【税理士×行政書士が解説】医療機器の特別償却と税額控除|高額設備投資の節税策一覧と事業承継スキーム

【税理士×行政書士が解説】医療機器の特別償却と税額控除|高額設備投資の節税策一覧と事業承継スキーム
鮎澤パートナーズ代表 鮎澤 竜哉
公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
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医療機器の特別償却と税額控除|高額設備投資の節税策一覧と事業承継スキーム

「CT装置やMRIなど数千万円の設備投資をしたが、どの税制優遇が使えるかわからない」とお悩みの開業医・医療法人理事長に向けて、医療機器に使える特別償却・税額控除の全制度と、事業承継時の出資持分評価・のれんの取扱いまでを完全ガイドします。

🏆 結論:医療機器の節税は「どの制度が使えるか」の正確な判定が出発点

医療機器は中小企業投資促進税制(措法42条の6)の対象外ですが、医療用機器等の特別償却(措法45条の2・取得価額の12%)、少額減価償却資産の特例(40万円未満)、中小企業経営強化税制(ソフトウェアのみ)など複数の制度が利用可能です。制度ごとに対象資産・金額要件・申告手続きが異なるため、設備投資前に税理士と適用可否を確認することが節税効果を最大化するカギです。

医療機器に使える優遇税制の全体像【4制度の比較表】

医療機器の設備投資に使える税制優遇は複数ありますが、制度ごとに対象資産・適用要件・優遇内容が大きく異なります。まず全体像を表で把握しましょう。

制度名 根拠法令 医療機器の適用 優遇内容 主な要件
医療用機器等の特別償却措法45条の2◎ 主力制度取得価額の12%特別償却取得価額500万円以上・新品・告示指定品目
中小企業投資促進税制措法42条の6✕ 適用不可30%特別償却 or 7%税額控除医療機器は「器具備品」であり「機械装置」に該当しないため対象外
中小企業経営強化税制措法42条の12の4△ 一部のみ即時償却 or 10%(7%)税額控除医療保険業の器具備品・建物附属設備は除外。ソフトウェアのみ対象
少額減価償却資産の特例措法67条の5◎ 適用可全額即時損金算入取得価額40万円未満(2026年4月〜)・年間合計300万円まで

⚠️ 注意

会計検査院の検査報告では、医療機器を「機械及び装置」と誤認して中小企業投資促進税制を適用し、税務署で徴収不足が発生した事例が複数報告されています。医療機器は耐用年数省令別表第一の「器具及び備品」に分類されるため、中小企業投資促進税制は使えません。申告時には資産の種類区分に十分注意してください。

「機械及び装置」と「器具及び備品」の違い

実務では、この2つの区分の違いが節税制度の適用可否を左右します。CTスキャナ装置、超音波診断装置、MRI装置、歯科診療用椅子などの医療機器は、いずれも耐用年数省令別表第一の「器具及び備品」のうち「8 医療機器」に該当します。中小企業投資促進税制が対象とする「機械及び装置」には該当しないため、同税制の30%特別償却や7%税額控除は適用できません。

現場でよく見かける間違いが、納税者が申告書の明細書の種類欄に「医療機械」と記載してしまうケースです。税務署側もこの記載を見て「機械及び装置」と誤認してしまうことがあり、会計検査院から是正を求められた事例が報告されています。

医療用機器等の特別償却(措法45条の2)の詳細【3つの区分と償却率】

医療機器の設備投資で最も広く使われるのが、措法45条の2に基づく医療用機器等の特別償却です。この制度は3つの区分に分かれており、それぞれ対象資産と特別償却率が異なります。

区分 対象資産 金額要件 特別償却率
①高度医療機器厚労省告示指定品目(薬機法指定後2年以内)500万円以上12%
②勤務時間短縮用設備医師等勤務時間短縮計画に基づく設備なし15%
③構造設備基準適合施設建物附属設備なし8%

①高度医療機器の対象品目と判定のポイント

高度医療機器として特別償却の対象となるのは、薬機法(医薬品医療機器等法)に基づく高度管理医療機器・管理医療機器・一般医療機器のうち、厚生労働省が告示で指定した日から2年以内のものです。対象品目は厚生労働省告示(第248号)に記載されています。

