは「最高解約返戻率70%以下かつ年換算保険料30万円以下」の定期保険・第三分野保険、または「解約返戻金相当額のない短期払定期保険・第三分野保険で年払保険料30万円以下」の場合に限ります。最高返戻率85%超の高返戻率契約は、保険料額にかかわらず資産計上が必要です。
養老保険のハーフタックスプランで、被保険者を役員のみにすることはできますか?
原則として給与課税の対象となり、1/2損金扱いが認められません。ハーフタックスプランが福利厚生費として認められるには、全役員・全従業員を被保険者とし、普遍的加入の要件を満たす必要があります。同族関係者だけを被保険者にする場合も同様に給与課税となります。役員のみの退職金原資目的なら、長期平準定期保険や逓増定期保険を検討してください。
解約返戻金を受け取るタイミングで雑収入が発生しますが、これを打ち消す方法はありますか?
最も一般的なのは、同一事業年度で役員退職金を支給し、雑収入と役員退職給与(損金)を相殺する方法です。他にも、大規模な設備投資、繰越欠損金の活用、翌期への益金繰延処理などがありますが、計画的な組合せが必要です。思いつきで解約すると多額の法人税が発生するため、解約時期は退職時期と合わせて設計してください。
経営者個人の生命保険と法人保険はどちらが有利ですか?
目的によって異なります。経営者個人の生活保障(遺族の生活費)が目的なら個人契約が基本です。事業保障(借入金返済・運転資金確保)や役員退職金原資が目的なら法人契約が合理的です。税務上は、個人契約は生命保険料控除(年間最大12万円の所得控除)に留まるのに対し、法人契約は保険料の一定割合を損金算入できるため、法人のほうが税メリットが大きいケースが多いです。
中小企業が法人保険を契約する前に検討すべきことは?
①小規模企業共済・経営セーフティ共済を限度額まで活用しているか、②キャッシュフロー上、10〜20年の保険料支払が可能か、③退職金規程が整備され退職時期の計画があるか、④必要保障額(借入金・運転資金・退職金相当額)を算定済みか、の4点を確認してください。これらを満たした上で、適切な保険種類と保険金額を設計することが重要です。
解約返戻金のピークで必ず解約しなければいけませんか?
いいえ。返戻率のピークは解約による出口戦略の最適タイミングに過ぎません。ピーク時に退職時期が到来していなければ、保険を継続しても死亡保障が継続するメリットがあります。ただし、ピーク後は返戻率が下がっていく商品が多いため、契約時点でピーク時期と退職時期を可能な限り近づける設計が重要です。
逓増定期保険と長期平準定期保険はどう違いますか?
逓増定期保険は保険金額が契約後に段階的に増えていく定期保険で、解約返戻率のピークが比較的早期(契約後5〜10年)に来るため、若い経営者の退職金準備に向いています。長期平準定期保険は保険金額が契約期間中一定の定期保険で、返戻率のピークが比較的遅く(契約後15〜25年)、退任まで時間のある経営者向きです。どちらも2019年改正後は返戻率による4区分ルールが適用されます。
第三分野保険(医療保険・がん保険)の経理処理は定期保険と同じですか?
基本的には同じ4区分ルールが適用されます。ただし、保険期間が終身で払込期間が有期の第三分野保険は116歳までを保険期間として経理処理するルール(法人税基本通達9-3-5の2注2)があり、実質的な損金算入割合の計算に影響します。また、解約返戻金相当額のない短期払タイプには年払30万円以下なら全額損金の特例があります。
法人保険の活用を税理士に相談する場合、何を準備すればよいですか?
①既加入保険の設計書・保険証券、②直近3期の決算書、③借入金残高明細、④役員退職金規程(ある場合)、⑤経営者の退任予定時期、⑥今後5〜10年の事業計画、を準備してください。これらの資料から必要保障額・支払能力・出口時期を総合的に判断し、適切な保険種類・金額・設計を提案できます。鮎澤パートナーズでは初回無料相談を実施しているため、お気軽にお問い合わせください。

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