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行政書士と司法書士の違い|登記は司法書士、許認可は行政書士
「会社設立って行政書士と司法書士のどっちに頼めばいいの?」「相続の手続きは?」とお困りの経営者・個人に向けて、両士業の違いを業務範囲・費用・試験・独占業務の4軸で完全比較。この記事を読めば、自分のケースに最適な専門家を即座に判断できます。


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🏆 結論:登記は司法書士の独占業務、許認可は行政書士の独占業務
司法書士は登記(不動産・商業)と裁判所提出書類の作成が独占業務、行政書士は官公署への許認可申請と権利義務・事実証明書類の作成が独占業務です。両者は兼業可能で、1人で両資格を持つ「ダブル資格者」も存在します。会社設立では定款作成(両者可能)と設立登記(司法書士のみ)が分かれ、相続では遺産分割協議書(行政書士)と相続登記(司法書士)が分かれるため、ケースごとに使い分ける必要があります。
両士業の違いを10項目で整理しました。まず全体像を把握してから、次の章で業務別の違いを確認してください。
| 比較項目 | 行政書士 | 司法書士 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 行政書士法(昭和26年法律第4号) | 司法書士法(昭和25年法律第197号) |
| 所管 | 総務省 | 法務省 |
| 主な業務 | 官公署提出書類・許認可申請・権利義務書類作成 | 登記(不動産・商業)・裁判所提出書類作成 |
| 対応書類数 | 約1万種類 | 登記関連が中心(相対的に狭いが深い) |
| 試験の難易度 | 合格率10〜15%前後 | 合格率3〜5%前後(難関) |
| 全国登録者数(2025年度) | 約5万2,000人 | 約2万3,000人 |
| 代理権 | 官公署への提出代理・聴聞代理(特定行政書士は不服申立代理) | 登記申請代理・簡裁訴訟代理(認定司法書士のみ140万円以下) |
| 法廷での代理 | 不可 | 簡易裁判所のみ(認定司法書士・140万円以下) |
| 紛争性案件 | 扱えない(紛争前の予防段階のみ) | 認定司法書士なら140万円以下の訴訟可 |
| 費用相場(会社設立) | 5万〜10万円(定款作成+届出代行) | 5万〜15万円(定款+登記) |
両士業の最大の違いは「何が独占業務か」です。独占業務とは、その資格保有者しか業として行えない業務を指します。
行政書士の業務範囲はe-Gov法令検索の行政書士法で定義されています。
💡 覚えておきたい原則
「官公署」は行政機関全般を指し、「法務局」はその中の1つです。しかし登記に関する法務局への書類は司法書士の独占業務として行政書士法の対象から外れる仕組みになっています。行政書士は登記以外の官公署書類を広く扱え、司法書士は登記と裁判所書類に深くコミットする、と整理するとわかりやすいです。
会社設立は、行政書士と司法書士の業務が明確に分かれる代表例です。設立プロセスごとに担当を整理します。
| プロセス | 行政書士 | 司法書士 |
|---|---|---|
| 定款の作成 | ◯ 可能 | ◯ 可能 |
| 電子定款認証の代理 | ◯ 可能 | ◯ 可能 |
| 設立登記の申請 | × 不可 | ◯ 独占 |
| 法人設立届の提出(税務署・都道府県) | ◯ 可能 | △ 付随業務の範囲内で可能 |
| 建設業許可・飲食店営業許可等 | ◯ 独占 | × 不可 |
| 役員変更登記 | × 不可 | ◯ 独占 |
| 本店移転・商号変更登記 | × 不可 | ◯ 独占 |
建設業・飲食業・産廃業・運送業・風俗業・古物商など許認可が必要な業種は、「許認可取得の要件を満たす定款」を作る必要があります。例えば建設業許可では事業目的の記載が具体的でないと許可取得時に定款変更が必要になるケースがあり、その変更登記で余計な費用が発生します。
そのため、許認可が必要な業種では「許認可実務に精通した行政書士が定款設計を主導→司法書士が設立登記→行政書士が許可申請」という流れが最もコスト効率が良いです。
IT・コンサルティング・一般的な製造業など許認可が不要な業種では、定款作成から設立登記まで司法書士に一括依頼する方が簡潔です。行政書士を経由すると設立登記は司法書士に再依頼することになり、中間マージン分が高くつく可能性があります。
AYUSAWA PARTNERS
会社設立・許認可のご相談は鮎澤パートナーズへ
行政書士・税理士・社労士・公認会計士の4士業ワンストップ体制。司法書士との連携で登記までシームレスに完結。許認可が必要な業種の設立に特に強みがあります。
鮎澤パートナーズに相談する相続手続きは、4つの士業(行政書士・司法書士・税理士・弁護士)が絡む複合業務です。行政書士と司法書士の担当範囲を整理します。
| 手続き | 担当士業 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 戸籍謄本等の収集・相続人調査 | 行政書士・司法書士どちらも可能 | 3万〜5万円 |
| 遺産分割協議書の作成 | 行政書士・司法書士どちらも可能 | 5万〜10万円 |
| 相続関係説明図・法定相続情報一覧図 | 行政書士・司法書士どちらも可能 | 1万〜3万円 |
| 相続登記(不動産名義変更) | 司法書士のみ | 8万〜15万円 |
| 預貯金・株式の名義変更 | 行政書士・司法書士どちらも可能 | 3万〜8万円 |
| 自動車の名義変更 | 行政書士の専門領域 | 1万〜3万円 |
| 相続放棄(家庭裁判所提出) | 司法書士のみ | 3万〜5万円 |
| 相続税申告 | 税理士のみ | 遺産総額の0.5〜1% |
