東京で会社設立するなら|区ごとの特徴と税理士サポート

東京で会社設立するなら|区ごとの特徴と税理士サポート
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。

東京23区で会社設立を検討している経営者・起業家の方へ、本店所在地を選ぶ際の区別の特徴、特定創業支援等事業による登録免許税半額制度、補助金・創業支援策の違い、税理士サポートのポイントを、4士業ワンストップ事務所の視点で完全ガイドします。この記事を読めば、自社事業に最適な本店所在地が選べます。

🏆 結論:本店所在地は「補助金・融資」で選ぶ

法人税・法人住民税は23区共通(東京都主税局一括徴収の特例)のため、税負担では区ごとの差はほぼありません。違いが出るのは「特定創業支援等事業による登録免許税半額(15万円→7.5万円)」「区独自の創業補助金」「区商工会議所のネットワーク」「区の融資あっせん制度」の4点です。事業計画と相性のよい区を選ぶのがベストです。

東京23区で会社設立する3つの前提知識

前提1:法人住民税の均等割は23区共通

東京23区は、地方税法の特例で市町村民税相当分も「都民税」として東京都主税局が一括徴収しています。そのため、資本金1,000万円以下・従業員50人以下の標準的な会社の均等割は、23区内のどこで設立しても年7万円で一律です。「どの区で設立するかで税金が変わる」という誤解が多いですが、税負担では差がないのが実態です。

💡 実務のポイント:均等割は資本金と従業員数で決まる

23区内の会社の均等割は、資本金1,000万円以下・従業員50人以下なら年7万円、資本金1,000万円超1億円以下なら年18万円(従業員50人以下)または年20万円(従業員50人超)と決まります。これは23区共通の税額で、本店所在地がどの区でも変わりません。

前提2:違いが出るのは「創業支援策」と「融資あっせん」

税負担以外で区ごとに違いが出るのは以下の4つです。

前提3:本店移転は登記費用3万円+社会保険届出

一度決めた本店所在地は、後から変更できます。同じ法務局管内(同じ区内)での移転なら登録免許税3万円、管轄外(他区への移転)なら6万円です。社会保険・労働保険の事業所所在地届出も必要です。「とりあえずバーチャルオフィス」も現実的な選択肢ですが、融資審査・許認可取得で不利になるケースもあるため要検討です。

23区の創業支援策を4グループで比較

全23区で特定創業支援等事業(産業競争力強化法に基づく)が認定されており、証明書を取得すると登録免許税が半額になります。要件やセミナー内容は区ごとに差があります。

グループ1:産業振興センター充実区(新宿・豊島・文京・港)

創業支援に特化した行政施設「産業振興センター」や「ビジネスサポートセンター」を持つ区です。週次・月次のセミナーが充実しており、個別相談員が常駐しています。
窓口施設 特定創業支援の要件
新宿区新宿区立産業振興センター個別相談4回以上(1ヶ月以上)
豊島区としまビジネスサポートセンター個別相談4回以上(1ヶ月以上)
文京区文京区経済産業課創業塾の受講+個別相談
港区港区立産業振興センター創業セミナー受講か商工相談員の面談

グループ2:大企業・金融機関連携強化区(千代田・中央・港)

丸の内・大手町・銀座・日本橋・六本木・赤坂を擁し、大企業・金融機関との連携が強い区です。創業支援よりも「金融機関との結びつき」「大企業とのビジネスマッチング」で強みがあります。

グループ3:IT・スタートアップ集積区(渋谷・新宿・目黒・品川)

VC・アクセラレーター・コワーキングスペースが集積する区です。渋谷区の「渋谷ビットバレー構想」、品川区の「ものづくり産業振興」など、IT・テックスタートアップ向けの支援策が手厚いです。

グループ4:下町・郊外住宅区(墨田・江東・荒川・世田谷・杉並など)

地域密着型の商店街振興・ものづくり支援に特化。個人事業主向けの相談会が多く、小規模事業者への伴走支援が充実しています。

特定創業支援等事業で登録免許税を半額にする方法

🧮 シミュレーション:登録免許税半額の節税効果

株式会社の登録免許税は、資本金の0.7%(最低15万円)です。資本金100万円〜2,000万円の会社なら15万円が最低ラインで、特定創業支援等事業の証明書を取得すると7.5万円になります。設立費用の節約効果は7.5万円で、証明書取得のための相談時間(4回×1時間程度)を考慮しても十分リターンがあります。

