公認会計士 第47928号・税理士 第159175号・社会保険労務士 第13240067号・行政書士 第24061284号
年間100社以上の法人決算・会社設立・税務調査対応を支援。
「インボイスの登録申請はどうやるの?e-Taxと郵送どちらがいい?」とお悩みの経営者・個人事業主に向けて、登録申請の全手順・登録番号の確認方法・課税事業者と免税事業者の違い・取消し手続きまで完全ガイドします。この記事を読めば、申請から番号取得までスムーズに進められます。


「インボイスの登録申請はどうやるの?e-Taxと郵送どちらがいい?」とお悩みの経営者・個人事業主に向けて、登録申請の全手順・登録番号の確認方法・課税事業者と免税事業者の違い・取消し手続きまで完全ガイドします。この記事を読めば、申請から番号取得までスムーズに進められます。
🏆 結論:e-Taxでの申請がおすすめ。審査期間は約2〜3週間
適格請求書発行事業者の登録申請は、e-Tax(電子申請)と郵送の2通りの方法があります。e-Taxなら問答形式で入力でき、審査期間も約2〜3週間と郵送(約1〜1.5ヶ月)より短いためおすすめです。課税事業者は申請日に関わらず登録日が税務署の登録日、免税事業者は提出日から15日以降の希望日を指定できます。登録申請に手数料はかかりません。
適格請求書発行事業者の登録申請から登録番号の取得までは、全部で5つのステップです。
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 事前準備(必要書類の確認) | マイナンバーカード・利用者識別番号を用意 |
| 2 | 登録申請書の作成・提出 | e-Tax推奨。問答形式で入力漏れを防止 |
| 3 | 税務署による審査 | e-Tax:約2〜3週間 / 郵送:約1〜1.5ヶ月 |
| 4 | 登録通知の受領・番号の確認 | e-Tax:データで通知 / 郵送:書面で通知 |
| 5 | 取引先への通知・請求書の更新 | 登録番号を請求書・レシートに追加 |
インボイス制度の全体像については「インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは?仕組み・影響・対応を完全ガイド」をご覧ください。
登録申請を始める前に、以下の準備を整えましょう。
| 準備するもの | 補足 |
|---|---|
| マイナンバーカード | 電子証明書として使用。ICカードリーダーまたはスマホで読み取り |
| 利用者識別番号 | 未取得の場合はe-Taxの開始届出書で取得可能(即日) |
| インターネット接続環境 | PC:e-Taxソフト(WEB版) / スマホ:e-Taxソフト(SP版)※個人のみ |
郵送の場合は、国税庁のウェブサイトから「適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)」をダウンロードし、必要事項を記入して、納税地を管轄するインボイス登録センターに送付します。個人事業者の場合は本人確認書類の写しも同封が必要です。
参考: 国税庁「D1-64 適格請求書発行事業者の登録申請手続(国内事業者用)」
💡 実務のポイント
個人事業主がスマホから登録申請を行う場合、マイナポータルのアプリが必要です。あらかじめインストールしておくと手続きがスムーズに進みます。法人の場合はスマホ版(SP版)は使えませんので、PC版のe-Taxソフト(WEB版)を利用してください。
登録申請はe-Taxと郵送の2つの方法があります。以下の比較表を参考に、自社に合った方法を選んでください。
| 比較項目 | e-Tax(電子申請) | 郵送(書面申請) |
|---|---|---|
| 申請方法 | PC/スマホからオンラインで完結 | 申請書を印刷・記入して郵送 |
| 審査期間の目安 | 約2〜3週間 | 約1〜1.5ヶ月 |
| 通知方法 | e-Taxの通知書等一覧に電子データで格納 | 登録通知書を書面で郵送 |
| 入力支援 | 問答形式で入力漏れを防止 | 記入例を参照して手書き |
| 手数料 | 無料 | 無料(郵送費のみ自己負担) |
| 注意点 | マイナンバーカードが必要。法人はスマホ版不可 | 記入ミスがあると差し戻しで期間延長の可能性 |
e-Taxでの申請は以下の手順で進めます。e-Taxソフト(WEB版)にアクセスし、マイナンバーカードでログインします。メインメニューから「申請・納付手続を行う」を選択し、「適格請求書発行事業者の登録申請書(国内事業者用)」を選びます。画面に表示される質問に順番に回答していくことで申請書が自動作成されます。完成後に送信ボタンを押せば申請完了です。
国税庁のウェブサイトから申請書のExcelファイルまたはPDFをダウンロードし、記入例を参照しながら必要事項を記入します。記入済みの申請書を、納税地を管轄するインボイス登録センターに郵送します。送付先は国税庁のウェブサイトで確認できます。
登録申請書の提出後、税務署が審査を行い、問題がなければ登録が完了します。登録日の決まり方は、課税事業者と免税事業者で異なります。
| 事業者区分 | 登録日の決まり方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 課税事業者 | 税務署長が登録した日(申請日ではない) | 申請から登録までのタイムラグがある |
| 免税事業者(経過措置利用) | 提出日から15日以降で事業者が希望する日 | 登録日から課税事業者に。希望日の15日前までに申請が必要 |
| 免税事業者(翌課税期間から登録) | 登録を受けようとする課税期間の初日 | 課税期間の初日から15日前の日までに申請が必要 |
⚠️ 注意
免税事業者が登録を受けると、登録日から課税事業者となり、消費税の申告・納付義務が発生します。基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても、登録を受けている限り納税義務は免除されません。登録前に消費税の負担額を試算しておくことをおすすめします。
