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信用保証協会の仕組みと保証料の計算方法|CRD格付け・責任共有制度までわかりやすく解説
「信用保証協会って何をしてくれるの?」「保証料はどう計算されるの?」という経営者に向けて、信用保証の仕組み・CRD格付け9区分・責任共有制度の構造・保証料の実額計算方法を解説します。この記事を読めば、保証料を下げるための具体的なアクションがわかります。


信用保証協会の仕組みと保証料の計算方法|CRD格付け・責任共有制度までわかりやすく解説
「信用保証協会って何をしてくれるの?」「保証料はどう計算されるの?」という経営者に向けて、信用保証の仕組み・CRD格付け9区分・責任共有制度の構造・保証料の実額計算方法を解説します。この記事を読めば、保証料を下げるための具体的なアクションがわかります。
🏆 結論:保証料率はCRDスコアで決まり、決算書の改善で下げられる
信用保証協会の保証料率は、CRD(中小企業信用リスクデータベース)による9区分のスコアリングで機械的に決まります。区分1(最優良)なら年0.45%、区分9(最高リスク)なら年1.90%と、最大4倍以上の差があります。つまり、決算書の財務指標を改善してCRDスコアを上げることが、保証料を下げる最も確実な方法です。1,000万円・5年の融資なら、区分1と区分9で保証料の差は約4.4万円/年(累計約22万円)にもなります。
信用保証協会とは、中小企業が銀行から融資を受ける際に「保証人」の役割を果たす公的機関です。全国47都道府県と4市(横浜・川崎・名古屋・岐阜)に計51の信用保証協会が設置されています。
仕組みをひとことで言えば、「中小企業が返済できなくなった場合、信用保証協会が銀行に代わりに返済する(代位弁済)」ことで、銀行が安心して中小企業に融資できるようにする制度です。
| 登場人物 | 役割 | お金の流れ |
|---|---|---|
| 中小企業(借り手) | 融資を受ける | 銀行に返済+保証協会に保証料を支払う |
| 金融機関(貸し手) | 融資を実行する | 保証があるため貸しやすい |
| 信用保証協会 | 保証人の代わり | 返済不能時に代位弁済→企業に求償 |
| 日本政策金融公庫(信用保険) | 保証協会の再保険 | 代位弁済の70〜80%を保険でカバー |
参考: 全国信用保証協会連合会
💡 実務のポイント
保証協会を使うのは「信用力が低いから」ではありません。実際、創業間もない企業や担保のない企業が銀行融資を受けるための「正当なパスポート」です。保証付き融資で実績を積み、3期連続黒字を達成したらプロパー融資に挑戦する、という成長ステップとして活用するのが王道です。
保証料率は、CRD(Credit Risk Database:中小企業信用リスクデータベース)によるスコアリングで9段階に区分されます。CRDは全国の信用保証協会・金融機関から収集した約430万社の財務データに基づき、統計的に倒産確率を算出するシステムです。
| 区分 | 責任共有保証料率 | 責任共有外保証料率 | リスク水準 | 目安となる企業像 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 0.45% | 0.50% | 極めて低い | 高自己資本比率・安定黒字・無借金に近い |
| 2 | 0.55% | 0.60% | 非常に低い | 自己資本比率30%超・3期連続黒字 |
| 3 | 0.68% | 0.80% | 低い | 自己資本比率20%超・安定黒字 |
| 4 | 0.80% | 0.95% | やや低い | 自己資本比率15%前後・黒字基調 |
| 5 | 1.00% | 1.15% | 標準 | 決算書未提出の場合もこの区分 |
| 6 | 1.15% | 1.35% | やや高い | 自己資本比率10%未満・利益率低い |
| 7 | 1.35% | 1.55% | 高い | 赤字傾向・債務償還年数が長い |
| 8 | 1.55% | 1.70% | 非常に高い | 2期連続赤字・実質債務超過に近い |
| 9 | 1.90% | 2.20% | 極めて高い | 3期連続赤字・債務超過 |
※保証料率は一般保証の場合。制度融資など一部の制度では別途料率が設定されています。参考: 中小企業庁「信用保証制度の概要」
保証料の計算式は以下のとおりです。
📐 保証料の計算式
| CRD区分 | 保証料率 | 保証料(一括返済) | 保証料(均等60回払い・係数0.55) | 差額 |
|---|---|---|---|---|
| 区分1 | 0.45% | 22.5万円 | 12.4万円 | — |
| 区分5(標準) | 1.00% | 50.0万円 | 27.5万円 | +15.1万円 |
| 区分9 | 1.90% | 95.0万円 | 52.3万円 | +39.9万円 |
※分割返済回数別係数は返済方法により異なります。60回均等の場合は概ね0.55前後。
区分1と区分9では、分割返済で約39.9万円、一括返済で約72.5万円もの差が生じます。決算書を改善してCRDスコアを上げることが、保証料の節約に直結するのです。
責任共有制度とは、2007年10月に導入された制度で、信用保証協会と金融機関がリスクを分担する仕組みです。保証協会が融資額の80%を保証し、金融機関が20%のリスクを負担します。