特定創業支援等事業の利用手順

  1. 区のセミナー・個別相談を受講:各区の要件に従い、創業セミナーまたは個別相談を1ヶ月以上・4回以上受講
  2. 証明書の発行申請:セミナー修了後、区の担当窓口で証明書発行を申請
  3. 法務局への登記申請時に証明書を添付:法人設立登記と同時に証明書を法務局に提出
  4. 登録免許税が半額:株式会社の場合15万円→7.5万円、合同会社の場合6万円→3万円

⚠️ 注意:創業前または創業5年以内が対象

特定創業支援等事業は、「創業前の人」または「創業後5年以内の人」が対象です。既に設立から5年以上経過した会社は対象外。また、証明書の発行には最低1ヶ月〜2ヶ月の期間が必要なため、設立を急ぐ場合は注意が必要です。登記申請時に証明書を提出しないと半額にならない(後からの還付はできない)点も要注意です。

特定創業支援等事業のその他の優遇

23区別の本店所在地選びマトリクス

業種・事業規模・将来計画に応じた、本店所在地の選び方をマトリクスで整理しました。
業種・フェーズ おすすめ区 理由
IT・SaaS・スタートアップ渋谷・新宿・港VC集積、コワーキングスペース充実、人材採用が有利
外資系・グローバル展開港・千代田・中央英語対応の行政窓口、大使館集積、海外投資家アクセス
飲食・小売・店舗型ビジネス新宿・渋谷・豊島商業集積、人流多い、区の商店街振興支援
製造業・ものづくり墨田・江東・大田区のものづくり支援策、工場立地補助、地域密着
医療・クリニック開業新宿・港・世田谷医療需要、アクセス良好、医療法人化に強い税理士
フリーランス法人化新宿・中野・世田谷自宅近くで通勤不要、バーチャルオフィスも選択肢
金融・コンサル・士業千代田・中央・港クライアントの信頼感、大企業へのアクセス
EC・ネットビジネスどこでも可立地に依存しないため家賃の安い区が合理的

会社設立の全体ステップ【8ステップ】

ステップ1:事業計画と資金計画の作成

事業目的・売上計画・資金計画を整理します。日本政策金融公庫の創業計画書フォーマットに沿って書くと、後の融資申込時にそのまま使えて効率的です。

ステップ2:本店所在地の決定

自宅・レンタルオフィス・バーチャルオフィスなどから選びます。この時点で、特定創業支援等事業を活用する区を決めるのが重要です。

ステップ3:特定創業支援等事業のセミナー受講

最低1ヶ月〜2ヶ月の期間が必要なため、設立日の2〜3ヶ月前から着手しましょう。

ステップ4:定款作成・認証

株式会社は公証役場で定款認証が必要(資本金300万円以下なら手数料3万円)。合同会社は認証不要。

ステップ5:資本金の払込

発起人の個人口座に資本金を入金し、通帳のコピーを証拠書類として保管します。

ステップ6:法人設立登記

法務局で法人設立登記を申請します。登録免許税は株式会社15万円(特定創業支援等事業で7.5万円)、合同会社6万円(特定創業支援等事業で3万円)。

ステップ7:税務・社会保険の届出

ステップ8:銀行口座開設

法人の銀行口座を開設します。近年はマネーロンダリング対策強化で審査が厳しくなっており、事業内容の説明資料を準備しておく必要があります。

AYUSAWA PARTNERS

東京での会社設立は鮎澤パートナーズへ

新宿三丁目駅徒歩2分、23区全域対応。設立前の相談から定款作成・登記・税務届出・融資サポートまで、公認会計士・税理士・社労士・行政書士がワンストップで対応します。初回相談無料。