審査が完了すると登録番号が通知されます。登録番号の確認方法は3つあります。
| 確認方法 | 概要 | 用途 |
|---|---|---|
| e-Tax通知書等一覧 | e-Taxで申請した場合、電子データとして格納される | 自社の登録番号を最初に確認する際に使用 |
| 登録通知書(書面) | 郵送で申請した場合に書面で届く。原則再発行不可 | 紙で保管が必要な場合 |
| 国税庁 公表サイト | 登録番号・事業者名・登録日等を検索可能 | 取引先の登録番号の有効性を確認する際に使用 |
登録番号は法人の場合「T + 法人番号(13桁)」、個人事業者の場合「T + 固有番号(13桁)」で構成されます。個人事業者の番号にはマイナンバーは使用されず、ランダムな13桁の数字が割り当てられます。
国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトにアクセスし、登録番号または事業者名を入力して検索します。公表される情報は、法人の場合は名称・本店所在地・登録日・登録番号、個人事業者の場合は氏名・登録日・登録番号(住所は公表されません)です。
💡 実務のポイント
登録通知書は原則として再発行されません。e-Taxで申請してデータ通知を選択した場合は、e-Taxの通知書等一覧からいつでも確認できますが、郵送の場合は紛失すると登録番号を確認する手段が公表サイトのみになります。登録通知書を受領したら、コピーを取って保管しておくことをおすすめします。
登録番号を取得したら、取引先への通知と自社の請求書の更新を行います。
継続的な取引先には、登録番号を記載した案内文を送付するのが丁寧な対応です。請求書に登録番号を記載するだけでも法的には問題ありませんが、取引先によっては事前に請求書の管理マスターに登録番号を登録する必要があるため、早めに通知しておくとスムーズです。
既存の請求書に以下の3項目を追加すれば、適格請求書の要件を満たします。
| 追加項目 | 記載例 |
|---|---|
| 登録番号 | T1234567890123 |
| 適用税率 | 10%対象 / 8%対象(軽減税率) |
| 税率ごとに区分した消費税額等 | 10%対象 消費税額 ○○円 / 8%対象 消費税額 ○○円 |
登録を受けると、国税庁の公表サイトに事業者の情報が掲載されます。公表される情報は法人と個人で異なります。
| 公表項目 | 法人 | 個人 |
|---|---|---|
| 氏名または名称 | ⭕ | ⭕ |
| 登録番号 | ⭕ | ⭕ |
| 登録日 | ⭕ | ⭕ |
| 本店所在地 | ⭕ | ❌(住所は非公表) |
| 主たる屋号 | — | ⭕(申出により公表可能) |
| 主たる事務所の所在地 | — | ⭕(申出により公表可能) |
個人事業者で屋号や事務所の所在地の公表を希望する場合は、別途「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」の提出が必要です。
フリーランス・個人事業主のインボイス対応全般は「フリーランス・個人事業主のインボイス対応|登録すべき?判断基準とメリット・デメリット」で詳しく解説しています。
登録を取り消したい場合や、登録事項に変更があった場合の手続きを整理します。
「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める届出書」を提出することで、翌課税期間の初日から登録の効力がなくなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 届出書の名称 | 適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める届出書 |
| 提出期限 | 効力を失わせたい課税期間の初日から30日前の日まで |
| 効力の発生 | 届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間の初日 |
| 制限事項 | 免税事業者が経過措置で登録した場合、登録日から2年間は取消し不可 |
🧮 取消しのスケジュール例
3月決算法人が2027年4月1日から取消しを希望する場合:2027年3月2日まで(初日4/1の30日前)に届出書を提出する必要があります。3月2日を過ぎると、取消しの効力は2028年4月1日からとなります。
新しく事業を始める場合は、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)の提出とインボイスの登録申請を同時期に行うのが効率的です。e-Taxを利用すれば、開業届とインボイス登録申請を同日に完了させることも可能です。
💡 実務のポイント
開業届を提出していない状態でインボイスの登録申請を行うと、税務署側で「事業者としての実態」が確認できず、審査に時間がかかるケースがあります。先に開業届を提出し、その後にインボイスの登録申請を行うのが最もスムーズな手順です。
消費税の基本的なしくみは「消費税のしくみと基礎知識」、簡易課税制度については「簡易課税制度のしくみ」で解説しています。
登録申請の実務で起きやすいミスを5つ挙げます。
| よくあるミス | 影響 | 対策 |
|---|---|---|
| 事業者区分(法人/個人)の選択ミス | 差し戻し・再提出で期間延長 | e-Taxの問答形式なら自動判定されるためミスが起きにくい |
| 納税地と申請先の不一致 | 別のインボイス登録センターに送付してしまう | 国税庁サイトで管轄センターを事前に確認 |
| 免税事業者なのに登録希望日を記載しない | 登録日が不明確になり確認の連絡が入る | 免税事業者は登録希望日を必ず記入 |
| 登録通知書を紛失 | 原則再発行不可。番号確認手段が公表サイトのみに | e-Taxで申請してデータ通知を選択するのが安全 |
| 消費税の納税義務が発生することを認識していない | 申告期限に気づかず無申告加算税のリスク | 登録前に税理士に相談し、納税額を試算 |
📋 この記事のポイント