実務では、購入する医療機器が「いつ指定されたか」の確認が最初のステップです。指定日から2年を超えていると特別償却の適用を受けられません。機器の製造業者やディーラーに確認するのが確実です。

💡 実務のポイント

特別償却は「事業供用年度」に限り適用できます。期末近くに購入して据付が翌期にずれ込むと適用時期がずれるため、高額機器の導入スケジュールは逆算して計画しましょう。なお、事業供用年度に適用できなかった場合でも、1年に限り翌年度への繰越しが認められます(措法52条の2)。

②勤務時間短縮用設備の要件

医師の働き方改革を背景に設けられた制度で、医療勤務環境改善センターの助言を受けて作成し、都道府県の確認を受けた「医師等勤務時間短縮計画」に基づいて取得した設備が対象です。金額要件はなく、新品であれば適用可能ですが、計画の策定と行政の確認プロセスが必要です。

③構造設備基準適合施設

一定の施設基準を満たす医療施設の建物附属設備が対象で、8%の特別償却を受けられます。

医療機器の耐用年数と減価償却の基礎【主要機器一覧表】

特別償却は通常の減価償却費に「上乗せ」するものです。そのベースとなる通常の耐用年数を正確に把握しておくことが重要です。医療機器の耐用年数は、耐用年数省令別表第一「器具及び備品」の「8 医療機器」に定められています。

機器分類 具体例 耐用年数 定率法償却率
消毒殺菌用機器オートクレーブ4年0.500
手術機器手術台・無影灯5年0.400
血液透析等機器人工腎臓装置7年0.286
光学検査機器内視鏡6年0.333
レントゲンその他の電子装置を使用する機器CT・MRI・超音波診断装置6年0.333
その他のもの電動ベッド・歯科診療用椅子6年0.333

参考: 国税庁「耐用年数表(器具及び備品)」

💡 実務のポイント

医療法人(資本金1億円以下)は定率法・定額法のいずれかを選択できます。特別償却を適用する場合は定率法のほうが初年度の償却額が大きくなるため節税効果が高いですが、将来の減価償却費は小さくなる点を理解しておきましょう。特別償却はあくまで「将来の償却の前倒し」であり、耐用年数全体での償却総額は変わりません。

設備投資の節税額シミュレーション【500万/1,500万/3,000万の3パターン】

📐 シミュレーション前提条件

  • 医療法人(資本金1,000万円・出資金3,000万円以下)
  • 法人税等実効税率:約25%(法人税15%+地方法人税+住民税+事業税)
  • 耐用年数6年・定率法(償却率0.333)の医療機器を想定
  • 特別償却率12%(高度医療機器)
  • 事業供用年度の償却額比較
項目 500万円の機器 1,500万円の機器 3,000万円の機器
通常の減価償却費(定率法初年度)166.5万円499.5万円999万円
特別償却額(12%)60万円180万円360万円
初年度合計償却額226.5万円679.5万円1,359万円
初年度の節税効果(税率25%)15万円45万円90万円

※節税効果は特別償却額×税率で算出。概算値であり、個別の状況により異なります。

3,000万円のCT装置を導入した場合、特別償却により初年度に約90万円の追加節税効果があります。ただし、これは将来の償却費の前倒しであるため、耐用年数全体での法人税の総額は変わりません。キャッシュフローの改善効果として捉えるのが正確です。

特別償却 vs 税額控除のどちらを選ぶべきか

中小企業投資促進税制(ソフトウェア等に限る)や中小企業経営強化税制で税額控除と特別償却を選択できるケースでは、以下の判断基準を参考にしてください。

判断基準 特別償却が有利 税額控除が有利
当期の課税所得大きい(税率が高い)安定して黒字
来期以降の見通し減益予想増益予想
税額の絶対額を減らしたいか✕(償却の前倒しのみ)◎(税額を直接減額)
控除しきれない場合翌年繰越可1年間の繰越可

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中小企業経営強化税制は医療法人でどこまで使えるか

中小企業経営強化税制(措法42条の12の4)は、経営力向上計画の認定を受けた中小企業者等が対象設備を取得した場合に、即時償却または10%(出資金3,000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択できる制度です。