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会社設立にかかる費用【区ごとの比較】

設立時の実費と、特定創業支援等事業適用時の費用を比較しました。
項目 株式会社(通常) 株式会社(特定創業支援) 合同会社(通常) 合同会社(特定創業支援)
登録免許税15万円7.5万円6万円3万円
定款認証(公証役場)3〜5万円3〜5万円不要不要
定款印紙代4万円(電子定款なら0円)4万円(電子定款なら0円)4万円(電子定款なら0円)4万円(電子定款なら0円)
司法書士・行政書士報酬5〜10万円5〜10万円3〜7万円3〜7万円
合計(電子定款利用)23〜30万円15.5〜22.5万円9〜13万円6〜10万円

※印紙代は電子定款を利用すれば不要です。電子定款作成のためには専用機器かソフトウェアが必要ですが、行政書士・司法書士に依頼すれば自動的に電子定款対応となるのが一般的です。

新宿区で会社設立する3つの強み

弊所は新宿区新宿五丁目に所在するため、新宿区での会社設立を特に得意としています。新宿区で設立するメリットは以下の通りです。

強み1:新宿区立産業振興センターの充実した支援

新宿区立産業振興センター(西早稲田)では、創業セミナー・個別相談・ビジネスマッチングが定期開催されています。セミナーは月2〜3回開催され、各分野の専門家が講師を務めます。

強み2:都内最大級の人材プール

新宿区は昼間人口約77万人、夜間人口約35万人で、人材採用のマーケットが圧倒的です。IT人材・飲食人材・クリエイター人材など、あらゆる業種の人材が集まります。

強み3:交通利便性と営業活動効率

JR山手線・中央線・総武線・東京メトロ丸ノ内線・副都心線・都営大江戸線・新宿線など10路線以上が集中し、23区のどこへでも30分以内で移動可能。営業活動の効率が飛躍的に向上します。 詳しくは「[新宿で会社設立を検討する経営者向け完全ガイド](/column/shinjuku-kaisha-setsuritsu)」も参照ください。

業種別の会社設立事例3選

業種ごとの具体的な設立事例を紹介します。事業承継や相続を含む将来設計は「[東京で相続税に強い税理士を選ぶポイント](/column/tokyo-souzokuzei-zeirishi)」も参考になります。

事例1:渋谷でSaaSスタートアップ設立(資本金500万円・エンジニア2名)

特定創業支援等事業を活用し、設立費用を23万円→15.5万円に削減。設立6ヶ月後に日本政策金融公庫から800万円の創業融資を獲得。金利も特定創業支援の優遇で0.4%下がり、5年間で約8万円の利息節約になりました。

事例2:新宿区でコンサルティング会社設立(一人社長・資本金100万円)

フリーランスから法人成り。新宿区立産業振興センターで個別相談4回を受講し、証明書を取得。合同会社で設立し、登録免許税は6万円→3万円に。設立費用トータル10万円以下で完了しました。

事例3:墨田区で製造業設立(町工場の法人化・資本金300万円)