| 相続争い(遺産分割調停等) | 弁護士のみ | 着手金30万円〜 |
2024年4月から相続登記が義務化され(不動産登記法第76条の2)、不動産を相続したのに3年以内に登記申請をしない場合は10万円以下の過料が科されます。不動産が相続財産に含まれる場合は、遺産分割協議書の作成から相続登記まで一貫して司法書士に依頼する方が効率的です。
一方、不動産がなく、預貯金・株式・自動車・動産のみの相続であれば、行政書士が遺産分割協議書と各種名義変更までまとめて対応できます。
⚠️ 相続で「もめ始めた瞬間」に弁護士案件になる
遺産分割で相続人同士に意見の対立が生じた段階で、紛争性が発生したとみなされ、行政書士も司法書士も関与できなくなります(弁護士法第72条)。弊所の経験では、当初は円満だった相続案件のうち約15%で、協議途中に紛争性が生じて弁護士にバトンタッチしています。「まだ大丈夫」と放置せず、早めに利害関係を整理することが重要です。
不動産に関する業務は、司法書士と土地家屋調査士の領域が中心で、行政書士の関与は限定的です。
両士業の試験制度の違いを比較します。難易度は司法書士が圧倒的に高く、長期の学習が必要です。
| 項目 | 行政書士試験 | 司法書士試験 |
|---|---|---|
| 受験資格 | 誰でも可(年齢・学歴不問) | 誰でも可 |
| 試験実施 | 年1回(11月) | 年1回(7月筆記+10月口述) |
| 合格率 | 10〜15%前後 | 3〜5%前後 |
| 標準学習時間 | 600〜1,000時間 | 3,000〜5,000時間 |
| 試験科目の中心 | 憲法・行政法・民法・商法・一般知識 | 民法・不動産登記法・商業登記法・民事訴訟法 |
| 実務修習 | なし(登録時の新人研修のみ) | なし(登録時の新人研修のみ) |
具体的なケース別に、行政書士と司法書士の費用を比較します。単独で頼む場合と連携する場合のトータルコストを見てください。
| ケース | 行政書士 | 司法書士 | 推奨依頼先 |
|---|---|---|---|
| 株式会社設立(許認可なし) | 5万〜10万円+司法書士費 | 10万〜15万円(一括) | 司法書士 |
| 建設業の株式会社設立 | 8万〜12万円+許可15万円 | 10万円(設立のみ) | 行政書士主導 |
| 役員変更登記 | × | 3万〜5万円 | 司法書士 |
| 本店移転登記 | × | 3万〜7万円 | 司法書士 |
| 商号変更・事業目的変更登記 | × | 3万〜5万円 | 司法書士 |
| 建設業許可(新規・知事) | 12万〜20万円 | × | 行政書士 |
| 飲食店営業許可 | 3万〜5万円 | × | 行政書士 |
| 不動産売買の所有権移転登記 | × | 5万〜10万円 | 司法書士 |
| 抵当権抹消登記 | × | 1万〜2万円 | 司法書士 |
| 遺産分割協議書作成のみ | 5万〜10万円 | 5万〜10万円 | どちらでも可 |
| 相続登記(不動産あり) | × | 8万〜15万円 | 司法書士 |
| 相続(預貯金・自動車のみ) | 5万〜15万円 | 7万〜18万円 | 行政書士 |
| 相続放棄(家裁提出) | × | 3万〜5万円 | 司法書士 |
| 在留資格認定証明書交付申請 | 10万〜15万円 | × | 行政書士 |
| 成年後見申立 | 書類作成のみ | 書類作成+後見人候補 | 司法書士 |
※地域・案件難易度により変動。登録免許税・実費は別途。
迷ったときの判断フローを5ステップで整理しました。1つずつYes/Noで答えていくと、適切な士業が判明します。
🧭 士業選択5ステップフロー
STEP1:登記(不動産・商業)が関係する?
→ Yes:司法書士が必須(STEP2へ進む必要なし)
→ No:STEP2へ
STEP2:官公署への許認可申請が関係する?
→ Yes:行政書士が必須(STEP3へ進む必要なし)
→ No:STEP3へ
STEP3:裁判所への書類提出が関係する?(相続放棄・成年後見等)
→ Yes:司法書士
→ No:STEP4へ
STEP4:紛争性がある?(相手方と争いがある/争う見込み)
→ Yes:弁護士(士業範囲外)
→ No:STEP5へ
STEP5:契約書・遺産分割協議書・内容証明等の書類作成のみ?
→ Yes:行政書士が適任(司法書士も可だが費用対効果で行政書士が有利)
→ No:士業が不要か、税理士・社労士等の別士業の可能性あり
以下のケースでは、両士業がどちらも扱えるため、選択の余地があります。
行政書士と司法書士の両資格を持つ人は、業界で「ダブルライセンス保有者」と呼ばれます。両資格を持つと以下のメリットがあります。
ただし、両資格を取得するには合計で約4,000〜6,000時間の学習が必要で、保有者は全国で比較的少数です。弊所のように行政書士・税理士・公認会計士・社労士の複数資格を組み合わせたワンストップ事務所なら、ダブルライセンス相当の機能を司法書士との連携で実現できます。
行政書士・司法書士のどちらを選ぶ場合でも、以下の5点を確認してください。
💡 実務のポイント
弊所が司法書士と連携する際は、「案件の全体像を1枚の紙にまとめて最初に共有する」運用にしています。情報の伝達漏れがあると手戻りが発生し、登記完了までの期間が1〜2週間延びるためです。この運用にしてから、2024年の連携案件で平均処理期間が21日から14日に短縮されました。士業間連携の質は事務所選びの隠れた評価軸です。
行政書士・司法書士の報酬は、事業関連であれば全額損金算入可能です。ただし、税務処理の詳細には違いがあります。
参考: e-Gov法令検索「司法書士法」
📋 この記事のポイント
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