しかし、医療保険業を営む事業者が取得する「器具備品」と「建物附属設備」は適用除外とされています。つまり、医療機器のほとんどは対象外です。

クリニックで実質的に使える対象設備

医療法人が経営強化税制を活用できるのは、実質的にはソフトウェア(取得価額70万円以上)に限られます。具体的には電子カルテシステム、レセプトコンピュータ、画像管理システム(PACS)などが該当します。経営力向上計画の策定・申請が必要ですが、ソフトウェアであれば即時償却が可能なため、導入費用が数百万円に及ぶ電子カルテの導入時には検討の価値があります。

なお、経営強化税制を適用するには、経済産業局の確認書の取得が必要です。申請から認定まで1〜2ヶ月程度かかるため、ソフトウェアの導入スケジュールに余裕を持って準備しましょう。

少額減価償却資産の特例と一括償却の活用法

高額機器だけでなく、比較的少額の医療機器や周辺設備にも節税の余地があります。

取得価額 制度 処理方法 上限
10万円未満消耗品費全額即時損金なし
10万円以上20万円未満一括償却資産3年均等償却なし
40万円未満少額減価償却資産の特例全額即時損金年間合計300万円

2026年4月からは少額減価償却資産の特例の上限が30万円未満から40万円未満に引き上げられました。これにより、パルスオキシメーター、AED、電動昇降診察台など、30〜40万円の価格帯の機器も即時損金算入が可能になっています。

なお、この特例と医療用機器等の特別償却は対象となる取得価額帯が異なるため、併用が可能です。40万円未満の機器は少額減価償却資産の特例で即時損金、500万円以上の高度医療機器は特別償却で12%上乗せ、という使い分けが基本になります。

医療機器の減価償却と特別償却の仕訳例

具体的な仕訳で、通常の減価償却と特別償却の計上方法を確認しましょう。取得価額2,000万円のCT装置(耐用年数6年・定率法)を例にします。

取得時の仕訳

借方 金額 貸方 金額
器具備品(CT装置)2,000万円普通預金2,000万円

期末の減価償却+特別償却の仕訳

借方 金額 貸方 金額
減価償却費666万円器具備品666万円
特別償却費240万円特別償却準備金240万円

📊 公認会計士の視点

特別償却の会計処理には「損金経理方式(直接減額)」と「準備金方式(積立方式)」の2つがあります。準備金方式を採用すると、特別償却準備金として純資産の部に計上し、翌期以降に取崩益を計上します。財務諸表上の利益を過度に圧縮したくない場合や、金融機関への融資申請を控えている場合は準備金方式が有利です。

医療法人の事業承継と出資持分の評価【4つのスキーム比較】

医療法人の事業承継は、株式会社の事業承継とは仕組みが大きく異なります。最も重要な違いは、出資持分と経営権が分離していることです。株式会社では株式の過半数を取得すれば経営権を掌握できますが、医療法人では出資持分を100%取得しても、社員総会における議決権は社員1人につき1票のため、経営権の確保には社員構成の見直しが別途必要です。

承継スキーム 概要 課税関係 適用場面
①出資持分の譲渡持分を後継者に売却譲渡所得(所得税15%+住民税5%)第三者承継・M&A
②出資持分の相続・贈与持分を親族に移転相続税・贈与税親族内承継
③持分なしへの移行認定医療法人制度を利用贈与税の猶予・免除持分の評価額が膨らんだ法人
④事業譲渡事業資産・負債を個別に譲渡法人税(法人側)・所得税(個人側)一部事業の切り離し

詳しい法人化のメリット・デメリットや判断基準については、「医療法人化の損益分岐点|概算経費→法人成りのベストタイミングを徹底シミュレーション」で解説しています。

出資持分の相続税評価の特殊ルール

医療法人の出資持分の評価は、財産評価基本通達194-2に基づき、取引相場のない株式の評価に準じて行います。ただし、株式会社と異なる以下の特殊ルールがあります。

評価上のポイント 株式会社 医療法人
評価方式類似業種比準・純資産・配当還元類似業種比準・純資産のみ(配当還元は不可)
比準要素配当・利益・純資産の3要素利益・純資産の2要素のみ(配当禁止のため)
営業権の評価超過収益力として評価原則として評価しない
80%評価少数株主は80%評価可議決権平等のため80%評価不可
会社規模の判定業種により区分小売・サービス業として判定