| 項目 | 責任共有制度の対象 | 責任共有制度の対象外 |
|---|---|---|
| 保証割合 | 融資額の80%を保証 | 融資額の100%を保証 |
| 銀行のリスク | 20%を自行で負担 | リスクなし(全額保証) |
| 保証料率 | 責任共有保証料率(やや低い) | 責任共有外保証料率(やや高い) |
| 対象となる制度 | 一般保証など大半の制度 | 小口零細企業保証・創業関連保証・セーフティネット保証・危機関連保証など |
💡 実務のポイント
責任共有制度のもとでは銀行も20%のリスクを負うため、「保証があるからとりあえず貸す」という姿勢ではなくなっています。つまり、保証付き融資であっても銀行は企業の財務内容を精査します。逆に言えば、小口零細企業保証(従業員20人以下で保証残高1,250万円以下)は100%保証のため、銀行の審査ハードルが低く、創業期や小規模事業者には特に使いやすい制度です。
| 保証枠 | 限度額 | 備考 |
|---|---|---|
| 一般保証 | 2億8,000万円 | 無担保は8,000万円まで |
| セーフティネット保証(別枠) | 2億8,000万円 | 一般保証とは別枠で利用可 |
| 危機関連保証(さらに別枠) | 2億8,000万円 | 国が指定した危機時に発動 |
| 合計最大 | 8億4,000万円 | 3枠フル活用の場合 |
| ステップ | やること | 期間目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | 金融機関に融資相談 | 1〜3日 | 決算書3期分+資金繰り表を持参 |
| 2 | 金融機関が保証協会に保証申込 | 3〜5日 | 金融機関が書類を取りまとめて申込 |
| 3 | 保証協会による審査(CRDスコアリング+面談) | 1〜2週間 | 決算書の評価+事業内容の確認 |
| 4 | 保証決定・保証書の発行 | 1〜3日 | 保証料率・保証金額が確定 |
| 5 | 金融機関の内部稟議 | 3〜7日 | 保証書をもとに金融機関が最終判断 |
| 6 | 融資契約の締結 | 1〜3日 | 金銭消費貸借契約書に署名 |
| 7 | 融資実行・入金 | 即日〜3日 | 保証料は融資実行時に一括or分割で支払い |
全体で概ね3〜4週間が目安です。制度融資の場合は自治体の窓口を経由するため、さらに1〜2週間かかるケースがあります。
| # | 方法 | 効果 | 具体的なアクション |
|---|---|---|---|
| 1 | 決算書を改善してCRDスコアUP | 料率区分が下がる(最大1.45%減) | 自己資本比率・債務償還年数・経常利益率の改善 |
| 2 | 自治体の制度融資を利用 | 保証料の一部を自治体が補助 | 東京都の場合、保証料の1/2補助の制度あり |
| 3 | 会計参与を設置 | 保証料率が0.1%引下げ | 税理士・公認会計士を会計参与に選任 |
| 4 | 有担保で申請 | 保証料率が低い担保付き料率が適用 | 不動産担保の提供(担保評価が十分な場合) |
| 5 | 分割返済を選択 | 分割返済係数(0.55前後)で保証料が約45%削減 | 一括返済ではなく均等分割返済で申請 |
決算書の改善方法は「銀行融資に強い決算書の作り方」で、融資審査の格付けの詳細は「融資審査で落ちる会社と通る会社の違い」をご覧ください。
「保証協会が代わりに返してくれるなら、返済できなくても大丈夫なのでは?」と誤解されることがありますが、それは違います。代位弁済が実行されると、保証協会は企業に対して「求償権」を取得し、代位弁済した金額の全額を企業に請求します。
| 段階 | 状況 | 企業への影響 |
|---|---|---|
| 1. 返済遅延 | 銀行への返済が3ヶ月以上遅延 | 銀行からの督促・信用情報に記録 |
| 2. 代位弁済 | 保証協会が銀行に残債を支払い | 銀行との取引は終了。保証協会が新たな債権者に |
| 3. 求償 | 保証協会が企業に全額返済を請求 | 分割返済の交渉は可能だが、以後の保証利用は困難 |
⚠️ 代位弁済後の影響は深刻
代位弁済が実行されると、その企業は信用保証協会の「代位弁済先リスト」に登録され、新たな保証利用が原則不可能になります。また、銀行融資も極めて困難になるため、事業継続に大きな支障が出ます。返済が苦しくなったら、代位弁済に至る前に銀行と返済条件の見直し(リスケジュール)を交渉することが最も重要です。
ABL保証は、売掛金や在庫を担保にして信用保証協会の保証を受ける制度です。不動産担保を持たない中小企業でも、流動資産を活用して融資枠を拡大できる点がメリットです。保証限度額は2億円(一般保証とは別枠)で、保証料率は0.68%の一律です。
資金調達の全体像は「中小企業の資金調達方法完全ガイド」をご覧ください。
📋 この記事のポイント
信用保証協会は、中小企業の資金調達における最も身近な公的支援制度です。「保証料がもったいない」と感じるかもしれませんが、保証料は銀行融資を受けるための「信用の証明書」であり、事業成長のための投資です。まずは自社のCRD区分(保証料率)を確認し、次の決算で1段階でも改善することを目指しましょう。
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