個人事業主の町工場が法人成り。墨田区の創業支援と区のものづくり補助金(最大200万円)を組み合わせ、設備投資資金を確保。事業承継も見据えた法人化でした。

よくある質問

23区のどこで会社を設立しても法人税は変わりませんか
はい、法人税・法人住民税・法人事業税の税率は23区すべて共通です。東京都主税局が法人都民税と市町村民税相当分を一括徴収する特例制度があるため、区ごとの差はありません。ただし、区独自の補助金・融資あっせんに違いがあるため、事業計画との相性で区を選ぶことが重要です。
特定創業支援等事業の証明書発行にはどれくらい時間がかかりますか
最低1ヶ月〜2ヶ月の期間が必要です。多くの区では個別相談4回以上・1ヶ月以上の期間要件があり、週1回ペースで相談しても1ヶ月はかかります。設立を急ぐ場合は、証明書なしで先に設立するか、セミナー受講と並行して準備を進める必要があります。
バーチャルオフィスでも会社設立できますか
はい、可能です。ただし以下の点に注意が必要です。1)許認可業種(古物商・人材派遣・建設業など)では実体的なオフィスが必要、2)銀行口座開設でバーチャルオフィスを理由に審査が厳しくなるケースあり、3)融資審査で不利になる場合あり、4)税務署・社会保険事務所の調査時に物理的訪問が困難。これらを考慮し、本格事業ならレンタルオフィスや自宅兼用を推奨します。
特定創業支援等事業の証明書は他の区で使えますか
はい、使えます。1つの区で発行された証明書は、他の区や他の自治体で会社設立する場合にも利用可能です。セミナー受講が便利な区(例:自宅近くの新宿区)で証明書を取得し、実際の本店所在地を別の区(例:渋谷区)にするという組み合わせも可能です。
株式会社と合同会社、どちらを選ぶべきですか
以下の基準で判断しましょう。株式会社が向くのは「将来の資金調達が必要」「社会的信用を重視」「従業員採用が多い」ケース。合同会社が向くのは「一人社長・小規模」「設立費用を抑えたい」「将来も小規模で運営予定」ケース。税制面では両者に差はありません(役員報酬・配当の扱いは同じ)。
資本金はいくらに設定すべきですか
資本金1,000万円以下にすることをおすすめします。理由は消費税の免税事業者判定(設立から2年間、資本金1,000万円未満なら免税)と、法人住民税均等割の区分(1,000万円超で年7万円→年18万円)。最低1円でも設立可能ですが、融資審査と社会的信用を考えると300万円〜500万円程度が現実的な相場です。
自宅を本店所在地にしてもよいですか
はい、多くの区で可能です。ただし以下の注意点があります。1)賃貸物件の場合、大家さんの承諾が必要(商用利用禁止物件も多い)、2)住宅ローンで購入した物件は金融機関の承諾が必要、3)登記簿に自宅住所が公開される、4)固定資産税の住宅用地特例(1/6軽減)が事業利用部分は適用外になる可能性。プライバシーと税務の両面で慎重に検討が必要です。
会社設立を税理士に依頼すべきですか、司法書士に依頼すべきですか
登記そのものは司法書士の独占業務ですが、設立後の税務届出・事業計画・節税対策は税理士の領域です。弊所のように4士業ワンストップの事務所であれば、司法書士・行政書士連携で登記から税務まで一括対応可能。単に設立するだけでなく、設立後の経営支援までを考えて事務所を選びましょう。
創業融資は設立前と設立後、どちらのタイミングで申し込むべきですか
設立直後(1〜3ヶ月以内)が最適です。特定創業支援等事業の証明書があれば、設立6ヶ月前から申込可能(通常は2ヶ月前から)。融資が内定してから設立する方が、資金計画が明確で安心です。詳しくは「[新宿で創業融資を受けるには|日本政策金融公庫の活用ガイド](/column/shinjuku-sougyou-yuushi)」も参照ください。
税理士選びと会社設立、どちらを先に決めるべきですか
税理士選びが先です。理由は、1)資本金額・事業計画・定款事業目的について税理士のアドバイスが有効、2)特定創業支援等事業の活用も税理士に相談できる、3)設立後の税務届出(青色申告承認申請書など)の期限管理が必要、の3点。設立後に税理士を探す人が多いですが、先に決めておくと失敗しにくいです。詳しくは「[東京で税理士を選ぶ完全ガイド](/column/tokyo-zeirishi-guide)」もご覧ください。

📋 この記事のまとめ

  • 東京23区では法人税・法人住民税は共通で、税負担では区ごとの差はない
  • 違いが出るのは「特定創業支援等事業」「区独自補助金」「商工会議所ネットワーク」「融資あっせん」の4点
  • 特定創業支援等事業を活用すれば登録免許税が半額(15万円→7.5万円)
  • 業種・フェーズ別におすすめの区が異なる(IT=渋谷・新宿、製造=墨田・江東、外資=港)
  • 会社設立は8ステップで、事業計画から銀行口座開設まで最短2週間〜最長3ヶ月
  • 電子定款と特定創業支援を組み合わせれば、設立費用を10万円台に抑えることも可能
  • 税理士選びは設立前に決めることが推奨される

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新宿三丁目駅徒歩2分。23区全域の設立実績多数、特定創業支援等事業の活用支援・創業融資まで一気通貫。公認会計士・税理士・社労士・行政書士がワンストップで対応します。初回相談無料。

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