💡 実務のポイント

医療法人は配当が禁止されているため、利益が内部に蓄積されやすく、出資持分の評価額が膨れ上がる傾向にあります。設立時の出資金が1,000万円でも、長年の経営で純資産が3億円になれば、出資持分の評価額も大幅に上昇します。事業承継を見据えて、理事長の退職金支給や設備投資による評価引下げ対策を計画的に行うことが重要です。

のれん(営業権)の税務上の取扱い【医療法人の特殊性】

のれん(営業権)は、事業の超過収益力を表す無形資産です。医療法人の承継・M&Aにおいて、のれんの取扱いは株式会社と大きく異なります。

出資持分の相続税評価では営業権を計上しない

相続税の財産評価において、医師・弁護士のように個人の技術や手腕に大きく依存する事業の超過収益力は、その個人の死亡とともに消滅すると考えられています。医師の集合体である医療法人の出資持分評価でも、営業権は評価しないのが実務上の取扱いです。

この取扱いは、医療法人の出資持分の相続税評価額を引き下げる効果があります。株式会社であれば営業権が加算されて評価額が高くなるところ、医療法人では加算されません。

事業譲渡・M&Aにおけるのれんの取扱い

一方、事業譲渡やM&Aの実務では、譲渡価格の交渉において営業権(のれん代)が加算されるケースがあります。M&Aにおける出資持分の評価では、時価純資産額に営業権を加算する方法が一般的です。

場面 のれんの取扱い 償却期間
相続税の出資持分評価原則として評価しない
出資持分の譲渡(M&A)時価純資産+営業権で譲渡価格を算定個別のれん計上はできない
事業譲渡資産調整勘定として計上可能5年(60ヶ月)均等償却
個人診療所の営業権譲渡総合譲渡所得として課税5年超保有は長期総合譲渡所得

事業譲渡のスキームでのれんを計上できれば、承継後に5年間で損金算入できるため、買い手側にとっては節税メリットがあります。一方、出資持分の譲渡スキームではのれんの個別計上ができないため、この節税効果は得られません。承継方法の選択にあたっては、売り手・買い手双方の税負担を総合的にシミュレーションすることが重要です。

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認定医療法人制度を活用した持分なしへの移行

出資持分の評価額が高額になり、親族内承継で相続税の負担が大きい場合、認定医療法人制度を利用して持分なし医療法人へ移行するスキームが注目されています。

認定医療法人制度の概要

持分あり医療法人が持分なし医療法人への移行を決定し、厚生労働大臣の認定を受けると、出資持分を放棄した際に他の出資者が得る持分に対する贈与税の納付が猶予されます。移行後6年が経過すると猶予された贈与税は免除されます。

📢 認定医療法人制度の期限

認定医療法人制度は令和8年(2026年)12月31日までの時限措置です。活用を検討する場合は早めに移行計画の策定と認定申請を進める必要があります。移行計画の策定から認定取得まで通常6ヶ月〜1年程度かかります。

移行のメリット・デメリット

項目 メリット デメリット
税負担贈与税の猶予→6年後免除出資持分の払戻請求権を喪失
相続対策持分に対する相続税が発生しない創業者利益を得る手段がなくなる
解散時残余財産は国等に帰属(出資者に分配されない)

実務では、理事長の退職金を持分なしへの移行前に支給して内部留保を圧縮し、移行後の法人価値を適正水準にする戦略が取られることが多いです。退職金の適正額の算定については専門家への相談が不可欠です。

なお、概算経費率(措法26条)を活用した個人開業医の節税策については「開業医の概算経費率と実額経費の有利不利判定」をご参照ください。

設備投資と事業承継を見据えた出資持分の評価引下げ戦略

高額な医療機器の設備投資は、事業承継対策の観点からも有効です。設備投資により法人の純資産が減少すれば、出資持分の評価額を引き下げる効果があるためです。

評価引下げに有効な施策一覧

施策 効果 注意点
高額医療機器の購入+特別償却純資産の減少+利益の圧縮事業に必要な投資であること
理事長退職金の支給純資産の大幅な減少功績倍率法で適正額を算定
含み損のある資産の売却帳簿価額と時価の差額を損失計上事業継続に支障がないか確認
役員報酬の見直し利益の圧縮定期同額給与の要件を遵守

ただし、純粋に評価引下げ目的の不要な設備投資は認められません。事業上の合理性がある投資であることが前提です。税務調査で「租税回避目的の行為」と認定されるリスクもあるため、設備投資計画と事業承継計画は一体として専門家と策定することをお勧めします。

MS法人を活用した節税策と税務調査での否認リスクについては「MS法人の活用と税務調査対策」で詳しく解説しています。

設備投資前のチェックリスト【5つの確認項目】

高額な医療機器を購入する前に、以下のチェックリストを確認してください。

確認項目 確認内容 確認先
①厚労省告示の指定品目か特別償却の対象機器に該当するか、指定日から2年以内か機器メーカー・厚労省告示
②取得価額の確認500万円以上か(消費税込み or 税抜きの判定基準確認)ディーラー見積書
③事業供用時期当期中に据付・使用開始できるか施工業者・納入スケジュール
④新品であること中古品は特別償却の対象外購入契約書
⑤申告書への記載別表16(特別償却の付表)の添付が必要顧問税理士

消費税の課税・非課税の判定や仕入税額控除の計算については「クリニックの消費税|保険診療と自由診療の課税・非課税判定と控除対象外消費税の会計処理」を参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

医療機器は中小企業投資促進税制の対象になりますか?
なりません。医療機器は耐用年数省令上「器具及び備品」に分類され、中小企業投資促進税制の対象資産である「機械及び装置」に該当しないためです。代わりに医療用機器等の特別償却(措法45条の2)の適用を検討してください。
医療用機器の特別償却は個人開業医でも使えますか?
はい、青色申告を行っている個人の医療保健業者も適用可能です。所得税の措法12条の2が根拠規定となります。法人と同じく取得価額500万円以上・新品・告示指定品目の要件を満たす必要があります。
リースで取得した医療機器にも特別償却は適用できますか?
所有権移転外ファイナンスリースの場合は特別償却の適用はできません。所有権移転リースであれば取得として扱われるため適用可能です。リース契約の形態を確認してください。
特別償却を適用できなかった場合、翌年に繰り越せますか?
はい、1年に限り翌事業年度への繰越しが認められます(措法52条の2)。ただし2年目以降への再繰越しはできないため、事業供用年度か翌年度のいずれかで必ず適用してください。
医療法人の出資持分の相続税評価で営業権は評価しますか?
原則として評価しません。医師のように個人の技術に依存する事業では、その個人の死亡とともに超過収益力が消滅すると考えられるためです。ただし、M&Aにおける譲渡価格の算定では営業権を加算するのが実務上一般的です。
のれん(営業権)の税務上の耐用年数は何年ですか?
税務上の資産調整勘定の償却期間は5年(60ヶ月均等償却)です。事業譲渡で取得した場合に限り損金算入が可能です。出資持分の譲渡では個別のれん計上はできません。
認定医療法人制度の期限はいつまでですか?
令和8年(2026年)12月31日までの時限措置です。持分あり医療法人が持分なしに移行する際、贈与税の猶予・免除を受けられます。移行計画の策定に半年〜1年かかるため、早急な検討が必要です。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 医療機器は「器具備品」に分類されるため、中小企業投資促進税制は適用できない
  • 医療用機器等の特別償却(措法45条の2)は取得価額500万円以上の新品が対象、12%の特別償却が可能
  • 中小企業経営強化税制は医療法人では実質的にソフトウェアのみが対象
  • 少額減価償却資産の特例は40万円未満(2026年4月〜)に引上げ済み
  • 出資持分の相続税評価では営業権を計上しない(医師の属人的超過収益力は消滅するため)
  • 高額設備投資は事業承継対策としても有効(純資産の減少→持分評価引下げ)
  • 認定医療法人制度は2026年12月末までの時限措置で、活用には早期の計画策定が必要

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